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魔法使い「え、えろ魔道士です…」
Part1

魔法使い「え、えろ魔道士です…」
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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/08/20(土) 05:09:35.43 ID:pXI/sN9x0
「そんなっ…馬鹿な…」
「これで終わりだ魔王!せめて小生の命と引き換えに貴様を封印する!」
「ふふふっ…いいだろう…だが我はすぐに復活する…」
「我の力の一部を授けし者が、この世に蔓延る限り…」

2 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/08/20(土) 05:10:30.17 ID:pXI/sN9x0
こうして魔王と私たちの戦いに一時の終焉が訪れた。
人間は良心な亜人種や魔族と手を取り合い再びこの世界は平和となった。
だがその四年後…

3 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/08/20(土) 05:11:56.66 ID:pXI/sN9x0
王「どうやら魔王の封印が徐々に解けているらしいのじゃ」
魔導師「それは本当ですか!?」
王「そこでじゃ、またお主には女神の加護の元新たに選ばれし勇者と共に魔王の力の一部を受け取ったとされる各地の残党と、まだ魔力が回復しきっておらぬ魔王を叩いてほしい」
王「先代の勇者がその身命を賭して魔力を削ってくれたのだ。次こそは封印ではなく、完璧な消滅までもっていけるであろう」
魔導師(四年前に全ての魔王軍は撲滅されたはず。今いるとされる魔王の残党は元々は魔王軍には関係のない個々の魔族の悪党共で、偶々魔王にその悪行を見出され力を与えられた者共だ)

4 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/08/20(土) 05:13:17.99 ID:pXI/sN9x0
魔導師(そいつらが魔王の復活に関与し始めているのか?やはり無視できない存在だったか…)
魔導師(…だが)
王「頼んだぞ」
魔導師「すみません国王様…私にはもう魔王討伐の旅に出ることはできませぬ…」
王「なんと!?それはどういうことじゃ!?」
魔導師「……」
『魔導師、この旅が終えたら小生の故郷で共に暮らさないか?』
魔導師「私は…もう耐えられないのです。大切な仲間を失ってしまうのが…」
王「…すまぬ。だがな魔導師よ」
勇者「もういい」
魔導師「!!」
王「どうした新生の勇者」
勇者「残党および魔王討伐は俺一人だけで十分だ。先代の魔導師殿の協力が仰げればもっと楽だったのだが無理だと言うなら仕方ない」
魔導師「勇者殿…」
勇者「王よ、俺はもう出発するぞ」

5 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/08/20(土) 05:14:49.34 ID:pXI/sN9x0
王「む、そうか。じゃがお主を王都に召集したのはお主とお主の旅仲間となる者の合流が目的じゃった。他の仲間を集めたければ酒場を当たるとよい」
勇者「ああ。一応覗いてみるとしよう」
勇者(まぁこの街にいる俺以外の冒険者なぞたかが知れているが…)
俺は城を出ると何を期待するでもなく酒場へと向かった。
俺は幼い頃に魔王軍に家族を殺されそこからあらゆる師にあたり、死にものぐるいで修行し続けた。
そのおかげで剣術の腕には自信がある上に基本程度の回復魔法は扱うことができる。
俺が勇者に選ばれたのは女神の導きだと聞くが…女神は俺に魔王への復讐の機会を与えてくれたのかもしれん。
今日は王都に召集されたが元々一人旅の身だ。
別に一人であることを苦には感じない。
孤独を感じるには、俺は一人でいる時間が長すぎた。

6 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/08/20(土) 05:15:54.44 ID:pXI/sN9x0
魔導師「なんとたくましい勇者なのだ…」
王「あれだけの精神を持つ者こそ女神の加護を授かるのに相応しい」
王「ふむ、しかしやはり一人となるとどこかで躓くことになるのではないかと少し心配じゃな」
王「お主の弟子はどうじゃろうか。四年前に魔王城の近くで保護したというあのロップイヤーの少女がそうじゃったじゃろ」
王「確か14にしてお主に匹敵するとんでもない魔力を持っているのじゃろう?」
魔導師「あー…あれはですね確かに私が彼女に目をつけて四年間魔法を教えていたのですが…どうにも…」
王「…?」

7 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/08/20(土) 05:17:06.27 ID:pXI/sN9x0
…………
酒場のお姉さん「はいオレンジジュース」
魔法使い「あ、ありがとうございます…」
酒場のお姉さん「で、今日はどうだったんだい?ファングの一体でも倒せたのかい?」
魔法使い「あぅ…今日もダメでした…」
酒場のお姉さん「う〜ん。そんだけの魔力があってなんでやろね〜」

