2chまとめサイトモバイル
勇者「仲間TUEEEEEEEEEEEEEE!!」
Part15


447 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/10(木) 15:37:06.79 ID:nGrTViXfo
村長「ああ、そうじゃ。ばーさん、お茶と菓子を。勇者様に何も出さんとは失礼じゃぞ」
村長の奥さん「ああ、そうですね。あんまりにも懐かしくてついね……。すぐに用意するわ」ソソクサ
勇者「いえ……お構い無く……」ガクガク
神父「しかし、あの子達の言う事は本当に正しかったんですね……。美しい友情です」ウンウン
女村人B「そうね。みんな、勇者は必ず来るって自信を持って言ってたものねえ」グスッ
勇者「!?」

448 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/10(木) 15:38:00.36 ID:nGrTViXfo
勇者「あ、あの……! その『みんな』って言うのは、もしかして!」
神父「ええ、そうですよ。あなたが子供の頃に仲良く遊んでいた、あの五人です」ニッコリ
女村人B「みんなもね、村からはもう何年も前に出て行ったんだけどね。でも、ついこの間、帰ってきて」
村長「そうじゃったなあ。それで揃って、近い内に『勇者(名前)』がここに来るはずだからと言ってな。しかも、伝説の勇者になって帰って来ると」
勇者「みんなが……!」
村長の奥さん「ええ、そうなのよ」テクテク
村長の奥さん「私らはね。その時、ろくに信じてなかったんだけど……。だって伝説の勇者様でしょ? いくらなんでもねえって……。でも、ほんにその通りになって……」
村長の奥さん「あ、これ、お待たせしたわね。お茶と草餅。どちらも私が作ったのよ。口に合うかわからないけど」ソッ
勇者「あ、ありがとうございます」ペコッ

450 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/10(木) 15:39:14.06 ID:nGrTViXfo
勇者「そうか……。もうみんな来てたんだ……!」
女村人B「嬉しいわよねえ。良い話だわあ……。あらやだ、また涙が。最近、めっきり涙もろくなって駄目ね……」グスッ
勇者「なら、すみませんけど、俺もすぐにみんなの所に行きます! いる場所はわかってるんで!」
村長の奥さん「あらそう? でも、せめてお茶だけでも飲んでったら? 折角用意したんだし、ね?」
勇者「あ、そうですよね、すみません! 頂きます!」パクッ、モグモグ
勇者「美味い! この草餅、凄く美味しいですね!」
タラッタラッタッター♪
【勇者の体力が19上がった!!
 勇者の攻撃力が16上がった!!
 勇者の防御力が18上がった!!
 勇者の魔力が20上がった!!
 勇者の素早さが18上がった!!】
村長の奥さん「そう? 隠し味に裏の畑で取れた種をすり潰して入れてるの。そのせいかしらね」
勇者「いや、本当に美味いです。初めて食べる味です、これ!」ゴクッ
勇者「わ、このお茶も清みきった味で美味しい!」
タラッタラッタッター♪
【勇者の体力が11上がった!!
 勇者の攻撃力が8上がった!!
 勇者の防御力が9上がった!!
 勇者の魔力が8上がった!!
 勇者の素早さが7上がった!!】
村長の奥さん「そっちもやっぱり種をすり潰したやつをブレンドして、少しだけ入れてあるの。腐るほど収穫出来るものだから、他の料理とかでも色々使ってるのよ」
神父「そういえば、あなたがいた時にはこの種はなかったものでしたね。今じゃこの村では香辛料や薬味の代わりとして当たり前の様に使われてるんですが」
勇者「いや、これ、凄く良いものですよ。何て言うか、力が湧いてくる感じで」
村長「こんなものが良いのかのう? わしらにはわからんがなあ……」

