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勇者「幼女大好き」
Part9


197 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/09/09(日) 23:48:27.98 ID:IlQ7RlHe0
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サスガ、ユウシャサマダ!
ユウシャサマ、バンザイ!
バンザーイ!
バンザイ!
バンザーイ!



勇者「ふう」
参少女「勇者さま!」タタタッ
ダキッ
勇者「おっと」
参少女「ご無事で良かったです……!」ウルウル
勇者「ありがとう」ナデナデ
黒「龍は……?」

198 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/09/09(日) 23:50:47.81 ID:IlQ7RlHe0
黒「龍は……」
龍「此処にいるぞ」ピョコッ
黒「……ネズミ?」
龍「目立たないようにな」
勇者「翼を掲示しただけだから逃亡を許したことにしかできなかった」
龍「充分だ」
黒「……無事でよかった」ホッ
勇者「……ちょっとした用事が有るから、先にホテルに戻っていて」
参少女「分かりました」
龍「……勇者」
勇者「何だ?」
龍「見直した。お前は凄い奴だ」
勇者「ふふん。惚れた?」
龍「……ああ。これ以上無いほどな」
黒「えっ」
勇者「えっ」

199 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/09/09(日) 23:53:02.00 ID:IlQ7RlHe0
龍「……もう少し、一緒にいさせてくれ。
お前といれば多くの事を知れる。そうすれば人間との和解の道も見つかるかもしれない」
勇者「そうか」
龍「それに私自身、お前といたいんだ」カァ
勇者「……そうか」
黒「ネズミが告白してる……」
勇者「取り敢えず、ホテルに戻っていて。龍を頼む」スッ
参少女「わかりました」キュッ
勇者「それじゃ」フラッ
黒「……?」

200 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/09/09(日) 23:54:37.73 ID:IlQ7RlHe0
勇者「……此処なら良いか」
勇者「……ごぼっ」
ドボドボ
勇者「ぐっ……がぼっ、ごぼっ……」
ボドボド
勇者「とまらな……げぼっ……」
ボチャボチャ
ドサッ
勇者「げほっ……。……多分、致死量だな」

201 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/09/09(日) 23:57:43.83 ID:IlQ7RlHe0
勇者(……無茶し過ぎたか)
勇者(……久しぶりに感情が戻ってきた感じがするな)
勇者(……愚かだ。魔物を救って、奴隷を救って、麻薬を処分して、武器を破壊して……)
勇者(それで何が変わるんだよ)
勇者(どれだけ大きな力を持っても、その場の者を救うのが限界だ)
勇者(くだらない……)
勇者(……それは妹を救えなかったあの時からか)
勇者(自分は、何がしたいのだろう……)
ギュッ
勇者「……?」
黒「死んじゃダメだよ……」
勇者「なん……で……」
黒「様子がおかしかったから、心配で見に来た」
勇者「……そう……か……」
勇者(……ちっちゃい手だ)
勇者(……あったかい手だ)

202 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/09/09(日) 23:59:19.88 ID:IlQ7RlHe0
レスが嬉しくて張り切りすぎた。
次からは週一投下にしよう。

203 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) :2012/09/10(月) 00:13:39.36 ID:wdxvPZylo
>>202(……張り切り過ぎたか)
俺「死んじゃダメだよ……」
って事で楽しみにしてる
が、適度に頑張ってください

204 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/09/10(月) 00:24:54.19 ID:18MPHQPIO

なんか切ねえなあ。
明るい結末が欲しいなあ。
続きが気になるなあ。
だからあえて言ってしまおう。
タヒ ぬ 気 で 書 け や ! www

205 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/09/10(月) 01:05:12.70 ID:V+qNH8LCo
たまにの投下が楽しみです仕方がない


206 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) :2012/09/10(月) 01:35:36.50 ID:Jd/pFrsqo


207 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(和歌山県) :2012/09/10(月) 01:50:34.17 ID:pXn4UL5M0

これは完結してほしいな。。

211 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/09/14(金) 22:52:42.60 ID:GAVHxFBe0
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勇者「……」パチ
ムクッ
勇者「……何処だ?」
「お目覚めか」
勇者「……誰だ?」
「その問いは正しくない。適切な答えが欲しければ適切に問え。これは常識だろう。
尤も、言語という虚弱な伝達ツールでは仕方の無いことだが」
勇者「……」
「それでは、君の間違った問いに間違った解答を与えよう」
聖剣「私は聖剣だ」

