Part20
609 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/09/09(火) 23:32:47
2cpyvqCE
魔王「うっ、うあああああああっ!」バッ
シュッ
クイッ!
ファイター「・・・・・こんなことしてもどっちも虚しいだけアルよ」ググ...
魔王「・・・・うぐぐ」
魔王「私は・・・ま、ママのために・・・!ママのために!」
ファイター「・・・ッ!」
____ 彼の力が弱まった。今だ!え……今...だ...?
グ サ ッ
魔王「あっ」
610 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/09/09(火) 23:33:37
2cpyvqCE
ファイター「ぐうっ!・・・ゲホッ、ぐあぁ・・・あ・・・」
魔王「ああっ・・・あ・・・ああ・・・」
ファイター「抜くな!お前の勝ちだ・・・まおう・・・」
魔王「私っ!な、なにして・・・違う!嫌だ!違うこれじゃないこんなんじゃないよ!」
ファイター「・・・フッ」
ファイター「はは・・・何が違うアルか・・・まおう・・・」ナデ...ナデ...
____ 私を撫でる右手。そして片方の左手で私の両手を掴み、わざとナイフを奥深くに差し込ませる
魔王「ああ・・・・いや・・・・」
611 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/09/09(火) 23:34:23
2cpyvqCE
ファイター「日記・・・見ちゃったアルよ・・・」
魔王「えっ・・・」
ファイター「全部知ってたアル・・・魔王信者だってことも・・・殺人犯だってことも・・・」
ファイター「私の命を狙うことをためらってたことも・・・・・・」
____ じゃあ、今のは
ファイター「相談・・・乗れなくてごめんアル・・・色々考えたんだけど・・・迷いすぎちゃって・・・」
魔王「うわあ・・・ああ・・・ああ!嫌!違う違う違う!!」
ファイター「お母さん・・・・・・生き返らせるたいアルか・・・はは」
612 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/09/09(火) 23:35:33
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ファイター「子供だから・・・仕方ない・・・ゲフッ!が・・・あ」
魔王「ああッ、は、離して!離してよ!まだ助かる!」
ファイター「・・・・・私が死ねば・・・お母さん生き返らせられるアルか?」
ファイター「そんなのダメだってわかってるのに・・・・・従っちゃう」ピク...ピク...
グググ....ブシュンッ!
ファイター「大切な妹の我儘だから・・・」ニコリ
魔王「・・・うっ、あ、あっ」
613 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/09/09(火) 23:36:15
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ファイター「・・・・_________
魔王「うわあああああああああああああああああああああああ!!!」
側近「・・・」スタスタ
魔王「ああっ!あああああッ!!」
側近「・・・」スッ...ゴキュ!グリリッ!...ズボッ....
魔王「ああああああガッ!?が、むがっ・・・」
側近「食べなさい・・・もう後なんて引けないんだから・・・」グリグリ
____ 私は無理やり彼の心臓を食わされた
614 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/09/09(火) 23:36:53
2cpyvqCE
魔王「おえっ・・・おえええええ・・・!」
側近「・・・」
魔王「嫌だよ・・・こ、こんなの嫌だ!・・・嘘だッ・・・・」
魔王「・・・・・・うぅああ〜・・・ああ・・・ああああああああああ」
____ もう後なんてひけない
魔王「ぐうっ!ああああああ!!」
側近「やめなさい!」
____ 自殺さえも許してくれない。もう、私は何もかも許されないんだ
615 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/09/09(火) 23:37:29
2cpyvqCE
魔王「あ」
___ そうだ
魔王「ああ・・・あー・・・」
___ お兄ちゃんの能力を使えばいいんだ
魔王【・・・・・・】
___ これで全部楽になれるかもしれない。そうだそうだ
側近「・・・?」
616 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/09/09(火) 23:38:03
2cpyvqCE
魔王【私は悪くない】
側近「・・・ほう」
魔王【殺しをためらうな】 【泣くな】 【明るくなれ】 【明るくなれ!】
魔王「あははっ」
魔王【今起きた事を忘れろ】 【ファイターの事を忘れろ】 【ママを生き返らせろ】
魔王「・・・・・」
魔王「・・・ひひっ」
617 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/09/09(火) 23:38:39
2cpyvqCE
魔王「・・・ねえ、側近」ユラリ
側近「?」
魔王「私の言うこと従ってよ・・・これから中央大陸におーっきな魔王城建てるんだぁ・・・」
側近「・・・・・決めたのね」
魔王「うん!」ウルウル
魔王「まおうはねっ魔王を復活させてママを生き返らせてもらうの!」ツー...
