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僧侶「ひのきのぼう……?」
Part11


555 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/27(火) 00:52:58.96 ID:UW5dTRYB0
バタン
僧侶「ふう」
僧侶(なにやら訳ありだったみたいだなぁ)
僧侶(しかたない、他の宿を探そう)
僧侶(いやその前に、装備から整えたほうがいいかな)
ドンッ
僧侶「いたた!」
大男「んん? 坊主、道の真ん中でぼーっとしくさってんじゃねえ」
僧侶「ごめんなさい。あ、『かわのぼうし』が」
大男「これか。ほらよ……んん?」
大男「てめえ、そのデコのマーク見せてみろ!」
僧侶「はい?」
大男「こりゃ追放者の証じゃねえか! 王都で何かやらかしたな!?」
僧侶「ええっと」
大男「おおいみんな! ここに追放者が流れ込んできてるぜ!」

558 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/27(火) 00:53:32.86 ID:UW5dTRYB0
*「追放者だって?」
*「マジか? 俺が知ってる追放者は、魔王軍と繋がってたって話だぜ!」
*「ふざけんな、とっちめろ! 町からつまみ出せ!」
僧侶「あのう」
大男「とはいえ、こいつはまだガキ。この町で何かしでかした訳でもねえ」
大男「だが、みんな用心しとけよ! もしこいつが妙な気起こしたら――」
*「おう、すまきにしてやんぜ!」
*「雪山に放り出してやる!」
大男「というわけだ。分かったな、小僧!!」
僧侶「あのう」
僧侶「はい。分かりました」
 
僧侶(はあ)
僧侶(この額のマークが、そんなに大それたものだったなんて)
僧侶(この町には来たばっかりだけど、一気に過ごしにくくなったなぁ――)

559 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/27(火) 00:53:34.09 ID:uDWu4Px40
また・・・また鬱なのか・・・

560 : 【九電 66.9 %】 :2012/11/27(火) 00:53:52.82 ID:6Pp9hmA50
あまりに酷すぎる

562 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/27(火) 00:54:16.09 ID:xjrvNJFd0
救いはないんですか?

563 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/27(火) 00:54:19.15 ID:fQzHEz6y0
魔王軍に就職希望なんですが募集はありませんか?

565 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/27(火) 00:54:30.75 ID:UW5dTRYB0
――――――――――――――――――――
【北の城>城下町】
勇者「――結局、雪山には何もなかったね」
賢者「はい。しかしこれで勇者様は、大陸一周を踏破したことになりましたね」
戦士「無駄足を誤魔化すために、そんな言い訳を考えていたとはな」
勇者「まったくの無駄足というわけじゃないでしょ。戦闘も含めていい経験になったし」
商人「なかなかのゴールドも稼げましたしなぁ!」
賢者「そういうことです。戦士殿も、またレベルを上げたではありませんか」
戦士「ふん……」
戦士(だが、まだ剣は抜けん……)
 
町民A「あっ、勇者様だ!」
町民B「勇者様が帰ってきた!」
勇者「えっ、なになに?」
町民C「お帰りなさい、勇者様! みんな、勇者様が帰ってきたぞ!」

568 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/27(火) 00:55:12.96 ID:UW5dTRYB0
*「勇者様! 勇者様!」
*「戦士様もいるぞ! 戦士様!」
*「勇者様ばんざい!」
商人「おっほほ、すごい歓迎っぷりですなぁ」
賢者「ええ。これだけの人望を持つということは、それだけの器の持ち主という訳です」
*「勇者様かっこいい!」
*「勇者かわいい!」
勇者「わっ、ちょっと、参ったなぁ」
*「戦士様かっこいい!」
♂「戦士様かわいい」
戦士「ええい触るな! 我々はまだ魔王を討ち取っていないのだぞ!」
*「ささ、皆様、新しく建てられた家があります! ご案内いたしましょう」
商人「おお、頼みますぞ」
*「勇者一行にばんざい!」
*「勇者一行に祝福あれ!」――

582 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/27(火) 00:57:46.90 ID:A8fgcHuB0
〉 ♂「戦士様かわいい」
おいっ