212 :エルフが日本を建国するssを思いついた :2012/09/14(金) 22:58:02.70 ID:GAVHxFBe0
勇者「……聖剣」
聖剣「これは正しくないんだ。そもそも私は剣ではなく、またこの人の形も私ではないのだ。
他方で、私はやはり剣だし、人の形なのだ」
勇者「訳が分からない」
聖剣「言語では伝達が困難だ。それでも伝えようとする私の誠実振りには感心できるな」
勇者「それじゃあ、この白い場所は何処だ?」
聖剣「意に介されなくても私は動じないからな。
此処は媒介者の内部とも言えるし、やはり別だとも言える」
勇者「いちいちまどろっこしい。簡潔に言え」
聖剣「それでは曲解に虚偽を交えて説明しよう。それで初めて言語による伝達が可能なのだ」
勇者「……まどろっこしい」

213 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/09/14(金) 23:00:40.19 ID:GAVHxFBe0
聖剣「私は主星ーーこの星とは別の惑星から派遣された変換器だ」
勇者「……訳が分からない」
聖剣「私は、殲滅した対象が保持していた『可能性』を略取して、エネルギーに変換できるのだ。
そして、それを主星に送るのが私の役割だ」
勇者「……俄かには信じられないな」
聖剣「しかし事実だ。何万年もの間、幾度となく繰り返してきた」
勇者「それはおかしい。お前が降り落ちたのは三年前のはずだ」
聖剣「当惑星のヒトが絶滅寸前まで減ったら一旦帰還するのだ。
以前はこの惑星の時間の流れではおよそ七千年前か」
勇者「途方もないな」
聖剣「そうだ。途方もないんだ」

214 :エルフっていいよね! :2012/09/14(金) 23:06:53.79 ID:GAVHxFBe0
勇者「質問が幾つか有る」
聖剣「何かね?」
勇者「魔剣という物が有るらしい。それもお前と同類か?」
聖剣「目的という観点ではそうだ。私と離れた土地に堕ちることで、対立関係に置き、使用頻度を増加させる事が目的だ。
具有する能力は別だが」
勇者「次に。人間はこの星以外にもいるのか?」
聖剣「話を聞いてなかったのか? そもそも当惑星に元々ヒトはいなかった。私と魔剣が繁殖させたのだ。環境に適応するよう遺伝子改造を繰り返してな。
少しでも効率的にエネルギーを生産できるように、行動的かつ好戦的にしてある」
勇者「剣のお前にそのような事が可能なのか?」
聖剣「言ったろう。私は剣であって剣では無いのだ。
今回は諸理由で剣という様相を呈しているだけだ。形とは虚空なのだ」
勇者「龍と同じような事を言う。姿が変わるのも龍と同じだ」
聖剣「理論は同じだ。あの種の場合は体内の亜空間に様々な物質を内包して、任意に展開しているが」

215 :普通のも、黒いのも、半分のもみんな可愛い。 :2012/09/14(金) 23:11:07.26 ID:GAVHxFBe0
勇者「……待て。魔物は外来種では無いのか」
聖剣「当惑星のヒトたちが口にする魔物という存在は全て当惑星の在来種だ」
勇者「……そうか」
聖剣「他に質問は有るかね? こうして対面する機会はもう無いだろうからな。
時間も無いようだし、有るならば迅速にな」
勇者「最後に一つ。黒は、明らかに現代の存在じゃない。黒は何者だ?」
聖剣「それは私も話そうと思っていた。概要については概ね察しているだろうから割愛するとして、アレの能力は正体不明だ。
アレが媒介者ーー君に触れるたびに折角収集したエネルギーが吸い取られていく。
それに、気付いているだろう? アレが触れるたびに君の体が衰弱していっている事に。
この場所に到達できたのも、アレと長時間触れて死に限りなく近い状況になっているからだ」
勇者「……」
聖剣「アレに極力触れるな。私の為であり、君の為だ。
君とは良好な関係を保っていたいと考えているからな」
勇者「……そうか」
聖剣「そろそろ時間だ。これからもどんどん私を振るうと良い」
勇者「……」

216 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/09/14(金) 23:13:39.87 ID:GAVHxFBe0
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ーーーー陸の国・聖神教修道院ーーーー
陸修道士「あぎゃ、がぎゃぎゃぎゃぎゃっっ!!」ミチミチ
ブヂュブヂュ
ミュヂミュヂ
陸修道女「ぎひっ!? あああああああっ!! ひぎいいいいい!!」
バリバリッ
狼「……何をしてやがる?」
骸「よお、人狼。見ての通り、人間を魔蟲の苗床にしてんだよ
人間は便利だね。こいつらの生き餌にもなる」
狼「何が目的だ?」
骸「そりゃ、小型の魔蟲なんて人間を洗脳して傀儡にするくらいしか用途が無いだろ」

