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魔法使い「え、えろ魔道士です…」
Part12


317 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/09/21(水) 04:12:50.35 ID:X1nbjFrK0
…………
魔導師「…かなりの魔力を感じる」
魔導師「あそこからか…?」
魔法使い「……」
魔導師「子供…?」
魔法使い「……」
魔導師「お前…どこから来たんだ?どこに住んでいる」
魔法使い「…?」
魔導師「名前は?」
魔法使い「魔法使い…」
魔導師「一人なのか?」
魔法使い「…こわい」
魔導師「そうか…そうだよな。一人は怖い。そして寂しいものだ」
魔導師(妙に強大な魔力を持っているからどの道ほおってはおけないが…私もどうかしているな…普通はこの子の親を一緒に探してやらねばならぬのに…今の私は…新たな温もりを探し求めているのか?)
魔導師「お前も一人なのか。私も一人になってしまったんだ。よかったら私に付いてこないか」
…………

318 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/09/21(水) 04:13:30.11 ID:X1nbjFrK0
魔法使い「あっ…あっ…あっ…」
魔法使い「うああああああああ!!!!」
母「魔法使い!?」

319 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/09/21(水) 04:13:56.61 ID:X1nbjFrK0
…………
竜神「オレの炎で灰と化せ!」
竜神「ハァ!フンッ!ラァ!」
勇者「くっ!ふっ!はっ!」
竜神「ちょこまかと!」
勇者「疾風剣技!」
竜神「グォ!…やるな」
煉獄の満ちた洞窟の中、俺と竜神の攻防が続いていた。
竜神「まだまだァ!」
竜神の吐く炎を避けながら隙をついて懐中へ斬りこむ。

320 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/09/21(水) 04:14:23.19 ID:X1nbjFrK0
勇者「ハァッ」
竜神「グルッ!」
勇者「そろそろ終わらせてもらうぞ!竜神!」
竜神「何!?」
勇者「疾風剣技!居合斬り!」
風に乗り一瞬の内に竜神の急所を切り裂く。
竜神「うがああああ!ぐっふっ…」
竜神の巨体が倒れる音が洞窟中に広がった。

321 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/09/21(水) 04:14:57.81 ID:X1nbjFrK0
勇者「ハァ、ハァ…終わった…か…?」
勇者(早く戻らなければ…あいつが心配だ…)
勇者(だが…俺はやはりあいつを殺さないといけないのか?何か他に方法はないのか?くそっ!)
戻らなければと思いつつも戻れば魔法使いを殺さなければならない。
魔王に対する怒り、魔法使いを救えない悔しさや悲しみ、そして数々の死闘で積み重なってきたダメージで疲弊しきった俺はその場に座り込んでしまった。
倒れた竜神にもたれかかり、意識も遠のいてきたそのときだった。

322 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/09/21(水) 04:15:24.26 ID:X1nbjFrK0
竜神「グッ…グググ…」
勇者「!?」
竜神が身体を起こして立ち上がった。
もたれていた俺はそのまま地面に倒れる。
竜神が俺を見下ろしているのが分かるが身体が言うことをきかず立ち上がることができない。
勇者(くっそぉ!立ち上がれ!動け!)
竜神が炎を吐くのかゆっくりと口を開く。
勇者(くっ…そっ…)

323 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/09/21(水) 04:16:03.95 ID:X1nbjFrK0
竜神「礼を言うぞ…勇者…」
勇者「……?」
竜神の口から出たのは炎でも罵倒でも勝利宣言でも無かった。
勇者「どういう…ことだ?」
竜神「どうやら魔王を撃ち破る宿命を背負った女神の力を纏うお前に斬られたことによってオレの中の魔王の力が消え失せたようだ」
勇者「なんだと?」
竜神「普通の魔物や人間では先ほどのお前の一撃でこの世から去っていただろうが竜の鱗を纏ったオレはあの程度の攻撃では死には至らんぞ」
勇者「…だがもう俺に敵意はないんだな」
竜神「ああ、お前の怒りがオレの怒りを超えたからな」
勇者「そんなにも魔王を憎んでいたのになぜ魔王の力を身につけたんだ?」

