Part9
778 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/09(金) 14:40:46.43 ID:
n6Fci5/60
―――城内
町娘「・・・なんっつーか・・・、我が国の将来が本当に心配だよ・・・」
勇者「あん?あれで結構強ぇ奴らなんだよ」
町娘「嘘だぁ・・・、警備だるっだるじゃねーか・・・」
魔王「いますんなり魔人が入ってますけど・・・」
勇者「皆、姫のこと大好きだかんなー。親馬鹿なんだよ、皆して」
姫様「―――おい、勇者てめぇ置いてく・・・。よぉ!お疲れ!え?ばっ、撫でんな!」
姫様「・・・ったく。おーい、置いてくな・・・、あん?ばっ、ちょ、肩車とかいーから高ぇ!?」
町娘「・・・ふーん。幸せそうだな」
勇者「あーいう人望あっからな、あいつは。皆に愛されてんだよ」
姫様「・・・ぜぇ、ぜぇ、てめぇ、勇者・・・」
勇者「お疲れさん」ポンポン
780 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/09(金) 14:46:24.68 ID:
n6Fci5/60
姫様「あー、んじゃ、とりあえず部屋、案内、すっから」
勇者「おう」グリグリ
姫様「それから、謁見許可、とって、父上に・・・撫でんなっつの!長ぇよ!」
勇者「悪ぃ悪ぃ」
町娘「・・・なんだかんだ妬いてんのか・・・」ボソッ
魔王「微笑ましいというかなんというか」
姫様「分かったな?んじゃ、ついてこーい!」
勇者「どーせ、謁見もなにもねーからな。すぐ会えんだろ」
魔王「・・・いよいよ、か」
町娘「・・・緊張してんのか?」
魔王「そりゃあね。でも・・・、うん。大丈夫、がんばる」
町娘「おう、がんばれ」
781 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/09(金) 14:56:43.96 ID:
n6Fci5/60
―――姫様の部屋
町娘「・・・おー、意外に片付けてんだな」
姫様「ふっふーん。部屋も美しくないとな!姫だから!!」
勇者「そいつの片付け方って、見えねーとこに押し込むだけだからクローゼットとか酷ぇぞ」
町娘「・・・うわ、マジだ」ガチャリ
姫様「うぉい!?開けんなバカ!!部屋漁んな!!」
町娘「えっ、うぇー?お前こんな下着履くの・・・?うおー」
勇者「結構阿呆な下着ばっかりでよ、油断するとその辺に脱ぎ捨てとくからなぁ」
魔王「・・・・・・・・・」
姫様「おいこらバカ共!男居んのに下着なんか広げてんじゃねーよやめてっ!!」
785 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/09(金) 15:05:36.20 ID:
n6Fci5/60
姫様「・・・お前ら、私の居ない間になんかしたら、禁断のプリンセス・ナックル出るからな」
町娘「う〜ぃ」
勇者「承知ー」
魔王「よ、よろしく」
姫様「前二人!ぜってーなんかするだろ!やめろよ!?漁んなよ!?」
町娘「しないしない」
勇者「めっそうもない」
姫様「くっ・・・。じゃあ、私は謁見許可取って父上んとこ行って来るから・・・」
・・・バタン
町娘「・・・いよーっし!!ベッド180度回転させよーぜーっ!!」
魔王「えーっ!?なんでいきなりそんな地味な嫌がらせすんの!?」
勇者「だってお前・・・、自分の部屋に帰ってきて北枕になってたら、ぷっ、おもしれーだろ」
魔王「なんで君もノリノリなの!?」
町娘「おら魔王早くそっちの脚持て!あんのエロ姫に仕返ししたるぜきゃっほぅ!!」
788 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/09(金) 15:16:25.77 ID:
n6Fci5/60
ガコガコガコン
町娘「これ・・・、リアクション楽しみだわ」
勇者「あれな、部屋に一人のときに気づくのが理想なんだが・・・」
魔王「・・・いや、いくらなんでもすぐ気づくんじゃ・・・」
勇者「だって、一人じゃベッド直せねーからどうしようもなくて、我慢してこのまま寝るとか・・・」