451 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/10(木) 15:40:20.94 ID:nGrTViXfo
勇者「それじゃあ、すみませんが、俺はこれで行きます! ご馳走さまでした!」
勇者「また後で、改めて挨拶に来るので!」
村長「そうじゃな、再開を楽しんできなさい」
村長の奥さん「気を付けてね」
神父「積もる話もあるでしょうし、私たちの事は気にせず、ゆっくりしてくると良いでしょう」
女村人B「戻ってきたら、後であたしん家に来なよ。ご馳走するからね」
勇者「はい! それじゃ、また!」クルッ
ガチャッ、タタタタッ……
村長「若いのう……。羨ましいわい」シミジミ
村長の奥さん「ほんにねえ……」シミジミ
神父「しかし、良い子に育ってくれました……。精悍で、礼儀正しく、心の清い子です……」
女村人B「本当にねえ。イタズラしたり柵をこっそり抜け出したりとかで、毎日、村中を走り回ってたのが嘘みたいだねえ……」グスッ

452 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/10(木) 15:41:35.73 ID:nGrTViXfo
ー 村の外れ近く ー
タッタッタ……
勇者「最初、どうなる事かと思ったけど……」
タッタッタ……
勇者「そりゃ、かなり驚いたし怖かったけど、やっぱりみんな良い人ばかりだった」
タッタッタ……
勇者「それに強い! 俺は、自分では強い方だと思ってたけど、それこそ井の中の蛙だったんだな。知らず知らず天狗になりかけてたんだ」
タッタッタ……
勇者「どうやってあれだけ強くなったのかわからないけど、でも、ここでその教えを乞えば、俺もきっと! もっと強くなれる!」
タッタッタ……
勇者「最初、気後れしたのが恥ずかしい。俺は勇者じゃないか! 勇者はいつでもどんな時でも諦めない、常に前向きに生きないと!」
タッタッタ……
勇者「みんなの為にも! 仲間の為にも! 俺は精一杯強くならないと駄目なんだ! それでこそ勇者なんだから!」
タッタッタ……
勇者「見えてきた! ここを曲がって通り過ぎれば、あの木が正面に……! 正面に……。正面に……?」
タッ……タッ……タ……
勇者「ない!? 折れてる!?」
切り株「」…………

453 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/10(木) 15:42:03.45 ID:nGrTViXfo
ここまで

454 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/10(木) 15:44:51.56 ID:i1dsckiDO
やはりステータスアップの種が特産品だったか……

455 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/10(木) 15:54:35.93 ID:4lqSEcPT0
しばらくここでゆっくりしていこう

456 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/10(木) 15:57:31.02 ID:CbWygdWCo
そりゃ常日頃から幸せの種を使ってりゃ強くもなるわ

457 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/10(木) 16:03:39.41 ID:+CGKzIp7o
炎の四天王より強いおばちゃんェ

458 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/10(木) 16:08:12.75 ID:omZY1vc4o
勇者は先に旅にでたから恩恵が少ない
仲間たちは後から旅に出たからある程度恩恵を受けてる
ってわけかww

459 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/10(木) 17:04:12.79 ID:/Egs47XXO
ドーピングしなくちゃ(使命感

460 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/10(木) 17:33:08.87 ID:lAhRipDlO
一人だけドーピングなしって考えるとやっぱ勇者すげーわ

481 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/13(日) 16:53:16.82 ID:0AI19Bpuo
ここで、話は一旦、600年前にまで遡る……
ー 魔界、奥深くの山小屋 ー
魔老師「どうしても行くのか、小僧……」
魔王「ええ、師匠。失礼ながら、もう貴方から学ぶ事は何もない」
魔老師「ちいとばかし、強くなった程度ですぐに自惚れおって……。ワシから見れば、お前など半人前にもなりきれておらんぞ」
魔王「なら……試されますか? 師匠殺しの汚名を受けるのは本意ではないですが……」ゴゴゴゴゴ……
魔老師「この老体で、今更若いお前とやる気はないわい……。ワシが半人前だと言うておるのは、その血気盛んなところだ。お前は覇気が強すぎる……」
魔王「覇気があるのは結構、ないよりは遥かに良いかと」
魔老師「バカタレ。明鏡止水の心こそ、武の本質じゃ。結局、お前はワシから何も学んでおらんではないか……」
魔王「そうやって魔族らしからぬ妙な境地を悟ったせいで、魔界を統一出来る程の腕を持ちながらも振るわず、無為に腐らせ、今ではただの老いた一魔族へと変貌してしまったのが師匠でしょう」
魔老師「水が低きに流れるが如く、普通の一生を普通に生きただけじゃ。それが当たり前の事じゃろうが」
魔王「生憎、私と師匠とでは、『普通』に差がありすぎるようで。師匠の終着点が、私にとっては出発点ですから」
魔老師「魔界を統一する気か……。下らぬ事を」
魔王「覇道を歩むつもりです」
魔老師「だから、下らぬと言っておる。世俗にまみれおって……」