573 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/27(火) 00:55:55.76 ID:UW5dTRYB0
【勇者の家】
勇者「案内されるままに来たけど……」
勇者「本当にこれがボクの新しい家? すごい……まるでお屋敷みたい……」
商人「この立地で三階建てとは、並ならぬ待遇ですなぁ!」
賢者「いいえ、世界を救うことを思えば、足りないぐらいではありませんか?」
戦士「まだ救ったわけではない。もし魔王との戦いに敗れようものなら――」
戦士「あっという間に昔の小屋に逆戻りだ。覚悟はしているのだろうな、勇者よ」
勇者「ボクは小屋の方が居心地がよかったかも。だって小屋には……」
勇者「……あれ? えっと小屋には……」
商人「まあこれだけ広すぎるのも、一人で住むには考えようかもしれませんな!」
勇者「う、うん、そうだよ、こんなのボク一人じゃとても生活できないよ」
賢者「……一人では、そうかもしれませんね。しかし」
賢者「勇者様が望めば、一人……あるいはその上にまた一人、二人と増えることもありましょう」
勇者「? うん、そうだね!」
戦士「ふん、品のない奴め……」

579 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/27(火) 00:57:36.37 ID:FDXbchyl0
賢者シネシネマズ

583 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/27(火) 00:57:53.50 ID:UW5dTRYB0
商人「さて、先ほど町民に歓迎を受けていた際、有力な情報を得ましたぞ!」
勇者「ほんと!?」
賢者「さすがは商人殿、抜け目がない」
商人「なんでも王様が、我々に直々に渡したいものがあるそうですぞ!」
商人「しかもウワサによると、それで魔王城への道が開けるとか!」
勇者「えっ!」
戦士「! 魔王城への……」
賢者「……やはりここに戻ってきて正解でしたね。手がかりは、国王が見つけ出していた」
勇者「それじゃ、雪山で会ったあの人の言う通りだったね!」
商人「いえ勇者様、これは始めから北の城に戻る案を出していた、賢者殿の功ですぞ」
戦士「どちらでもいい。とにかく、道は開かれた。明日の朝にはさっそく城へ向かおう」
勇者「うん、そうだね。そうしよう!」
商人「今日の所はこの家に泊まりましょう。慣れない山越えでワシはもうへとへとで……」
賢者「では、夕餉の準備をいたしましょう。食材を買い出して参ります」
戦士「意外な一面を」

585 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/27(火) 00:58:51.67 ID:UW5dTRYB0
<夜>
勇者「ごちそうさま! すごく美味しかった!」
戦士「……本当に美味い……」
賢者「ありがとうございます」
商人「いやぁ素晴らしい。賢者ともなれば、手料理もこなせるのですなぁ!」
賢者「恐縮ながら、レシピさえあれば大したことはありませんよ」
勇者「賢者さんすごいっ! きっと女の子にもモテモテだよ!」
賢者「え。ええ、ありがとうございます……」
戦士「だが、浮ついていられるのも今のうちだ」
戦士「もう、魔王との決戦が近付いてきている。これが最後の晩餐になるやもしれん」
勇者「最後にはさせないよ」
戦士「む」
勇者「ボクは、魔王を倒す。この平和が、いつまでも続けられるように……!!」
商人「ほ、ほう……最初の頃に比べると、ずいぶん貫禄がつきましたな……」
戦士「当然だ。そうでなくてはな」

587 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/27(火) 00:59:31.29 ID:UW5dTRYB0
勇者「それじゃ、明日に備えて今日は解散! みんな寝坊しちゃだめだからね!」
――
勇者(……今日この町に帰ってきて、多くの人たちに迎えられた)
勇者(ボクの使命――必ず魔王を倒して、あの人々、一人ひとりの平和を約束すること)
勇者(もう何の迷いもない。見てて神父さん、ボクは必ずやり遂げて見せます――)
――
戦士(……やはり伝説の剣は抜けない。もう何十回と試して尚、抜けない)
戦士(俺には、分相応の役割が強いられているというのか……ならば)
戦士(その枠を塗りつぶした上で、限界まで腕を伸ばしてやる。俺の望む結末まで……!)
――
賢者(決戦の時は近い。だが同時に、はじまりの時も遠くはない)
賢者(魔王を倒し、世に平穏をもたらした時……万を持して、勇者様を迎え入れる)
賢者(勇者様だけは何があろうと、その後の幸せもろとも私が守り抜いてみせる……)
――
商人「ぐがー。ぐがー」