魔王「なんでこんなときだけ無邪気な顔するんだ君は!?」
町娘「これ・・・、枕の下に、父親の写真いれてやろーぜ」
勇者「ぶふっ・・・、おー、アルバム、確かこっちだから・・・」ガサゴソ
魔王「なんだその連帯感・・・」
町娘「だってお前、あの年頃の娘が、パパの写真枕の下にいれてんだぞ・・・?」
勇者「ベッドメイクしにきたメイドにバレて噂が・・・、ぶっ、面白すぎ・・・」
魔王「イタズラで君はそこまで無邪気に笑う人間になれるのか!」
ガチャ
姫様「ただいま〜、なんかすぐ許可取れた・・・って私の枕が北向いてる!!!???」
793 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/09(金) 15:23:24.91 ID:
n6Fci5/60
町娘「―――なんか、羽目を外したかったっていうか・・・」
勇者「・・・先に言い出したのは、コイツでした」
町娘「なっ・・・!一番ノリノリだったのはおめーだろ!?」
勇者「そ・・・、そんなこと、ねぇよ」
町娘「はいはいはーい!コイツ姫様のアルバム漁ってましたー!!」
勇者「ばっ、お前!よけーなことチクんな!」
魔王「・・・醜い・・・。ぼ、僕は止めたんですけど・・・」
町娘「あーっ、そーやって一人だけ逃げんのかてめーは!」
勇者「自分だけ助かろーったってそうはいかねーぞ!おめーもベッド動かしただろーが!」
魔王「い、言われたことやっただけじゃん!」
姫様「・・・プリンセス・ナックル・・・!!」ヒュンッ
町娘「おぐぅ!?」ドゴォ
勇者「ぐはっ」ズドムッ
魔王「えべっ!!なんでぼぐまれ・・・」ゴトン
796 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/09(金) 15:31:13.05 ID:
n6Fci5/60
姫様「・・・とーにーかーくー!これから父上んとこそっこーで行けるから」
町娘「・・・りょ、了解です・・・」
姫様「ったく、人が働いてる隙に・・・」
勇者「・・・んで、どこ行きゃいいんだ、いつもんとこか?」
姫様「んー?いや、そこじゃなくて一つしたの広間で良いかって言われた」
勇者「ふーん、そんなとこあんのか」
姫様「あの部屋で五人は窮屈なんじゃね?まーいーっしょ、行くよー」
勇者「窮屈ってお前・・・、あんな広ぇ部屋・・・。金持ちの感覚は分かんね・・・」
魔王「・・・いよいよ、かぁ」
町娘「・・・おう、がんばろーぜ」
町娘「あたしも、たった二晩だけどよ、おめーと一緒に居たし、少しは・・・」
町娘「・・・うん。いいとこ、言えっと思うからよ」
魔王「・・・うん。よろしく頼むよ」
魔王「がんばろう、一緒に」
800 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/09(金) 15:44:05.62 ID:
n6Fci5/60
―――謁見部屋
王様「・・・おう、帰ったか。お帰り」
勇者「・・・うーっす」
姫様「ただいまー」
王様「どーだった?危険な魔王だったか?」
姫様「あー・・・、そこも含めて、ちっとお願いがあるんだけど・・・」
王様「どした、改まって。・・・んで、そちらの二人は始めまして」
町娘「は、始めまして・・・」
魔王「ははは始めまして」
王様「固くなんなよ。俺も、ただの人間だからな。王だけど」
町娘「・・・やっぱこう、なんかユルいんだよな・・・」ボソッ
魔王「ま、まぁ、予想はしてたけど・・・」ボソボソ
802 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/09(金) 15:50:39.40 ID:
n6Fci5/60
王様「んで、この二人がなんなんだ?新しい友達?」
姫様「ま、そんなとこ」
王様「そーか。友達が多いってのは、いいことだな。どこの子らだ」
町娘「えっと・・・」
勇者「・・・そっちの娘は、アレだ。例の・・・」
王様「・・・まさか、攫われた娘か?」
町娘「・・・ん」コクン
王様「おー、そーかそーか!良かった、生きてたのか!いやー、気の毒だったな今回は」
魔王「・・・・・・・・・」
