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魔王「今日も平和だ飯がうまい」
Part2


98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 11:10:25.53 ID:0ReHhxnt0
魔王「そうだ。一つ聞いておきたいことがある」
姫「なに?」
魔王「お前の名は?」
姫「……ひめ」
魔王「違う。お前の、本当の名は?」
姫「………にせ、ひめ」
魔王「偽姫か。良い名だ」

99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 11:18:21.63 ID:0ReHhxnt0
偽姫「……しってたの?」
魔王「ああ」
偽姫「………」
魔王「まあ、どうでもいいんだ。人間の反応を見る限り、『姫を攫う』という目的は達成されているのだし」
偽姫「……ここに」
魔王「?」
偽姫「いても、いいの?」
魔王「そうでなければ、私が困る」

100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 11:20:07.38 ID:+6uEP7tsO
やだこの魔王駄目なくせにかっこいい

101 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 11:24:20.37 ID:0ReHhxnt0
次の日─
魔王「すっかり元気になったな」
偽姫「うん!」
魔王「では、今日は久々に散歩でも」
バンッ!!
側近「大変だ魔王!!」
魔王「何だ騒がしい」
側近「あの国の奴等…姫を見捨てやがった!!」
魔王「……何?」
偽姫「え………」

104 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 11:30:55.79 ID:0ReHhxnt0
側近「…姫の様子は?」
魔王「泣き疲れて眠っている」
側近「そりゃそうだろうな…実の親どころか、国自体に捨てられたんだし」
魔王「……姫は、我等に殺されたと、そう公表されたのだったな」
側近「ああ。一応攻め込む予定らしいが…あまり本気でもなさそうだ」
魔王「………」

105 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 11:35:23.07 ID:0ReHhxnt0
魔王「実はな…あれは影武者だ」
側近「何?!先に言えよ!」
魔王「私も、つい先日知ったばかりだ」
側近「本当かあ…?」
魔王「影武者故、助け出す必要もないのだろう」
側近「つっても同族だろ…そんな簡単に見殺しにしていいのかよ」
魔王「人間とは……厄介な生き物だな」

107 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 11:39:32.05 ID:0ReHhxnt0
ギィッ…
魔王「……目が覚めたか」
偽姫「ひっく……えぐ…」
魔王「ああ、泣くな泣くな」
偽姫「うぐっ…………う、ん」
魔王「よしよし、いい子だ」

110 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 11:42:47.39 ID:0ReHhxnt0
偽姫「あの、ね」
魔王「ああ」
偽姫「ほんとの、おひめさまはね、ちょっとまえにね、なくなったの」
魔王「…ああ」
偽姫「かわりにね、そっくりなわたしが、かわれたの」
魔王「そうか。話してくれて、ありがとう」

111 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 11:47:17.21 ID:0ReHhxnt0
偽姫「でも、もう……どこにも、かえれない」
魔王「国に帰りたければ…返してやるぞ」
偽姫「ううん。あんなとこ、もういや…」
魔王「…そうか」
偽姫「ここが、いい」
魔王「……」
偽姫「まおうと、いっしょが……いい」

112 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 11:48:58.08 ID:TPk2UeOkO
今日は暑いな・・・目から汗が

113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 11:51:11.85 ID:0ReHhxnt0
魔王「……私は、魔王だぞ」
偽姫「しってるよ」
魔王「恐ろしくはないのか?」
偽姫「やさしいから、すき」
魔王「お前は本当に…変な奴だな」
偽姫「えへへ……」

158 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 17:46:02.31 ID:0ReHhxnt0
魔王「眠ったか」
偽姫「……(スゥスゥ)」
魔王「もうお前に、人質としての価値は無くなった」
魔王「帰る家も、帰りを待つ家族も、お前にはない」
魔王「………ならば」

159 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 17:49:14.91 ID:0ReHhxnt0
側近の部屋―
魔王「……どうだろう」
側近「ああ」
魔王「分かってくれ。頼む」
側近「…本当、最近あんたは冴えてるな。俺は何の異論もねえよ」
魔王「では」
側近「いいんじゃね?他の魔物も、姫に同情的だしな」
魔王「……感謝する」

