Part7
194 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/02/24(水) 18:55:16.26 ID:
rJic2Cgyo
ー 休憩時間 ー
商人A「店長、ちょっといいですか?」
大商人「ん? どうした?」
商人B「さっき、ごつい人と、若いお嬢さんの二人組いたじゃないですか。あれ、誰なんです?」
大商人「お前らなあ……。うちの商会の会長と秘書をつかまえて、その言い草はなんだ」
商人A「会長!? あの人が!?」
商人B「で、でも、会長なのに、やけに腰が低くなかったですか? 頭、何回か下げてたし」
大商人「逆だよ、逆。そっちの人が秘書だ。女性の方がうちの会長なんだよ」
商人B「はい!? いやいやいや、それは店長、冗談きついですって。うちの商会ですよ? 全世界、全部の町に支店がある、前代未聞の大商会ですよ?」
商人B「総資産は国家予算を超えているって言われてる、そんな馬鹿デカイ商会の会長が、あんなに若い訳がないじゃないですか」
大商人「だろうな。それが普通の反応だよな。だから、俺はだいぶ前から、それを信じてもらうのを諦めてる」
商人A「?」
商人B「?」
195 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/02/24(水) 18:57:26.68 ID:
rJic2Cgyo
商人A「それ、どういう事です?」
大商人「だから、そのままの意味だよ。うちの会長と初めて会う人は、必ず勘違いしてお付きの秘書に握手を求めるそうだ。事前に女だって聞いてるはずなのにな」
大商人「あんまりにも間違えられるもんだから、会長も段々めんどくさくなったのか、終いには私が秘書ですって自分から言ってたらしいしな。そっちの方が話が早いからって」
商人B「いやいや、それ絶対嘘ですよね?」
大商人「だから、信じる信じないはもう好きにしてくれ。そもそも、うちの会長の逸話はどれも人に信じてもらえる様な類いのものじゃないんだよ」
大商人「元々、小さな雑貨屋の商人だったのが、今じゃインクから堤防建設まで扱う巨大商会の経営者だ。わずか10年で全世界に3000店舗出してんだぞ」
大商人「やる事なす事全部大当り、画期的な新商品を大量に産み出しては大ヒットの繰り返しだ。そのせいで、『七つ星商会には、魔女と錬金術師がいる』って根も葉もない噂が囁かれるぐらいだしな」
大商人「金塊を作り出すか、完璧な未来予知でも出来ない限りあの急成長は考えられないんだと。会長も、投資しかり開発しかり、商売で外した事は一度もないって言ってたしな」
大商人「で、極めつけがうちの魔法銃だ。他の商会が真似しようにも、あれは中身が複雑過ぎててコピーが出来ないらしい。千年先の技術だとか言われてる」
大商人「だから、作れるのはそれ専用の工房持ってるうちだけで、完全な独占状態。しかもそれが大量に売れてるときたもんだ。1秒ごとに金貨が10枚近く空から降ってくるような売り上げを上げてる」
大商人「平民としては史上初で教皇に会ったって人だし、各国の財務大臣からは毎年の様に高価な贈り物が届けられるとか。こっちから贈るんじゃなくて、その逆なんだぞ?」
大商人「どこの国にも大金を貸し付けてるから、国王でさえ面会を断れないし、自分から挨拶をしてこない貴族はいないらしい。ただの平民なのに、最早王族以上の待遇を受けてるみたいだしな」
大商人「もう全部が嘘くさくて俺も信用出来ないぐらいなんだが、どれもこれもきっと本当の話なんだよ。うちの会長は真面目におかしいんだ。商売の天才って言葉じゃ足りないぐらいな」
商人A「いや、そんな……まさか……」ブルッ
商人B「そうですよ……いくらなんでも……」
196 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/02/24(水) 18:59:39.30 ID:
rJic2Cgyo
大商人「まあ、会長が何で今日ここに来たかは知らないが……」
大商人「あの人が来る以上、金貨一万枚以上の金が動くのは間違いないな」
大商人「なにせ『歩く経済』なんて呼ばれ方をしてる人だ。あの人が、≪最近、小麦が安いわね≫、ってちょっと呟いただけで、次の日には小麦の買い付け価格が倍以上につり上がったなんて伝説もあるほどだしな」
大商人「ここが本店だってのに、姿を見せるのも二年ぶりだ。俺でさえ、会長が最早どこで何してるのかわかりゃしねえ」
