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魔法使い「え、えろ魔道士です…」
Part6


146 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/08/28(日) 04:39:35.63 ID:IWdDFovF0
勇者「師匠!居ますか?俺です。勇者です!」
家の前で挨拶をするとゆっくりと扉が開き、中から師匠が出てきた。
師匠「おおっ!勇者じゃねーか!風の噂で聞いたぜ。お前女神様に選ばれたそうじゃねーか」
勇者「はい。今はこちらの二人と共に魔王城を目指して旅をしています」
魔法使い「は、はじめまして…」
ねこ「よろしくですにゃん」
俺の後ろで二人が軽くお辞儀をした。
師匠「おうおうおう。可愛い娘たちじゃねーか!」
魔法使い(勇者様がお堅い性格なのはお師匠様の影響もあるのかと思ってたんですけどまるで正反対の性格ですね…)
師匠「まぁそんなとこに立ってねーで中に入ってくれや。コーヒーいれてやるよ」

147 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/08/28(日) 04:40:17.14 ID:IWdDFovF0
師匠の家ではこれまでの冒険、戦った敵のことなどを話した。
師匠は時には笑い、時には真剣に話を聞いてくれた。
勇者(…師匠なら馬鹿げた俺の相談にものってくれるだろうか)
勇者「ねこ」
ねこ「はいにゃ」
勇者「悪いがそいつと一緒に先に宿に戻ってくれ。俺はもう少し師匠と話していたい」
ねこ「りょーかいにゃ」
魔法使い「はい…」
ねこと魔法使いが部屋を出たのを見送ってから俺は師匠の方へ向き直った。

148 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/08/28(日) 04:40:56.66 ID:IWdDFovF0
師匠「なんか悩み事か?そういう顔してんぜ?」
勇者「!」
勇者「相変わらずなんでもお見通しというわけですか」
師匠「いんや。どんな悩み事かまでは分かんねぇけどよ」
師匠はコーヒーカップを手に取りながらそう言った。
勇者「実はですね…その…」
勇者「どうやったら、まったく興味のない女のことを好きになれますか?」
師匠「ブファッ!ゴホッ!ゴホッ!」
師匠は口に含んでいたコーヒーを盛大に床に吹き出してしまった。

149 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/08/28(日) 04:41:58.82 ID:IWdDFovF0
勇者「師匠!?す、すみませんなんでもありません!馬鹿げた質問でした。今のは忘れて下さい」
師匠「いやー、ハッハッハッ。まさか堅物のお前の口からそんな話が聞けるとはな」
師匠「気にすんな。俺はお前に剣術を教えたがだからって別に『剣術の師匠』ってわけじゃあねぇ。弟子の相談なら剣術だけじゃなくて今日の晩飯だろうが色恋沙汰だろうが聞いてやるよ。それが師ってもんだ」
勇者「師匠…」
俺はコーヒーを台拭きで拭きながらそう言う師匠の言葉を聞いて、改めて俺の師がこの人でよかったと思えた。

150 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/08/28(日) 04:44:10.37 ID:IWdDFovF0
勇者(やはり師匠に相談してよかった…)
師匠「で?どっちなんだ?」
勇者「はい?」
師匠「あの猫耳の元気っ娘の方か?それとも魔法使い風の格好したえっちなうさ耳遊び人の嬢ちゃんの方か?」
勇者「…一応あいつは魔法使いなんですが」
勇者(いや戦闘に殆ど参加してないから遊び人でも間違ってないか)
師匠「そうなのか。変わった格好してるな。まぁ俺なら…どっちも捨てがたいが僅差で魔法使いちゃんの方だな。やっぱあの格好は反則だぜ。それにおっぱいもなかなか…」
その後3分ほど師匠から見た魔法使いの話を聞かされた。
勇者(師匠の好みの話になってるな…)
師匠「で?改めてお前はどっちのことで相談しようとしたんだ?」
勇者「その魔法使いの方ですが…」
師匠「だよなぁ!お前なら分かってくれると思ったぜ!さすが俺の弟子!」
俺の肩に豪快に笑いながら腕をかける師匠。
…重い。
勇者(…さっきのは訂正だな。やはりやめておけばよかった)

151 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/08/28(日) 04:45:18.87 ID:IWdDFovF0
師匠「あれ?でもお前さっき『まったく興味のない女を』つってたよな」
勇者(とは言っても師匠も既に俺の話に乗りかかってしまっているし…ここから話を打ち切るのは無理そうだな)
そこから俺は本題に入り師匠に魔法使いが普通の魔法使いではないこと、俺に魔法をかけたこと、それが原因の不治の頭痛のこと、彼女に好意を持つことでその頭痛を治せるかもしれないことを語った。

