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勇者「幼女大好き」
Part8


177 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/09/09(日) 23:07:25.42 ID:IlQ7RlHe0
龍「怖いか?」
参少女「……少し。でも、悪人には見えません。王様よりもずっと」
黒「参王は悪い人なの?」
参少女「……ずっとひどい事をされてきました」
黒「……」
参少女「仲の良かった女の子が帰って来なくなった時、わたしたちを見張っている兵隊さんは『あの娘は遠くで幸せになった』って言っていました。
昨日、『今日が最後』と言われた時は、わたしも自由になれると思っていました。
わたし、知らなかったんです……。わたし……」ガタガタ
龍「無理して喋らなくて良い。こういうのは楽しく過ごしてさっさと忘れた方が良いんだ」
黒「……思い出させてごめんね」
参少女「いえ……。……やっぱり二人は悪い人に思えません」
龍「……そうか」

178 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/09/09(日) 23:08:30.77 ID:IlQ7RlHe0
ーーーー参の国・円形闘技場・舞台上ーーーー
ワアアァァアア!!
ツギハニゲンナヨー!
マモノヲブッコロセー!
勇者「……」
ドッ
ドッ
ドッ
ジャラッ
ジャラッ
ジャラッ
マモノダー!
オッカネー!

179 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/09/09(日) 23:09:59.86 ID:IlQ7RlHe0
魔獣「グルルルッ……!」
参魔物商人「三日間の間、餌を与えていない為、極めて凶暴です。
鎖を外した瞬間、襲撃してくるでしょう」
勇者「そうか。……退いてろ」ズルッ
参魔物商人「……腕から剣が」ポカン
勇者「二度も言わせるな」
参魔物商人「は、はい! おい! 撤退だ!」
ドダダダッ
勇者「ていっ」ブンッ

180 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/09/09(日) 23:10:53.71 ID:IlQ7RlHe0
バキッ
魔獣「グオオォォオオオッッ!」
勇者「中々の迫力だ」ズブッ
ブンッ
勇者「当たらない」ヒョイッ
ワアアァァアアアア!!
ブンッ
ヒョイッ
ブンッ
ヒョイッ

181 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/09/09(日) 23:12:22.66 ID:IlQ7RlHe0
魔獣「グオオオォォオオオオ!!」ブンッ
勇者「済まないが利用させてもらう」ガシッ
魔獣「ッ!?」
勇者「投擲」ポイッ
魔獣「ガアアァァアアア!」
勇者「さて。屑共に相応の報いを」

182 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/09/09(日) 23:13:39.33 ID:IlQ7RlHe0
ーーーー参の国・円形闘技場・特別席ーーーー
バリバリッ
ガリッ
グチャグチャ
参大豪商「ーーーー」
ポイッ
魔獣「グルルルッ」ガシッ
参王「た……すけて……」
魔獣「グア」アーン
参王「ひ……いやだ……死にたくない……いやだ……」
ゴキャッ
参王「ーーーー」

183 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/09/09(日) 23:15:23.80 ID:IlQ7RlHe0
グチャグチャ
グチャグチャ
勇者「ていっ」ブンッ
魔獣「ーーーー」プシャッ
ボトッ
勇者「感謝しているけれど所詮は人喰い。生かすのは無理だ」ズブッ

184 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/09/09(日) 23:16:46.93 ID:IlQ7RlHe0
ーーーー参の国・円形闘技場・観客席ーーー
龍「……」
黒「顔色が悪いよ……」
龍「……大丈夫だ。……少し野暮用ができた。黒、お守りは頼む」
黒「分かった」
参少女「お、お守りって……」
タタタッ
参少女「あ……行っちゃいましたね」
黒「……取り敢えず勇者のところに行こう」

185 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/09/09(日) 23:19:06.67 ID:IlQ7RlHe0
ーーーーーー
ーーーー
ーー
ゾロゾロ
魔物商人「今日は大金が入ったし、全員で飲みに行くか」
ヒューヒュー!
イエーイ!
龍「……」コソッ
ゾロゾロ
龍(あの建物に入って行ったが、どうやって侵入するか)
龍「……強行突破で良いか」
トテトテ
龍(……杞憂に終われば良いが)
ガチャッ

186 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/09/09(日) 23:21:09.18 ID:IlQ7RlHe0
龍(……汗臭いな)
魔物商人「あん、どうした嬢ちゃん?」
龍(……っ! 汗に混じって血の臭い!)
ダッ!
魔物商人「あ、おいっ! 誰かそのガキを止めろ!」
龍「邪魔だ!」
ドンッ
「っ!? 人間の力じゃねえぞ!」
魔物商人「……魔物か!?」
龍(奥には厳重な鋼鉄の扉)
龍「はあっ!」ブンッ
ゴシャッッ

