Part20
619 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/18(金) 16:52:01.59 ID:
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魔王「倒れていた時に……夢を見たのだ」
側近「……?」
魔王「夜に見る夢の方だ……。その夢の中では……余がまだ王にもなっておらぬ頃だった……。魔界を旅して……強くなって……」
魔王「もうこの魔界に敵はおらぬと思った頃……。師匠に出会い……そして今の様に一撃でやられた……」
魔王「実際は違うのだがな……。現実では……師匠は余を軽くあしらっただけで……手傷一つ負わせる事なく余に勝ったのだから……」
側近「…………」
魔王「その時の師匠と余ではそれだけの差があった……。だからこそ……こんな夢を見たのであろう……」
側近「……左様ですか」
魔王「そして、余はその夢の中で師匠に何か言われた……。覚えてはおらぬが、師匠は何と言っていたのか……」
魔王「困ったような……呆れたような……それでいて優しい顔をしていたが……」
側近「…………」
620 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/18(金) 16:52:46.80 ID:
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側近「魔王様……」
魔王「何だ……?」
側近「最終的には……魔王様は師匠を超えられたのですから。今度もまた……同じ事になると私は信じております」
魔王「そうだな……。余もそのつもりだ」
側近「一度の敗北など、取るに足りません。また研鑽を積まれ、次に会った時に雪辱を晴らせば宜しいかと」
魔王「わかっておる……案じるな。余は同じ相手に二度も負けはせぬ」
側近「はっ! それでこそ魔王様!! 我が主様です!!」
621 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/18(金) 16:56:24.50 ID:
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魔王「ならば……そろそろ行くか」ムクッ
側近「いえ! まだ休まれた方が! 御体調は万全とは言えません!」
魔王「構わぬ。話してる内に、感覚もずいぶんと戻ってきたからな。それに、手と足さえ動けば問題ない」
側近「ですが、まだ御養生なされるべきです!」
魔王「いや、時間の無駄だ。それに、再戦をしに行こうという訳ではないぞ。一時、魔王城へと戻る事とする。出直しだ」
側近「そうですか……それならば……」
魔王「異界に来たのは無駄足となってしまったが、新たな目標が出来たのだ。決して悪い気分ではない。凱旋は出来ぬが、それは次回の楽しみに取っておこう」
側近「はっ!」
魔王「それと、御苦労であったな、側近。倒れている間、余をずっと守っていたのであろう。この有り様を見ればお前がどれほど奮戦したか手に取るようにわかる」
側近「いえ、これしきの事は……」
『残り体力:26万』
烈火オオカミ「」…… (骸)
凍結鳥A「」…… (骸)
凍結鳥B「」…… (骸)
四手の怪奇サル「」…… (骸)
暗黒ゾウA「」…… (骸)
暗黒ゾウB「」…… (骸)
暗黒ゾウC「」…… (骸)
巨大キラーアントA「」…… (骸)
巨大キラーアントB「」…… (骸)
灼熱ムカデ「」…… (骸)
鋼鉄イノシシ「」…… (骸)
鬼ゾンビ「」…… (骸)
死神の鎧A「」…… (骸)
死神の鎧B「」…… (骸)
死神の鎧C「」…… (骸)
622 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/18(金) 16:58:01.67 ID:
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側近「それよりも、魔王様……」
魔王「何だ」
側近「魔王城へ戻りましたら、どうか私を処罰して下さい。どの様な処分でもお受け致します」
魔王「意味がわからぬな」
側近「私は魔王様の盾となるべき存在です。それが、あの時は何も出来ず、魔王様をみすみす危機に追いやりました。処罰を受けて当然の事でございます」
魔王「下らぬな。余はこうして生きているし、お前の働きがなければどうなっていたかはわからぬ。誉める理由はあれど、処罰する理由はない」
側近「いえ、あの時、私が魔王様の身代わりとなって死ぬべきでした。それこそが盾たる私の役目。それを全う出来なかったのは全て私の責任でございます。どうか、ご処罰を」