482 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/13(日) 16:54:18.73 ID:0AI19Bpuo
魔老師「お前には期待しておったんじゃがな……。だが、ワシの目が曇っておったようじゃ……。腕ばかりが強くなって、心はまるで子供のままじゃ……」
魔王「ならば、それで結構。子供の夢が世界征服で何が悪いのか」
魔老師「…………」
魔王「師匠、私はその内魔界を統一し、ひいては神界、竜界まで統一しましょう。果ては伝説の中の異界まで!」
※注釈
竜界=人間界
魔族からしたら、人間は元から眼中にない
魔老師「戦乱を広げて何になる……。愚か者めが……」
魔王「その愚か者がこの世で唯一無二の覇者となる様、とくとご覧あれ」
魔老師「…………」
魔王「では、私はこれで。もう会う事もないでしょうが、残りの余生をどうか御自愛下さい」クルッ
魔王「」スタスタ……
魔老師「跳ねっ返りが……。実に嘆かわしいわい……」

483 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/13(日) 16:55:28.17 ID:0AI19Bpuo
250年前
ー 魔界。魔王城、玉座の間 ー
魔学者「此度は、魔界の統一、おめでとうございます」
魔王「よい。堅苦しい挨拶は好きではない。それよりもこの忙しい時期にお前を呼び出したのには当然理由がある。早速本題に入るぞ」
魔学者「はっ。何でございましょう」
魔王「今、お前たちが研究している合成魔獣だ。これまで十年以上研究資金を出してきたが、その間に、成果はどれだけ出した」
魔学者「つい先日、御報告申し上げた通り、眠り獅子と二股ヘビの掛け合わせが成功し、『キメラ』というまったく新しい魔獣が生まれました」
魔王「そうだな。十年かけてあの程度だ。戦力にすらならん」
魔学者「ですが、新しい魔獣を生み出すのに成功しただけでも、これは記録的な大進歩です。これからこの研究を続けていけば、魔王様が望む、強力な魔獣が続々と生まれてくる事でしょう」
魔王「魔学者……。何を勘違いしている? これだけわかりやすく言っても自覚がないようだから説明してやる。今のお前は単なる無駄飯食らいだと、余は言っているのだ」
魔学者「い、いえ、ですが! 研究というものは時間がかかるものでして! そこは十年などではなく、百年二百年という長い目で見て頂かないと!」
魔王「言い訳無用。合成魔獣の研究は今日をもって取り止めとする。これ以上は続ける価値がない」
魔学者「っ!!」
魔王「代わりに、別の研究をしろ。神界・竜界・魔界を繋ぐ、通称『次元の扉』についてだ。これを解析して、移動条件を調べあげろ」
魔王「現状だと、運任せでしか移動出来ないからな。それでは、軍を送る事など不可能だ。そこを何とかしろ」
魔学者「軍……ですか?」
魔王「三界を制覇するのが、余の望みだ。これ以上、説明は不要であろう」
魔学者「……か、かしこまりました。研究員全員にその様に伝えておきます……」
魔王「うむ」

484 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/13(日) 16:56:34.64 ID:0AI19Bpuo
ー 魔界、辺境の集落 ー
牛鬼「ヴォォォ。ヴォム、ヴァリリィ」(全長16メートル)
ベヒーモス「ヴルルルル。ヴォルルルフ」(全長23メートル)
(立ち話)
魔老師「」テクテク
魔老師「そうか……。あやつ、本当に魔界を掌握しおったか……」
魔老師「そして、次は神界や竜界にまで戦争を仕掛ける準備をしておるとは……」
魔老師「全て師たるワシの責任か……。だが、この老いぼれ、最早何も出来ぬわ……」
魔老師「歳を重ねるごとに弱くなっていくのがわかるからのう……。今や、全盛期の三分の一程度か……」
魔老師「もう魔界には未練もない。無為に死んでいく同胞も見とうない……。どこか静かなところで暮らしたいわ……」
魔老師「どこか、静かに死ねる場所を……」スタスタ……

