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魔王「間違えた…」
Part4


246 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/08(木) 01:46:31.50 ID:drur1Yid0
町娘「ちがっ・・・!元はといえばこいつが・・・!」
魔王「ちょ!違う、絶対君からだった!」
町娘「な、あ、あたしがんなことすっかぁ!適当いうなぁ!」ゲシッ
魔王「いったい!違う!絶対あの空気は違う!」
町娘「あ、あれは暇すぎて・・・!で、でもあたしはかんけーねぇ!!」
魔王「関係なくはないでしょ!?だってあんなこと言われたら」
町娘「聞こえねぇ!なんも聞こえねぇぞ!うっせぇんだよハゲ!エロハゲ!」ゲシッゲシッ
魔王「痛、痛い痛い!足癖悪いんだよ本当に!!」
姫様「・・・雑魚どもが言ってたパシリ疑惑って・・・」

247 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/08(木) 01:50:35.60 ID:drur1Yid0
町娘「と、とにかく!違うんすからね!」
魔王「そう!違う!違う!」
姫様「あー、もう分かったよ。・・・酒の缶とか落ちてっし・・・」
町娘「うっ・・・、い、いろいろあってなー」
姫様「・・・で、この子連れ帰って構わないんでしょ?」
魔王「そりゃあもう、願ったり叶ったりで・・・」
町娘「え・・・」
魔王「・・・え?」
姫様「・・・・・・・・」
魔王「・・・ほ、ほらそういうの!なんなの!?何がお望みなの!?」
町娘「・・・ば、なんでもねーよ・・・、あーあー!やっと帰れるなー!わーい!!」

249 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/08(木) 01:55:13.36 ID:drur1Yid0
魔王「わーい、とか使う人だったっけ!?」
町娘「うるせぇ!う、うれしいから、言っちまったんだろー」
魔王「じ、じゃあ、帰れるのが、うれしいんだね」
町娘「う・・・、う、う、うれしいさ、当たり前だろ・・・」
魔王「そうだね、そりゃ、当たり前だね」
町娘「・・・っ!さ、さっさと帰りましょー・・・」
姫様「なんだかなぁ」
魔王「に、二度とくんなよー!」
町娘「・・・だ、だれが来るかハゲ!た、頼まれても、来てやんねーから・・・」

250 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/08(木) 01:58:49.84 ID:Vj108HGZO
支援

251 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/08(木) 02:02:14.10 ID:drur1Yid0
姫様「おい、引き止めたほうがいーんじゃないん?」
魔王「そ、そんなわけないでしょうに」
町娘「ひ、姫様。早く行こーぜ」
魔王「そ、その!」
町娘「な、なんだよ。まだなんかあんのかよ、魔王」
魔王「もう少し、待―――」
勇者「―――はい到着」
ドンガラガッシャーン!
町娘「ひぇっ!?」
魔王「べふぅっ・・・!」
姫様「おー」
ゴロゴロゴロズガシャーン!!!

252 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/08(木) 02:03:37.85 ID:sL9CM61I0
4円

253 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/08(木) 02:03:56.62 ID:Vj108HGZO
なんというタイミング

254 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/08(木) 02:06:28.13 ID:m36tv7ff0
あ〜あ

255 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/08(木) 02:08:01.78 ID:drur1Yid0
勇者「着地もばっちり。流石俺、勇者の名は伊達じゃない」スタン
勇者「コレが俺とお前の差だな、姫。後先考えねーで突っ込んでんじゃねーよタコ」
姫様「結局お前も飛び込んでんじゃん」
勇者「あー?探したんだけどいい道無くてなー」
勇者「紐もないし、ツタ使って下るのめんどくさいし、仕方なくだっつーの」
町娘「つ、次から次へと・・・」
勇者「人間・・・?おー、お前もしかして攫われた娘?生きてんじゃん、ラッキー」
姫様「さっき確認した。怪我とかもしてないっぽい」
勇者「おーおー、良かったじゃねーか。さーて、んじゃ本命の・・・」
勇者「・・・魔王ってのは、どこだよ」
魔王「―――」
姫様「・・・そこだ、勇者殿」クイッ
勇者「・・・はぁ?嘘だろ?コレ?」