王様「へぇ、そーか。ふーん・・・。んで、そっちが・・・」
勇者「・・・こいつは・・・」
王様「・・・今回の『魔王』、ってわけか」
町娘「―――ッ!?」
806 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/09(金) 15:57:32.13 ID:
n6Fci5/60
勇者「っ・・・」
姫様「なっ・・・、なんで・・・!」
勇者「バカッ・・・」
姫様「あ・・・」
王様「・・・ったく、ガキ共がコソコソコソコソなにしてやがるかと思ったら・・・」
魔王「・・・・・・・・・」グッ
王様「・・・始めまして、『魔王』。あんま王を舐めんな」
王様「『王』ってのは、こうでなくちゃならなぇよなぁ」
姫様「・・・待ってください、父上、これは・・・!」
王様「どうやったかわかんねぇけど、上手く魔力を隠してるみてぇだな・・・」
王様「・・・でも、俺には無意味。国の中のことなんて、全部丸分かりだ」
王様「・・・王だからな、俺は」
町娘「・・・てめぇ・・・」ギリッ
811 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/09(金) 16:05:57.62 ID:
n6Fci5/60
魔王「・・・今回は」
王様「あん?」
魔王「今回は、あなたにお願いがあって来ました」
姫様「魔王っ・・・」
勇者「・・・・・・・・・」
魔王「まず・・・、未遂とはいえ、あなたの娘さんの誘拐を企てていたことを、謝ります」
王様「・・・バーカ、結局『俺の国民』に手ぇ出してんだ、そっちも謝れ」
町娘「・・・っ」
魔王「・・・それも、謝ります。すみませんでした」スッ
王様「・・・ほぅ、なかなか殊勝なやつじゃねーか」
王様「んで?お願いってのは?金か、女か」
町娘「・・・違うっ!こいつは、そんな奴じゃ・・・!」
勇者「黙ってろ、お前が喋るところじゃねー」
王様「・・・そこで、被害者が憤るなんてなぁ。どーたらし込んだんだか、魔人が」
814 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/09(金) 16:11:41.95 ID:
n6Fci5/60
王様の一人称が「わし」から「俺」になっちゃったけど気にしないでね・・・!
町娘「・・・くっ」ギュウッ
勇者「・・・相手の動揺さそうのなんか、よくあることだ。我慢しとけ」ボソッ
町娘「分かってっけど・・・、そんなのって・・・!」
姫様「父上・・・」
魔王「・・・たらし込んだなんて、とんでもありません」
魔王「彼女には・・・、彼女達には、話を聞いてもらっただけです」
王様「へぇ、『どこまでが本当の話』を?」
魔王「・・・っ。・・・すべて、本当の、話です」
王様「・・・なるほど。んじゃ、その話ってのが、魔王様直々にしに来たお願いってか?」
魔王「その通りです」
王様「んー、なるほどなるほど。分かった、聞こうじゃねーか」
町娘「・・・魔王・・・」
魔王「・・・大丈夫」
818 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/09(金) 16:18:51.89 ID:
n6Fci5/60
魔王「・・・この国から、少し進んだところに、『村』があります」
王様「ふーん?初耳だな」
魔王「とある理由で、存在を知らせることが出来なかったのです」
王様「理由?大層な理由なのか」
魔王「・・・その村に住む住人は、すべて、『魔人』なのです」
王様「・・・!魔人が、村を作った・・・?」
魔王「・・・ええ。僕・・・私は、そこの代表として、この場に来ました」
王様「魔人が村・・・。魔人ってのは、どいつもこいつもテメェのことしか考えないやつだが」
魔王「確かにそうですが・・・、でも、私を始めとした住人達は、少し違います」
王様「違う、ね」
魔王「はい。少しずつではありますが・・・」
魔王「・・・皆、他人を思いやる感情が、芽生えて来ているのです」
王様「・・・ほぅ、魔人が、ねぇ・・・」
819 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/09(金) 16:21:52.07 ID:+eZIZ3DeO
