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勇者「仲間TUEEEEEEEEEEEEEE!!」
Part14


402 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/09(水) 17:27:33.22 ID:muoF85sfo
ー 勇者の生まれ故郷
 奇妙な魔物が出現する山
       麓付近、山道 ー
勇者「良かった……。少し尾根が繁ってるけど、まだ道は残ってる。これなら、相棒も一緒にいける」
馬「」カッポ、カッポ
ガサガサ……ザザザ、ガサガサ……
勇者「!」チャキッ (剣を構える)
馬「」バルルルッ
ガサガサ……ガサガサ…………
勇者「行ったか……?」
勇者「気配は消えてるけど……」
勇者「しかし、不気味だな……。普通、魔物はすぐに襲ってくるもんなんだが……」
勇者「そりゃ、闇雲に襲われるよりはずっとマシだけど……」
勇者「狙われてる様で、気持ち悪いのも確かだ……。狩りの準備をされてるみたいで不安になる……」

403 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/09(水) 17:28:26.42 ID:muoF85sfo
ー 山道、山の中腹辺り ー
メキメキッ、ボキッ!! (木の折れる音)
勇者「近いっ! 魔物か!?」チャキッ
馬「」バルルルッ!!
ノソッ……
氷ゾウガメ「シューッ……」(全長31メートル)
【奇妙な魔物・タイプ亀】
『体力 :5279
 攻撃力: 673
 防御力:9091
 魔力 :1241
 素早さ:  53』
勇者「!!??」

404 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/09(水) 17:29:13.67 ID:muoF85sfo
氷ゾウガメ「…………」チラッ
勇者「何だ、このバカでかい亀は!? これでも魔物なのか!?」サッ (剣を構える)
馬「」バルルッ!!
氷ゾウガメ「…………」ジィーッ
勇者「ぐっ! やる気か!?」
氷ゾウガメ「…………」
氷ゾウガメ「」ノッシ、ノッシ…… (無視して去っていく)
メキッ、ボキッ!! (木がなぎ倒されていく)
ノッシ、ノッシ…………
勇者「……何もせずに去っていった」フゥ
勇者「しかし、何でこんな山の中に巨大亀が……」
勇者「しかも、襲って来なかった……。一体、何だったんだ、あれは……」

405 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/09(水) 17:30:06.97 ID:muoF85sfo
ー 山道。頂上近く ー
ガサッ、ガサササッ
トゲ持ち大蛇「シュルルルッ……」(全長28メートル)
【奇妙な魔物・タイプ蛇】
『体力 :18036
 攻撃力: 6797
 防御力: 3814
 魔力 : 3420
 素早さ: 4513』
勇者「」ビクッ!!
馬「」ヒヒーン!!
トゲ持ち大蛇「…………」ジィーッ
勇者「く、来るのか……!!」チャキッ
トゲ持ち大蛇「…………」
トゲ持ち大蛇「シュルルルッ……」ウネウネ
ウネウネ……ウネウネ…………
勇者「また去っていったか……」フゥーッ
馬「」バルル……

406 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/09(水) 17:31:17.30 ID:muoF85sfo
勇者「それにしても、本当に見た事のない魔物ばかりだな……。しかも、それが大量にいる」
勇者「これなら、誰もこの山を登ろうとしないっていうのは納得だ。あまりに心臓に悪い……」ハァ
勇者「とはいえ、これまで一度も襲われてないっていうのが不思議だな……。ここの魔物は大人しいのか……?」
シギャアアアアアッ!!
グギャッッ!! ギギャーーーーッッ!!
勇者「」ビクッ!!
馬「」ヒヒーン!!
勇者「いや、そんな事はないか……。さっきの大蛇が、向こうで巨大なネズミを襲って食べてる……」ドキドキ
勇者「魔物だけを餌としてるのか……? まあ、あれだけ巨大だと、人間一人程度じゃ物足りないだろうが……」
勇者「何にせよ、この山は少しおかしい……。どうしてこんな風に変わってしまったんだ……」
勇者「もうすぐ、俺が住んでた村だけど……。これじゃ、もう誰も住んでる訳がないよな……」
馬「」カッポ、カッポ……