8 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/08/20(土) 05:18:27.20 ID:pXI/sN9x0
戦士「おっ!魔法使いちゃんじゃないか!どうだ?今日こそ俺とパーティ組んでクエストに行かないか?」
武闘家「あっ!ずりーぞ戦士!俺に決まってんだろ!な?魔法使いちゃん」
魔法使い「あはは…すみません…お誘いは嬉しいのですが…」
戦士「ちぇ、つれないね〜」
武闘家「あちゃー。じゃあ今日もむさ苦しいメンバーで行くか〜」
ドコドコ
魔法使い「…はぁ」
酒場のお姉さん「今日もモテモテだねぇ。よっ、魔性の女!でもなんでだい?ファングもあいつらに任せときゃ倒せるのにさ」
魔法使い「…男の人って怖いんです。なんか目がギラギラしてて」
魔法使い(本当は他にも理由があるんですけど…)
酒場のお姉さん「あっはっはっ!そりゃそうさ。あんた鏡見たことあんのかい?」
酒場のお姉さん「あんたの格好なんて帽子とマントとスカートがなけりゃその辺のカジノにいるバニーガールと大差ないじゃないか!そりゃそういう目で見るなって方が男共には酷さね」
魔法使い「だ、だって…この格好はお師匠様が私の得意な魔法と一番相性がいい装備だって…」
酒場のお姉さん「ふ〜ん。あんたのお師匠様って偉大な方やけんね。あの人がそう言うなら間違いないんやろうけど」
魔法使い「でも最近は本当にこれでいいのかなって思えてきちゃいましたよ…うぅ…」

9 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/08/20(土) 05:20:19.01 ID:pXI/sN9x0
酒場のお姉さん「ん?」
ザワザワ…
「おい、あれってよ…」
「確か新生勇者様だろ?」
酒場のお姉さん「なんやすごいお客さんが来よったな」
魔法使い「ゆーしゃ…さま?」
酒場のお姉さん「何にしましょうか?」
勇者「酒はいい…腕のたつ冒険者を探している。誰かいるか?紹介さえしてくれれば後は俺が魔王討伐に必要な者かどうか判別する」
魔法使い(すごい…かっこいいひとだなぁ…)

10 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/08/20(土) 05:22:33.04 ID:pXI/sN9x0
酒場のお姉さん「ふむふむ…ならこの娘なんてどうです?」
魔法使い「え、えぇ!?冗談はよしてくださいよ!」
酒場のお姉さん「いししっ…なんや彼堅物っぽいやん?でも彼でもあんたを前にしたら鼻の下伸ばすんやないかって気になってもうてん。もしそうやとしたらおもろいやんけなあ?」ヒソヒソ
勇者「……」
勇者(見た目はその辺にいる年端もいかない少女だが…)
魔法使い「も、もう!何言ってるんですかぁ!!こんなかっこいい人が私なんかに目を向けるわけないじゃないですか!」ヒソヒソ
勇者(だがこいつからはあの魔導師殿に匹敵…いやそれ以上かもしれない魔力を感じる…)
勇者(これ程の奴がまだこの街にいたとはな)
勇者「いいだろう。この女を連れて行くことにする」
酒場のお姉さん「おっ!?」
魔法使い「え、えぇ!?」
酒場のお姉さん「ここに新たな新生勇者パーティの誕生ですやん!この娘も勇者様に拾われてさぞ大喜びでしょう」
魔法使い「ち、ちょっと!」
勇者「では行くぞ。ついて来い」
魔法使い「え!?いや私は…!ああっ!手ぇ引っ張らないでくださいよぉ!ひぃ〜」

11 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/08/20(土) 05:24:13.23 ID:pXI/sN9x0
魔導師殿が凄まじい力を持っているのは分かっていたので無理強いはしなかったが、俺以外に無名でこのレベルの奴がいるということに俺は驚きと若干の高揚感を覚えていた。
この魔法使いの魔王討伐へのやる気云々はそっちのけでとりあえず彼女の実力を見てみたくなった。
酒場のお姉さん「すっご〜い。本当に魔性の女だわ…」

12 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/08/20(土) 05:24:58.13 ID:pXI/sN9x0
勇者「くるぞ!ファングだ!」
ファング「グルルル…」
魔法使い「あ、あぅぅ…」
ファング「バァウ!」
勇者「遅いな…」
突進してくるファングをするりとかわしわざとファングの対象から自分を外す。
俺に突進を交わされたファングはそのまま俺の後ろにいた魔法使いの元へ全力疾走する。
魔法使い「へっ!?…ひっ、ひぃ!」
勇者(さぁ見せてもらうぞ、お前の実力を…)
魔法使い「ぼ、ぼむふぁいあ〜!」
彼女の差し出した手から紅の魔法陣が出現する。