485 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/13(日) 16:57:47.32 ID:0AI19Bpuo
15年前
ー 竜界(人間界)。山奥の村 ー
少年B「…………」ブンッ、ブンッ (素振り)
少年B「」ハァ……
少年B「やっぱりあいつがいねえと物足りねえな……」ショボン
少女A「うん……」
少女C「言わなくてもわかってるってば、そんなの! でも、もういないんだから仕方ないじゃない!」
少女E「やめよう。またケンカになっちゃうよ……。『勇者(名前)』が出て行っちゃってから、まだ一週間も経ってないのに……。こんなんじゃ、きっと『勇者(名前)』もがっかりするよ……」
少年D「ならさ……これからみんなでちょっと冒険の旅に出ない? 練習みたいな感じで」
少女E「冒険の旅って……?」
少年D「柵の外に出るんだよ。抜け穴見つけたからさ。ちょっとだけ。夕飯が出来る前までの間だけでも」
少女A「だ、だけど、柵の外に出たら怒られちゃうよ……」
少年B「いや、俺は行くぞ! こうなったら魔物をギッタンギッタンにしてやる!」ブンッ、ブンッ
少女C「あたしも行く! やる事なくてつまんないし!」
少女E「みんなが行くなら……。私も行く」
少女A「え、みんな行っちゃうの……? じゃ、じゃあ、あの……わたしも行く……」
少年B「よしっ! そんじゃあ行くか! みんなで冒険の練習だ!」
少年D「決まりだね。それじゃあ、みんなこっちに来て。見つかったらまずいから、こっそりだよ」
少女C「うん!」

486 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/13(日) 16:59:02.74 ID:0AI19Bpuo
ー 村の外 ー
少年B「なんか、すっごいドキドキするな」
少女A「う、うん……」ドキドキ
少女C「あたし、初めて村の外に出た。しかもこんなに遠くまで」
少女E「私も……。でも、結構、普通……」キョロキョロ
少年D「そりゃそうだよ。でも、魔物が時々出るから気を付けてね。スライムぐらいならどうにかなると思うけど、一角ウサギとか一つ目オオカミとか出たら、すぐに逃げるから」
少年B「んなもん、俺の剣で倒してやるってんだ。どっからでもかかって来い!」ブンッ
少女E「あ……。あそこ、見て。変な洞穴があるよ」
少年D「ホントだ! 中に入ってみる?」
少女C「うん! 入ろうよ! 探検、探検!」
少女A「で、でも、中は真っ暗だよ。怖いし、やめとこうよ……」オドオド
少年D「一応、ランプ持ってきてるよ。これで照らしながら進めば大丈夫だと思う」
少年B「だな! 俺は行くぜ! 中に魔物がいてもやっつけてやる!」
ガタッ!!! ガタゴト!! (洞窟の奥から物音)
少年B「」ビクッ!!
少女A「きゃあ!」
少女C「ま、魔物がいるの!?」
少年B「みんな、落ち着いて!」
少女E「う、うう……」ビクビク
カツーンッ、カツーンッ……
魔老師(魔物)「やれやれ……」ヒョコッ
「うぎゃああああああっ!! 出たああああああっ!!」