今からバイトなので、保守お願いします(´;ω;`)
820 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/09(金) 16:22:50.71 ID:DA3Au6nCO
>>819
1000落ちすんぞ
821 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/09(金) 16:23:12.94 ID:
n6Fci5/60
姫様「・・・ち、父上!」
王様「・・・んだよ」
姫様「私と勇者は、こいつや、他の魔人を見てきました!」
姫様「そいつらは、えーっと・・・、上手く、言えないけど・・・」
姫様「・・・私達と変わらない、フツーの、気のいい奴らでした!」
王様「・・・勇者、おめーの意見も、一緒か」
勇者「・・・ああ」
勇者「俺は今まで、そりゃもう阿呆みてーに、魔人も魔物も斬ってきた」
王様「・・・・・・・・・」
勇者「・・・そんな俺が言うんだ」
勇者「どんくらいこいつらが、『悪』じゃねーかってことぐらい、分かるだろ?」
勇者「自称、策士様よ」
王様「・・・っけ、相変わらず、口の減らねぇ奴だなぁ・・・」
825 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/09(金) 16:27:52.46 ID:
n6Fci5/60
王様「・・・んで、そっちの、被害者」
町娘「・・・!お、おう」
王様「お前は、一番長くコイツら魔人と一緒にいたわけだが・・・」
町娘「・・・・・・・・・」
王様「・・・どうだった、恨みはねーか。ひでーことされて、殺したくはなんなかったか?」
町娘「・・・あたしは・・・」
町娘「・・・あたしは、こんな悪ぃ育ちだから・・・、敬語なんて使えねぇし・・・」
町娘「・・・言うこと全部が、信じて貰えるなんて、思わねぇけどよぉ・・・」
勇者「・・・・・・・・・」
姫様「・・・お前・・・」
魔王「・・・・・・・・・」
町娘「でも・・・、でも、こいつらは・・・」
町娘「・・・こいつらは、良い奴らなんだよぉ・・・」ポロポロ
833 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/09(金) 16:38:36.89 ID:
n6Fci5/60
―――あ、僕も一本もらって良い?
町娘「・・・コイツと吸ったたばこは旨かったし・・・」
―――ほら、カンパーイ!
か、かんぱーい
カツン
町娘「コイツと飲んだ酒は、旨かったよ・・・!」
―――せっかくご馳走用意してんのに!
町娘「・・・飯は不味ぃし、カレーはなぜか冷てぇけど・・・」
―――こ、この体制だと、僕はずっと座ってなきゃならないんじゃ・・・
町娘「・・・コイツの膝枕は・・・、とんでもなく、あったかかったよ・・・!」ポロポロ
魔王「・・・・・・・・・」
町娘「一緒じゃねぇか・・・。あたしらと、なんも変わらねぇよ・・・」
町娘「・・・だから、だからそれを・・・」
町娘「・・・まるで、ツマむみてーに、扱うの、やめてくれよ・・・」グスッ
835 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/09(金) 16:40:38.08 ID:
n6Fci5/60
町娘「コイツらは・・・、コイツは、ヘタレでな・・・」
町娘「肝心なことなんもいわねーで、ウジウジしてる奴だよ・・・」グスッ
町娘「・・・でも、それだけなんだよ・・・」
町娘「あたしと、一緒なんだよ・・・」ポロポロ
町娘「・・・あたしは、そんな、コイツが―――」
―――君が居れば、がんばれるから
町娘「・・・大っ好きなんだよぉぉぉぉぉ・・・!!」
837 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/09(金) 16:42:33.02 ID:z/b5YYb50
会社で読んでいるんだから
泣かすなよ…
あわてて目薬さしたじゃねーか