13 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/08/20(土) 05:26:07.03 ID:pXI/sN9x0
だがその魔法陣は炎を放つことなく水に浮かべた少量の絵の具のようにすぅっと空気中に溶け込んで消えてしまった。
勇者「!?」
魔法使い「ああ〜!やっぱり無理でしたぁ!」
ファング「グラァゥ!」
大口を開けたファングはそのまま魔法使いに飛びかかりその鋭い牙と爪で彼女に襲いかかろうとしていた。
勇者「チィッ!」
瞬時に疾風の剣技でその狂犬の身体を切り裂く。
ファング「キャイン!!クゥン…」
切り裂かれたファングは血を吹き出して野原に倒れた。
魔法使い「はぁ…はぁ…すみません。ありがとうございましたぁ…」
勇者「ふざけているのか?」
魔法使い「ふっ、ふざけているわけじゃないんですよぉ!信じてぐださいっ!」
勇者(魔力が高くても詠唱に時間がかかるということか?まぁこの魔力で最速詠唱の魔法が放てるならあの酒場にはいないか…)
勇者「分かった。次こそは頼むぞ…」

14 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/08/20(土) 05:27:17.49 ID:pXI/sN9x0
そして現れた二体目のファング。
相変わらず本能のままに動く知能の低い狂犬は俺に猛進してくる。
今度はそれを交わさずに牙を剣で受け止める。
ファング「ギィ!ガルルル…」
勇者「おい今のうちだ!やれ!」
魔法使い「で、でも危ないじゃないですか!」
勇者「お前が魔法を放った瞬間に俺は退く!大丈夫だ!俺を信じろ!」
魔法使い「え、ええ…どうなってもしりませんよぉ!?ぼ、ぼむふぁいあ〜!」
勇者(ふん、いうじゃないか。俺が交わし切れるかどうか分からない程の速度を期待してるぞ)

15 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/08/20(土) 05:28:15.32 ID:pXI/sN9x0
だがその俺の期待も虚しく彼女の魔法陣はまたも何を放つこともなく空間の中に溶け込んで消えた。
勇者「……」
魔法使い「す、すみません!私実は攻撃魔法使えないんです!」
呆れた。
勇者(無理ならそれを先に言え)
俺はファングの腹に膝蹴りを入れると怯んだファングを一刀両断した。
勇者「補助専門だったか。なぜそれを先に言わない」
魔法使い「あーいえ…補助専門…というのも怪しくて…まぁどちらかと言えばそうなんですけど…」
勇者「お前は魔法使いなのだろ?もしかして僧侶のように回復魔法の方が得意なのか?」
魔法使い「いえいえいえ!それはありえません!回復魔法も全く…」

16 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/08/20(土) 05:28:58.86 ID:pXI/sN9x0
勇者「…とりあえず使える魔法を使ってみろ」
魔法使い「え、今ここでですか…?」
勇者「ああそうだ!悪いが俺はお前には一ミリも興味がない。お前の魔法に興味があるんだ!」
勇者「お前が今使える一番強力な魔法を見せてみろ」
魔法使い(勇者様本気なんだ…私に全く興味がないこの人の前なら使っても大丈夫かな…)
魔法使い「タンターシオン!」
勇者「…?」
勇者「…ぐっ!?」

17 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/08/20(土) 05:29:58.29 ID:pXI/sN9x0
…………
王「どういうことじゃ?」
魔導師「彼女には攻撃魔法の才能も回復魔法の才能もなかったのです。ましてや強化魔法や戦闘向きの状態異常魔法も使えませぬ」
王「なら何ができるのじゃ?強大な魔力は一体何のために…」
魔導師「ただ彼女はある非戦闘用の状態魔法だけはかなりの腕前と言えます。今までありとあらゆる魔法使いを見てきた私ですがそのようなものに特化した魔法使いを私は彼女以外に知りません」
王「ほう。全く新たな魔道を行く者というわけか。どのような魔道士なのだ?」
魔導師「大変申し上げ難いのですが彼女は…」

18 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/08/20(土) 05:30:56.53 ID:pXI/sN9x0
…………
魔法使い「ひゃっ!」
魔法使い「ゆ、ゆうしゃ…さま?」
なんだこれは…なぜ俺はこの女を押し倒している。
なぜかそうせずにはいられない。
魔法使い「やっ、やっぱりこうなっちゃうんじゃないですかぁ!!だから使いたくなかったのに…うぅ…」
勇者「ハァ…ハァ…くそっ!おいお前俺に何をした!?」
勇者「お前は一体何者なんだ…」
魔法使い「え、ええっと私は…」