324 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/09/21(水) 04:16:39.95 ID:X1nbjFrK0
竜神「…オレはこの場所に里ができる何十年も何百年も前からずっとこの洞窟にいた。一人でな」
竜神「だがある日オレの前に一人の人間が現れた。そいつは不思議なやつだった。威嚇するオレに対して怯えるわけもなくだからと言って襲ってくることもなかった」
竜神「オレがそいつにお前は不思議な奴だと言ったら、そいつはなぜそう思うのかを聞いてきた。オレはずっと一人だったことをそいつに伝えた」
竜神「そうするとそいつは何故かここに人を集めると言い出した。やめろと言っても聞かなかった。なんでもオレを孤独から救うためだという…」
勇者「……」
竜神「里ができてからまた何年もの月日が流れそいつは死んだ。だがそいつは確かにオレをこの薄暗い洞窟の中の孤独から解放した…オレは誓った。死んだあいつへの恩を返すために、あいつが集めた民たちを守り続けようと」
竜神「そんな中魔王がここを攻めてきた。里の一部は焼かれ沢山の民が死んだ。オレは魔王に立ち向かったが力及ばす地に伏し敗北した」
竜神「民はオレが魔王に負けたのを見て絶望し、この里を捨てて逃げようとしたのだ」
竜神「逃げ行く民たちを見てオレはあまりの自分の力の無さに憤怒した。最初は自分に対する怒りだったのだ。だがそれは徐々にオレをまた孤独へと陥れようとする民たちへの怒りへと変わっていった」
竜神「オレはまだ闘れる、だからオレを置いて行くな…とな…」
竜神「そんな怒りを魔王につけこまれ魔王に力の一部を押し付けられたというわけだ。哀れな奴だな…オレは…」

325 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/09/21(水) 04:17:11.94 ID:X1nbjFrK0
勇者「結界を解いてくれるか?」
竜神「ああ、魔王を撃つのはお前に任せた。頼んだぞ…勇者…」
勇者「任せろ…俺が必ず…この手で魔王を撃つ!」
竜神「だが今のお前では少し力不足とも感じられる。もっと女神の力を最大限に生かすことができるようになれば魔王を滅せるだろう。オレが修行に付き合ってやる」
勇者「本当か!」
竜神「ああ。…だが、今は向かうべき場所があるのだろう?」
勇者「そうだな。お前の言うことが本当なら…少しは仲間を助けられるかもしれない」
洞窟を出た俺は魔法使いの眠る場所へと戻った。

326 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/09/21(水) 04:17:41.55 ID:X1nbjFrK0
勇者「…魔法使いは無事か」
母「はい。今は少し落ち着いて眠っています。一度目を覚ましましたが頭を抱えて苦しそうでした…」
勇者「やはりお前は、魔王の…」
魔法使いが眠るベッドの横にあった椅子に座る。
魔法使い「うっ、んんっ…うっ…あぁっ…」
勇者(内側から押し寄せてくる魔王の力を必死に押し返そうとしているんだな…ねこも…ずっとこんな感じだったのか?)
悪夢にうなされているような顔で眠る彼女の片手をそっと両手で握った。

327 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/09/21(水) 04:18:10.65 ID:X1nbjFrK0
勇者(本気で斬らなければ完全なる魔王の力の消滅は難しいが…抑えることならできるかもしれん)
魔法使い「…んっ、はぁ、ゆ…しゃ…さま…」
勇者(お前だけは…俺が救ってみせるっ!)
勇者(女神よ!俺に力を貸してくれ!)
彼女の手を強く握りしめると俺の手から白い光が満ち溢れ、部屋中を照らし始めた。

328 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/09/21(水) 04:18:38.59 ID:X1nbjFrK0
母「な、何!?」
父「何だ!?」
長老「これは…!?」
やがて光が収まり、目も慣れ、ゆっくりと目を開けた。
魔法使い「ん…すぅ…すぅ…」
勇者(顔色が穏やかになっている。それに、完全ではないが禍々しい魔力もあまり感じられない)
勇者「なんとか…なったのか…?」
肩からすっと力が抜けたかと思うと気がつけば俺は魔法使いを抱きしめていた。

329 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/09/21(水) 04:19:13.88 ID:X1nbjFrK0
魔法使い「んぁ…あ…れ…?ゆうしゃ…さま?」
勇者「起きたか…この馬鹿魔道士…この俺にここまで心配させるとは…やはりお前はお荷物だな」
魔法使い「ふ、ふぇっ!?勇者様!?どうしたんですか!?い、いきなり…そんな…」
母「魔法使い!大丈夫なの!?」
魔法使い「あっ…お母さん…うん。私は大丈夫だよ…」
父「全部、思い出してくれたのか」
魔法使い「はい。全部思い出しちゃいました」