407 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/09(水) 17:32:10.52 ID:muoF85sfo
ー 山奥の村、近く ー
勇者「見えた……! あそこだ……!!」
勇者「村だ! 村の柵がある!! 変わってない!!」
勇者「どこも荒らされてなんかない!! 柵が破られてもいない!!」
勇者「みんな、まだあそこに住んでるのか!! 全員、無事なのか!!」
勇者「とにかく確かめに行くぞ、相棒!!」タンッ
馬「」ヒヒーン
パカラッ、パカラッ、パカラッ
と、その時!!
ガサッ!! ガサササッ!!
キメラ「グオオオッ!!」ダダッ
【合成魔獣・獅子タイプ】
『体力 :451
 攻撃力:129
 防御力: 77
 魔力 : 74
 素早さ: 50』
勇者「あれはキメラ!!? こんなところにまで、いたのか!?」
勇者「しかも、まずい!! 一直線に村を襲おうとしてる!! くそっ!!」

408 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/09(水) 17:32:57.57 ID:muoF85sfo
キメラ「グルルルッ!!」ダダダッ
勇者「まずい!! キメラの攻撃力なら、あんな木で出来た柵なんて一撃だ!!」サッ (馬から飛び降りる)
勇者「相棒は逃げろっ!! こいつは俺がやる!!」ガチャッ (魔法銃を構える)
ガタッガタッ (木の柵から音がする)
ガラッ
村人「何だべ、騒がしいな……」ノソッ
勇者「!!」
勇者「人がいたのか!! でも駄目だ! 逃げてくれ!! 襲われるぞ!!」
キメラ「グオオオッ!!」ダダダッ
勇者「やめろおおおおおっ!!!」

409 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/09(水) 17:33:37.88 ID:muoF85sfo
村人「ん?」
キメラ「グオオオッ!!」ダンッ (飛び掛かる)
村人「ほいさ」ドゴッ!!
ズゴガラグワバキボキメキガッキーン!!!!
キメラ「グボオホギグゲゴアギアグゲゴガアアアアアッッッ!!!!」ドーンッ!!!
体力:451→0
勇者「」
村人「さっきから騒いでたのはこの魔物かい、ったく。人騒がせな」
【山奥の村人】
『体力 :774万
 攻撃力:561万
 防御力:359万
 魔力 :   0
 素早さ:428万』
勇者「村人TUEEEEEEEEEEEEEE!!!」
 

410 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/09(水) 17:34:05.05 ID:muoF85sfo
ここまで

411 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/09(水) 17:35:43.66 ID:Gv4atI2Go
えぇ・・・

412 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/09(水) 17:35:51.28 ID:zl/oE+ds0
ドカベンの岩鬼みたいな音がした

413 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/09(水) 17:36:01.99 ID:M+pLzVztO
正直に言う
村人TUEEEEは予想外


414 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/09(水) 17:36:49.11 ID:OfgoN/yeO
死んだな

415 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/09(水) 17:41:20.95 ID:xnpCvCesO
これは予想外です
乙でした

416 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/09(水) 17:41:27.13 ID:e2gwJIfSo
村人強すぎるwwww

417 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/09(水) 17:42:22.95 ID:BXf17Am9o
ワロタw

418 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/09(水) 17:43:47.25 ID:BiRHUXdMo
ここに来て衝撃の展開

442 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/10(木) 15:31:52.44 ID:nGrTViXfo
村人「ん?」
勇者「あ、あの……! えっと、その、俺は決して怪しい者じゃなくて……!!」アセアセ
村人「あー!」
勇者「」ビクッ!!
村人「おめえ、もしかして『勇者(名前)』じゃねえか? 昔の面影残ってっし、なーんか今日帰ってくるみたいな約束してたみてえだし」
勇者「あ、はい……! 俺、『勇者(名前)』です!」
村人「懐かすいなあ! おらだよ、おら! 覚えてねえのか?」
勇者「え、いえ、あの……! す、すみません!」
村人「何だ、忘れちまっただか。まあ、おめえもあん時は子供だったからなあ」
勇者「は、はい! すみません!」
村人「別に謝る事ねえべ。おらはあれだよ、おめえん家の三軒隣に住んでたやつだよ。小さい頃にベーゴマとか教えてやったべ?」
勇者「ベーゴマ……。え!? もしかして、竹トンボとかよく作ってくれたおじさん!?」
村人「そうそう。ははっ。思い出したか。いやー、忘れられてなくて良かったっぺ」
勇者「いや、忘れるとかそういうんじゃなくてさ……。何かだって、前と変わりすぎてるから……」
村人「?」
勇者(めちゃくちゃ体つきが良くなってるなんて言えない……)