19 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/08/20(土) 05:31:33.27 ID:pXI/sN9x0
「「え、えろ魔道士です」」

20 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/08/20(土) 05:32:28.17 ID:pXI/sN9x0
第1章
誘惑の呪い

21 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/08/20(土) 05:33:40.70 ID:pXI/sN9x0
勇者「ビスペル!」
ひとまずギリギリの理性を振り絞り魔法使いの上から退き魔法で状態異常を荒く解呪する。
魔法使い「だ、大丈夫ですか…?注文通り今私が使える中で一番強力な誘惑魔法を使ってしまったので…」
魔法使い「こんなの人に向かって打ったことなかったのに…勇者様なら大丈夫かなって思っちゃったんです…」
勇者「ちっ、安心しろ。お前みたいな王都でぬくぬくと育った小娘の魔法にやられるほど俺はヤワではない」
と、強がってはみるが実は悔しいことにまだ少し頭痛のような感覚がある。

22 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/08/20(土) 05:34:22.24 ID:pXI/sN9x0
勇者(今日はもう王都の宿に泊まるか。一晩寝れば治るだろう。旅立ちは明日でいい)
魔法使い「そう…ですか…」
勇者「俺は宿に戻る。どうやら俺の勘違いだったようだ。お前に魔王を倒すだけの力はない。面倒なことに付き合わせて悪かったな」
俺は転移魔法を使うとその日はもう寝ることにした。

23 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/08/20(土) 05:35:07.26 ID:pXI/sN9x0
勇者「…もう朝か」
勇者「ぐっ!」
まだ頭痛が治まらない。
勇者「教会で見てもらうか」
仕方なく教会へ出向くことにした。
神父「かなり強力な魔法がかけられてますな…私どもの祈りではどうにも…」
勇者「何だと!?他に方法はないのか!?」
神父「魔法の使用者に解呪していただくか、もしくは使用者の亡命しかないかと…」
勇者「…分かった」
勇者(あいつはどこだ?酒場へ行けばまた出くわすか?)
勇者(あんな腰抜けしかいなさそうな酒場に二度も出向くことになるとはな)

24 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/08/20(土) 05:36:20.44 ID:pXI/sN9x0
酒場のお姉さん「魔法使いなら今日はもう出て行きましたよ」
勇者「そうか。情報提供感謝する」
欲しい情報が手に入ったならば長居は不要だ。
直ぐに席を降りてカウンターを背にする。
酒場のお姉さん「あー、もしかして勇者様もあの娘の虜になっちゃいました?」
勇者(馬鹿言え)
勇者「ふっ…なかなか面白い冗談を言う。まぁそうでなければ酒場の看板娘は務まらんか」
勇者「まぁ、ある意味そうかもしれんな。今俺はあいつに殺意という関心がある。俺が魔獣と罪人以外で殺したいと思った奴はあいつが初めてだ」
それだけ言い残して俺は酒場を出て行った。
酒場のお姉さん「え…勇者様ってヤンデレ…?ってかあの子何したのよ」

25 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/08/20(土) 05:37:20.06 ID:pXI/sN9x0
魔法使い「来ないで〜!」
ファング「ガウガウ!」
ザシュン!
ファング「クゥン…」ドサッ
勇者「魔法使いが杖を振り回して戦うとはな。得物を棍棒に持ち替えたらどうだ?」
魔法使い「すみませんありがとうございました…って勇者様!?」
勇者「見つけたぞクソ魔道士。少しでも回復魔法が使えるなら今直ぐ俺に使った魔法を解呪しろ」
魔法使い「で、ですから私は昨日お見せした誘惑系以外の魔法は皆無で…」
勇者「ならしょうがないな」
魔法使い「は、はいすみません…」

26 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/08/20(土) 05:38:29.73 ID:pXI/sN9x0
勇者「俺は今からお前を斬るとしよう」
魔法使い「ふぇっ!?」
勇者「お前に魔法を使えと言ったのは俺だ。だから自分がどれだけ理不尽なことを言っているかも理解している」
勇者「だがなクソ魔道士よ。俺は全人類と女神から魔王討伐を任された身だ。なんとしてもその使命を果たさなければならん。それにはこの頭痛は重荷になり過ぎる」
勇者「長旅になる。ときにはこれから先あらゆる出来事に躓き、頭を悩ませることもあるだろう。これはその道中の俺の失敗、俺の罪だ。お前は俺の一番最初の難関となったのだ」
勇者「すまんな。俺の罪を許せ。その代わり俺は必ずや魔王を撃ち、全人類とお前たちのような善良な亜人種や魔族に平和をもたらすことを約束しよう」
勇者「ではな」