162 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 17:51:46.68 ID:0ReHhxnt0
次の日─
魔王「起きたか」
偽姫「うん……」
魔王「それでは、お前の処遇についてだが…」
偽姫「………ぅぐ」
魔王「聞く前に泣くな」
偽姫「ご…ごめんなさい……」

163 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 17:53:13.85 ID:0ReHhxnt0
魔王「悪い話ではない。まあ、聞け」
偽姫「う、うん」
魔王「ここにいたいと、昨夜言ったな」
偽姫「……(コクリ)」
魔王「ならば、お前…魔王になる気はないか」
偽姫「…え」

164 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 17:55:14.73 ID:0ReHhxnt0
魔王「私には後継者…つまり、子供がいない」
偽姫「……」
魔王「お前さえ良ければ……私の跡継ぎとして、城に迎えてやろう。どうだ?」
偽姫「そ、それ…って」
魔王「魔王の父親は、嫌か?」
偽姫「う………ううん、すき」
魔王「決まりだ。よろしく、娘」
偽姫「よ、よろしく!」

179 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 19:28:52.43 ID:0ReHhxnt0
数日後─
偽姫「……(キョロキョロ)」
側近「お、偽姫ちゃん」
偽姫「そっきんさん、おはようございます」
側近「一人でどうしたんだ。魔王は一緒じゃないのか?」
偽姫「さがしてるの。そっきんさん、みなかった?」
側近「ああ…薔薇園じゃねえかな。あいつ他に行くとこねえし」
偽姫「ありがとー」

181 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 19:32:56.08 ID:0ReHhxnt0
メイド「あら。お早うございます、姫様」
偽姫「おはよーございます」
メイド「魔王様はご一緒ではないのですか?」
偽姫「これから、むかえにいくの」
メイド「そうですか。お気をつけて」
偽姫「うん。いってきます!」

182 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 19:33:51.11 ID:aalxSCbpO
まさかのメイド登場

183 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 19:35:21.73 ID:0ReHhxnt0
>>182
一回限りなんだ…すまん
魔物「よう、姫さん」
偽姫「おはよーございます!」
魔物「今日は珍しく魔王様を連れてねえんだな」
偽姫「まおう、まいごなの」
魔物「そりゃ大変だ。魔王様を見つけたら、オレが捕まえておいてやるよ」
偽物「ありがとう。またねー」

184 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 19:41:58.38 ID:0ReHhxnt0
薔薇園─
偽姫「まおう!」
魔王「む」
偽姫「おはよ!」
魔王「お早う。もう少し寝ていても良かったんだぞ」
偽姫「はやくおきたら、いっぱいあそべるもん」

186 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 19:46:24.34 ID:0ReHhxnt0
偽姫「すごいねー。きれいだねー」
魔王「薔薇か」
偽姫「うん!おせわ、おてつだいしてもいい?」
魔王「では、このジョウロで水をやってくれ」
偽姫「わ、わわ…」
魔王「重いか?やめるか?」
偽姫「がんばる!」
魔王「そうか。頑張れ」

187 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 19:49:32.38 ID:0ReHhxnt0
側近「よう。やっぱここか」
魔王「何か用か?」
側近「いや偽姫ちゃんの様子を見に来ただけだ」
魔王「あの子は向こうで水遣りに燃えている」
側近「へー……(ニヤニヤ)」
魔王「何か言いたそうだな」
側近「いや。あんた、この薔薇園他の誰にも今まで弄らせた事ねえよな」
魔王「あの子は特別だ」

190 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 19:52:36.80 ID:0ReHhxnt0
側近「しかし偽姫ちゃんは人気者だねー。皆、あの子の話で持ちきりだ」
魔王「最近、すっかり魔物にも慣れてしまったしな」
側近「いやー、もうあんたより求心力あるんじゃね?」
魔王「ふっ…当然だ。私の娘だぞ」
側近「あ、今の褒め言葉で捉えるんだ」

191 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 19:54:13.84 ID:ZRtXsAhj0
なんという親バカ

193 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 19:57:04.20 ID:0ReHhxnt0
偽姫「まおう!」
魔王「おお、終わったか」
偽姫「うん!がんばった!」
魔王「よしよし、偉いぞ(ナデナデ)」
側近「偉いねー」
偽姫「えへへ」