152 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/08/28(日) 04:46:19.42 ID:IWdDFovF0
師匠「話は大体理解した。だがお前は魔法使いちゃんにまったく興味がないというわけだな」
勇者「はい」
師匠「まぁ、なんだ…女の子を好きになるってのは努力するもんじゃねぇ。ちょっと意識して見れば勝手に好きになっていくもんだ」
師匠「特に可愛い女の子に対してはな。男ってのはそれくらい単純な生き物だ。あれくらい可愛い子だったら逆に一瞬でも全く好きにならない方が難しいだろ」
師匠「…お前、男の方が好きとかじゃないよな?」
勇者「そ、そんなことはないと思います!」
今まではただひたすら強くなること、そして今は魔王を倒すことに集中していたから女に興味が無かったというだけでさすがにそんなことはないと思う。ないと思いたい。
師匠「ならさ、なんかあるんだろ?彼女自身の容姿や性格に関係ないところに、彼女のことを好きになれない理由が」
勇者「!!」
それがあるとしたら、俺の魔法使いへの殺意と恐怖…か。
だが確かにその二つは彼女の持つ『力』に対しての感情だ。
師匠「その反応なら何か心当たりがあんだろ。そういうの一旦全て無しにして彼女を見てみろ。何か変わるかもしれんぞ」
勇者「努力…してみます」

153 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/08/28(日) 04:47:07.83 ID:IWdDFovF0
師匠「あー、初々しくていいなぁオイ!」
勇者「なっ、こ、これは頭痛を無理やり治すために仕方なく試みてみることであって俺は別にあいつのことは…」
師匠「あーはいはい。分かってる分かってるって」
師匠「とまぁ冗談はここまでにしておいてと」
師匠はへらへらとした顔つきをやめ、急に真剣な眼差しとなった。

154 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/08/28(日) 04:47:50.79 ID:IWdDFovF0
…………
魔法使い「はぁ…」
ねこ「なんか元気ないにゃすね。早く宿で休むといいにゃす」
魔法使い「いや大丈夫です。あっ、私少しそこの川で涼んできますから、ねこちゃんは先に宿に入っててください」
ねこ「分かったにゃす」
魔法使い「それではまた後で…」
ねこ「……」
ねこ「魔法使いちゃん!」
魔法使い「はい?」
ねこ「あまり思い詰めちゃだめにゃすよ?」
魔法使い「えへへ…ありがとうございます」

155 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/08/28(日) 04:48:33.38 ID:IWdDFovF0
魔法使い「綺麗な川だなぁ…」
魔法使い(あっ、私の顔が映ってる…)
魔法使い(酒場のお姉さんも顔だけはいいって言ってくれてたけど…勇者様は私の顔どう思ってるのかな…)
魔法使い(やっぱり嫌いなのかなぁ。そんなんじゃみんながいいって言ってくれても意味ないよ…)
魔法使い(もしもう一度勇者様に魔法を使ったら、もっと私のこと女の子として見てくれるのかな…なんて)
魔法使い(そんなわけないよね。きっと殺されちゃう。やっぱり攻撃魔法を使えるようになる以外で私が勇者様の隣に居られる方法なんてないんだ)
魔法使い「ぼ、ぼむふぁいあ〜」
魔法使い「ぼむふぁいあ〜!!!!」
魔法使い「だめですね…はぁ…」
「すっごいため息。お姉ちゃん疲れてるの?」
魔法使い「え?」

156 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/08/28(日) 04:49:12.34 ID:IWdDFovF0
「くまと一緒におやすみ、しよ?」
魔法使い(熊のパーカーの女の子?)
くま「くまねー、いいとこ知ってるの。みーんなそこでおやすみ中。お姉ちゃんもくまと一緒におやすみしよ?おやすみしたら、嫌なことぜーんぶ忘れて、幸せになれるよ」
魔法使い「えーっと…」
くま「だめ?お姉ちゃんくまと一緒ヤダ?」
魔法使い「そ、そんなことはないんだけど…」
くま「うっ…うぅ…」
魔法使い「え?あれ?な、泣かないで!」
魔法使い(どうしよう)
『あまり思い詰めちゃだめにゃすよ?』
魔法使い(そうだよね。ちょっと休憩しよっかな)
魔法使い「そ、それじゃあ私もその場所に連れて行ってくれるかな?」
くま「いいの!?やったー!!!」

