Part33
739 :
◆qj/KwVcV5s :2016/03/09(水) 12:04:11.45 ID:/Pc4GdUAo
勇者「!」
勇者「すごく強い破壊の波動が大地を駆け抜けていったよ」
魔王「……来たな。人形の軍勢だ」
勇者父「町を守れ!」
法術師「なんて大軍なの……!」
魔賢者「恐ろしい……」
武闘家「こりゃひでえ」
勇者兄「これじゃ大陸中戦争になるだろうな……」
協会元帥「人形の進軍を止めろおおお!」
魔王父『……力が沸いてくる』
魔王父『破壊神とやらは霊に力を与えているらしいからな』
魔王父『我にも力の供給があるということか』
740 :
◆qj/KwVcV5s :2016/03/09(水) 12:04:47.64 ID:/Pc4GdUAo
勇者「轟く大滝<サンダー・カタラクト>!」
魔王「絶望の如く押し寄せる雪の流動……落ちろ! <アーヴァランシュ>!」
勇者「キリが無い……」
魔王「エミル!」
勇者(背後にもう敵が!)
魔王父『……雑魚めが』
人形『ゴガァッ』
勇者「人形が魔力の衝撃で吹っ飛んだ……?」
魔王(今の波動は……)
魔王父『……息子の后となる者を死なせるわけにはいかぬからな』
魔王父『この力、利用させてもらおう』
勇者(姿は見えないけど……誰かがいる)
741 :
◆qj/KwVcV5s :2016/03/09(水) 12:05:38.35 ID:/Pc4GdUAo
執事「この魔王城にまで攻め入ってくるなんて……」
執事「全軍、人形と全力で戦ってください」
執事「ああ、気を昂らせすぎると破壊者化しかねないので気をつけて」
魔団長「はっ」
執事「さて、僕も敵を一掃しに行くとするか」
メイド長「私も戦うわ」
執事「生き残るんだよ。君はまだ想い人が生きているのだから」
メイド長「あら、自分は死んでもいいみたいな言い方はやめてほしいわね」
メイド長「お互い生き延びるのよ」
執事「……そうだね。仕事はまだまだたくさんあるんだ」
執事「魔王陛下不在のこの城を守り通します」
メイド長「全てを呑み込む海嘯、<ハイドロウリック・ウェーブ>!」
執事「暗雲を照らす雷轟電撃、我等に仇なす者全てに鉄槌をーー神の雷霆<ケラウノス>!」
742 :
◆qj/KwVcV5s :2016/03/09(水) 12:06:43.68 ID:/Pc4GdUAo
勇者父「ライカッ!」
女勇者「きゃっ!」
勇者父「怪我すんじゃねえぞ!」
女勇者「ふんっ、あんたなんかに助けてもらう必要なんてなかったわ!」
女勇者「流星の剣戟<メテオ・アームス>!」
勇者父「はあ……ほんと素直じゃねえんだから」
勇者兄「気を抜いてる暇はねえぞ!」
743 :
◆qj/KwVcV5s :2016/03/09(水) 12:07:10.69 ID:/Pc4GdUAo
雪魔族「……人間と手を組むのは不本意だが、命令であれば仕方ない」
雪魔族「魔の気にやられたくなくば、あまり私に近付かぬことだな」
風竜「そう言うでない。力を合わせねば魔物達も死ぬこととなる」
娘父「ふん……」
魔王兄「最南端はろくに強い奴が現れないから加勢に来てやったぜ!」
雪魔族「!?」
雪魔族「貴公の魔の気は私には有害だ! 近付くな!」
魔王兄「せっかくの美人だってのになあ」
雪魔族「く、来るな!! 融ける!!」
雪魔族「魔族の魔気を恐れる人間はこのような気持ちなのだろうか……」
744 :
◆qj/KwVcV5s :2016/03/09(水) 12:08:04.15 ID:/Pc4GdUAo
青年「この戦いが終わったらルナリアとまた会えるはずなんだ」
青年「死んでたまるか!」
海竜長長男「姉さんのためだ。僕達は君と君の町を守るよ」
海竜長次男「姉さん……無事でいて」
魔王「交渉通りであれば今頃大陸中の人間と魔族が協力して戦っているはずだ」
魔王「互いが互いの戦力を削るようなことをしていなければいいのだがな」
勇者「信じよう。上手くいってるって」
勇者「この戦いをきっかけに、分かり合えるようになる人間と魔族がきっといるはず」
745 :
◆qj/KwVcV5s :2016/03/09(水) 12:08:33.72 ID:/Pc4GdUAo