魔王「ならば、側近には次の事を命じる。心して聞け」
側近「はっ」
魔王「お前はこれから先、寿命以外で死ぬ事を許さぬ。その上で、生涯をかけて余の盾たる役目を全うせよ」
側近「……!」
魔王「良いな。それがお前への罰だ。余の許しなく勝手に冥界に行く事は許さぬ」
側近「はっ!! 必ずや!!」ポロポロ……
623 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/18(金) 16:58:39.86 ID:
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ー 同時刻、山奥の村 ー
約束の木「」…… (倒壊)
聖女「…………」
剣聖「…………」
女闘神「…………」
真魔王「…………」
女大富豪「ご、ごめんなさい……」シュン
624 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/18(金) 16:59:32.34 ID:
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真魔王「……折っちゃたんだ」
女大富豪「わ、わざとじゃないの……。ゴーレムで着陸した時に、当たっちゃって……」シュン
女闘神「何て言ったらいいか……。どうしような、これ……」
剣聖「……聖女、お前の奇跡で何とかならないか? これじゃ、勇者が戻ってきた時に悲しむぞ」
聖女「わかってる。そう思って、今、木さんにお願いしてるんだけど……」ソッ (木に手で触れる)
約束の木「」…… ピカーッ(光り輝く)
聖女「もう寿命が近いからって……。どうせ近い内に枯れるなら、治さずにこのままがいいって言ってるから……」シュン
剣聖「そうか……。それならもう仕方がないか……」
女闘神「真魔王、あんたでも無理? 時魔法とかで時間戻して何とかなんないの?」
真魔王「そこまで魔法は万能じゃないからね……。時の加速は出来ても、逆行は出来ないよ。そこら辺は女大富豪の方が詳しいよね?」
女大富豪「うん……。因果律に逆らう様な魔法は存在しないの……。それが出来たら歴史が目茶苦茶になっちゃうし……」
※注釈
因果律。原因があるから結果があるのであって、その逆は有り得ないという考え
女闘神「じゃあもう、どうしようもないって事か……」ハァ……
625 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/18(金) 17:00:50.98 ID:
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聖女「しょうがないよね……。勇者が来たら、訳を話して謝ろう。女大富豪ちゃんもわざとじゃないんだし、きっと許してくれると思うよ」
剣聖「そうだな。あいつは優しかったし、それに、器量も人一倍大きかった。きっと、許してくれるはずだ」
真魔王「そうだね。勇者なら間違いなく大丈夫だと思う」
聖女「木さんもごめんね……。女大富豪ちゃんを許してあげてね」ソッ
約束の木「」…… ピカーッ(光り輝く)
聖女「うん……そっか。大丈夫だって。気にしないでって言ってる。良かったね、女大富豪ちゃん」
女大富豪「うん……。ごめんなさい、それと今まで私達を見守ってくれてありがとね」
剣聖「最期は俺が見取る。また、苗木が生えて成長出来るように……」スッ
「聖剣技! メ サ イ ア !!」
スパッッ!!!
切り株「」……
女闘神「この倒れた木の方は、切って牧場の柵として使おうか。柵が結構壊れるって言ってたから、きっと牧場のおっちゃんも喜ぶだろ」ヒョイッ (重量2t)
聖女「そうだね。それがいいね」
女大富豪「あ、じゃあ、それは私がやる!」
真魔王「ううん。みんなでやろう。牧場のおじさんには昔から全員お世話になってるし、恩返しだと思ってさ」
剣聖「良い事言うな、真魔王。よっしゃ、なら全員で張り切って行くか!」
「おーっ!!」
626 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/18(金) 17:01:51.46 ID:
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ー そして、それから五日経った現在 ー
切り株「」……
勇者「…………」(茫然自失)
勇者「何で……切り株になって……」
勇者「皆とここで約束したのに……」
勇者「また……この木の下で会おうって……」
勇者「みんなは……じゃあ、どこに……」
ドッッッッゴーーーーーンンッッ!!!
勇者「」ビクッ!!!