157 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/08/28(日) 04:49:53.25 ID:IWdDFovF0
…………
勇者「はい?」
師匠「今度は俺の方の相談に乗ってもらっていいか?」
勇者「はい。お力になれることがあれば」
師匠「実は二日くらい前から村の住民が行方不明になる事件が相次いでいるんだ」
師匠「なんでも森に入ったっきり帰って来ないという人が後を絶たない」
勇者「…魔王の残党の仕業ですか?」
師匠「かもしれん」
師匠「俺も森の入り口付近は探索したんだが特に変化は見られなかった。奥に何かありそうだと見ているが奥に行っている間に村の方で何も起こらないとも限らない。そこでお前には村の護衛を頼みたい」
勇者「はい。承知しました」
師匠「今日はとりあえず長旅の疲れをしっかりと癒せ。明日俺が森の奥へ向かっている間、頼んだぞ」

158 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/08/28(日) 04:51:42.42 ID:IWdDFovF0
第4章
夢の中で臨むもの

159 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/08/28(日) 04:53:38.53 ID:IWdDFovF0
ねこ(あれ?魔法使いちゃん遅いにゃすね。少し様子をみてこようかにゃ)
ねこ(確かこっちの川に…いないにゃす…)
ねこ(足跡?まだ新しいにゃす。これはもしかして魔法使いちゃんの足跡かにゃ?)
ねこ(追ってみるにゃす)
ねこ(にゃ…?なんかだか霧が深くなってきたにゃ…)
「お姉ちゃんも一緒におやすみする?」
ねこ「にゃっ!?誰にゃ!?どこにいるにゃす!?」
ねこ「ん…あ、れ…おかしいにゃ…なんだかだんだん眠たく…なっ、て…」
ねこ「にゅん…」

160 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/08/28(日) 04:54:09.51 ID:IWdDFovF0
勇者(寝る前にあいつらに明日の予定について話しておかんとな)
二人のいる部屋の扉を叩く。
勇者「おい。まだ起きているか?明日の予定について話がある」
勇者「……」
10秒ほど待つも返事がない。
勇者「どっちも寝ているのか…?」
少し扉を開けてみて隙間から確認する。
勇者「いない?あいつら一体何処へ」
宿を出て外を見て回るも二人の姿はどこにも見当たらない。

161 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/08/28(日) 04:54:48.57 ID:IWdDFovF0
勇者「すまん。猫耳の女とふざけた格好の魔法使いを見なかったか?」
村人「んー。知らないねぇ」
村人2「なんだなんだ?また神隠しか?」
村人「またかい。怖いねぇ…」
勇者「神隠し…?」
『実は二日くらい前から村の住民が行方不明になる事件が相次いでいるんだ』
『なんでも森に入ったっきり帰って来ないという人が後を絶たない』
勇者(まさか!!)
勇者「情報提供感謝する!」

162 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/08/28(日) 04:55:30.65 ID:IWdDFovF0
勇者(二人とも森の中か!?)
急いで森の中へと入っていく。
しばらく走っていると妙に霧の濃いところ着いた。
勇者(周りがあまり見えないな…)
「お兄ちゃんもおやすみしよ?」
勇者「誰だ!?出てこい!」
「こわいよ。お兄ちゃんもおやすみしたら穏やかな気持ちになれるよ?」
勇者「うっ…な、なんだこれは…急に眠たくなって…催眠魔法か?」
勇者「ビスペル!」
睡魔を追い払うために解呪の魔法を唱えると俺の眠気が消え去ると同時に霧も全て消え失せた。

163 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/08/28(日) 04:56:48.72 ID:IWdDFovF0
勇者(この霧全体が催眠魔法でできていたのか)
くま「なんで?なんでお兄ちゃんそんなことするの?」
霧が晴れるとそこには熊のパーカーを着た子供が立っていた。
そして周りには…
勇者(これは!?)
かなりの人数の人間が眠っていた。
恐らく行方不明となっていた村人たちだろう。
その中には魔法使いとねこもいる。

164 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/08/28(日) 04:57:31.00 ID:IWdDFovF0
勇者「ただの子供…ではなさそうだな」
くま「お兄ちゃんもみんなと一緒におやすみしようよ。幸せになれるよ?ほら、みんな幸せそうな顔してる…」
ねこ「んにゃ…」
魔法使い「ゆうしゃ…しゃま…むにゃ…」
勇者「おいねこ!居眠り魔道士!起きろ!」
しゃがんで地面に転がる魔法使いの頬を叩くも寝言を言うばかりで起きようとしない。
勇者「くそっ!ビスペル!」
試しに解呪を試みるも起きない。
かなりの魔力の催眠魔力がかかっている。
くま「無駄だよ。今はお姉ちゃんもきっとすっごい幸せな夢をみているよ」
勇者(くっ、これでは眠る前に対処しなければ効果が期待できそうにないな)