196 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 20:00:54.64 ID:1rCEXvO1I
魔王一族は全員ロリコンかw

197 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 20:01:13.34 ID:0ReHhxnt0
偽姫「わたしね、ここ、だいすき」
魔王「そうか。気に入ってもらえて、良かった」
偽姫「ばらえんも、おしろも、みんなも、まおうも、ぜんぶすき」
魔王「そうかそうか(ナデナデ)」
偽姫「でも、いちばんすきなのは、まおう!」
魔王「ははは、そうか(ナデナデナデナデ)」
側近(うわあ)

202 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 20:06:30.07 ID:0ReHhxnt0
一月後─
魔王「とうとう、この時が来たか」
側近「ああ。遂に昨日軍が出発した」
魔王「……」
側近「俺らの準備は既に万端だ。いつ攻められても」
魔王「いや」
側近「?」
魔王「『攻められる』のではない。我等も、『攻める』」
側近「…ほぉ」

203 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 20:11:36.48 ID:0ReHhxnt0
側近「随分とやる気だな」
魔王「奴等は魔王の娘を虐げた。その報いを、受けねばならん」
側近「じゃあ…」
魔王「軍を潰してから、直にあの国を攻める。明日より、我等も出るぞ」
側近「了解。こりゃ忙しくなるな!」
魔王「ああ……」

206 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 20:19:24.94 ID:0ReHhxnt0
側近「浮かない顔だな。どうした」
魔王「偽姫としばらく会えなくなると思うと…な」
側近「なあに、たかが人間だ。俺らが本気になりゃ数日で片がつくだろ」
魔王「む……それもそうだな」
側近「ま、気楽にやろうぜ、魔王様」
魔王「うむ」

210 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 20:25:34.00 ID:0ReHhxnt0
魔王の部屋─
ギィッ…
魔王「ただいま」
偽姫「おかえりなさい!おはなし、おわったの?」
魔王「ああ……先に、寝ていても良かったのだぞ」
偽姫「だめ!いっしょにねるの!」
魔王「全く…頑固だなお前は」
偽姫「こればっかりはゆずれません!」

212 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 20:28:18.47 ID:0ReHhxnt0
魔王「少し話がある」
偽姫「なあに?」
魔王「明日からしばらく、私は帰らない」
偽姫「………たたかう、の?」
魔王「ああ」
偽姫「……」

213 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 20:32:30.95 ID:0ReHhxnt0
魔王「心配するな。お前を苛めた奴等に、少し灸を据えるだけだ」
偽姫「けがとか……しちゃ、やだよ」
魔王「私は魔王だ。怪我などせん」
偽姫「ちゃんとかえってくる?」
魔王「できるだけ、早く」
偽姫「やくそくだよ」
魔王「ああ。約束だ」

214 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 20:35:42.32 ID:0ReHhxnt0
偽姫「おやすみ、おとーさん」
魔王「お休み、娘」
偽姫「おしごと、がんばってね」
魔王「お前のために、父は頑張るよ」
……────

216 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 20:43:28.38 ID:0ReHhxnt0
───………
魔王「………ふああ」
側近「随分と余裕ですねー、居眠りとは」
魔王「…昨夜も戦略を練っていて、寝不足なのだ。仕方あるまい」
側近「いくら眠くても、敵の軍隊と睨み合う最中で寝ますか」
魔王「構わんだろう。あちらは攻めあぐねているのだから」

218 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 20:48:08.94 ID:0ReHhxnt0
魔王「しかし睨み合って既に数日か」
側近「流石に、これだけの魔物を連れてちゃ人間どもも必要以上にビビリますよ」
魔王「ほぼ全戦力だからな。しかし、あちらも数が多い…」
側近「ところで、いい作戦は思いつきましたか?」
魔王「む……難しいな、こういう事は」
側近「まー、ゆっくりやりましょう。時間はあるんですし」
魔王「………」

246 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 21:39:27.97 ID:0ReHhxnt0
魔王「……おい」
側近「何でしょう、魔王様」
魔王「お前、普通に喋っても良いのだぞ」
側近「俺が魔王様にタメ口きいてちゃ、士気に関わりますからね」
魔王「そうかもしれんが………正直慣れんな」