487 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/13(日) 17:00:23.16 ID:0AI19Bpuo
老師(タイプ・悪魔)「おいおい、そこの人間の子供ら。ちいと静かにしてくれんかのう……。ワシは悪さする気はないんでな……」
「しゃべったあああああああっっ!!!」
魔老師「ああ、そうか……。この辺は人語を喋る魔物がおらんからのう……。そう珍しくはないんじゃが……」
魔老師「のう、子供ら……。さっきも言った通り、ワシは悪さもしなければ、お前さん達に危害を加える気もない……。じゃから、退治とか言わず、そっとしといてくれんか……?」
少年B「だだだだだだって、じじ爺さんは、ま、魔物じゃないか! そんなのウソだ!!」ブルブル
魔老師「そうじゃのう。確かにもう七千年ぐらいは、魔物やっとるがのう……」
魔老師「じゃが、嘘はつかんぞ……。ワシは魔物の中でもちょっと変わっとるんじゃ。そこまで攻撃衝動にかられる事はないしのう……」
魔老師「それにな。ここの山はな……。ええ、山なんじゃ……。色々旅したが、ここほど魔力が満ちておって、じゃが静かで落ち着いておる山はどこにもなかった……」
魔老師「多分、ここの地中の奥深くにでっかい魔石でも眠っとるんじゃろうなあ……。ここだけきっと特別なんじゃて……」
魔老師「じゃから、ワシは死ぬならこの山で死にたいんじゃ……。多分もう十年か二十年の命じゃからのう……」
魔老師「子供ら……。見逃してくれんか? あんまり騒がれると、ワシはこの山から出ていかなければならなくなる……。それは嫌なんじゃて……」
少年D「こ、こう言ってるけど……ど、どうしよう?」アセアセ
少女E「う、嘘ついてるかもしれないよ。簡単に信じちゃ良くないよ」
少女A「ううん……。わたし、わかるよ。このお爺ちゃん、ウソなんかついてない。本当の事だって信じる……」
少女C「う……。少女Aがそう言うなら……ホントかもね」
少年B「少女A、ウソを見破るの得意だもんな……」
少年D「そうだね。何故か『勇者(名前)』の嘘だけは見破れなかったけど……。それ以外だとこれまで外した事なかったし……」

488 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/13(日) 17:01:58.91 ID:0AI19Bpuo
ー しばらく後 ー
少女A「へえ……。お爺ちゃん、元は『まかい』とかいうところに住んでたんだ」
魔老師「ああ、じゃがのう……。とある事があって、嫌気がさしてしもうてのう……。それで長い間、色々なところを旅してな……」
魔老師「それで、ようやっと見つけた落ち着ける場所がこの山だったんじゃ……」
魔老師「とある事については、詳しくは言えんが……。お前さんらには本当に迷惑かけたわい……」
魔老師「悪かったなあ……。謝って済む事じゃあないが、どうか許しておくれ……」ペコッ
少年D「?」
少年B「そんな事よりもさ、爺ちゃん! 魔族なら爺ちゃんも強いんじゃないか? いっちょ、俺と勝負してみないか!」サッ (木剣を構える)
魔老師「勝負か……。若いもんは元気があってええのう……。それに、お前さんはキラキラしたええ目をしておる。ワシの若い頃によう似とるわ……」シミジミ
少年B「げっ! 爺ちゃんにかよ! それはやだなあ」
少女E「」クスクス
魔老師「まあ、ええぞ。こういうのも久しぶりじゃからなあ……。どこからでもかかって来るとええ……」
少年B「どっからでもって、爺ちゃん、武器もないし座ったままじゃないか! これじゃ勝負になんないだろ!」
魔老師「ふぉっふぉっふぉっ、武器ならここにあるぞい」ソッ
少年B「!? 俺の木剣!?」
少女C「すごーい! いつのまに少年Bから取ったの!?」
少年D「全然気が付かなかった……」
魔老師「ワシとお前さんらでは、それぐらい差があるという事じゃ。勝負になるには二千年は早いかのう」
少年B「うぐぐぐぐっ……」
少女C「なら、お爺ちゃん! あたしとも勝負だ!」ビシッ (拳を構える)
魔老師「もうついとるぞい」
少女C「ふえああああああっ!!」ゴロゴロ
少女A「ああっ! 少女Cちゃんが転がってく!!」
少年B「爺ちゃんTUEEEEEEEEEEEEEE!!!」
魔老師「ふぉっふぉっふぉっ」
【魔闘錬清流・開祖】
『体力 :332万
 攻撃力:274万
 防御力:286万
 魔力 :245万
 素早さ:319万』