Part4
192 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/26(土) 01:53:46.84 ID:
DtoM5NhL0
ーーー食堂
魔王「食事ができるまで話を聞かせてもらおうか」
僧侶「あの……あの……」ビクビクッ
魔王「なぜ一緒に来た?」
僧侶「それは……その……一緒かと思ったから……」
魔王「一緒とは何がだ」
僧侶「魔法なんて存在しないって……」
魔王「やはりそれか。お前も魔法が見えないのだな?」
僧侶「じゃあやっぱり魔王様も……」
魔王「だが、そんなお前がなんで勇者とともに魔法の使い手をしているのだ」
僧侶「あの……ここではどうなのかわかりませんけど、王国じゃ魔法が見えないなんて言ったら絶対いけないんです……」
魔王「言えない?」
204 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/26(土) 01:59:21.20 ID:
DtoM5NhL0
僧侶「そんなことを言ったら異常者として施設に収容されてしまうんです……だから……私も見えるふりをしていました……」
僧侶「でも……施設に入れられてしまって……」
魔王「魔法が見えるふりをしていたのになぜ施設にいれられるのだ?」
僧侶「私の両親は神官で、教会で働いていたんですが……二人とも事故で亡くなってしまいました。それで私は両親を埋葬して弔ったんですが……」
僧侶「そ、それを……それをみんなは生きてる両親を私が生き埋めにしたって!そして蘇生させると言って両親の遺体を掘り出して……」ブルブルッ
僧侶「両親は生きてることになってますが遺体はそのままです……私は施設に入れられてしまいました」
魔王「なんと……人間達の国ではそんなことが……」
僧侶「だから私は施設に入ってからは絶対に魔法が見えないなんて言いませんでした……魔法を使えるふりまでしました」
僧侶「そのうち魔法攻撃に動じない私は高位の僧侶ということになって……」
213 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/26(土) 02:04:30.09 ID:
DtoM5NhL0
僧侶「で、でも……私のような出来損ないと同じ境遇なのに……魔王様は堂々と魔法など存在しないって……」
魔王「出来損ないだと!?馬鹿を言うな!自分を信じないでどうする!」
僧侶「魔王様……」
魔王「僧侶とかいったか。お前には私の姿がどう見える?」
僧侶「ど、どうって……アホ毛の生えてる以外は普通の人ですよね?肌も肌色ですし」
魔王「アホ毛いうな。そうだ、私もお前も同じ人間だ。何も恥じるところなどないな」
僧侶「……///」ポーッ
魔王「おっと食事がきたようだ。続きは食べながら話すか」
222 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/26(土) 02:08:51.01 ID:
DtoM5NhL0
魔王「どうした。食べんのか?」
僧侶「あ、はい。いただきます」
魔王「いただきます」パクッ
魔王「んっ?な、なんだこれは!料理長を呼べ!」
料理長「お、お呼びでしょうか。魔王様」
魔王「この料理を作ったのは誰だ!」
料理長「わ、私です」
魔王「貴様はクビだ!出て行け!」ガタッ
232 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/26(土) 02:14:28.12 ID:
DtoM5NhL0
料理長「な、なんでですか!?私の料理のどこがいけないんです」
魔王「このスープ……だしの取りかたは完璧だ。食材も最高のものを使っておる」
料理長「そうですとも!魔王様に食べていただくんです。最高の料理です!」
魔王「だがかすかに香りがつけてある。この香りはなんだ……木苺でもない、苔桃でもない、桑の実でもない……これは魔力草だ!そうだな!?」
料理長「は、はい!魔王様の魔力を回復していただこうと……」
魔王「私はあの青い草が大嫌いだと言ってあっただろうが!」
料理長「でも魔力草はたいていどんな料理にも入っていまして……」
僧侶「あ、あの……私これ……食べられません……魔力草が入ってます……アレルギーで……」
魔王「ん?」
僧侶「え?」
魔王「これは……もしかして……おい、その施設にいたやつらは魔力草を食べていたか?」
僧侶「確か嫌いな人が多かったような……」
魔王「いや、気のせいかもしれんが……あいつで試してみるか」
234 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/26(土) 02:15:25.89 ID:00g4aDCL0
まwwwやwwwくwwwwwwwww
238 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/26(土) 02:16:56.01 ID:zK2FH+wg0
こんな世界恐ろしすぎるな…
239 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/26(土) 02:16:58.19 ID:CUnazkY70
成る程なぁ
247 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/26(土) 02:19:44.63 ID:
DtoM5NhL0
ーーー地下牢
ヴァンパイア「だせー!ここからだせー!俺は将軍だぞ!」ガタガタッ
魔王「元気そうだな。ヴァンパイア」
僧侶「あ、壁降りてたパタパタおじさん」
ヴァンパイア「魔王!よくもこんなところへ!魔族のことを想うならこの俺をここからだせ!そして魔道兵を復帰させろ!」
魔王「くくくっ、いつまでそんなことを言っておれるかな?」
ヴァンパイア「お、俺に何をする気だ……ま、まさか……」
魔王「おい、料理長」
料理長「は、はい!」
魔王「貴様の失敗は帳消しにしてやる。その代わりヴァンパイアへの食事は私と同じものを食わせろ」
248 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/26(土) 02:19:50.89 ID:mrblvYxq0
面白こわい
シュールと恐怖が入り混じった世界観
249 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/26(土) 02:20:48.03 ID:mrblvYxq0
ヴァンパイアさんの更生タジマッハ
250 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/26(土) 02:20:53.99 ID:7s/1Afsf0
よりによってヴァンパイアwww
252 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/26(土) 02:21:21.79 ID:
DtoM5NhL0
料理長「わ、わかりました」
ヴァンパイア「はぁ、俺にあんたと同じもの食わせてくれるのか?」
魔王「さっき作り直した料理を出してやれ」
料理長「ど、どうぞ」カチャッ
ヴァンパイア「じゃあいただきます」モグモグ
ヴァンパイア「ん?なんだ?なんか足りねぇな」
魔王「まだ気づかんか。味オンチめ、しばらく様子を見よう」
253 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/26(土) 02:21:59.71 ID:2NgXcfcvO
彼の知らない彼の黒歴史が今明らかに…
さすが魔王様
254 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/26(土) 02:22:41.66 ID:PLKktwPL0
顔をうずめて脚バタバタさせる用の枕と布団を早く用意してあげて
255 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/26(土) 02:22:54.47 ID:mrblvYxq0
唯一の良心がリハビリ方法を発見
256 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/26(土) 02:23:18.98 ID:dGI52q6F0
この世界全員ヤク中かよwwwww
261 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/26(土) 02:25:31.05 ID:
DtoM5NhL0
ーーー1ヵ月後
ヴァンパイア「うあああああああああああ!魔力草!魔力草をよこせえええええええ!」ガタガタ
魔王「相変わらずやかましいやつだな」
ヴァンパイア「魔王貴様ー!食事から魔力草を抜きやがったなぁああ!魔力が衰えるうううううう」ガタガタ
魔王「そんなものはじめからないわ」
ヴァンパイア「まだ言うかああああ!草をくれえええええええ」
魔王「どうした、得意の魔法でも使って見せろ」
ヴァンパイア「おおおおおおお!メギドフレイム!」
シーン
ヴァンパイア「あ、あれ?エナジードレイン!」
シーン
ヴァンパイア「な、なんだ!?魔法がでないぞ!」
魔王「ふんっ、出ていないのか。私には最初から分からんがな。これでも魔法があるというか?」
ヴァンパイア「ま、魔力切れだ!そうだ!魔力草が足りないからだ!」
262 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/26(土) 02:26:07.64 ID:mrblvYxq0
魔力草はびこりすぎ
263 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/26(土) 02:26:24.31 ID:Gmc3z0Xa0
あかん、完全にヤク中ですわこれ
276 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/26(土) 02:29:57.11 ID:
DtoM5NhL0
魔王「そうか、では側近」
側近「はい?なんです?」
魔王「ちょっと魔法使って見せろ。簡単なものでも構わん」
側近「魔法ですか?では……ファイアーボール!」ゴゴォ
魔王「どうだ?ヴァンパイア。見えたか?」
ヴァンパイア「な、何をしている?側近。何も出ていないぞ、自分でゴゴォと言っていたぞ」
魔王「続けてみろ」
側近「?」
側近「では……深淵のよりいでし混沌の申し子よ……我が血と魔力を糧に顕現せよ……ダークエターナル!」ドギュー
魔王「どうだ?」
ヴァンパイア「あ……あ……も、もしかして……俺もあんな感じだった?」
魔王「ああ、ノリノリであったな」
ヴァンパイア「ぎゃあああああああああああああああああああああ!」ジタバタ
魔王「ふははははは!己の恥を知ったか!」
277 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/26(土) 02:31:01.48 ID:mrblvYxq0
これ逆に側近が可哀そうだろwwwwwwww
278 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/26(土) 02:31:05.15 ID:PQvsSPXJ0
辞めたげて(´;ω;`)
284 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/26(土) 02:32:04.55 ID:m006svwH0
ヴァンパイアwwwwwww
285 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/26(土) 02:32:23.09 ID:CYWE0+yy0
うわあ…
291 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/26(土) 02:35:31.50 ID:
DtoM5NhL0
僧侶「ちょっと可哀想じゃないですか?」
魔王「だがこれで決まりだ!原因は魔力草だな!側近!」
側近「は、はい?」
魔王「魔力草を全面禁止にする!今あるものもすべて燃やし尽くせ!」
側近「な、何をいってるんですか!魔力草は我々の魔力の源ですよ!魔力草の栽培地があることで人間どもより有利に立ってるんですから!」
魔王「そんな栽培地など人間どもにくれてやれ!いいか?人間に勝ちたいなら言うことを聞け」
側近「うぐ……」
魔王「それとも私とやりあうか?」ギロッ
側近「わ、分かりましたよ!どうなってもしりませんよ!」
魔王「それから僧侶」
僧侶「は、はい!」
魔王「お前の収容されていた施設というのはどこにある?」
僧侶「え……」
魔王「王国に攻め入り、まずそこを開放する。我らの仲間だろうからな」ニッ
僧侶「魔王様……///」
292 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/26(土) 02:36:17.75 ID:Gmc3z0Xa0
魔王が勇者になってる・・・
293 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/26(土) 02:36:30.95 ID:+M9fxZVv0
魔王様・・・///
296 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/26(土) 02:36:57.00 ID:CYRifPsH0
やだイケメン
297 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/26(土) 02:37:00.24 ID:7s/1Afsf0
施設救出大作戦!
