Part19
577 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/09/07(日) 23:34:15
V6JDXz8o
魔王父「ハハ・・・ハハハ!お前は結局俺の子供だったんだ!」
魔王【喋るなァッ!】
____ コイツだけは殺さなかった
絶対に今までよりヒドイ殺し方をしてやるんだ
「・・・・・・なにこれ」
側近「貴女がやったの・・・?もしかして・・・」スタスタ
____ 普通。この有り様を私みたいな少女が犯人だと思うだろうか
恐らく彼女はずっと見ていたんだ。この1周間の私の殺人パーティを
魔王「・・・・・」スタスタ
578 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/09/07(日) 23:35:02
V6JDXz8o
側近「その能力・・・」
魔王【ついてくるな】スタスタ
側近「・・・」タッタッタ
魔王「!?」バッ...
側近「あ。いまもしかして私に能力使ったの?意味ないよ」
____ 彼女は自分で鼓膜を破っていた
後々知ったことだが、宿敵への対策らしい。私じゃないよ
579 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/09/07(日) 23:36:38
V6JDXz8o
側近「・・・これが貴女のママどうしてこんな・・・」
魔王「・・・」コクリ
側近「別にジェスチャーじゃなくていいよ。唇の動きで大体わかるから」
魔王「この里のやつらにこうされた」
側近「・・・ねえ、なんであのおじさんは殺さなかったの?」
____ 私は彼女に全てを伝えた
580 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/09/07(日) 23:38:21
V6JDXz8o
側近「・・・・・じゃあ燃やそうか。メラミ」スッ ボオッ!
魔王「!? な、なにするんだ!」
側近「自分の母親をこんな姿で放置する気?」
側近「土葬は虫に食われるし火葬のほうがいいのよ」
魔王「・・・・そう」
____ 母が骨になるまで半日かかった
581 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/09/07(日) 23:39:15
V6JDXz8o
側近「これからどうするの?」
魔王「ママを生き返らせる」
側近「・・・・・・は?」
魔王「魔王を蘇らせられるんだもん。きっとママの方が簡単に」
側近「種族はエルフなんでしょう?貴女のその能力は禁術によって作られたもの」
魔王「蘇らせるのだって禁術だ」
側近「禁術は禁術でも黒魔術と白魔術の違いがあるもの」
魔王「・・・・・じゃ、じゃあどうすれば」
582 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/09/07(日) 23:42:03
V6JDXz8o
側近「魔王を生き返らせる。そして魔王に頼めばいいんじゃない?」
魔王「・・・え」
側近「かの魔王ならきっとできる・・・そう思わない?」
魔王「・・・で、でも」
側近「それ以外に思いつくことはあるの?諦める以外に」
____ なかった
魔王「・・・・・・うん」
側近「手伝うよ。貴女のその野望」
583 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/09/07(日) 23:44:01
V6JDXz8o
ザオリクとかケアルガがない世界
すいません熱があるんで明後日にまた
584 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/09/08(月) 00:24:41 fdFxeyl6
乙 お大事に
585 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/09/08(月) 00:55:52 ybVBkCOs
乙
熱あるのに書いてくれてありがとう
586 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/09/08(月) 05:07:28 /FbkIo7k
乙 お大事に
587 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/09/09(火) 23:17:00
2cpyvqCE
= 西大陸・中部 =
側近「・・・」ブルルルッ...ブウンブウン!
___ バイクで旅をしていたのだろうか...
魔王「どうしてここがわかったの・・・結界があったはずなのに・・・」
側近「解けてたのよ。きっと貴女が結界を張っていた人物を殺したから」
魔王「ああ、そっか」
588 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/09/09(火) 23:17:39
2cpyvqCE
側近「しっかり掴まってて」
魔王「うん」ガシッ
ブウンッ!ブウンッ! ブロロロ...
