Part12
366 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/08/28(木) 20:24:53
M5GItBDA
__ = 1週間後・ホテル・ロビー
勇者「そう・・・じゃあおじ様は・・・」
「はい、既に・・・」
勇者「・・・・・」
「ですが死因はロボットによるものではないかと」
勇者「・・・え」
「殺人鬼による可能性が高いかと」
勇者「殺人鬼・・・」
367 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/08/28(木) 20:25:51
M5GItBDA
騎士「あっ、ゆ、勇者さん部屋から出て大丈夫なんですか!?」
勇者「貴方こそ回復係はいいの?引っ張りだこだったみたいだけれど」
騎士「ひりっ、ひ、ヒーラー?の方達が到着したみたいで・・・俺の仕事は終わったみたいです」
勇者「・・・そう」パサッ
騎士「新聞・・・ですか?」
勇者「うん、読むものなくて暇だし」
「救世主様ー!」 「お礼がしたいのです!中に入れてください!」 「勇者様〜!」
勇者「騎士、追い出しといて」
368 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/08/28(木) 20:27:20
M5GItBDA
騎士「勇者さん・・・言い難いんですがもうメディアじゃ有名人で・・・」
勇者「め、めでぃ」
騎士「もう世界中で勇者さんの名前が知れ渡っているんですよ」
騎士「その、何故か伝説の勇者と魔法使いの子孫ってことも」
勇者「・・・」
369 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/08/28(木) 20:28:50
M5GItBDA
__________________________
________ 魔王城 _________
側近「全く・・・派手な事をしてくれましたね・・・」
魔王[だってロボットかっこいいんだもん]
....... 普通にTV電話で会話する2人
側近「全く、勇者を怒らせたのですか」
魔王[こ、怖かったよお・・・]
魔王[殺すことしか考えてない顔だったもん・・・あれ・・・]
370 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/08/28(木) 20:32:12
M5GItBDA
召喚士「あれ・・・まおちゃんなにしてるの・・・?」
魔王「!」
魔王「えっとねっ蟻さんが行列作ってたんだ〜・・・」アセ...
召喚士「そっか・・・その・・・まだ見つかってない?お父さんお母さん」
魔王「う、うん」
魔王「・・・・・もう死んじゃったと思うな・・・ロボットに撃たれてたから」
召喚士「! そ・・・っか・・・」
_____ ああ、この子の両親の命まで私は奪ったんだ
371 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/08/28(木) 20:37:28
M5GItBDA
魔王「そんなことよりお姉ちゃん」
魔王「まおうが渡したランプは使ってくれた?」ニコニコ
召喚士「え・・・ああ・・・これ・・・」
_____ 伝説の召喚獣が中に居るとか
魔王「今のお姉ちゃんにぴったりだよ!ランプって!」
_____ ? スランプとランプをかけてるのかな……
372 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/08/28(木) 20:39:50
M5GItBDA
召喚士「・・・・・」
_____ 人を助けたいという偽善から生まれた夢
召喚士「ふふっ」
_____ ばっかみたい。誰も助けられてないのに
しかも私はその言い訳をずっと考えてる
召喚士「まだ召喚士として未熟だから。いきなり戦場なんて無理やし・・・ははは」
_____ 諦めて学園に帰ろうかな
勇者にパーティ抜けるって敗北宣言しないと......
373 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/08/28(木) 20:40:57
M5GItBDA
___ ホテル
勇者「いたいた。しょーか、もうこの国を抜けるからよろしく」
召喚士「あ、あのっ言いたいk______
騎士「ほら、荷物はまとめといたから。親を失くした子供達の移住は完了したみたいで」アタフタ
騎士「大型輸送機が空いたんだよ。これで西大陸に行けるから」アタフタ
召喚士「あ、う、うん。でもわた_____
勇者「大型輸送機で中央の大陸に行っちゃうのもいいけれど、竜巻が大量発生してるみたいで近寄れないし」
騎士「西大陸のヘリポートで降りるんだ」
_____ この勢い...言えそうにない....
374 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/08/28(木) 20:44:46
M5GItBDA
魔王(さーてと、まおうも飛んでおっかけよーっと)コソコソ
ガシッ!
勇者「・・・・・貴女、親を失くした筈よね?」
魔王「!」ビクゥッ
勇者「子供達の移住は終わった筈なのに」
勇者「まだ残っていたの・・・ほら、私達と来て・・・」
魔王「う・・・うん・・・」
375 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/08/28(木) 20:47:03
M5GItBDA
=== 1時間前 ===
勇者「!」(この記事!)
・大人気の劇団員 曲芸師死亡!