大商人「常に世界中を旅していて、自宅ってものがないらしいしな。毎日の様に町を移動して情報収集やら指示出しとかしてるから、寝る時の景色も時間も毎回違うんだと」
大商人「その生活に唯一ついてこれたのがあの秘書で、それまでに五人以上秘書を変えたらしい」
大商人「て事は、本人もあの秘書並の体力があるって事になるんだがな。色々と規格外な人なんだよ、うちの会長は」
商人A「……なんかもう、おかしいって言葉しか出てこないですね」
商人B「……おう」
大商人「ちなみに、お前たちと同い年だぞ」
商人A「!?」
商人B「!?」
大商人「ほら、お前たちもいつまでも休んでないで商売に精を出せ。成功の秘訣は? って質問に、会長は、寝る時以外は働く事って言ってたからな」
商人A「……はいっす」
商人B「……なんか、聞きたくない話を聞いちまったなあ」ボソッ
197 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/02/24(水) 19:00:49.15 ID:
rJic2Cgyo
ー 町の外 ー
女大富豪「んー、久しぶりに店長見たけど、元気そうにしてたわね」パカラッ、パカラッ (馬で移動中)
秘書「ええ」パカラッ、パカラッ
女大富豪「ただ、建物はやっぱり古くなってたかな。一号店だし、もう少し綺麗にした方がいいかも」パカラッ、パカラッ
秘書「では、デザイン部門と建設部門に連絡して改修工事させておきます」パカラッ、パカラッ
女大富豪「あと、ここの街道も、もう少し広くした方がいいわね。走りにくいし」パカラッ、パカラッ
秘書「早速、街道専門チームと護衛請負部門に手配させます」パカラッ、パカラッ
女大富豪「あ、向こうに魔物発見」パカラッ、パカラッ
秘書「お任せを」ガチャッ (大型魔法銃、構える)
秘書「FIRE!!」バンッ!!
198 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/02/24(水) 19:01:42.17 ID:
rJic2Cgyo
一つ目狼A「ガルルル」
一つ目狼B「ガウウゥ」
一つ目狼C「グルルル」
【魔物・タイプ狼】
『体力 :19
攻撃力: 7
防御力: 3
魔力 : 0
素早さ:11』
一つ目狼A「ウォン、ウォン!!」ダダダッ
一つ目狼A「ガウォォン!!」ダダダッ
一つ目狼A「ガウッ、ガウッ!!」ダダダッ
BANG!! (魔法弾・氷)
ガキンッ!!!
一つ目狼A「!!!」ビキッ (氷漬け)
一つ目狼B「!!!」ビキッ (氷漬け)
一つ目狼C「!!!」ビキッ (氷漬け)
全体に35ダメージ!!
体力 :19→0
199 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/02/24(水) 19:02:25.68 ID:mXkRcDCw0
これが普通なんだよな
200 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/02/24(水) 19:02:30.71 ID:
rJic2Cgyo
女大富豪「うん。あの距離を馬乗ってる時に一発で仕留めるなんて、あなたもずいぶん手慣れたみたいね、魔法銃に」パカラッ、パカラッ
秘書「練習しましたからね」パカラッ、パカラッ
女大富豪「最初は魔法銃なんて邪道だなんて言ってたのに、練習はしたんだ?」パカラッ、パカラッ
秘書「私は幼い頃から剣一筋に生きてきましたので……。しかし、魔法もそれなりに使えたので、そこまで頑固ではありません」ガシャッ、ガコッ (次弾、装填)
秘書「便利だとわかれば使いますし、苦手だとわかれば練習もします。それだけです」パカラッ、パカラッ
女大富豪「そうそう、そういう柔らかさがやっぱりないとね。この時代はこれからどんどん変わってくでしょうし」パカラッ、パカラッ
女大富豪「私が作り出した魔力伝達物質、『魔導鉄』によっていくらでもね」パカラッ、パカラッ
秘書「ええ」パカラッ、パカラッ
201 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/02/24(水) 19:04:12.07 ID:
rJic2Cgyo
女大富豪「魔力を貯める事の出来るマテライト。あれは本当に素晴らしいものだったわ」パカラッ、パカラッ
女大富豪「それを魔結晶にする前にちょっといじって、鉄と一緒に錬成してやれば、魔力を伝達する『魔導鉄』に変わる事がわかったんだから」パカラッ、パカラッ
※『魔導鉄』
魔力を伝達する特性を持つ金属。なお、命名者は開発した女大富豪。ある程度、鉄の特性も維持しているが、ほとんど別物。