839 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/09(金) 16:42:58.88 ID:szjozVsOO
仕事場で…我慢出来なんだ…
(´;ω;`)泣かせんな
841 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/09(金) 16:43:23.14 ID:CtK2G9gK0
>>839>>837 結婚だな
844 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/09(金) 16:46:41.26 ID:
n6Fci5/60
姫様「・・・っ」
勇者「・・・へっ」
魔王「・・・!!」
王様「・・・・・・・・・」
町娘「・・・認めてやって、くれよ、えぐっ、一緒なんだ、こいつらは・・・」ヒック
魔王「・・・お、落ち着いて、ね?な、泣かなくて大丈夫だから・・・」
町娘「・・・元はといえば、うぅ、てめーが、しっかり、しねー、から・・・」グスッ
魔王「え、あ、うん!そ、そうだね、ご、ごめん、本当、ごめん・・・」
町娘「謝んなばかぁぁぁ!魔王だろぉぉぉぉ・・・」グスグス
魔王「ご、ごめ・・・、あっ!違っ、うん、泣き止んで!ね?鼻かんで・・・」オロオロ
姫様「・・・あー、父上、女の子泣ーかした」
勇者「いーけないんだー、いけないんだー」
王様「・・・お、俺のせいか、これは・・・」
846 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/09(金) 16:53:02.72 ID:
n6Fci5/60
町娘「・・・っ!〜〜っ!!」バシンッ
魔王「えっと、痛っ!ど、どうすれば・・・、えっと!それで、痛、交渉というのはですね・・・!」
王様「・・・あー、なんか、いいよ、うん、もう。そっち介抱したれ」
魔王「えっ・・・」
王様「・・・腹の探りあいしてた俺がバカみてー・・・、あー、勇者、おめー酒買って来いよ」
勇者「あぁ・・・?んで俺が買ってこねーといけねーんだよ」
姫様「とりあえず父上、謝れよ」
王様「おめー、緊張が解けた瞬間強気になりやがって・・・」
魔王「な、なにがどーなって・・・」
王様「おい、娘さん」
町娘「えうっ・・・?」グスン
王様「なんか、すいませんでした」
魔王「頭下げたーっ!?な、なにしてんですか!?」
王様「あ?だって俺が泣かせちゃったし・・・」
851 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/09(金) 17:01:54.97 ID:
n6Fci5/60
王様「意地悪、しすぎちゃったな」
町娘「・・・?いじわりゅ・・・?」グスッ
王様「俺ぁ天邪鬼だからよ、コイツらがなんかしてこねーか、そこに兵集めてよぉ」
王様「んで、さっさとボロ出すように、おちょくってたんだが・・・」
町娘「・・・・・・・・・」
魔王「・・・・・・・・・」
王様「ところがどっこい、そうじゃなかった」
王様「村が出来たって?魔人が?そりゃ、すげーことだよ」
王様「まだ半信半疑だし、いろいろまだわけわかんねーけどな・・・」
王様「・・・とりあえず、さっきのは早とちりだ」
町娘「・・・・・・・・・」
王様「・・・誰もが許す、必殺のキング・謝罪・・・」
王様「・・・ごめんなちゃい☆」
町娘「・・・・・・・・・」ブチィ
857 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/09(金) 17:06:51.73 ID:
n6Fci5/60
勇者「あっ・・・」
姫様「あちゃー」
魔王「・・・!」
町娘「・・・・・・・・・」スクッ
王様「・・・あれ?足りねーかな?んーと後は・・・」
町娘「・・・テメーが・・・」ゴゴゴゴゴ
王様「ん?」
町娘「・・・テメーが酒買って来いやぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」バチーン!
王様「ぐっへぇっ!?良いキック持ってんじゃねーか・・・!」ゴロゴロズシャーン!