307 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/26(土) 02:40:06.92 ID:
DtoM5NhL0
ーーー王国
王様「どどどど、どうなっておるのだ。勇者よ、魔族に連戦連敗ではないか」
勇者「申し訳ない!やつら魔法耐性をあげてきやがって……」
魔法使い「魔王が地獄の門を開いてその力で守ってるのよ」
賢者「神をも恐れぬ所業を……恐れ多いことを」
王様「どうするのだ!」
勇者「だが、安心してくれ。この王国にやつらが迫ったとき……それが魔族の最後だ」
王様「ほぅ……策があるのか?」
勇者「ああ、最近魔力草も大量に手に入るようになっただろ?だから魔法使いと賢者で罠を張っている」
魔法使い「多重結界の大規模魔方陣よ。ふふふっ……大人数の高位の術師たちの魔力が必要になるけど……魔力草が大量にあれば……」
賢者「そこに魔族たちが足を踏み入れたら……ジ・エンド」
王様「おお!さすが勇者だ。城の術師も総動員させよう」
勇者「ははははは!ここが魔王の墓場になる!」
320 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/26(土) 02:45:57.73 ID:
DtoM5NhL0
ーーー王国北方5km地点
ワーウルフ「先方は俺っすよ!アオオオオオオオオオオオン!」
魔王「満月だからってそんなにはしゃぐな。お前もう狼になったりしないだろう。全然変わってないな」
ワーウルフ「気分っすよ!気分!ノリが大事っす」
ヴァンパイア「いやぁ、晴れ晴れした気分ですね!魔王様!」
僧侶「あの……この人は変わりすぎて気持ち悪いんですけど……」
ヴァンパイア「酷いな!君は!わたくしはもとから紳士だよ」
側近「もう王国目前ですね。どうします?兵たちの士気も十分です。今なら王国だって落せますよ」
魔王「いや、まずは王国のはずれ……あそこにある壁の中の施設を落す」
ワーウルフ「なんすか?あれ?刑務所っすか?」
僧侶「刑務所のほうがまだ人間らしい生活ができます……そんなところです……」
魔王「行くぞ!」
323 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/26(土) 02:46:36.23 ID:mrblvYxq0
熱い展開になってきた
327 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/26(土) 02:48:23.43 ID:J0YH/Btv0
ヴァンパイアの見せ場はまだですか
328 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/26(土) 02:48:31.16 ID:X3Q3ibYH0
ワーウルフの後輩臭がすごい
331 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/26(土) 02:50:44.27 ID:
DtoM5NhL0
ーーー不能者収容所
ドドドドドド
門番A「な、何の音だ?」
門番B「あ、あれは……敵襲!敵襲だああああ!」
カーンカーン
門番A「ど、どうするよ?」
門番B「どうするって?」
門番A「俺たちがここにいるのは中のやつらを出さないためだ。守るためじゃない」
門番B「そ、そりゃそうだ!じゃあ……逃げるか?」
門番A「ああ、逃げよう!そうしよう!」
ワーウルフ「アオオオオオオオオオン!」ドガッ
ヴァンパイア「敵前逃亡とは紳士にあるまじき行為!許せません!紳士キック!」ドスッ
門番A・B「……」バタッ
魔王「この中か……頑丈な鉄の扉だな……」
337 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/26(土) 02:52:26.38 ID:Atw5AdY80
ヴァンパイアさん新しい薬やってるよね
338 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/26(土) 02:53:08.28 ID:mrblvYxq0
ヴァンパイアさん後遺症あるね