側近「この先に舞踏の町があるわ。そこで話しましょう」
魔王「・・・・・なんでそこまでするの?貴女は関係ないのに」
側近「見届けたいだけよ。なんとなく」
魔王「・・・なんとなく」
589 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/09/09(火) 23:18:22
2cpyvqCE
_ 舞踏の町 _
____________________________
____________________
側近「貴女は当分ここの宿屋で泊まってなさい」
側近「私は私で魔王信者の里にあった書物を漁ってみるから」
魔王「で、でもお金が・・・」
側近「そんなものなくてもこれがあるでしょ」
___ そう言って喉に指をさす。私の能力の事だ
魔王「でも・・・そんなことのために使いたくない」
側近「・・・・・あのねえ」
590 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/09/09(火) 23:18:59
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ファイター「泊まるところがない?ならウチを使うネ」
____ 女の子みたいな顔をした彼の名はファイター
側近「随分気前がいいのね。その喋り方・・・あんま信用出来ないんだけど」
ファイター「別に信用されなくてもいいネ」
ファイター「ただその姿と匂い・・・子供のそんな顔を見たら・・・」
ファイター「ほっとくわけにはいかないアル」
____ どうやら私が何か事件に巻き込まれたと思っていたみたい
取り敢えず家族を殺された私を旅人である側近が保護したという事にしておいた
591 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/09/09(火) 23:19:35
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_ 武道場 _
ファイター「ほれ」
魔王「わぶっ」バサッ
魔王「なにこれ・・・真っ黒・・・」
ファイター「黒色が好きなのかと思って」
____ そういって黒の道着を着せられた
ファイター「うん!ぴったし!」
592 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/09/09(火) 23:20:15
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魔王「私・・・えっと」
ファイター「今日からお前は私の妹ネ」
魔王「!?」バッ!
ファイター「べ、別にそういう意味じゃないアル・・・えっと」
ファイター「今日から我が家族の一員ネ!」
魔王「家族・・・?」
____ 家族.....私には聞き慣れない言葉
593 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/09/09(火) 23:20:56
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〜〜〜〜〜〜〜〜
____ そして、彼との生活が始まった
ファイター「前髪が長いし髪がボサボサすぎアルな」
チョキチョキチョキチョキチョキチョキチョキチョキチョキチョキチョキチョキッ
魔王「・・・」ボケー
ファイター「これでよし。せっかく可愛いんだからもったいないヨ」
魔王「そうかなあ・・・」ボケー
ファイター「うんうん」
594 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/09/09(火) 23:21:32
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〜〜〜〜〜〜〜〜
ファイター「魔術が得意でもスタミナがなくちゃ意味ないアル!」
魔王「はあっ・・・はあっ・・・うう」
ファイター「まだ1kmも走ってないのに・・・」
魔王「おなかへった・・・」オンブ
ファイター「しかも食いしん坊・・・まあ子供らしいヨ」ニコッ
魔王「・・・へへ」
595 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/09/09(火) 23:22:10
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〜〜〜〜〜〜〜〜
ファイター「魔術を体中に巡らすネ。そうすれば攻撃力も防御力も上がるヨ」
門下生A「よおしこい!」
魔王「や!」
ズドォーーーンッ!
門下生A「」ピクピク
門下生B「し、師範代・・・彼女は一体・・・」
ファイター「まおう。やっぱ魔法禁止」
596 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/09/09(火) 23:22:52
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〜〜〜〜〜〜〜〜〜
魔王「〜〜〜♪」
ファイター「なに書いてるアルか?」ヒョコ
魔王「わっ!?天井から出ないでよ・・・これはお兄ちゃんでも見ちゃダメ・・・」
____ 今までの事を日記に書いていたのだ
ファイター「むう・・・。ん?」
ファイター「お兄ちゃんかあ・・・ふふふ・・・」
魔王「ち、ちが///」
597 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/09/09(火) 23:24:01
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〜〜〜〜〜〜〜〜〜
側近「久しぶり。何ヵ月ぶりかな」
魔王「ん・・・あれからなにかわかった?」
側近「魔王復活の儀式のひと通りは・・・・・後は生贄としての事がまだ」
魔王「わかった。ありがとう」
側近「!」
魔王「なに」
側近「なんか雰囲気変わった?」
598 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/09/09(火) 23:24:40
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〜〜〜〜〜〜〜〜〜
魔王(あ・・・)
バトマス「妹が出来たんだってな。見てもいいか?」
ファイター「ダメダメ、お前は顔が怖いからきっと泣いちゃうヨ」
バトマス「ハッ・・・だいぶ愛情注いでるみたいだな」
ファイター「・・・・・・ああ」
魔王「えへへ」(別に大丈夫なのに・・・)