330 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/09/21(水) 04:19:46.72 ID:X1nbjFrK0
魔法使い「すみません勇者様…聞いてください…」
勇者「……」
魔法使い「騙すつもりは無かったんです…私は、実は魔王から力の一部を受け取った残党の一人でした」
魔法使い「あはは…あ、いえ…笑い事じゃないんですけど…笑っちゃいますよね。だって本当にお荷物だったんですから」
勇者「……」
魔法使い「あ、でも勇者様が私を連れて行ってくださらなかったら、勇者様がこのことに気がついたときに王都まで戻って私を殺さないといけなかったので…その手間が省けたという意味では私を連れて行っていいこと…ありましたね!」
魔法使い「それだけでも良かったです。それだけで…うぅっ…わだしは…ぐすっ…まんぞくでずっ…」
魔法使い「どうか…ゆうじゃざまのてで…わだしを…ころしてください…もう覚悟はでぎでまずからっ!」

331 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/09/21(水) 04:20:21.12 ID:X1nbjFrK0
母「魔法使い!?またあなたは…何を…」
魔法使い「おがあさんごめんなざい!でも…だめなんです!わだしが生きてたら…たとえ魔王を倒したとしても…また魔王が復活してしまうんでずっ!」
父「そ、そんな…」
長老「な、なんということじゃ…」
母「う、嘘よ!嘘よそんなの!」
魔法使い「嘘じゃないんです…ごめんなざい…嘘じゃ…ないんです…」

332 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/09/21(水) 04:20:54.39 ID:X1nbjFrK0
勇者「お前にしては随分と諦めが早いな」
魔法使い「へ?」
勇者「あんなにも生への執着が強かったお前にしては随分と諦めが早いなと言っているんだ。震えて、泣きわめいて、土下座して…挙句の果てには…」
魔法使い「そ、その話はしないでくださいって…」
魔法使い「……」
魔法使い「私だって…死にたくないですよ…私は…ねこちゃんみたいに強くない…だから…本当は…死にたくない…もっと…もっど…ゆうじゃざまと…いっしょにいだいでずよぉ!」
勇者「なら、そうすればいい」
魔法使い「でも!それでは魔王が!!」
勇者「俺はお前がずっとお荷物だと思っていたし今も…邪魔だと感じることもある…」
魔法使い「…?」

333 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/09/21(水) 04:21:39.84 ID:X1nbjFrK0
勇者「だが荷物を背負う期間が長すぎて感覚が麻痺してきた。今では背中に荷物がないと身体が軽すぎて落ち着かないくらいにな。今の俺には少し重荷があるくらいが丁度いい」
魔法使い「!!」
勇者「お前が生きている間ずっと魔王が復活し続けるというのなら俺が何度でも魔王を倒すだけだ」

334 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/09/21(水) 04:22:11.31 ID:X1nbjFrK0
勇者「だから…ずっと俺と一緒にいろ。この旅が終わった後もだ…」
魔法使い「へ…?え…?」

335 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/09/21(水) 04:23:02.92 ID:X1nbjFrK0
魔法使い「ひっぐ…うぅっ…ゆうしゃ…さまぁ…」
母「あ、ありがとうございます!勇者様!」
父「ははっ…参ったな…将来娘が欲しいと言う男が家に来れば一度は顔面を殴るつもりでいたのだが…これでは殴れないじゃないか…」

336 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/09/21(水) 04:23:29.71 ID:X1nbjFrK0
魔法使い「うぅ…だいしゅきです…あいじでいまず…」
勇者「ふっ…涙鼻水まみれでそう言われてもな…」
勇者「!」
魔法使い「ゆうしゃさま…?どうかされましたか?」
勇者「…いや、なんでもない」
そこで初めて気がついた。
俺を散々悩ませていた呪いは、完全に消えていた。
…いや、消えたというより。
馴染んだのかもしれない。

341 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/09/28(水) 16:28:52.08 ID:3erBllFj0
竜神との修行で俺は魔王を葬る女神の力を纏う剣技を習得した。
結界が解除された里を抜け、俺たちはついに魔王城の扉の前に立っていた。
勇者「とうとうここまで来たか」
魔法使い「長かった旅もここで終わりですね」
勇者「魔王…覚悟しろ。たとえ何度お前が復活しようと無駄だということをこの一度で思い知らせてやる」
魔王城の巨大な扉が重くゆっくりと開かれる。
今、最後の戦いが幕を開けようとしていた。

342 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/09/28(水) 16:29:33.40 ID:3erBllFj0
第8章
伝説の魔法使い

