2chまとめサイトモバイル
勇者「仲間TUEEEEEEEEEEEEEE!!」
Part34


147 : ◆bXfZj5FIu6 :2016/04/09(土) 18:21:25.18 ID:UTIW4pM7o
剣聖「いやあ、笑った笑った」
聖女「負けちゃったけど、なんか楽しかったね」
女闘神「ああ、そして次の良い目標が出来たな」
真魔王「うん。どれだけかかるかわからないけど、皆であの魔獣を倒そう」
女大富豪「そうね。とりあえず、一年二年じゃ無理だろうけど。……三年後ぐらいかしら?」
剣聖「それぐらいなら、どうにかいけそうだな。その間、みっちり鍛えて出直しと行くか」
聖女「うん! 次こそはみんなであの魔獣を倒そう!」
女闘神「だな! 三年後にまた!」
真魔王「ここに全員集まって、今回の雪辱を晴らそうか!」
女大富豪「そうね! 私も新しい魔導機神をそれまでに造っておくわ! 今度は更にパワーアップさせてね!」
剣聖「おう! 勇者もそれでいいよな!」
シーン……
剣聖「?」
聖女「あれ……勇者……?」キョロキョロ
女闘神「え……」
真魔王「いない……? 何で……」
女大富豪「……え、ど、どうしていないの!? 何でまたいなくなってるの!?」
「勇者ぁぁぁ!!! どこに消えたの!!?」

148 : ◆bXfZj5FIu6 :2016/04/09(土) 18:21:59.09 ID:UTIW4pM7o
ー 洞窟奥、異空間
  地下1862階 ー
勇者「」…… (骸)
全てを超えし者『…………まだ一人いたのか』

149 : ◆bXfZj5FIu6 :2016/04/09(土) 18:23:03.46 ID:UTIW4pM7o
勇者「」…… (骸)
全てを超えし者『屍ゆえ、脱出魔法にかからなかったようだな……』
全てを超えし者『そして、置いていかれたか……。哀れな……』
勇者「」…… (骸)
全てを超えし者『…………』
全てを超えし者『せめて……蘇生ぐらいはしてやるか……。肉体の損壊が激しいが問題なかろう……』スッ
全てを超えし者『蘇生術!』ピカッ
『全てを超えし者は自分の魔力を勇者に分け与えた!!』
勇者「っ……」ピクッ
残り体力:0→1
『勇者の全パラメータが上がった!!』
【伝説の勇者】
『体力 :307
 攻撃力:213
 防御力:210
 魔力 :175
 素早さ:192』
    ↓
【強さを極めし伝説の勇者】
『体力 :2487
 攻撃力:1592
 防御力:1375
 魔力 :1080
 素早さ:1266』
タラッタラッタッター♪
『勇者のステータスが最大上限値まで上がった!!』

150 : ◆bXfZj5FIu6 :2016/04/09(土) 18:23:35.91 ID:UTIW4pM7o
勇者「ぅ……こ、ここは……」
全てを超えし者『気が付いたか……勇者よ』
勇者「え……あ、ああ……」
勇者「そうか……。俺は……やられて……」
勇者「でも……どうにか生きてたのか……。きっと女神様が守ってくれたんだな……」
全てを超えし者『…………』(哀れみの目)

151 : ◆bXfZj5FIu6 :2016/04/09(土) 18:24:14.13 ID:UTIW4pM7o
勇者「でも……体が全く動いてくれない……」
勇者「結局……殺されるのか……」
勇者「みんなは……」
全てを超えし者『……生きているぞ。辛うじてだったが』
勇者「良かった……」
勇者「なら……頼みがある」
全てを超えし者『……何だ?』
勇者「殺すなら……俺だけにしてくれ」
全てを超えし者『…………』(困惑)
勇者「みんな、俺の大切な仲間なんだ……だから。……頼む」
勇者「みんなは見逃してくれ……。後生の頼みだ……」
全てを超えし者『…………』(憐憫の目)

152 : ◆bXfZj5FIu6 :2016/04/09(土) 18:24:48.67 ID:UTIW4pM7o
全てを超えし者『良かろう……。お前のその仲間を想う心に免じて、他の仲間は見逃してやる』
全てを超えし者『それまでお前は眠りにつくが良い……』スッ
全てを超えし者『催眠魔法』キランッ
勇者「……そうか……良かった」
勇者「感謝……す……る…………」トロンッ……
勇者「」スヤスヤ、スヤスヤ
全てを超えし者『…………』(同情の目)

153 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/09(土) 18:25:09.12 ID:u69P6gyhO
かわいそう