217 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/09/14(金) 23:16:06.56 ID:GAVHxFBe0
狼「それは親分がご法度にしていた事だろうが」ギロッ
骸「俺に言われても困るっての。側近に言え、側近に」
狼「あの野郎……」
骸「大体さぁ、魔王様の事は尊敬してたけど博愛主義過ぎるのはどうかと俺は思ってたんだよね。
人間なんて下等存在だろ。そんな奴らに北方の辺境地まで追いやられてさ。
挙げ句の果てには『私たちからは侵攻しません』だぜ」
狼「北方にまで押し込められたのは先代の時分じゃねえか。
確かに人間がデカいツラして憚ってんのは気に入らねえが」
骸「だろ? 魔王様も亡くなったし、そろそろ人間を根絶やしにしても良いと思うんだよね」
狼「……殺し合いからは何も生まれないだろ」
骸「ああ、魔王様がよく言ってたね。でも生まれるだろ。
利益が。誇りが。共同体の堅固な結び付きが」
狼「……気に入らねえ。てめえも側近もな。親分を蔑ろにし過ぎだ」

218 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/09/14(金) 23:19:18.35 ID:GAVHxFBe0
骸「俺は尊敬こそすれど、魔王様が正しいとは思ってなかったけどな。
でも側近に関しては別だろ。あいつの魔王様への心酔ぶりはよく知ってるだろ」
狼「……ああ。だが親分が死んでも、あの野郎は堪えてないみてえだった」
骸「悲しんでる暇が有ったら民の為に尽くした方が供養になると考えてるんだろ」
狼「……」
骸「そもそもお前に側近を非難する資格はないだろ」
狼「あ?」
骸「お前が根無し草みたいに放浪してる間も、側近は気が狂っちまった魔王様にずっと仕えてたんだぞ。
時には魔王様の手で重傷を負いながらも、魔王様の最期まで傍にいた。
そんな側近が行う政に、お前が魔王様の名を出して干渉する権利なんてないだろ」
狼「……そうかもしれねえ。だが、身内である娘っ子を敵視する奴を簡単には信用できねえだろ」
骸「あー、確かにな。あいつ『魔物以外は憎い敵』ってスタンスだからな。
まあ、黒は行方不明だし今は良いんじゃね。
無事に見つかったら、もっと厚遇するように説得すれば解決だろ」

219 :メインのSSがまったく進行しない :2012/09/14(金) 23:23:27.19 ID:GAVHxFBe0
狼「そういう問題じゃねえだろ」
骸「んー、まあ今は置いておこうぜ。
ところで狼は何で陸の国に来たんだよ?」
狼「反乱する人間をぶっ殺せと、側近に言われたんだよ。
おめえ一人でも良い気がするけどな」
骸「あー、はいはい。まあ、俺は魔蟲の繁殖の他にも仕事が有るし、俺じゃ人間を皆殺ししかできないからな。
農業を営む為の労働力が必要なんだろうよ。
そもそも何の為に陸の国まで南下したか分かるか?」
狼「そりゃ、人間を滅ぼすなら近場からと考えたからじゃねえのか?」
骸「そりゃそうだけどさ。一番は資源だぜ。
終の国の痩せっぽちな土地に絶望して流出した奴がたくさんいるからな。取り敢えずは冬に備えて食糧や比較的温暖な土地を獲得しようって算段だ」
狼「なるほどな。ところで、戦闘は何処で起きていやがるんだ?」
骸「隣街だ。陸王朝は魔蟲で形骸化したけど、国民まで制御できたわけじゃ無いからな。お前は魔剣を手中に収めたらしいし、軽く頼むわ」

220 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/09/14(金) 23:24:40.28 ID:GAVHxFBe0
狼「そんじゃ、ちょいとお勤めを果たしてくるぜ」スタスタ
骸「いってらー」
ぎゃああああっ!!
ぎいいいぃぃぃぃいいいいっ!!
ガチャ
あるじぃぃぃいいいっ!
いだいっ……いだいよおっ……!!
バタンッ
………………
スタスタ

221 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/09/14(金) 23:26:40.17 ID:GAVHxFBe0
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ゾロゾロ
陸民兵長「っ!?魔物がいたぞ! 構えろ!」
ガチャガチャガチャガチャ
狼「お控えなすって。あっしは四天王の人狼と言いやす。
悪りぃがそのお命、頂戴いたしやす」
パァンッ
陸民兵長「う、撃てぇっ!」
パアンッ、パアンッ
狼「ーー遅い」ヒュッ
陸民兵たち「ーーーー」クラ
ドサッ
狼「だいぶ、魔剣の力が馴染んできたな」
狼「……げほっ」
びちゃっ
狼「……ちっ」
狼「……まあ、いつ死んでも構わねえか」
狼「どうせ、独り死に往く一匹狼だ」
スタスタ

222 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/09/14(金) 23:28:06.41 ID:GAVHxFBe0
書き溜めもう少し有るけど眠気が限界。
明日の早朝か午後に投下します。

223 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/09/14(金) 23:50:04.32 ID:1YmEelSEo
生活リズム速すぎだろ