343 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/09/28(水) 16:30:07.56 ID:3erBllFj0
魔王城の一番奥の部屋にたどり着くのは容易だった。
当たり前といえば当たり前だ。
勇者「別に疑っていたわけではないが魔王軍全滅というのは本当だったんだな」
魔法使い「本当に誰もいませんでしたね…」
勇者「この部屋の奥に魔王がいるんだな。間違いない。桁外れな魔力を感じる」
魔法使い「は、はい」
勇者「…足が震えているぞ」
過去のトラウマのせいもあるのだろう。
勇者「お前の魔力と魔法の殆どは魔王のものと言っても過言ではない。どうせ奴にお前の魔法は通用しないだろう。お前はここで待っていても構わんぞ」

344 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/09/28(水) 16:30:36.50 ID:3erBllFj0
魔法使い「い、いえ!私も最後まで一緒に戦いますよ!それに魔王に魔法が効かないなんてやってみないと分からないじゃないですか」
足も、声すら震えていたが彼女の眼差しだけは恐れの感じられない力強い光を宿していた。
勇者「…その根拠はどこからきている」
魔法使い「同性でも魅せることができる自信はねこちゃんのお墨付きです!」
勇者「そうか…なら行くぞ!」
部屋の入り口を蹴り飛ばし、俺たちは部屋の中へと突入した。

345 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/09/28(水) 16:31:18.25 ID:3erBllFj0
魔王「…来たか。新たなる勇者よ」
勇者「ああ、貴様を葬りさるためにな」
魔王「そして…まさかお前が来るとはな」
魔法使い「わ、私はあなたの敵ですよ!魔王!」
魔王「我はお前を殺す気はないぞ。お前は魔王軍復活の礎となるのだ」
魔王「そこの現勇者を滅ぼしてからな!」
勇者「やってみろ。その言葉、そのままそっくり返してやろう」
魔王「ふむ。確かに我の力を借りた者共はそこの娘を残して全てどうにかしたようだが…」
魔王「分かってはいると思うが、そこの娘を生かしておる限り我の完全なる消滅はありえんぞ?」
勇者「なら何度でも貴様を斬るだけだ」
魔王「ふふふふふ…おもしろい。だが一度でも我をねじ伏せられるなら真となるか?ゆくぞ!」

346 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/09/28(水) 16:31:49.19 ID:3erBllFj0
魔王が前に手を差し出すと手のひらに禍々しい魔力が集中する。
勇者「一撃で沈める!」
勇者「ゴッデス…」
魔王「遅い!デストロイファイア!」
勇者(早い!最上級の攻撃魔法をこれだけの短時間で詠唱できるとはっ…!)
横に転がり飛んでくる炎球をギリギリかわす。
勇者(一撃は無理だったか。やはり何発か打ち込み、動けなくなったところに止めを入れるしかないか)
勇者「疾風剣技!連斬!」
風の速度で間合いを詰め、魔王に斬りかかる。

347 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/09/28(水) 16:32:23.28 ID:3erBllFj0
魔王「プロテクト」
魔王の手から光の壁が現れ最初の一撃を阻まれた。
勇者「まだだ!」
下から振り上げもう一撃。
魔王「……」
またも光の壁に阻まれる。
勇者「くそっ!」
魔王「甘いな」
次も、その次も阻まれる。
俺の刃は魔王にまで届かない。
魔法使い「勇者様!一度離れてください!」
勇者「!」
勇者「分かった」
魔王「む?」
魔法使いが魔法陣を構えているのを見て一度魔王のもとを離れた。

348 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/09/28(水) 16:32:58.94 ID:3erBllFj0
勇者(頼んだぞ)
魔法使い「テンタツィオルネ!」
魔王「ほう。そこまで我の力を昇華させたか」
桃色の魔法陣から放たれた魔力の糸が一斉に魔王に向いて襲いかかる。
魔王「だが…」
魔法使い「えっ…!」
魔王は魔法陣から来る糸さえも光の壁で断ち切ってしまった。

349 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/09/28(水) 16:33:37.42 ID:3erBllFj0
壁に遮られた糸は力なく消滅する。
魔法使い「そんな…」
勇者(だめかっ…)
魔王「忘れたわけではなかろう?その力はもともと我の物だということを。ただの我の一部複製品であるお前の魔法が力の主である我に効くわけがなかろう」
魔王「だが我と勇者との神聖な戦いに水を差されては面倒だ。…お前はそこで大人しくしていろ」
魔王「バインド」
魔法使い「きゃっ…」
魔王は光の壁を出したその手からそのまま黒い魔力でできた縄を出す。
それが魔法使いの身体と腕を拘束し、魔法使いはバランスを崩してその場に座り込む形となってしまった。