白鳥娘「フォーコン!」
隼青年「シーニュ、おまえは妹達と一緒に隠れているんだ」
白鳥娘「でも……」
隼青年「安心しろ、私は必ず生きて帰る」
白鳥娘「……わかったわ」
隼青年「地上は任せたぞ、人間達」
隼青年「鳥獣の戦士達よ、空を守り通せ!!」
746 :
◆qj/KwVcV5s :2016/03/09(水) 12:09:26.63 ID:/Pc4GdUAo
ーーブレイズウォリア近辺・破壊者収容所
兵士「収容所が破壊されたぞ!」
人形「 カタカタ 」
魔法使い「ああ……私、ここで死ぬのかしら」
魔法使い「死んだっていいわ。もう何の希望もないんですもの」
魔法使い「十数年、想い続けてたのに……リヒト……」
人形「 キュォォォオオオ 」
魔法使い(惨めな最後ね……)
魔騎士「はっ!」
人形「 ッ ーーーー」
魔騎士「無事か!?」
魔法使い「っ……!?」
魔法使い(何で魔族がこんなところに)
魔騎士「おまえ、そこそこ魔力持ってるな!?」
魔騎士「拘束具破壊してやるから戦うんだ!」
魔法使い「ちょっと何すんのよ!」
魔騎士「少しでも戦力が欲しいんだ! 戦え!!」
747 :
◆qj/KwVcV5s :2016/03/09(水) 12:09:54.83 ID:/Pc4GdUAo
法術師「一体一体は大したことないけど、数が多すぎる!」
武闘家「あ! フロルさん、足元足元!!」
勇者兄「フロル!」
魔賢者「!?」
魔賢者「あ、ありがとうございます」
勇者兄「よかった、助けられて」
勇者兄「……俺等、中途半端なまま気まずくなっちゃったけどさ」
勇者兄「はっきりしないままじゃ後悔しそうだから言っとく!」
リヒトは敵への攻撃を続けながら言った。
勇者兄「俺、君が好きだ! 君のために戦う!」
魔賢者「リヒトさん……」
魔賢者「私、あなたとは出会ったばかりで……」
魔賢者「でも、あなたとなら良い関係を築けるような気がしていました!」
魔賢者「もう少し、時間をください!」
勇者兄「待ってる!! ずっと!!」
748 :
◆qj/KwVcV5s :2016/03/09(水) 12:10:27.66 ID:/Pc4GdUAo
勇者「……殲滅、できたみたいだね」
魔王「ああ」
勇者「大気から破壊の波動が消えていってる」
勇者「……まだ夕方にすらなってないのに、ずいぶん長い間戦っていたような気がするよ」
魔王「もう襲ってくる気配はない。今晩は休もう」
勇者「うん」
勇者兄「みんな生きてるかー!?」
勇者「……あれ、お父さんは?」
勇者「おとーさーん! どこー!?」
749 :
◆qj/KwVcV5s :2016/03/09(水) 12:11:04.23 ID:/Pc4GdUAo
勇者父「……」
勇者「お父さん!」
シュトラールは木に寄りかかっている。
勇者「どうしたの? 怪我したの?」
勇者父「新しく傷を負ったわけじゃあないんだけどな」
勇者兄「父さん!」
女勇者「ちょっとシュトラール、いつの間に消えてたのよ!」
女勇者「歳のわりに体力……無さすぎじゃ……」
女勇者「…………」
勇者父「いやあ、寿命が来たみたいだ」
勇者兄「寿命、って……」
勇者兄「胸から血が流れてるじゃないか!」
750 :
◆qj/KwVcV5s :2016/03/09(水) 12:12:00.81 ID:/Pc4GdUAo
勇者「治んない! 治んないよ!!」
魔王「……父上との闘いで負った傷であろう」
勇者父「そうそう」
勇者兄「そんな……それじゃあ、歳のわりに老けてたり、」
勇者兄「この頃やたら眠そうだったのって……」
魔王「闇の力の毒素を抑えるために力を使っていた結果だろうな」
勇者「お父さん……」
勇者「やだ……死んじゃやだよ……ぼくの結婚式来てよ……」
勇者父「あの世から見てるから」
女勇者「…………」
勇者父「ライカ……お母さんによろしくな……」
女勇者「……と、うさん」
女勇者「父さん…………」
勇者父「最期に、そう呼んでもらえて……嬉しいよ……」
751 :
◆qj/KwVcV5s :2016/03/09(水) 12:12:50.05 ID:/Pc4GdUAo
勇者「お父さん!!」
勇者兄「おい!! 死ぬなよ!! 死ぬんじゃねえ!!」