魔王「それがね!まおうの幸せなんだ!」ポロポロ...
618 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/09/09(火) 23:40:03
2cpyvqCE
また明日くらいに
皆さんも体調には気をつけてくださいね
619 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/09/09(火) 23:43:41 XFucm55c
お大事に
おつです
620 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/09/10(水) 05:11:48 zJwTbq1A
おつです
621 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/09/11(木) 22:23:14
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==================================================
召喚士「・・・・・」ヘナッ...
騎士(ど、どうしたんだ?いきなり座り込んで)
召喚士「・・・こんなのイカれてる」
勇者「騎士!しょーかを連れて逃げて!」
騎士「え?」
勇者「いいから速く!」
622 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/09/11(木) 22:24:03
2yPLMt6w
魔王「お姉ちゃん・・・まおうの昔話見ちゃったんだ・・・」スタスタ
勇者「ッ!」バッ
「お久しぶりです」
側近「お嬢様・・・」
勇者「・・・・・側近?」カランッ...カランッ...
勇者「生きてたの・・・貴女・・・」
側近「おかげさまで」
623 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/09/11(木) 22:25:35
2yPLMt6w
魔王「なにしにきたの」
側近「あまりにも遅いので来てしまいました」
魔王「・・・ふーん」ダ゙ッ
勇者「待て!」
ガシッ
側近「待つのはお嬢様ですよぉ・・・」
勇者「・・・なっ」
624 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/09/11(木) 22:27:23
2yPLMt6w
勇者「・・・【どけ】」
側近「嫌です」
勇者「・・・・・」
側近「どうしました?私をその剣で殺せばいいのに」
側近「お得意の自己中心的な考えはどこに?」
勇者「・・・」
側近「じゃなきゃお友達が殺されてしまいますよお」
625 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/09/11(木) 22:29:33
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勇者「お願い・・・どいて・・・」
側近「だから嫌だって言ってるでしょ」
勇者「・・・・・お願い・・・大切な仲間なの・・・」
____ 彼女に....私は何も出来ない....
側近「私にとっても魔王様は大切な存在です。とても悲しい過去を持っていて・・・ああ、そうだ」
側近「貴女にはあります?」
勇者「・・・・・・」
626 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/09/11(木) 22:31:35
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側近「みーんな思ってますよ。貴女がそんな性格なのは暗い過去があるからだって」
勇者「・・・」
側近「ないですよねえ?」
側近「あったとしてもそれは自業自得なのだから!」
____ その通りだった
側近「この最低のクズが・・・」
勇者「ううっ・・・・・」
側近「そうやってうずくまって逃げて・・・いいんですか?お友達」
627 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/09/11(木) 22:33:51
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= ホテル内 =
騎士「逃げろたって・・・だ、誰からだよ・・・!」タッタッタッ
魔王「・・・」フラッ...
騎士「あ、まおうちゃん!なんだかここあぶないみたいだから部屋に・・・」
ガクッ!
____ ホテルの客達に抑えられる....って、え?
召喚士「・・・まおうちゃん」
魔王「みーつけた」
628 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/09/11(木) 22:36:55
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騎士「離せッ!なんだこいつら!・・・・さ、サブミッシブか!?」
____ でも勇者さんは外に居るはずなのに...一体どうして...
召喚士「やめようよ・・・こんなことしてもエルフさんは喜ばないよ・・・」
魔王「んーと」
魔王「私に言っても無理なんだーごめんねー」キャハッ
____ えっと.....なに?何の話?
騎士「お・・・おい・・・」
629 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/09/11(木) 22:38:59
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召喚士「・・・騎士君。今までありがとう、勇者にも言っておいて」タタッ
魔王「・・・」
____ 魔王に向かって走りだす召喚士
騎士「何言って・・・え」
____ 全ての召喚獣をホテルの壁を壊してまで出し、まおうちゃんに襲いかかる....は?
召喚士「________!」
魔王「______」
____ 殺し合いをする二人.....だからわけが.....意味が....
騎士「やめろ!やめろよ!!」
630 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/09/11(木) 22:39:46
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ディアボロス「何者だこの小娘...」
召喚士【黙って集中して!】
召喚士「私は止める・・・!何がなんでも・・・!」
魔王「・・・ハッ!」スッ
ゴキュッ!