154 : ◆bXfZj5FIu6 :2016/04/09(土) 18:25:44.89 ID:UTIW4pM7o
ガチャッ!!!
剣聖「ゆ、勇者!! まだここにいるのか!?」
全てを超えし者『ふんっ!!』バッ
ドッゴオオオオンンンンッ!!!!
剣聖「ぐはあああああああっっ!!!」ドンガラガッシャーン!!!
バタンッ!! (扉閉まる)
「ちょっと、剣聖! また死んでるじゃない!!」
「聖女、蘇生と回復を!!」
全てを超えし者『…………』
勇者「」スヤスヤ
全てを超えし者『強さはともかく……仲間想いの見上げた男だな……』
全てを超えし者『勇者に選ばれただけはある』
全てを超えし者『あの者らの中では一番弱いが……器量は誰よりも大きいかもしれぬな』
全てを超えし者『どれ……我の力を多少貸し与えてやるか……。褒美だ。今よりはマシになるだろう……』
全てを超えし者『むんっ』パァァ
勇者「ん……」ムニャムニャ

155 : ◆bXfZj5FIu6 :2016/04/09(土) 18:26:41.82 ID:UTIW4pM7o
「剣聖、勇者は中にいた!?」
「いや! 暗いし一瞬だったから、確認出来なかった!」
「とにかく、もう一度準備を整えて突撃しよう!」
「勇者を見つけ次第、すぐに逃げるよ! あたしらじゃ、まだ歯が立たないから!」
「真魔王は脱出魔法の用意を! 突撃は俺と女闘神でやる!」
「あたしらが何とか足止めだけでもするから、その間に聖女と女大富豪は勇者を探して! 頼んだよ!」
「よしっ! それじゃあ、もう一回!!」
「うん! 扉を開けるよ!」
ガチャッ!!!
剣聖「うおあああああっ!!」ダダッ、ダンッ!!!
女闘神「ぬぐあああああっ!!」ダダッ、ダンッ!!!
聖女「勇者ぁぁ! いるっ!?」ダダッ
女大富豪「いたら返事をして! 勇者!」
真魔王「勇者、ここにいるの!?」
全てを超えし者『……消えよ』
『 強 制 全 体 移 動 魔 法 !!!』
「しまった! また戻」
シュインッ!!!
『勇者達は全員地上へと飛ばされた!』
全てを超えし者『……あの勇者に祝福あれ』

156 : ◆bXfZj5FIu6 :2016/04/09(土) 18:27:33.53 ID:UTIW4pM7o
ー 牧場奥の謎の洞窟前 ー
フインッ…… (テレポート)
剣聖「くそっ!」スタッ
聖女「戻されちゃった!」ストッ
女闘神「ちくしょう! 先に無効魔法かけておくべきだったな! 迂闊だった!」ストッ
真魔王「慌てすぎたね! とにかくもう一回行かないと!」ストッ
女大富豪「ええ! 勇者は多分まだあそこにいると思うからもう一度……え?」スタッ
勇者「ん……」ドサッ
勇者「」スヤスヤ、スヤスヤ
「ゆ、勇者!!!???」

157 : ◆bXfZj5FIu6 :2016/04/09(土) 18:28:15.89 ID:UTIW4pM7o
剣聖「勇者、何でここに!!??」
聖女「さっきはいなかったよね!??」
女闘神「しかも寝てるぞ!? 勇者、起きろ、勇者! 起きろ!!」ユサユサ
勇者「ん……」
勇者「」ムニャムニャ
聖女「目覚めの言魂! 起きて、勇者!」パァァ
勇者「ん……?」パチッ……
真魔王「勇者、大丈夫!? 平気!?」
勇者「……う、うん。あれ……でも、何で俺……生きて」
勇者「殺されたと思ったのに……」
女大富豪「勇者がそんな簡単に死ぬ訳ないじゃない! きっと女神様が守ってくれたのよ!」
勇者「そう……なのかな……? 不思議だけど……まあいいか」