256 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/08(木) 02:17:18.54 ID:drur1Yid0
勇者「マジで?流石俺、すごい命中率」
町娘「凄いデジャヴ・・・」
勇者「んー、おいこら魔王、起きろや」ゲシッ
魔王「ぐはっ・・・!もうなにがなんだか・・・!」
勇者「関係ねーやつ巻き込んで・・・、えー、なんだったか」
勇者「・・・とにかく、ぶっ飛ばすぜ」
魔王「ちゃんと言おうよ!かっこよくない、ってげぇ!?今度は勇者か!!」
姫様「もうそれ私やったから大丈夫」
勇者「マジで?でもここまできたらしっかり・・・」
姫様「どうやら殺す必要もないっぽい」
勇者「あん?危険じゃねーって?」
町娘「危険かどうかはわかんねーけど、少なくともあたしは殺そうとしないし・・・」
勇者「ふーん」

258 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/08(木) 02:22:14.05 ID:drur1Yid0
姫様「これから帰ろうとしてたとこだし」
勇者「とんでもなくユルな・・・。んでもやっぱ、間に合ってよかった」
町娘「間に合う?」
勇者「てめーらだけじゃ、話が中途半端に終わっちまうってことだよ」
勇者「・・・おい魔王。てめーの目的はなんだ」
魔王「!」
勇者「若い娘攫って、乳くりあうのが目的じゃねーんだろ?そもそもの的は姫だしな」
勇者「じゃあ、一体なんだよ。そこがわかんねーと、いつまでたってもてめーは危険だ」
勇者「危険分子は抹殺。それが俺の、仕事だからな。めんどくせーけど」
姫様「・・・・・・・・・」
町娘「そういや・・・、聞いてなかったな・・・」
魔王「・・・・・・・・・」

259 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/08(木) 02:29:20.49 ID:drur1Yid0
勇者「答えろよ、魔王。この場で叩き切っても構わねーんだぜ」
町娘「ちょ・・・、待てよ!」
勇者「あん?」
町娘「あ、あたしが死んでねーんだから別にいーだろ!解決じゃねーか!!」
勇者「ああそーだ。解決だ、この事件は」
勇者「『不幸な町娘が攫われた事件』は、コレで解決、めでたしめでたし」
町娘「なっ・・・!」
勇者「じゃあ、その後は?おめーは巻き込まれただけだ」
勇者「その後・・・、『本命』のほうは、これからどーなんだよ」
勇者「帰って、おめーの知らねーとこで姫が攫われねーって保障がどこにあんだよ」
町娘「・・・ッ」

261 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/08(木) 02:34:27.76 ID:drur1Yid0
姫様「おい勇者。私なら別に構わないんだぞ。負ける気もしないし」
勇者「んだからおめーはノーテンキなんだよタコ」
勇者「また起こったらどうする。おめーじゃねーやつが巻き込まれたらどうする」
姫様「それは・・・」
勇者「今回がたまたまラッキーで、次は違うかも知んねー」
勇者「もしかしたら、今回以上にひでぇかもな。人が死なねー今回が、極上のラッキーだ」
姫様「・・・・・・・・・」
町娘「・・・・・・・・・」
勇者「『たまたま』、『もしかしたら』。んな不確実なもん求めてどーすんだよ」
勇者「これからめんどくせーことが増えんなら、ここらでサックリ終わしておこうぜ」
勇者「どーすんだよ、あ?」
勇者「魔王」

263 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/08(木) 02:42:07.27 ID:drur1Yid0
魔王「・・・どこから説明すればいいのか」
勇者「全部だ、一から十まで。零つけてもバチあたんねーぞ」
魔王「それじゃ、結構長い話になると思うけど」
勇者「出し惜しみすんな。焦らしなんざ求めちゃいねーんだよ」
魔王「手厳しいな」
町娘「お、おい、てめぇ・・・」
魔王「・・・今回は、本当に悪かったね、巻き込んで」
町娘「っ!んなこといってる場合じゃねーだろ!?」
魔王「そうだけど・・・、でもやっぱり、一番の被害者は君なんだから」
町娘「てめ・・・」
魔王「本当に、ごめん」
町娘「・・・・・・!」

264 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/08(木) 02:48:08.31 ID:drur1Yid0
勇者「へぇ、らしくねー魔王だな」
勇者「今まで『魔王』を名乗ってたやつらは、クソみてーに自分勝手なやつらだったのに」
魔王「はは、自分でもそう思うよ」
魔王「そもそも僕は、『魔王』なんて名乗るほどのもんじゃないから」
町娘「・・・・・・・・・」
勇者「ふーん?で?そこから話すか?」
魔王「そうだな・・・。それより、今回のことだけど」
魔王「そこの姫様を攫おうとした理由」
勇者「おう」
魔王「それは・・・、君たちの国に、交渉をしようと思ったからだよ」
姫様「交渉?私を攫ってか?」
魔王「他にも方法はあったんだろうけど、僕らにはそれしかなかったってこと」