219 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 20:53:08.75 ID:0ReHhxnt0
側近「まあ、俺もあんたを魔王と認めているんです」
魔王「……」
側近「俺だけじゃない。皆、魔王様を信じて、ここまで来たんです」
魔王「……ありがとう」
側近「ははは、礼は全部終わった後に頼みますよ」

223 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 20:59:02.19 ID:0ReHhxnt0
魔王「そうだ、一応作戦は出来たんだ」
側近「おーおー。どんなのです?」
魔王「幸い、私は見た限りでは人間と区別がつかない」
側近「………はあ」
魔王「というわけで、私一人敵軍に潜り込み、機を見て一暴れ」
側近「却下!!」
魔王「何故だ?!」

227 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 21:05:07.11 ID:0ReHhxnt0
側近「あんたにそんな危ない真似させられるか!」
魔王「私は魔王だぞ、心配はいらぬ」
側近「怪我でもされちゃ俺の株が落ちるんだよ!!第一、他の魔物も認めねえからな!」
魔王「む………過保護だな」
側近「いいから大将は大将らしく、頭だけ使ってくれ。頼むから」
魔王(…思わず素になる程、嫌なのか)

228 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 21:09:15.67 ID:0ReHhxnt0
側近「てめえ!!結局一人で叩き潰しやがって!!!!」
魔王「…上手くいったのだから、良いだろう」
側近「いいから反省しろ!二度とこんな危ない真似するんじゃねえぞ?!!」
魔王「確かに……私にも至らぬ点はあった」
側近「お、珍しく殊勝じゃねえか…」
魔王「油断して、少し服が汚れてしまった。今後の反省点だな」
側近「てぇんめええええええええええ!!!!!」

230 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 21:11:22.62 ID:/rXib7FX0
強ぇwwwwwwwwwwwww

231 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 21:11:54.75 ID:wK/P3j02O
なにこのひとつよい

232 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 21:12:26.43 ID:TDqOWP540
ほんとに強いのかよwwwwwwwwwwwww

235 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 21:13:51.85 ID:2Ptd4t1JO
ニートなのにww

236 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 21:14:13.72 ID:0ReHhxnt0
魔王「しかし、これであの国までの障害物は取り払われた」
側近「ま……まあ、そうだがよ」
魔王「我等が悲願の成就のためだ、少しの無茶は許せ」
側近「………無茶っつーか…単に頭に血が登ってるだけだろ」
魔王「……」

253 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 22:09:55.68 ID:0ReHhxnt0
側近「焦るのも分かる。あんたが、魔物を傷つけたくない気持ちも分かる」
魔王「……」
側近「だがな、俺たちもあんたに何かあったら、後悔どころじゃあ済まん」
魔王「………ああ」
側近「分かってくれよ。あんたは俺達の王なんだからな」
魔王「王……か」

257 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 22:15:56.59 ID:0ReHhxnt0
側近「まあ、ここまで来たら勝利は目前だ。もうちょっと気楽に行こうぜ、って話だよ」
魔王「うむ」
側近「なあ。全部終わったら、したいこととかあるのか?」
魔王「ふっ……聞いて驚くな」
側近「何だよ勿体ぶって」
魔王「一緒に、歩く」
側近「……」

259 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 22:19:18.22 ID:0ReHhxnt0
魔王「一緒に茶を飲む」
魔王「一緒に食事を取る」
魔王「一緒に薔薇園を眺める」
魔王「一緒に眠る」

264 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 22:24:23.81 ID:0ReHhxnt0
魔王「どうだ」
側近「それはまた……『日常』だな」
魔王「ふっ……素晴らしいだろう」
側近「ああ。早く叶うといいな」
魔王「そのための戦いだ」

266 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 22:30:50.98 ID:0ReHhxnt0
魔物「よお、魔王様」
魔王「おお。調子はどうだ?」
魔物「万全ですよ。とっととオレらも戦いに参加させてくださいよ」
魔王「まだ時期ではない。焦らず機を待て」
魔物「魔王様にゃ言われたくないね」
魔王「む……」