召喚士「ッ・・・うぐ!?」
____ 彼女のウデが私の胸を突き抜けて心臓を掴む
631 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/09/11(木) 22:42:28
2yPLMt6w
魔王「・・・」
召喚士「・・・あ・・・」
____ 死んでもいい......S級試験合格通知ができなくても....
召喚士「ああああああああああああああああッ!!」ギロッ!
ガシッ!
魔王「〜〜〜ッ!?」
____ 彼女の首を締める
632 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/09/11(木) 22:43:24
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召喚士「私が終わらせてあげる」
魔王「が・・・あ・・・」ピクピク
____ 私は魔法で彼女の脳内に語りかける....心臓を握られてるのだ。これが精一杯
召喚士「これ以上絶望を味あう事のないように・・・私が・・・」
魔王「ぎ・・・はな・・・せ・・・」ピクピク
魔王「ま・・・ま・・・」ピクピク
召喚士「!」
633 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/09/11(木) 22:47:17
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召喚士「・・・・・」
騎士「_________!!」
____ あ。騎士君が私に何か叫んでる....はは、泣いてるし...
勇者「____」
____ 絶望しきった表情で勇者が視界の奥片隅にふらりと現れる.....そんな顔見たくなかったなあ
召喚士「・・・・・」
____ あーあ。子供の我儘に従っちゃうなんて....
召喚士「・・・」ニコッ
____ でも今まで楽しかった....ありがとう....
634 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/09/11(木) 22:49:14
2yPLMt6w
_________________________________
__________________________
騎士「今言ったこと・・・本当ですか・・・」
勇者「・・・」コクリ
____ あれから二日後。私達は彼女の孤児院の側に彼女の墓を建てた
騎士「・・・・・」
勇者「・・・」
騎士「もう・・・それしか方法はないんですか・・・・」
勇者「・・・・ええ」
635 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/09/11(木) 22:49:46
2yPLMt6w
騎士「・・・・・・行きましょう」
勇者「・・・うん」
____ 彼には言えなかった
全てをたどれば元凶はかの魔王だが
まおうをそそのかした側近という悪を作り上げたのは私だった
勇者「・・・ふん」
____ だからなんだ
636 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/09/11(木) 22:50:19
2yPLMt6w
勇者「・・・ふふっ」
____ だからどうした
誰が死のうと私のせいでもどうだっていい.....なんとでも言うがいい......私は正義じゃないんだ
勇者「ふふふっ」クスクス
____ 忘れてしまってた。私の本来の目的を
死んで気づかせてくれてありがとう召喚士さん
騎士「・・・勇者さん?」
勇者「いえ、なんでもない。行きましょう。何もかも終わらせに」ニコッ
641 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/09/12(金) 23:55:36
uaJhSnNw
======== 魔王城 ========
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ...
魔王「・・・本当に出てくるの?」
側近「ええ、既に6つの能力を使いあげたのですから・・・さあ、言葉を・・・」
魔王≪(「{『【甦れ!魔王よ!】』}」)≫
...... 言葉に反応し...巨大な壺が暴れ始め....そして
「ぷはぁっ!」
???「あー・・・なにここ・・・」ベトォッ
???「てか僕裸じゃん・・・幼女いるし・・・捕まっちゃうなあ・・・」ベトベト
魔王「! これが・・・・・魔王・・・」
642 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/09/12(金) 23:56:16
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魔王「どうも」
魔王「僕は魔王。まおさんって呼んでもいいよ」
...... 爽やかな青年だった
魔王「・・・えっと・・・」
魔王「ん?え・・・てか君と僕・・・同じ名前じゃないか」アワワ
ぽわん
まおう「あ」
魔王「君の方は平仮名表記にしておくね?いいよね」