女大富豪「それで、マテリアルと魔導鉄を使って造ったのがその魔法銃。だけど、銃以外にもありとあらゆる使い道があるもの」パカラッ、パカラッ
女大富豪「これまでの実験で、魔力のエネルギー変換や伝達理論もだいぶわかってきたしね。特定の用途ごとに魔導鉄で魔力伝達回路を作って、マテリアルに貯めた魔力で動かしてやれば、きっとどんなものでも作れる」パカラッ、パカラッ
女大富豪「軍事に商業、その応用はいくらでもきくわ」パカラッ、パカラッ
女大富豪「その内、スイッチ一つで町が昼間の様に輝いたり、遠くの景色を別の場所から見れる様になったり、馬よりも速く走れる乗り物が走り回る時代がきっと来る」パカラッ、パカラッ
女大富豪「マテリアルと魔導鉄が世界を変える日が必ずやって来るのよ。いいえ、私が必ずそう変えてみせるわ!」パカラッ、パカラッ
女大富豪「まだまだ先は長いのよ。なのに、人生は短すぎるから。私は今の内に、もっともっともっと、沢山の夢を見ないと!」パカラッ、パカラッ
秘書「はい。私も陰ながらその夢、応援させて頂きます」パカラッ、パカラッ
女大富豪「ええ! 頼りにしてるわよ、秘書!」パカラッ、パカラッ
【世界一の大富豪(流通王・商業王・資産王・発明王)】
『体力 :5439
攻撃力:2510
防御力:2644
魔力 :1073
素早さ:2276』
『所持金:金貨9999万枚 (約50兆円)
総資産:金貨 8億枚』(約400兆円)
女大富豪「さあ、急ぎましょう! 皆との十五年前の約束を果たす為に、例の場所へとね!」パカラッ、パカラッ
秘書「はい。御供します!」パカラッ、パカラッ
202 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/02/24(水) 19:05:19.15 ID:
rJic2Cgyo
ここまで
203 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/02/24(水) 19:09:57.20 ID:HUCuwtLAO
乙
やっぱり商人も強いな。
もしディスガイア空間なら時空間に穴開けれる技も確かにあるな。
204 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/02/24(水) 19:12:43.09 ID:Q/bNX4ptO
金貨1枚1gと考えても約100トンの所持金……そりゃ商人でも高ステータスになるわな
205 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/02/24(水) 19:20:27.75 ID:0yTjqxTRo
商人かと思ったらそっちか
206 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/02/24(水) 19:33:04.75 ID:PEoaT+qvO
乙です。
さて俄然勇者のステータスとどう展開するのかが気になってきたぞ……てか秘書はさすがに常識的な能力なんだな……つまり生活環境や出会った魔物の強さではなく純粋な仲間本人達の才能なのか。
207 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/02/24(水) 19:46:17.91 ID:8ZL3su+M0
むしろ勇者が、仲間達のステータスを更に上げる添加剤みたいなものになるんじゃないだろうか?
完全サポート特化みたいなもので、一緒にいる事で初めてレベルが2以上に上がるとか。
パーティ参加しないと経験値入んないし
221 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/02/25(木) 19:47:49.07 ID:
RkV0hrb3o
ー 南の国、鉄鉱の町付近 ー
勇者「もう陽が落ちてきたな」パカラッ、パカラッ
勇者「相棒、もうすぐ町だぞ。今日はちょっと早いがそこで休もうな」パカラッ、パカラッ
馬「」ヒヒーン
勇者「だけど、その前にもう一踏ん張りだ。周辺の魔物を片付けないと、門を開けてもらえないからな」チャキッ
勇者「さあ、向こうの魔物の群れに突っ込むぞ! 回避は頼んだからな!」
馬「」パカラッ、パカラッ、パカラッ!!
勇者「せやっ!」ズバッ!! (剣攻撃)
スライムA「ピギーッ!!」
体力:4→0
勇者「はっ!」ザシュッ!!
一角ウサギ「ピギャー!!」
体力:8→0
勇者「それっ!」ドシュッ!!