588 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/27(火) 01:00:26.37 ID:UW5dTRYB0
――
町民A「おい、勇者様を見たか? ずいぶん頼もしくなってたじゃないか」
町民B「相変わらず可愛いかったしなぁ。ありゃ色気づいたら絶対べっぴんさんになるぜ」
町民C「あら、もうお相手は決まってたわよ」
町民B「えっ、誰!?」
町民C「一緒にいた賢者さんよ。すごく素敵な方だけど、左手の薬指に指輪があったの」
町民C「それでよくみると、勇者様も同じものをつけてるじゃないの! ホント驚いたわ」
町民D「でも勇者様のは別の指についてただろ。まだそうと決まったわけじゃ……」
町民A「いやしかし、あの二人が結ばれれば、さぞお似合いだろうよ」
町民B「うう……俺の勇者様が……」
町民C「勇者様たちには、無事に魔王を倒して帰ってきて欲しいわね」
町民D「そうそ、もう近々、魔王城に乗り込むんだろ? オーブがどうたらとかで」
町民A「ふっ、オーブか。そういやそんなもん盗み出した『ひのきのぼう』がいたな」
町民C「ちょっとよしてよ! もう勇者様御一行には関係ないんだから」
町民D「今ごろどうしてんだかねぇ。ま、追放された以上、まともに世渡りはできんだろうさ――」

589 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/27(火) 01:00:37.95 ID:+M3SSnr+0
商人がこのメンツのなかじゃマシだな

590 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/27(火) 01:01:12.75 ID:BJxllvhM0
あれ周り屑過ぎて商人が可愛く見えてきたぞ

591 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/27(火) 01:01:19.22 ID:UW5dTRYB0
――――――――――――――――――――
【西の町】
道具屋「はっ、お前みたいな大罪人に売るものなんかねえよ。他を当たれ!」
――
武具屋「ははは、装備なんてその『ひのきのぼう』で十分だろ。帰れ帰れ」
――
宿屋「冗談じゃない、お前みたいなのを泊めたら、俺がこれから何と言われるか……!」
――
――
僧侶(はぁ。他の宿屋までダメだったな。人のウワサって広がるもんだなぁ)
僧侶(僕がほんとは、何も盗んでないってウワサも広まらないかな。広まらないか)
僧侶(はぁ……今夜泊まるところどうしようかな。お金はあるのに、やっぱり野宿かな)
僧侶(……ん? あの子は?)
 
幼児「……」 タッタッタッ

596 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/27(火) 01:02:57.93 ID:UW5dTRYB0
幼児「そうりょさん、やっとみつけた」
僧侶「どうしたの。もうこんなに暗くなってるのに」
幼児「今日、パパがどーじょーにこもる日なの」
幼児「だから、こっそりうちにきて」
幼児「うちにきて、ママをなおしてあげて」
僧侶「それはダメだよ。僕も君も、パパに怒られちゃうよ」
幼児「でも、ママ、ぜんぜんなおらないの」
幼児「ずっとつかれてるの。だからおねがい」
僧侶「……」
僧侶(まぁどんな病状だろうと、回復呪文で楽にさせるぐらいはできるかな)
僧侶(あの旦那さんが言ってたことがちょっと気になるけど……)
幼児「ね、はやく! はやく!」
僧侶「わ。声が大きいよ」
幼児「はやく!!」
僧侶「わかったわかった、行くから行くから」

597 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/27(火) 01:03:04.93 ID:KS6eM3jkO
僧侶が一体何したって言うんだよ…

598 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/27(火) 01:03:15.14 ID:gWhP540G0
師範って伝説の剣はママの?あれ?

599 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/27(火) 01:03:37.64 ID:UW5dTRYB0
【西の町>宿屋】
幼児「ママ、そうりょさんつれてきた!」
僧侶「こんばんわ」
宿の女「まぁ……あなたは夕方の……」
幼児「ね! えらいでしょ!」
宿の女「なんということを……この方も疲れてらっしゃるだろうに……」
僧侶「いいえ、僕のことなら大丈夫です」
幼児「ね、ちゃんとママをなおしてね! おそと、みはってるから!」 ドタバタ
宿の女「もう……あの子ったら……」
宿の女「夕方の節も含めて……本当に申し訳ありませんでした……」
僧侶「いいえ。僕は平気です」
僧侶「では早速ですが、身体の具合をお尋ねしてもよろしいですか?」
僧侶「僕、お薬作るのは得意なんですよ」
宿の女「はい……ありがとうございます……ですが……」
宿の女「夫が言ったように……私の疲れは、薬では癒えないのです……」