265 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/08(木) 02:52:52.39 ID:vip5syWX0
私怨

266 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/08(木) 02:52:56.19 ID:Er92ww8E0
支援

268 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/08(木) 02:58:07.71 ID:drur1Yid0
勇者「姫を拉致って、対等になるようにしたってか?けっ、コソコソしやがって」
魔王「本当に、そう思う」
魔王「あの日、数人の部下を連れて国に入った」
魔王「事前に調べてたから、あの日パレードがあることは分かってたんだ」
姫様「国外からも大勢人が来る日だ、警備も手薄。考えたじゃないか」
魔王「僕らはほら・・・、少しがんばれば、人間と変わらないから」
勇者「んで、潜入して、姫を襲おうとした?」
魔王「単純に攫うのは難しいからね。人込みから機会を伺ってた」
姫様「私は個人的に国民に挨拶をするよう心がけているからな」
姫様「高台から大勢に挨拶したってしょうがない。やはり挨拶とは、個人にしなけりゃ」
勇者「そこを狙われるんだよタコ。警備はついてなかったのか?」
姫様「もともと平和な国だ、警備隊も油断してたんだろ」
勇者「国の警備体制を見直す必要があるだろ・・・」

269 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/08(木) 03:02:34.71 ID:vip5syWX0
はじめてIDにvip入ったwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

270 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/08(木) 03:05:55.52 ID:drur1Yid0
姫様「そういうわけで、私は路地裏に目を向けたわけだ」
町娘「・・・そこに、たばこをふかしたあたしが居た」
魔王「僕が動く前に、部下の一人が動いてた」
姫様「そんなに深い路地裏じゃなかったから、誰からも見えないとこだ」
町娘「あたしは、気恥ずかしくて、すぐ追い返した。しっしってな」
姫様「それで私は踵を返して・・・、それっきり、だ」
勇者「接点は一瞬。でも、魔物の頭でなら的を間違えるだけ十分」
町娘「・・・眠らされたな。なんだありゃ、魔法か?」
魔王「一人が捕獲に成功したと分かった瞬間、僕らはいっせいに逃げ出した」
魔王「・・・城に戻ってきてやっと、人質を確認した」
勇者「・・・爪の甘い犯行ってこった」
魔王「めんぼくないよ、まったく」

273 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/08(木) 03:16:01.85 ID:drur1Yid0
勇者「なんですぐに、彼女を解放しなかった?」
魔王「森に放せば、すぐにその辺の魔物に襲われると思った」
魔王「国に連れて行くしかない。でも、もう一度入るのは簡単じゃない」
勇者「じゃあ、それがベストだったってわけか」
魔王「僕にとっては、ね」
町娘「・・・・・・・・・」
姫様「ほう」カシュッ
勇者「・・・なんとなく話してて、やっぱお前は人攫うようなやつじゃねぇと思うよ」
魔王「そんなことないよ。実際、攫ってきてる」
勇者「しかも間違ってるしな。そんなお前が、人攫いしてまでする、交渉の内容は?」
勇者「んで、その理由は?」
魔王「それは・・・」

276 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/08(木) 03:21:57.72 ID:drur1Yid0
町娘「・・・ちょっと待て。今、何あけた?」
勇者「は?」
魔王「え?」
姫様「んー?」ゴクゴク
勇者「ばっ・・・!お前何飲んでんだ!!??」
姫様「ぷはぁ。まだ入ってるの見つけたからつい」
勇者「つい、じゃねぇよタコ!今なんの話してっかわかってんのか!?」
姫様「大丈夫大丈夫、私、酔わない人だから」ゴクゴク
勇者「そーいうやつが最初に潰れんだよ・・・、つかなんで監禁部屋に酒?」
魔王「いや、ここ監禁部屋じゃなくて僕の部屋」
町娘「たばこの煙で部屋いっぱいんなっちまってなー。煙いからこっちにきた」
勇者「・・・お前ら、なんだその余裕・・・。てか雑魚どもの言ってたのはほんとのことかよ・・・」