勇者(犯人は金色の髪をした幼女・・・緑眼・・・)
勇者(ファイターの時も目撃されて・・・まさかおじ様の時も・・・)
『我儘なお姉ちゃんだなあ』
勇者「!? ・・・犯人はまさお?」
勇者(思えば中央ビルでの奴も・・・ボイスチェンジャーを使ってたとはいえ・・・喋り方が幼かった)
勇者「・・・・・・」
376 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/08/28(木) 20:48:03
M5GItBDA
= 現在 =
勇者「私達と来なさい」
魔王「あ・・・う、うん・・・」
勇者「良し。おいで・・・」スタスタ スタスタ
勇者(思えば謎が多かった。敵意を感じさせない、常に1人、神出鬼没、サブミッシブが聞かないetcetc)
魔王「・・・っ・・・っ」ガクブル
勇者(もしこの子が犯人だと確定出来たなら)
勇者「迷いなく殺す」
377 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/08/28(木) 20:48:50
M5GItBDA
___〜〜 上空 〜〜___
== 超大型輸送機にて ==
勇者「オマール。飛ぶ気分はどお?」
オマール「・・・ヒ」(いやーキツイっす)
勇者「貴女はどう?まりお・・・飛行機やヘリは初めて・・・?」
魔王「まおうだけど・・・は、はじめてかな・・・」
勇者「ふうん」
勇者「ふうーーーーん」ズイッ
魔王「!」ビクッ
378 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/08/28(木) 20:50:44
M5GItBDA
召喚士「・・・あの子 勇者とも面識あったんだ」
騎士(あんなに積極的な勇者さん初めて見た)
騎士「!」(勇者さんはロリコンの可能性が微レ存・・・?)
騎士(じゃあ俺はどうすれば・・・幼女になるしかない・・・)クッ
召喚士「悶絶してるところ悪いんだけど・・・騎士君・・・」コソコソ
召喚士「あの子・・・まおちゃんさ・・・・・騎士君に似てない?」
_____ 髪の色・金髪 瞳の色・緑 今のまおちゃんの弱々しい態度
召喚士「似てるよ、うん」
379 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/08/28(木) 20:51:53
M5GItBDA
勇者「飛ばずとも吹っ飛んだことは?」
魔王「・・・ないけど」
勇者「へえー・・・ねえ、どうしてあの付近で倒れていたの?」
勇者「ロボットが発生したのは中央付近。少なからずあそこは立入禁止区域よ」
魔王「か・・・かくれんぼしてて・・・」
勇者「へえ」
勇者「か く れ ん ぼ」ズイッ
魔王「!」ビクビク
380 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/08/28(木) 20:52:55
M5GItBDA
召喚士「ちょ、ちょっと勇者!なんで怖がさせるような真似・・・」
勇者「べつに」
勇者「っていうか。貴女・・・何その顔」
_____ 輸送機の窓に写っていた私の顔はひどくやつれ、クマができていた
召喚士「・・・・べつに」フイッ
騎士(何だこの空気・・・)
381 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/08/28(木) 20:53:38
M5GItBDA
騎士(しょーか・・・きっとあの事件のことで・・・)
騎士(勇者さんは励ます事ができないから・・・俺がなんとか・・・)
騎士「しょ、しょ____ ガクンッ!
ブー ブー ブー ブー ブー ブー ブー ブー ブー
パイロット「も、申し訳ありません!機体にエラーが発生しました!」
ブー ブー ブー ブー ブー ブー ブー ブー ブー
パイロット「パラシュートを装備してください!このままじゃ墜落します!」
魔王「・・・えへ」
382 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/08/28(木) 20:56:18
M5GItBDA
<ざっくり世界地図>
北の大陸←出発地
目的地→西の大陸 中央の大陸 東の大陸
南の大陸←現在地
・トラブルにより目的地から大きくそれる。現在、南の大陸に不時着
383 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/08/28(木) 20:57:11
M5GItBDA
=== 南大陸・中部 ===
召喚士「ケホッ・・・ケホゴホ・・・」
____ 砂漠...砂...ヤシの木...ここはまさか南大陸...
召喚士「寒い・・・」ブルルッ
____ 聞いたことがある。砂漠の夜は寒いとか
騎士「あ、起きた」
召喚士「騎士君・・・み、みんなは・・・?」
騎士「すぐそこにいるよ。ここは砂漠の城に近いみたいで・・・ラッキーだったよ」
384 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/08/28(木) 20:57:49
M5GItBDA
パイロット「申し訳ありません・・・自分の不注意で・・・」
勇者「ん」
勇者「それより貴方のあの大型輸送機、自動運転機能はついてる?」
パイロット「は、はい」
勇者「へえ・・・」チラリ
魔王「あははっ髪の毛ふさふさだあ」ワシャワシャ
オマール「ヒン」(あーいいねー)
385 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/08/28(木) 20:58:32
M5GItBDA
= 翌日 =
勇者「あつい・・・」
オマール「ヒン!」(アツゥイ!)