601 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/27(火) 01:04:16.98 ID:UW5dTRYB0
僧侶「それなら、回復呪文を。治るとまではいかずとも、多少は楽になりましょう」
僧侶「あなたは特にホイミに抵抗はありませんね? アレルギーとか、アンデッドだったりとか」
宿の女「あの……申し訳ありませんが……」
宿の女「私には……一切の回復呪文も、効果がないのです……」
僧侶「えっ、どういうことですか?」
宿の女「……本当は、私がここにいるだけでも大変なことなのに……」
宿の女「行かなければならないのに……いつかこうなることは分かっていたのに……」
宿の女「ああ……でも、もっと留まりたいのです……一日でも長く、この町に……」
僧侶「あのう」
僧侶「良かったら、詳しく話していただけませんか?」
僧侶「誰かに話すことで、楽になることもありますよ」
宿の女「……そうですね……あなたにはご恩がありますし……」
宿の女「私の決断を後押ししてくれるかもしれません……お話しします……」
宿の女「……私は、人間ではありません……実はあの子も、私の実の子ではありません……」
僧侶「はい、そんな気がしてました。絶対に誰にも話しません。続きをどうぞ」

602 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/27(火) 01:05:26.37 ID:iaOODT0Y0
アンデッドwwwwwww

603 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/27(火) 01:05:56.75 ID:fQzHEz6y0
さすが僧侶、人外を一瞬で見抜いた上にこの優しさ

605 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/27(火) 01:06:16.77 ID:UW5dTRYB0
宿の女「私は……私の正体は……」
宿の女「『伝説の剣』の『刃』です……」
僧侶「『伝説の剣』? あの、魔王を討ち果たせるという剣ですか?」
宿の女「はい……」
宿の女「今の私は、本来霊体であるはずの存在に、無理に肉体をこしらえたものです……」
宿の女「元は……『伝説の剣』が悪用されないように、天が備えた仕掛けなのですが……」
僧侶「信じますよ。それで、あなたの疲れの原因は?」
宿の女「はい……私の依り代は『伝説の剣』……」
宿の女「それが今、この町にはありません……」
宿の女「そのことにより、私自身の自我が保てなくなっているのです……」
僧侶「この町には、『伝説の剣』があったんですか?」
宿の女「はい……しかし先日、勇者様がこの町を訪れた際に……」
宿の女「所有者である夫が……勇者様に譲り渡しました……」
僧侶(よかった。ちゃんと勇者には行き渡っていたんだ)
僧侶「ん? でも、『刃』の精霊さんがここにいるってことは……?」

608 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/27(火) 01:07:27.45 ID:UW5dTRYB0
宿の女「お察しの通りです……私がここに居る以上、『伝説の剣』は不完全のまま……」
宿の女「たとえ真の勇者であろうと、何者にも、抜くことはできないのです……」
僧侶「ええっ。それじゃあ、魔王が倒せないのでは」
宿の女「ああ……その通りです……」
宿の女「私が剣に宿らなければ……きっと世界が救われることはないでしょう……」
宿の女「でも、夫が……ほんのひと月だけ、ここにいて欲しいと……」
宿の女「あとひと月だけ……私と共に、あの子と共に過ごして欲しいと……」
僧侶「……でも、勇者はもう魔王城へ乗り込みます。たぶん、ひと月も経たないうちに」
僧侶「魔王との戦いのとき、剣が抜けなかったら大変ですよ」
宿の女「はい……でも……」
宿の女「私の存在の主体は、剣の方にあるのです……私が戻ってしまえば……」
宿の女「私の意識は消えてしまい……こうして誰かと対話することもできなくなるでしょう……」
僧侶「もう二度と、人の姿に戻れなくなるんですか?」
宿の女「……試したことがないので、分かりません……ただ……」
宿の女「遠方での戦いに赴くことになるので……もし勇者様が敗北してしまったら、私も……」

610 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/27(火) 01:08:11.63 ID:UW5dTRYB0
僧侶「それなら大丈夫です」
宿の女「えっ……?」
僧侶「僕は、元は勇者のパーティーにいましたから分かります」
僧侶「大丈夫です。勇者はとても芯の強い女の子です。必ず勝ちます」
僧侶「それに王都で最強の戦士さんもいるし、アイテム管理の天才の商人さんもいます」
僧侶「僕とあんまり歳も変わらないのに、呪文を極めたっていう賢者さんも加わりました」
僧侶「負けるはずがないですよ。必ず勝ちます。だから、勇者を信じてください」
宿の女「……」
僧侶「それに勇者は、神父さんの教えを守ってきた、とても優しい心の持ち主です」
僧侶「魔王を倒した後、誰かが事情を話せば、きっとこの町に剣を返してくれます」
僧侶「そうしたら賢者さんもいるし、きっと元の生活に戻してくれます」
僧侶「だから、安心してください」
宿の女「……」
宿の女「……」
宿の女「そうですね……分かりました」