277 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/08(木) 03:29:06.14 ID:drur1Yid0
姫様「ほーれ、一本」ヒュッ
勇者「おわっと」パシッ
姫様「お、ツマミもあるじゃん。気が利くな、カルパス、カルパス♪」
町娘「・・・マジ飲みじゃねーか・・・」
魔王「さっき結構シリアスムードだった気がするんだけど・・・」
勇者「んだよ、しゃーねーな」カシュ
町娘「おめーも飲むのかよ!?」
勇者「ああん?悪ぃのかよ」
町娘「悪ぃ悪くねーじゃねーよ!さっきまでクソ真面目だったじゃねーか!」
勇者「いーよいーよ、もう。こいつ悪いやつじゃねーよ」
魔王「ちょ・・・、そんな軽く」
勇者「これから積もる話が始まんだろ?素面じゃねーほーがいーだろ」ゴクゴク
町娘「・・・それって・・・」
勇者「はー?なんで柿ピーじゃねーんだよ。ピーナッツ入ってねーと意味ねーだろ」

279 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/08(木) 03:36:22.52 ID:drur1Yid0
姫様「おい、もうないのか?」
町娘「ペース早っ」
魔王「あー、彼ので最後かも
勇者「じゃあお前らの分ないじゃん」
魔王「買ってくる・・・、わけにも行かないか」
町娘「いーよ、お前買って来い」
魔王「えぇ!?また僕!?」
町娘「あ?あたしに買いに行けってか?」
魔王「そういう意味じゃなくて!僕が行ったら明らかに不審でしょ」
勇者「おっ、ついでに柿ピー買って来い。ピーナッツが重要だぞ」
姫様「チューハイじゃなくて、ビールがいいなビール!」
魔王「君たち僕のこと信用しすぎじゃない!?」

281 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/08(木) 03:42:09.99 ID:drur1Yid0
魔王「しかもビールって・・・、高いよ」
姫様「なんだよシケてんな・・・、ほら!」ピッ
町娘「うぉ・・・!万札だ・・・!」
魔王「太っ腹・・・!」
姫様「買えるだけ買って来て。飽きないように、チューハイも挟めよ」
魔王「い、いいのこんなに?」
勇者「いーよいーよ、金なんて腐るほどあんだからこいつ」ゴクゴク
姫様「金に糸目をつけないところが美しいだろう!」
魔王「えー、なんだっけ?忘れそう」
町娘「メモってけ。えーと、ビールにチューハイ、ツマミが・・・」
勇者「柿ピー。ピーナッツ入ってるやつだかんな。無かったら叩き斬るぞ」
姫様「甘味ー」
町娘「あと、たばことライター。ほれ」
魔王「ありがとう。って、結局僕が行くんだね・・・」

282 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/08(木) 03:43:21.46 ID:onQ5TuJy0
柿ピーでピーナッツはむしろ邪魔だろ…

284 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/08(木) 03:46:35.98 ID:bRWijNWO0
はあ?メインはピーナッツに決まってんだろ

285 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/08(木) 03:46:40.39 ID:drur1Yid0
姫様「あー、色々飲みたくなってきた。ワインとか買えたっけ?」
魔王「あ、ワインなら少し上等なのが城にあるよ」
姫様「おー!じゃあ帰りに持って来い!」
魔王「了解。・・・じゃ、行ってくるから」
町娘「おう、走っていけ」ヒラヒラ
勇者「早くなー」ゴクゴク
魔王「とほほ・・・」トボトボ
勇者「・・・これで逃げたら、面白れーんだけど」
町娘「ないない、絶対無いな」
勇者「だよなー」
姫様「真面目そうだからなー」
町娘「・・・ただ臆病なだけじゃねーっすか?」

288 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/08(木) 03:54:22.34 ID:drur1Yid0
姫様「でも、そんなところがいーんだろ?」
町娘「なっ・・・!」
勇者「なになに、何の話」
姫様「とんでもねーのよこいつら」
町娘「ちょ、ご、誤解してる!ぜってー誤解してる!」
姫様「ごにょごにょ」
勇者「へー(笑)」
町娘「あっ!尾ひれつけたな!それは違ぇ話だかんな!」
姫様「まぁまぁ」
勇者「ずいぶんとまぁ」
町娘「そろって絡み酒か!アイツ帰ってこないと二人相手はしんどい・・・!」

289 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/08(木) 03:59:13.61 ID:drur1Yid0
勇者「この部屋、アイツの部屋だっけ?んじゃ、二人きりだったん?」
姫様「んー、やっぱ崖から飛び降りたのは失敗だったかな、って」
勇者「だから俺は止めたんだよ」
町娘「・・・っとにあることないことテキトーに喋りやがって!!」
姫様「でも壊されたくなかったっしょ?ピンクい空気」
町娘「だからありゃ・・・、ちょっと、気の迷いっていうか・・・」
勇者「ピンクい空気は否定しないのね」
町娘「てめ・・・!」
姫様「やっぱそーじゃん、けってーじゃん!美しいな!」
町娘「違う!今のは誘導尋問だ!ち、違うんだからな!?」