勇者「な、何だ、今の音は!!」チャキッ (剣を構える)
勇者「まさか、またキメラが襲ってきたのか!?」
勇者「向こうの方から聞こえてきたな!! 村の外か!!」ダダダッ
ダンッ (柵を飛び越える)
627 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/18(金) 17:02:47.50 ID:
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ー 外にある特設訓練場 ー
女闘神「どーだっ! あたしがこの一年で編み出した最強奥義は!」
剣聖「痛てて……。参るな……。俺じゃなかったら死んでたぞ、これ……」
女大富豪「相変わらずだよね。二人とも強い強い。もう動きが目で追えないもん。羨ましい」
聖女「でも、剣聖って、もしかしてちょっと弱くなった? さっきから女闘神ちゃんに押されっぱなしだし」
真魔王「そういえば、今は国王様になってたんだっけ。革命が大詰めの時だったし、修行する時間はあまりなかったんじゃないかな?」
剣聖「まあ、確かに修行する時間は減ったかもしれないが、それを負けの言い訳にするつもりはないぞ。純粋に、俺の実力不足だ」
女闘神「違う! あたしが強くなったんだ!」
聖女「どっちだろうね、真魔王。ふふっ」
真魔王「なんかこういうやり取り、毎年の様に聞いてるからなあ。何だかんだで仲が良いんだよね、あの二人」
女大富豪「でも、恋愛関係とかにはならなさそうなのがね。なんか親友って感じだし」
アハハッ、ソーダネ、ハハハッ
ー 300メートル離れた地点 ー
勇者「確か、ここらから音が……」ダダタッ……
勇者「あ……」
勇者「あそこにいる五人って、まさか……」
628 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/18(金) 17:03:45.84 ID:
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女闘神「ん……?」ピクッ
剣聖「…………」ピクッ
聖女「二人とも、どうしたの?」
剣聖「いや、何か向こうから見られてる気配がな……」クルッ
女闘神「うん。殺気とかないし、気にする程じゃないんだけどさ……スライムかな?」クルッ
勇者「あ……こっちに気付いた……?」
勇者「行こう……!」タタタッ
女闘神「あ……ちょっとみんな、見て! 向こう!」
剣聖「あれはもしかして……!」
聖女「え?」クルッ
真魔王「どうしたの?」クルッ
女大富豪「?」クルッ
聖女「あ! あの格好……!」
真魔王「それに、その顔……!」
女大富豪「ひょっとして……!」
「「「「「勇者……!?」」」」」
勇者「」タッタッタ……
勇者「うん……。みんな……だよね?」
「勇者ぁっ!! 久し振り!!!」
「うん!! 久し振り、みんな!!!」
「会いたかったっ!!! 十五年振りっっ!!!」
629 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/18(金) 17:04:54.14 ID:
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勇者「みんな、変わったね! 少しだけ面影が残ってるけど!」
剣聖「そうか? 自分じゃ全然わかんないけどな!」
女闘神「あたしら、そんなに変わった?」
勇者「うん! みんな、何か凛々しくなったっていうか、格好良くなってる! あと、女の子達は綺麗になって!」
聖女「ゆ、勇者、いつからそんな御世辞覚えたの、もう//」
真魔王「流石、王都で長く過ごしてただけはあるね。そうやって、何人の女の子を口説いたんだい?」
勇者「いや、本当だって! 嘘なんかついてないよ! 全員、本当に立派になったし、美男美女になってる!」
聖女「で、でも、勇者も立派になってるよ!// 何かもう、見た目からして伝説の勇者って風格出てるもん!」
女大富豪「何せ勇者は、王都で騎士隊長就任の最年少記録出してるぐらいだもんね。私は色んな町を回ってたから、噂で活躍は何回も聞いてるよ。自分の事みたいに誇らしくってさ」
勇者「ありがとう。そう言われると素直に嬉しいよ。でも、みんなとの約束があったから、俺は今日まで頑張ってこれたんだよ。だから、みんなのおかげだよ!」
真魔王「そういうとこ、変わらないね、勇者は。僕はそれが嬉しいよ」
聖女「うん……。優しくて素直で、思いやりがあって明るい勇者のまま……。わたしもなんか嬉しくなっちゃう」
剣聖「そうだな。お前が変わってなくて本当に良かった」
女大富豪「そして、約束通り、世界でたった一人の勇者に選ばれて……」
女闘神「こうして、ここに帰ってきてくれた!!」
「勇者、おめでとう!! 子供の頃からの夢が叶って!!!」
「ありがとう、みんなっ!!」
630 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/18(金) 17:06:07.55 ID:
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女闘神「にしても、ホントにびっくりしたよ! 振り向いたらいきなり勇者がいるんだもん!」