165 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/08/28(日) 04:58:16.97 ID:IWdDFovF0
魔法使い「ゆうしゃさまぁ…」
眠っているはずの魔法使いに急に抱きつかれ押し倒された。
勇者(寝ぼけているのか?)
勇者「おいふざけるな寝ぼけ魔道士!離れろ!」
魔法使い「えへへ〜ゆーしゃさまぁ…ぎゅーってして…ぎゅーって…」
勇者「は…?」
くま「ほら、お姉ちゃん。幸せなそうでしょ?でももしかしたらお兄ちゃんが魔法かけちゃったせいで中途半端に起きてるのかもね」

166 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/08/28(日) 04:58:45.61 ID:IWdDFovF0
魔法使い「えへへ…だいしゅき」
勇者「なっ!何を言ってるんだお前は!」
魔法使い「てんぷてーしょん」
勇者(誘惑魔法!?こいつっ…!)
魔法使いが使える誘惑魔法の中では最軽量のものだが彼女の魔力ならもう既に一度誘惑魔法をかけられている俺には十分すぎる。
勇者「ビ、ビスペ…んぐっ!?」
解呪しようとしたところで魔法使いの口によって俺の口は防がれた。

167 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/08/28(日) 05:00:05.27 ID:IWdDFovF0
魔法使い「んっ…んちゅ…んぁ…ぷはっ」
柔肌をすりつけ俺の全身を撫でながら吸うように俺の唾液を舌で舐めとる。
勇者「ぷはっ…はぁ…はぁ…お前…こんなことをしてただで済むと思うなよ?」
振り絞る理性でなんとか抵抗する。
やはり誘惑に抗うことの代償なのか頭痛もかなりのものになっている。
だが逆にこの痛みが今の俺を踏みとどまらせてくれてるのかもしれない。

168 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/08/28(日) 05:00:53.07 ID:IWdDFovF0
魔法使い「えへへ…ぷれじゃ…」
いつもなら脅せば泣いて謝る魔法使いだが泣くどころか微笑んでから何やら魔法を唱えた。
勇者(…なんだ?)
勇者「んっ!?」
またも唇を奪われる。
魔法使い「んちゅ、ちゅる…んっ」
勇者(なんだこれは…)
さっきとは段違いの快楽が襲いかかってくる。脳が…溶かされるようだ…。
勇者(もしかしてさっきのは快楽を上昇させる魔法なのか?)

169 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/08/28(日) 05:01:50.83 ID:IWdDFovF0
くま「わわっ…お姉ちゃんダイタン…」
魔法使い「ぷはっ…しゅき…もっと…もっ…と…んっ…すぅ、すぅ…」
勇者「…寝たか。何が『寝相には自信がある』だ最悪だったぞ。くっ、ビスペル!」
勇者「はぁ、くそっ…はぁ…呪いがさらに酷くなりそうだ」
上に乗っかる魔法使いをどかして立ち上がる。
魔法使いがもう少し寝ぼけていたら俺の理性は完全に破壊されていたかもしれない。
考えただけでまた恐怖で身体が震える…

170 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/08/28(日) 05:02:59.10 ID:IWdDFovF0
だが…
勇者(今こいつが見ているであろう夢はあの催眠使い曰くこいつにとっての幸せの夢)
勇者(なら、あれがこいつの心の底で望んで求めているものだとでも言うのか?)
『…だいしゅき』
勇者(あの戯言も本気なのか?)
くま「お兄ちゃんも分かったでしょ?みんなおやすみしてた方が幸せなんだよ」
勇者(いや、今はそんなことはどうでもいい。目の前の撃つべき敵に集中しろ)
くま「お兄ちゃんもさ、くまと一緒におやすみしようよ」
勇者「ふん、お断りだな。そのお前と一緒というのはどういう意味だ?一緒という割にはお前は寝てないようだが…寝ている連中から魂でも吸い取るのか?」
くま「…違うよ。ずっとくまとお友達になるだけ。永遠の幸せの中でくまと一つになるだけだよ」
勇者「図星だな。いい加減そんな似合わない少女の姿はやめて本性を現したらどうだ」
くま「…なんかお兄ちゃん嫌い。いいよ、おやすみしなくても魔王様の力でくまのお友達にしてあげる」
勇者(残党か…)

171 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/08/28(日) 05:03:30.05 ID:IWdDFovF0
くまの周りに黒い影が現れて彼女を包んだ。
やがて黒い塊から出てきた彼女の姿は先ほどまでの少女のような可憐さなど微塵にも感じさせない大熊だった。
くま「グオオオオオオ!!!」
勇者(昔書物で読んだことがある。その大熊の魔獣は人の姿に化けて人間を眠らせ、その魂を喰らうという。一つの村に目をつけ、その村の住人がいなくなるまで魂を喰らい続け、また次の村を求めて徘徊する。まさか本当に存在したとはな)
勇者「来い!」
くま「グラァォ」