158 : ◆bXfZj5FIu6 :2016/04/09(土) 18:29:49.44 ID:UTIW4pM7o
真魔王「それより、勇者、ごめん! 何故かわからないけど、勇者にだけ脱出魔法が効かなかったみたいで!」
女闘神「悪かった! あたしらだけ逃げ帰ってさ! 悪気はなかったんだけど、それで許される事じゃないよな! 本当にごめん!」
勇者「……?」
勇者(……状況がよくわからない。みんな、俺の代わりに助けてもらったはずだよね……?)
剣聖「すまない、勇者……。俺達、あまりの事に気が動転していたというか、浮かれていたというか……」
勇者(どうにか皆で夢中で脱出して……。それで、俺の事に気付かず急いで逃げ帰っちゃったって事かな……?)
聖女「本当に何て謝ったらいいか……わからなくて……」グスッ
女大富豪「ごめんなさい……勇者……」
勇者「いや……みんなが無事ならそれでいいよ。……俺もこうして生きてるしさ」
聖女「で、でも……」
女大富豪「うん……。それでもやっぱり……」
剣聖「ああ……。勇者は良くても俺達が自分自身の事を許せないんだ。だから……」
勇者「……気にしないで。あの後、どうなったか俺は知らないしさ。……だけど、こうして全員無事に生きてるんだし、それでいいよ」
勇者「……絶対に死んだと思ってた俺も、運良く生き残れたんだ。それだけで俺は満足だよ」
勇者「だから、帰ろう。みんなで」
勇者「俺達の村に。あの魔獣にはやられちゃったけど、魔王を倒したんだし、それで十分だよ」
「ゆ、勇者ぁぁぁぁ!!!」グスッ
「ありがとうっっ!! ごめんねっっ!!」ポロポロ
勇者「うん」ニコッ

159 : ◆bXfZj5FIu6 :2016/04/09(土) 18:30:47.20 ID:UTIW4pM7o
勇者「それじゃあ……」ムクッ
聖女「あ、待って、勇者。まだ起き上がらないで。今、回復してあげるから」サッ
「この者の失われし体力を元に戻したまえ!」パァァ
勇者「ん……」
残り体力:1→9999億
聖女「どう? これでもう大丈夫、勇者?」
勇者「ん……何かまだ。もう一回お願いしてもいい?」
聖女「え、足りないの? う、うん、じゃあもう一度さっきより強めで」パァァ!!
勇者「…………」
残り体力:9999億→3兆
聖女「これでもう平気? 勇者」
勇者「あ、うん……。大丈夫だけど……」

160 : ◆bXfZj5FIu6 :2016/04/09(土) 18:31:43.51 ID:UTIW4pM7o
勇者(……何だろ? おかしいな……)
勇者(……正直、まだ全然回復してない気がするけど。そんなにダメージ受けたのかな……?)
勇者(あ、違う……。そうじゃない……。聖女が俺が弱いとわかって、手加減してくれてるのか……)
勇者(気持ちはありがたいけど……そこまで手加減しなくてもいいんだけどな……。まだろくに回復してない感じだし……)
【伝説を超えし最強の勇者】
『体力 :8623京
 攻撃力:5807京
 防御力:5598京
 魔力 :4031京
 素早さ:5207京』
勇者(でも、これ以上回復してもらうのもあれだし、もういいか……。後で自分で回復させよう)
聖女「どうしたの、勇者?」(心配)
勇者「あ、ううん。何でもないよ、それより村に帰ろう」
勇者「帰って村長さんとか村の皆に報告して、それで魔王を倒したお祝いをしよう。きちんとお祝いするの、これが初めてだしさ」
「うん!!」
勇者「それじゃあ、行こう、みんな!」
勇者「凱旋するよ!」
「うんっ!!!」

161 : ◆bXfZj5FIu6 :2016/04/09(土) 18:32:50.58 ID:UTIW4pM7o
こうして少しの寄り道をした後で、勇者達全員は村へと戻る道を歩み出す。
その途中、魔学者にも報告しに行き、魔獣にあっさりと負けた事を告げると、魔学者は笑って「また今度挑戦しなさい」と得意げな顔を見せた。
勇者以外は全員笑って「はい!」と元気よく答えた。勇者は困惑しながらも、修行しようと心に決める。
彼もまた、あの仲間の一員。強き向上心を持つ者。
負けようとも、仲間に気後れを覚えようとも。最終的には、彼は前を向いてその先を目指す。
例え、強さの才能はなくとも。時に、弱き心を見せようとも。
勇者は常に歩み続ける。真っ直ぐに、道を間違える事なく。
そんな勇者だからこそ、仲間達は信頼し、その命を勇者に預け共に前へと進む。
強いだけが勇者ではない。強さだけでは勇者になれない。
先に立って前へと進める者。その後ろに人はついていく。
だからこそ、人は勇者を必要とし、憧れる。
彼は正真正銘の勇者、その事に一切の間違いはない。
勇者に栄光あれ、幸福あれ、そしてその道に光あれ……。
勇者の先に道はなく、しかして勇者の後に道は出来るのだから……。

162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/09(土) 18:34:30.83 ID:yiWBZH0r0
よかったなぁ勇者;;

163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/09(土) 18:34:57.45 ID:O3lFX7vCO
良かった…本当に良かった