勇者父「じゃ、あな…………おまえらは長生きしろよ」
勇者父「おまえらの顔見ながら逝けるなんて、お父さんは幸せもんだよ…………」
勇者父(もう、あいつの料理……食えねえんだな…………)
勇者「うっ……ぅぁあ……あああああああああ!!!!」
魔王「…………」
ヴェルディウスは無言でエミルの肩に手を乗せた。
勇者兄「光の珠持ってれば……もっと生きられたはずなのに……ちくしょう」
女勇者「…………」
ライカは黙って去っていく。
752 :
◆qj/KwVcV5s :2016/03/09(水) 12:13:51.97 ID:/Pc4GdUAo
魔王父『ふん、遂に死んだか』
魔王父『……妙に釈然としないな』
魔王父『こやつには、命を落とせば涙を流す者が大勢いる。妬ましいものだな』
魔王父『何故これほど不誠実な者が慕われるのか理解できぬ』
魔王父『我が死んだ時は……』
魔王父『ああ、そうだ。オリーヴィアが死に、気が付けば我が魂は身体から抜け出で、』
魔王父『隣でヴェルディウスが力無く泣いていたな』
魔王父『命の重みとは一体何なのだ? 泣いてくれる者の人数で決まるのか?』
魔王父『それとも、そんなことは関係なく、その重さは平等にあるものなのだろうか』
勇者父『おまえ独り言多くね?』
魔王父『聞いていたのか。死ね』
勇者父『もう死んでる! そんな言葉使っちゃエリヤに怒られるぞ!』
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753 :
◆qj/KwVcV5s :2016/03/09(水) 12:16:43.96 ID:/Pc4GdUAo
kokomade
754 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/09(水) 12:52:02.88 ID:PTDdMbdlo
勇者父までログインした
もう幽霊城にランクアップだな…ダウン?
otu
755 :
◆qj/KwVcV5s :2016/03/09(水) 18:38:38.12 ID:/Pc4GdUAo
勇者【エミル・スターマイカ】
職業:勇者
光の力:20 → 0 (常に自身の魔気と相殺されているため)
剣の腕:7500 (剣自体はあまり好きじゃないが父親から才能は受け継いでいた)
物理攻撃力:4500
物理防御力:800
魔力容量:58468
魔技術:8000
魔王【ヴェルディウス】
職業:魔王
闇の力:100000
剣の腕:9999
物理攻撃力:9000
物理防御力:2000
魔力容量:50000
魔技術:9999
勇者兄【リヒト・スターマイカ】
職業:真の勇者
光の力:100000(光の珠装備時、装備していなければ999)
剣の腕:9999
物理攻撃力:8500
物理防御力:8500
魔力容量:9999 (通常の人間は9999でMAX)
魔技術:5000
女勇者【ライカ・ディアマンテ】
職業:勇者
光の力:999
剣の腕:7500
物理攻撃力:6500
物理防御力:6500
魔力容量:7500
魔技術:6000
756 :
◆qj/KwVcV5s :2016/03/09(水) 18:39:55.04 ID:/Pc4GdUAo
法術師【セレナ・シトリニィ】
職業:法術師
物理攻撃力:200
物理防御力:100
法力容量:8000
法技術:8000
武闘家【コハク・トウオウ】
職業:武闘家・気功師
光の力:10
剣の腕:2000
物理攻撃力:2500
物理防御力:2000
気功技術:8000
魔法使い【アイオ・アメシスティ】
職業:魔術師
物理攻撃力:200
物理防御力:200
魔力容量:7500
魔技術:7500
執事【コバルト】
職業:側近
剣の腕:8900
物理攻撃力:8800 (ドラゴン化時:80000)
物理防御力:8800 (ドラゴン化時:80000)
魔力容量:45000
魔技術:9988
メイド長【メル=ルナリア】
職業:メイド長、実質側近その2
物理攻撃力:4000 (ドラゴン化時:30000)
物理防御力:2000 (ドラゴン化時:60000)
魔力容量:40000
魔技術:8000