291 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/08(木) 04:04:31.68 ID:drur1Yid0
勇者「でも、攫われたほうと、攫ったほうだろ?」
姫様「どうかしたん」
勇者「つり橋効果とか」
町娘「え?」
勇者「極限状態のドキドキが、相手へのドキドキだと勘違いするってやつ」
勇者「ん?違ぇか。なんだろ、なんか他にもそんな話あったよな」
姫様「それも極端じゃないか?」
勇者「可能性として」
姫様「冷静なご意見だな」
町娘「じゃ、じゃあ・・・、あたしが、攫われて無意識に緊張してたときに」
町娘「アイツに優しくされたから〜、ってことか?」
勇者「だって普通、ありえないんじゃねーの。否定はしないけどな」

292 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/08(木) 04:10:24.03 ID:drur1Yid0
町娘「・・・・・・・・・」
姫様「あ」
勇者「ん、あ、あぁ?た、例えばの話だ、例えば」
町娘「・・・じゃあ、例えばさぁ」
姫様「うん?」
町娘「状況は別になんでもいーんだけど・・・、その、くっついたとするじゃん」
勇者「誰と誰がが」
町娘「・・・誰かと誰かがだよ」
姫様「うんうん」
町娘「んで、そいつらがその、つり橋なんちゃらが原因でくっついたとすんじゃん」
勇者「・・・・・・・・・」
町娘「それって、嘘なんかな」
町娘「つり橋効果でくっついたやつらの間の恋心は、全部嘘っぱちなんかな」

293 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/08(木) 04:16:43.26 ID:drur1Yid0
勇者「どっちでもいーじゃねーか」
町娘「は?」
勇者「んだからよ。要するに、そいつらの『好き』は嘘かどうか、ってんだろ?」
町娘「・・・うん」
勇者「また例えばだけど、その男女のどっちかが相手を騙そうとしてるとすんだろ?」
勇者「そしたらそれは、嘘だ。『好き』なんて嘘っぱちだ。恋心なんて、ねぇよ」
姫様「遊びってやつ?」
勇者「遊びは遊びでいーんだけど・・・。んで、その、お前の例え話のやつら」
勇者「結局、どっちもだまされてるわけだろ?つり橋効果で」
町娘「うん」
勇者「じゃあ、嘘じゃねーじゃん。嘘じゃねーなら、それはちゃんと『好き』だ」
勇者「周りに何言われるかは知らねーけど、そいつらの間では、嘘じゃねーだろ」
町娘「・・・・・・・・・」

295 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/08(木) 04:22:40.75 ID:drur1Yid0
姫様「ま、君らはまた別だと思うよ」
勇者「そーそー、おめーらはつり橋効果とか考えなくていいだろ」
町娘「うん・・・、ん?」
姫様「しっかし魔王遅いねー」
勇者「どこまで買いに行ってんだ?」
町娘「お前らっつった?お前らっつったよな?」
勇者「だって今のはもう・・・、なぁ?」
姫様「もうストライクだったぞ。例え話持ってきちゃった時点で、ど真ん中直球ストライク」
町娘「いつあたしの話だっつった!しかも『ら』って誰だよ!あたしと誰だよ!?」
姫様「またまた(笑)」
町娘「なに笑ってんだ!あーもー!姫だからって敬語使ってたあたしが馬鹿だった!」
勇者「変なとこ律儀なんな」
町娘「無礼講だこのやろー!!」
姫様「おっ、いいね、臨む所だ!!」

296 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/08(木) 04:29:40.46 ID:drur1Yid0
魔王「ただいま。騒ぎ過ぎ・・・」
勇者「おせーよ」
姫様「お帰り、遅かったけど?」
町娘「まーたちんたらしたたろハゲっ!」ゲシッ
魔王「痛ぅ、パシらされてこの仕打ちだよ・・・」
姫様「まぁまぁ、彼女のは照れ隠しだからへぶっ!」
町娘「いーかげんにしろこのバカ姫が!」ゲシッ
勇者「おーおー、一国の姫を蹴るか・・・」
魔王「なんかあったの?」
勇者「仲良くなったんだろ。・・・柿ピーは?」
魔王「買ってきたよ、はい。・・・ていうかコレだけに二軒周ったんだけど」
勇者「知らねーよ、店に文句言え」