599 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/09/09(火) 23:25:21
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バトマス「両親の敵・・・うてなくなっちまったな」
バトマス「新聞見たか?魔王信者が全滅したらしい・・・誰が殺ったのかは知らんが・・・」
魔王「!」
ファイター「別に構わないアル。父さんも母さんもそんなこと望まないだろうし」
バトマス「そうか・・・じゃあ俺はもう行く」
ファイター「もう少しゆっくりしていっても構わないアルよ」
バトマス「こっちも本業があるからな」
600 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/09/09(火) 23:25:56
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ファイター「? ああ、聞いていたのか」
魔王「・・・・・」
ファイター「お前まで悲しむことなんて一つもないアル」ナデナデ
___ 違うの
ファイター「私の今の心の支えはお前アルよ。まおう」ニコッ
___ 私は...お兄ちゃんの両親を殺した犯人の娘......
魔王「・・・うん」
601 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/09/09(火) 23:26:31
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= 翌日 =
側近「魔王を復活させるには貴女の超能力ともう5つ必要なの」
魔王「あ・・・アイツが言ってた。能力を喰い奪えって」
側近「ええ、そして復活させた魔王を本調子にさせるため自分の命を能力と共に捧げる」
魔王「・・・・・・でも能力は一体誰に」
____ ママが昔産んだ...要するに死んじゃった私のお兄さんに受け継ぐ筈の能力は...
側近「伝説の勇者の末裔に引き継がれてるわ」
魔王「!」
602 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/09/09(火) 23:27:06
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側近「きっと儀式を失敗させた稲妻・・・
その稲妻は初代勇者によるものだと言われてるの・・・」
側近「そして誰に受け渡ったか大体把握してたみたい」
魔王「・・・・・どこにいるの?」
____ ママを蘇らせるためだ。どんなことだって
側近「一人。初代勇者と武道家の代の末裔」
側近「貴女のすぐ側にいるファイターよ・・・」
魔王「え」
603 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/09/09(火) 23:27:47
2cpyvqCE
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ファイター「今日も体調悪いアルかー?」コンコン
ファイター「・・・朝ごはん。置いとくアル」カタリ
魔王「・・・」ブルブル
____ 出来ない、出来る訳がない
魔王「うう・・・ううあ・・・」
____ あれだけ覚悟を決めてたのに....どうして....よりによって....
魔王「お兄ちゃんなの・・・」
604 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/09/09(火) 23:28:46
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側近「・・・まおう」コンコン
側近「どうしようと貴女の自由よ。私は興味本位で近寄っただけ」
魔王「・・・・・」
側近「死んだ母親を生き返らせるなんて馬鹿げてる」
側近「そのために心を許しつつある義兄を殺す?」
魔王「ああ・・・うう・・・」
605 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/09/09(火) 23:29:21
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側近「正直、私は貴女に興味があった。どこまでのことをするのかと」
側近「けど・・・・・今の貴女は幸せそう。そう、それが幸せなんじゃない?」
魔王「幸せ・・・なんて・・・」
____ 違う。まおうにとってママのいる世界こそが......
側近「じゃあ、私はこれで」
____ どんなことだってできるんだ
606 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/09/09(火) 23:30:37
2cpyvqCE
魔王「待って」
ガチャッ
魔王「・・・・・私は」
側近「・・・」クルリ
魔王「私は・・・ママを選ぶ・・・」
____ 思えば私とお兄ちゃんは相容れない存在だったんだ……どうってことない……
側近「・・・ふっ」ニタァ
607 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/09/09(火) 23:31:14
2cpyvqCE
_______________________________
_________________________
ファイター「スーパームーン・・・綺麗アル」
ファイター「ああ、女の子に月が綺麗なんて言っちゃいけないアルな」ニコリ
____ 私の気配を察して、振り向いてそう笑ってくれる
魔王「・・・」
ファイター「町の人が誰一人家から出ようとしないアル・・・まるで誰かに命令されたかのように・・・」
魔王「・・・」
ファイター「・・・・・・まおう。どうしてそんなことした」キッ
608 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/09/09(火) 23:31:59
2cpyvqCE
魔王「そそれは・・・ね・・・あ・・わた・・・私が・・・」カタカタ
____ ナイフを持つ手が震える。もう隠しても意味ない
魔王「私が・・・お兄ちゃんを殺すから・・・だよ・・・」カタカタ
ファイター「・・・・・」
ファイター「ふうー」
ファイター「残念アル。あれだけ武術を教えたのに武器を使うなんて」ニコッ
魔王「!」
____ なんで笑うの...私に怒ってよ...もっと怒って...