443 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/10(木) 15:33:11.92 ID:nGrTViXfo
村人「しっかし、おめえもずいぶんデッかくなったよなあ。ここ出てった時はただのやんちゃなガキだったのに、今じゃこんな立派な大人になって」
勇者「ああ、うん……。まあ、色々と努力したし……それなりの経験も積んできたからさ……」
村人「何かいかにも高級な剣士っぽい格好してっけど、もしかして賞金稼ぎにでもなったのか?」
勇者「ああ、いや、これは……。ちょっと前まで王都で騎士隊長やってたから」
村人「うおおっ! それ、本当か! 騎士様飛び越えて、騎士隊長様にか! おめえ、凄いな!! 強いんだなあ!!」
勇者「え……?」
村人「そういや、おめえは子供の時から『勇者になる、勇者になる』ってずっと言ってたもんなあ。それが今や騎士隊長様とは。いやあ、無茶苦茶強くなったんだろうなあ。きっと、おらなんかもう話にならないんだろうなあ」シミジミ
勇者「え゛」
村人「あ、でも、ちょっと前まではってどういう意味だべ? まさか、騎士隊長を辞めたって訳じゃないんだろ?」
勇者「いや、あの……」オロオロ
村人「ん? どうしたべ?」
勇者「ゆ、勇者に……」(小声)
村人「あ? 聞こえねえって。どしたんだべ?」
勇者「勇者に……選ばれて……」
村人「うおおおおっっ!! 凄えな、本当だべか!? 勇者様に!?」
勇者「……いや、あの、でも! た、大した事ないから! たまたま選ばれたっていうか、偶然選ばれたっていうか、ま、間違いで選ばれた的な!!」
村人「なーに謙遜してんだべか! そんじゃ何か! 女神様の神託があったって事か! てーしたもんだな! おめえがあの伝説の勇者様か!」
勇者「いや、本当に凄くないから! 大した事ないから!」アセアセ

444 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/10(木) 15:34:02.46 ID:nGrTViXfo
村人「これもう、大ニュースだべな! まっさか、本当におめえが勇者様になってるだなんてな!」
勇者「いや、ニュースでも何でもないから! 俺なんか本当に選ばれただけっぽいし! 大して強くないし!」
村人「はっはっは! 強い奴ほどそういうんだべなあ! まさか、こんなところでそんなお決まりの台詞が聞けるだなんて思わなかったべ!」
勇者「いや、本当だから! そんな強くないんだって、俺!」
村人「こりゃあれだ、村長とかにも早速報告しねえとな」スタスタ
勇者「ちょ、待って待って! おじさん、待って!!」ガシッ (服を掴む)
村人「おーい、村長ー!! それにみんなー!! 伝説の勇者様が来たぞー!!」スタスタ
勇者「ちょおおおっ!!!」ズルズル

445 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/10(木) 15:34:56.05 ID:nGrTViXfo
ー 村長の家 ー
村長「ああ、懐かしいのう。あの本を借りに来てた鼻たれ坊主が、本当に勇者様になっておるとは……」シミジミ
【山奥の村長】
『体力 :536万
 攻撃力:221万
 防御力:209万
 魔力 :348万
 素早さ:217万』
神父「まったくですなあ……。陛下から頂いた証明手形も本物……。いやはや、驚きましたよ」シミジミ
【山奥の神父】
『体力 :599万
 攻撃力:207万
 防御力:311万
 魔力 :475万
 素早さ:184万』
村長の奥さん「本当にねえ、立派になって」シミジミ
【山奥の村長の妻】
『体力 :487万
 攻撃力:218万
 防御力:265万
 魔力 :331万
 素早さ:189万』
女村人B「なんかもう、嬉しいわあ。オバサン、涙出てきちゃう」グスンッ
【山奥の女村人】
『体力 :842万
 攻撃力:694万
 防御力:716万
 魔力 :328万
 素早さ:652万』
勇者(全員、雰囲気がヤバい……!)ガクガク

446 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/10(木) 15:36:25.44 ID:nGrTViXfo
村長「しかし、こうして見ると流石は勇者様じゃなあ。まず、体から溢れ出る雰囲気からして違うからのう」
神父「ええ、本当に。よくぞここまで凛々しくなりまして……」
村長の奥さん「乗ってきた馬も、凄かったわよねえ……。毛づやも良くて、張りがあって。さぞかし名馬なんでしょうねえ」
女村人B「本当にね、あんな小さくてやんちゃだった子がこんな立派になってね」グスンッ
勇者(今すぐ逃げ出したい……)ガクガク