人喰いネズミ「ギャァゥ!!」
体力:11→0
スライムB「ビェ!! ビッピーッ!!」スタコラサッサー
巨大トカゲA「ジュイーッ!!」スタコラサッサー
巨大トカゲB「ジュニィィー!!」スタコラサッサー
『残りの魔物たちは逃げ出した!』
勇者「うしっ! どうどう。もういいぞ」グイッ
馬「」ヒヒーン
【伝説の勇者】
『体力 :197
攻撃力:112
防御力:106
魔力 : 73
素早さ: 85』
【名馬】
『体力 :109
攻撃力: 16
防御力: 8
魔力 : 0
素早さ: 24』
222 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/02/25(木) 19:49:06.36 ID:
RkV0hrb3o
勇者「」スタッ (馬から降りる)
一角ウサギ「」(死体)
勇者「うん、大丈夫だ、角には傷がついてない。一角ウサギは角が売れるから、これは根本部分から剣で削って……」ゴリゴリ
勇者「おし」パキッ
勇者「いい感じに綺麗に取れた。これは布で包んで、それで革の袋に入れると」ゴソッ
勇者「王様からたっぷり軍資金を貰ったとはいえ、少しでも資金の足しにしていかないとな。これから何があるかわからないし、大切に使いたい」
※『一角ウサギの角の相場』
長さにもよるが、およそ銅貨2枚ほど。
勇者「ここに来るまでに、一角ウサギの角が6本、電撃ヒツジの羊毛が1袋分、一つ目狼の牙が4つ。あと、レアな七色トラの爪と牙も手に入った」ズシッ
勇者「これだけあれば、銅貨70枚(約一万七千円)ぐらいにはなるはずだ。今日は大収穫だったな」
※『勇者の所持金』
金貨20枚、銀貨3枚、銅貨63枚(約1000万円)
勇者「今夜は酒場で少し奮発したお酒でも頼もうな。相棒にも何か買ってやるぞ」ナデナデ
馬「」ヒヒーン
勇者「さて、それじゃ行こうか。門を開けてもらって、この荷物を売り払わないと」カッポ、カッポ
223 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/02/25(木) 19:50:27.89 ID:
RkV0hrb3o
ー 開門後、すぐ横の検問所 ー
兵士A「すみません、通行手形を改めますので、宜しくお願いします」
勇者「ああ、これを」スッ
兵士A「おお、この鷹の紋章は! 確かにこれは国王様直々の認可証!」
兵士B「やはり、あなたが勇者様なのですね! お話は伺ってます! 遠路、お疲れ様です!」ビシッ (敬礼)
勇者「ああ、ありがとう」
兵士A「王様からも、旅の便宜をはかるようにとの仰せが届いております。後で町長にも連絡を入れときますので、何かお困りの時には、いつでも私どもにお声をかけて下さい。出来る限りの事はさせてもらいます」ペコッ
勇者「それは有り難い。なら早速。安くて良い宿と、酒場を知っていたら教えて欲しいんだが」
兵士A「ああ、それでしたら、町の中央付近にある『満月亭』がお勧めです。すぐ向かいに酒場がありますし、そちらもお勧めですよ。どちらも旅の者に人気があるところです」
勇者「そうか、なら今日はそちらに泊まる事にするよ。ありがとう」
兵士B「しかし、やはり流石ですな、勇者様は」
勇者「?」
兵士B「その格好ですよ。服や鎧に返り血や泥がほとんどついていないものですから」
勇者「ああ……なるほどね。と言っても、そう大した魔物に遭遇してないだけなんだが」
兵士A「いえいえ、御謙遜を。服の綺麗さは強さを表すパラメータの様なものです。これまで何人もの賞金稼ぎや旅の者を見てきましたが、勇者様ぐらいお綺麗なのも珍しいですよ」
勇者「それはどうも。じゃあ、悪いけど俺はこれでもう行くから。明日にはまた旅立つつもりだから、その時にまた」
兵士A「はっ!」ビシッ (敬礼)
兵士B「はっ!」ビシッ (敬礼)
224 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/02/25(木) 19:51:30.23 ID:
RkV0hrb3o
ー 町中、道具屋 ー
チリンチリーン
商人「へい、らっしゃい! 買い物ですかい、旦那!」
勇者「いや、売りに来たんだよ。品を見てくれるかな」
商人「毎度! どれですかい!」
勇者「これを。袋の中、全部だ」ズシッ
商人「おお、結構ありますね。どれどれ」サッ、パッ、ゴソゴソ
商人「ふうん……。全部、魔物の素材ですか……。お客さん、その格好からして騎士様とか?」
勇者「ちょっと前まではね」
商人「一応、身分証いいですか? この国は、騎士様が魔物の素材を売りに出す事が禁止されてるんで。国で管理してまとめて売る事になってるんで、密売になっちまいますからね」
勇者「知ってるよ、大丈夫。小金稼ぎとかじゃないから安心してくれ。これは身分証」スッ
商人「あ、はい。どうも」ソッ
商人「!?」
商人「ゆ、勇者様でしたか! これはとんだ御無礼を!!」ペコペコ
勇者「いや、大丈夫。やめてくれ。そういうの苦手なんだ」
商人「いえいえ、ホント申し訳ない! お詫びにこちらの品、通常の倍額で買い取りさせて頂きますんで!!」
勇者「それこそ、まずいよ。頼むから普通の価格にしてくれ。勇者が不正を働いたって噂が立ってしまう」
商人「そ、そうですね! ホント失礼しました! えーと、なら、何かオマケつけますんで!」
勇者「それもいいよ。本当に普通の客として扱ってくれればそれでいいから」
商人「いえ、ですが! 勇者様にそんな失礼な事をする訳には!」
勇者「参るな……。こういうのは逆に困るんだが……」