剣聖「俺たち、勇者が来たらすぐに駆けつけようって思ってたのに、完全に虚をつかれたからな!」
勇者「そうだったんだ、何かごめん。いきなりで」
聖女「ううん。逆に感心したよ。ね、みんな?」
真魔王「そうだね。剣聖と女闘神の二人にまったく気付かれないって相当なものだからさ」
女大富豪「だよね。それだけ強さとか覇気を隠してたって事でしょ? なかなか出来る事じゃないよね」
勇者「……隠す?」
剣聖「まったくだな。勇者が来たら闘気とかですぐにわかると思ったんだけどな。悔しいというより流石だぜ」
女闘神「ね。そういうの欠片も感じなかったもんね。あれだけ近付くまで気付かせないってスゴいよ。あたしらでも、あそこまで力を抑える事出来ないもん」
勇者「??」
631 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/18(金) 17:06:57.02 ID:
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聖女「ね、勇者はもう村長さんとかに会った? きっとみんな喜ぶと思うよ」
真魔王「そうだね。神父さんとか、あと隣のおじさんおばさんとかも。勇者の事を気にしてたからさ」
勇者「あ、うん。会ったよ。一応、挨拶は済ませた。それよりもさ」
女闘神「?」
勇者「十五年前に約束したあの木が伐られてたんだけど……。あれ、一体何があったの?」
女大富豪「あ……」
聖女「あ、あの、ごめんね。悪気はなかったの……」
真魔王「あれ、女大富豪がはずみで折っちゃったんだよ……」
勇者「……え? はずみで?? え??」
女闘神「お、怒らないで聞いてくれよ、勇者。女大富豪もそんなつもりはなかったんだから。折ろうとして折った訳じゃないんだ」
剣聖「ちょっと勢いがつきすぎて、ぶつかったみたいでな……。事故なんだよ」
勇者「ぶつかってあの大木が折れるの????」
女大富豪「あ、あの、ごめんなさい! だから、勇者、怒らないで! 落ち着いて!」
632 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/18(金) 17:07:47.81 ID:
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勇者「いや……怒ってはないけど……。ただ、状況がよくわからないから……」
聖女「あ、そうだよね。勇者は何も知らないんだから、そうなるよね。ちゃんと順番に説明するね」
真魔王「えっと……まず、女大富豪がゴーレムを造ったんだよ」
勇者「!?」
剣聖「それで、そのゴーレムに乗ってここまで来たんだが、約束の木の下に着陸したら勢いがつきすぎたみたいでな」
勇者「着陸……??」
女闘神「で、元々あの木自体が寿命近くて脆かったみたいなんだよ。だから、ボキリと」
勇者「ボキリ!?」
女大富豪「ご、ごめんね……。聖女でも、真魔王でも、治せないらしくって……。だから……」
勇者「治す????」
633 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/18(金) 17:08:36.35 ID:
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女闘神「とにかくさ、女大富豪には悪気はなかったんだよ。本人も反省してるしさ、許してやってくれよ」
聖女「ね、勇者、お願い。残念だろうし、悲しいのはわかるけど、もうどうしようもなかったの」
剣聖「大切な思い出の場所だもんな、気持ちはわかる。だけど、な? 俺達からも謝るからさ」
勇者「あ、いや……大丈夫だよ……。いまいち理由がよくわからないけど、怒ってはないから。何か事情があったなら、もう仕方ないと思うし……」
真魔王「良かった……。それ聞いて安心したよ」
女大富豪「本当にごめんね、勇者……。その分、冒険の旅で頑張るから……」シュン
勇者「ううん、大丈夫。もう気にしてないから。こうしてまたみんなに会えた事だけで十分嬉しいし」
聖女「良かった。やっぱり勇者は勇者だね……。優しい」
剣聖「ああ、そうだな。快く許してくれたし」
女闘神「ホントだよ! あんたは変わらずいいやつだ!」
勇者「そんな、やめてよ。照れるよ」
ハハハッ、アハハッ
634 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/18(金) 17:09:22.74 ID:
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勇者「それよりもさ、女大富豪。さっき言ってたよね。冒険の旅って」
勇者「それって、ひょっとして……」
女大富豪「あ、そうだね。まだ全員言ってなかったっけ」
聖女「私たちもね、子供の時の約束、ちゃんと果たしてるよ」ニコッ
剣聖「そう。俺は戦士に!」
女闘神「あたしは武闘家に!」
真魔王「僕は魔法使い」
女大富豪「私は商人に!」
聖女「そして、わたしは僧侶になってるの」
勇者「本当に!? 凄いや!! みんな覚えててくれたんだ! 約束を果たしてくれたんだ!!」
「もちろん!!」
「だって、このみんなで魔王を倒すって決めたんだから!!!」
勇者「うんっ!!!」