勇者「・・・うおーう、蹴ったよ。一国の王を・・・」
姫様「・・・いや、ありゃ父上が悪いよ、うん。私でも蹴ってるわ」
町娘「死にてぇのかぁぁぁぁ!!!」
王様「ひぃ!死にたくは無い!安心して老後を過ごしたい!!」
866 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/09(金) 17:12:41.37 ID:
n6Fci5/60
姫様「父上、ほら、財布。あとで返してね」ヒョイッ
王様「かたじけねぇ・・・!」パシッ
魔王「ほ、ほんとにいくんですか・・・!?」
王様「男にゃよぉ・・・、償わなけりゃならねぇ時があんだよ・・・!」
魔王「・・・。いや、かっこよくない。ちょっと考えたけどかっこよくない」
王様「全員チューハイでいいかっ!?」
町娘「ビールだッ!!」
姫様「ワインー」
勇者「芋焼酎」
王様「おめーら下戸の癖にシャレたもん飲もうとしてんじゃねーよ!」
町娘「・・・うるせぇ!!早く行って来い!!」
王様「ガッテン!」ダッダッダ・・・
魔王「・・・あ、嵐のような人だ・・・」
勇者「あんなんでも王様にゃなれんだよ」
869 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/09(金) 17:18:09.61 ID:
n6Fci5/60
女兵士「―――あれ?王様?こ、こんな時間にどこ行くんですか・・・!」
王様「罪滅ぼし!」
兵士「財布だけ持ってちょっとコンビニみたいに、ってえぇ!?コンビニ行くんすか!?」
王様「悪ぃかよ!」
兵士「悪ぃだろ!!あんた一国の王様ですよ!?」
女兵士「・・・つーか召集かかってましたけど・・・」
王様「そーだよ、集まっとけ。もう門閉めていいから・・・」
王様「あっ。俺が帰って来れねーから、鍵開けといてね」
兵士「んな無茶な・・・。っていうか、なんの召集なんすか?会議っすか?」
王様「あぁ?んなもん、決まってんだろ・・・」
王様「・・・酒盛りだよ」ニヤリッ
874 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/09(金) 17:23:35.56 ID:
n6Fci5/60
―――王の間
王様「・・・はっはっはっは!もっと飲めよ、おい!」
魔王「・・・は、はぁ」
勇者「うるせーだろ、絡み酒。すぐこーだからよ、めんどくせーんだ」
兵士「・・・いや、あんた人のこと言えないだろ・・・」
女兵士「・・・んー、姫様ほんっと可愛い・・・!部屋に連れ帰っていいですかぁ・・・?」
姫様「ちょ、ばっか、こぼれる・・・、な、で、ん、な、バカ!胸でけーんだよバーカ!!」
女兵士「照れちゃってもう・・・!やっぱつれてかえろー、いいですかぁ?」
王様「いいよ」
姫様「ちょ、許可んな!待て!連れていかれる・・・!」
町娘「・・・・・・・・・」ゴクゴク
町娘「・・・ぷはぁ〜・・・」
879 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/09(金) 17:29:18.35 ID:
n6Fci5/60
王様「・・・お、そうそう。完全に出来上がる前に言っとくけどよ」
魔王「は、はい」
王様「・・・なんだっけ?『村を国として認めろ』だっけ?」
魔王「はい、一応・・・、それが、理想ですけど・・・」
王様「んーなぁ、やっぱさすがに、国は無理かなぁ」
姫様「・・・っ!父上っ!今更そんな・・・!」
王様「あーあー、話は最後まで聞けよ。『国』はな、『国』は」
魔王「・・・って、いうと・・・」
王様「・・・ああ、村として引き込んじまおうぜ。俺の国だ、構わねぇよ」
姫様「・・・ぃよしっ!!」
勇者「・・・おー」
魔王「・・・僕の村を・・・、この国に・・・?」
町娘「・・・!」
883 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/09(金) 17:34:20.36 ID:
n6Fci5/60
王様「・・・ただし、条件付だ」ピッ!
魔王「・・・!」
王様「・・・残念だけどよ、俺はまだ、魔人ってやつを、完全に信用しちゃいねぇ」
王様「年寄りの戯言程度に聞き流してくれていーけどよ」
王様「・・・俺も、魔人に殺された人間を、見てきたからな」
魔王「・・・っ」
王様「・・・そんな顔すんなよ。おめーを責めてるわけじゃねぇ。ただよ・・・」
姫様「・・・・・・・・・」
王様「・・・やっぱ、溝はそう簡単に埋まんねぇよ。そうだろ?」
魔王「・・・はい」
王様「んだからよ。お宅らにはちょっと窮屈かもしれねーが、条件をつけてさせてもらう」
王様「・・・いいか?」
魔王「・・・はい、もちろん」
884 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/09(金) 17:35:08.44 ID:aVSSA4ceO
これほど支援しててよかったと思うことはない
886 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/09(金) 17:36:49.08 ID:zNmg0YZX0
仕事終わったら酒とチーカマ買って帰ろう