騎士「・・・あー・・・あー・・・」パタパタパタ
勇者「騎士・・・私に汗をださたら・・・血をださせる・・・」
騎士「う、うおおお」パタパタパタ
召喚士「・・・・・もう無理い」
魔王(ココに来るのは失敗だったな・・・も、もっといい場所に不時着させればよかった・・・)
パイロット「あ、皆さん!城です!あそこにお城が!」
386 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/08/28(木) 21:01:05
M5GItBDA
____ △△ 砂漠の城 △△ ____
パイロット「ここに自分の軍の支部があるので・・・自分はそこにセスナくらいは出せるか確認するであります」
勇者「へえ、自分は寝床準備満タンなんだあ」
パイロット「やっ宿に泊まれる資金はあるでありますよ」チャリンッ
___ パイロットから5000Gをせしめた! ___
召喚士「ふう・・・砂漠の城かあ・・・」
____ お城を中心に城下町がてんやわんやのこの国。機械の国ほど大きくはないが商業が盛ん
387 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/08/28(木) 21:02:50
M5GItBDA
召喚士「・・・」
____ 今からでも遅くない。ケツァで飛べば1日くらいで魔法学園まで飛べる...
召喚士「わた・・・し・・・」
勇者「しょーか、服を買おう。いや、買って、買いなさい、買えよ」
召喚士「え・・・」
勇者「貴女・・・・・私のビデオカメラ新しいの買うと言っておいて・・・」ジトッ…
召喚士「わ、わかったわかった!ごめんて」
勇者「ん」
388 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/08/28(木) 21:03:50
M5GItBDA
_ 市場街 _
勇者「あれほしい」
召喚士「ココナッツジュース・・・?」
____ 何故か私と勇者の奇妙なデートが始まった
召喚士「・・・美味しい?」
勇者「飲んでみれば」スッ
召喚士「んぐっ・・・ん?んん・・・な、なんか微妙な味っ」クスッ
召喚士「辛ッ!?何入れたんじゃ貴様!!」
勇者「タバスコ〜」
389 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/08/28(木) 21:05:56
M5GItBDA
_____ 服屋のあの着替えるBOXにて...若い少女がすし詰めで入っていた
召喚士「・・・お、おー似合ってるねやっぱ」
勇者「知ってた」
_____ 勇者は常にマフラー、ケープ、ドレスと夏には合わない格好を常にしていたので
腕や足が出る服装は珍しく.....さすがの私も息を呑むほどであった
勇者「じゃあしょーかはこれを着てみて」スッ
召喚士「うんうん」
390 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/08/28(木) 21:07:04
M5GItBDA
勇者「サソリだってしょーか、サソリ。食べてみる?食べて、いや、食べろ」グイグイ
召喚士「・・・なんか初めてかも」
勇者「・・・ん?」グリグリ
召喚士「んぐっ・・・もが・・・こうひてあほむのって」(こうして遊ぶのって)
ガリガリッ...バリボリ...
召喚士「おええぇえ・・・・・いや、わ、私・・・ごほっ、おえええぇえ・・・」
召喚士「みんなからは好かれても・・・魔法学園じゃ友達っていうのが居なかったから・・・」
_____ 本当の友達と言える人物は私の中で1人しかいない
孤児院で共に育ち、死別した友人しか
391 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/08/28(木) 21:08:58
M5GItBDA
勇者「そ・・・私も初めて。こういう年齢じみたことするの」
召喚士「・・・・・ぷふっ」
_____ そっぽを向く彼女に思わず笑みがこぼれてしまった
勇者「勘違いしないでよね。貴女は奴隷でペットだからエサと身に合わない服を着せてあげただけなんだからね」
召喚士「そんな無表情で言われても・・・あははっ・・・」
勇者「くすっ」
勇者「やっぱ貴女にはその殴りたくなってくる笑顔が似合うよ」フッ…
_____ 私は自動的に『その殴りたくなってくる』の部分を抜き、彼女の言葉を心の染みこませる
召喚士「・・・あははっ、ありがとう」ニコッ
392 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/08/28(木) 21:10:00
M5GItBDA
_____ だが私はきっとまだ戦えない。さっきから機械を見ると足がすくむ
勇者「よいしょ、よいしょ」グイグイ
_____ 克服しないと.....あの勇者にまで気を使わせてしまったんだ.....
勇者「騎士よりやらかいすわり心地だね」
召喚士「・・・」ヨタ...ヨタ...
_____ もう迷わないようにしないと!
そう心に誓い、私は勇者を背中に乗せて四足歩行で歩き出すのだった
393 :
以下、名無しが深夜にお送りします :2014/08/28(木) 21:10:55
M5GItBDA
勇者「どうどう」ペチペチ
召喚士「んっ・・・あっ・・・」ヨタ...ヨタ...
「なにあれ、ど、奴隷?」 「あんな若い子が・・・若い子に・・・」 「新手のSMレズプレイだぜ!公開馬乗りときた」
勇者「鎖もつけよっと」チャキンッ
_____ 運命とは醜いもので、やはり超能力同士は惹かれ合う
私達を興奮した目で、憐れむ目で、醜いものを見るような目で...様々な視線を受けながら、しかし
1人、疑うような目で見る人物がそこにはいた
???「・・・あれが勇者、か」