187 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/09/09(日) 23:22:14.64 ID:IlQ7RlHe0
龍「…………はは」
た……すけ……
ぐる……じ……
パパ……ママ……
し……にたく……な……
あひゃ……くしゅり……くしゅりぃ……
いたい……いたいよ……
龍「ははは」

188 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/09/09(日) 23:24:10.23 ID:IlQ7RlHe0
龍「おい、そこのサキュバス。四肢はどこに置いてきたんだ?」
龍「おい、ゴブリン。背中にミミズが大量に這ってるぞ」
龍「おい、セイレーン。どうしてお前は腹を割かれてるんだ?」
龍「全員そんなに血を流して、人間の返り血でも浴びたのか?」
龍「ははははは」
魔物商人「食らいやがれっ!」ブンッ
ズドッ
魔物商人「……尻尾?」フラッ
ズルッ
ズドッ
魔物商人「ーーーー」
……ウオオォォォオ!
龍「……殺してやるっ!!」

189 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/09/09(日) 23:25:56.05 ID:IlQ7RlHe0
勇者「皆殺しか」
龍「……勇者」
勇者「祖国を捨てた者は関係ないんじゃ無かったのか?」
……りゅう……さま……
りゅう……さま……たず……けて
龍「……」
勇者「……」
龍「……勇者」
勇者「何だ?」
龍「お前は、この状況を知っていたのか?」
勇者「ずっと前から知っていた」

190 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/09/09(日) 23:28:52.14 ID:IlQ7RlHe0
龍「勇者」
勇者「何だ?」
龍「人間は敵だ。殺すしかない」
勇者「ならば、吾人はお前を殺すしかない」
龍「……くそが。くそがぁぁあああああっっ!!!!」
ミキミキミキミキ
勇者「……龍というよりもドラゴンだな」
ブオンッ
勇者「……ちっ」
ドゴォォッッッ!
龍「ふざけるなふざけるなふざけるなぁぁああああっ!!」
ドゴォッッ
ゴシャアッッ

191 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/09/09(日) 23:30:29.76 ID:IlQ7RlHe0
龍「私はお前に一目を置いていた!」
ブオンッ
ゴシャッッ
龍「大きな過失だ! 人間など屑だ!」
勇者「なんだ、そんなことも知らなかったのか」ピョンッ
龍「……っ! ちょこまかするなぁ!」
ドゴオッッ
ドゴオッッ
勇者「大体、お前は情弱過ぎる。長命の割には余りに無知だ。
もっと人間の事を知っていれば予防策なんて幾らでも打てた」ピョンッピョンッ
龍「黙れ!」
勇者「お前にも責任が有るんだ。自覚しろ」タタタッ
龍「詭弁を吐くなぁ!」

192 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/09/09(日) 23:32:19.75 ID:IlQ7RlHe0
ゴシャッッ
ズドオッッ
タタタッ
ピョンッ
スタッ
勇者「やーい、こっちまでおいでー」
龍「くそがぁぁああ!」
ブオンッ
ピョンッ
ドコオォッッ
勇者「次は……あっちか」ボソッ

193 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/09/09(日) 23:34:51.45 ID:IlQ7RlHe0
ドゴオッ
勇者「建物にダーイブ」
龍「……意味の分からないことばかりして何がしたい!?」ブオッッ
ズシャァァッ
参兵隊長「魔物を止めろぉ! これ以上我等の街を破壊させるな!」
ウオオオォォォオオ!
パンッパンッパンッ
ドンッドンッドンッ
龍「……」ギロッ
ブンッッ

194 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/09/09(日) 23:37:04.21 ID:IlQ7RlHe0
ガシイッッ
龍「っ!?」
勇者「お前は吾人にだけ集中してれば良いんだ」
タタタッ
龍「……意味が分からないんだよっ!!」
ドゴオオッッッ
ドゴオオッッッ
勇者「良いから手の鳴る方においで」パチパチ
龍「……っ!!」ギリッ
ブオンッッ
ドガアッッ

195 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/09/09(日) 23:38:33.70 ID:IlQ7RlHe0



龍(……勇者が立ち止まったり侵入する建造物は有る程度同じだ)
龍(もしかして……)
ピタッ
龍「お前……」
勇者「……この破壊者め! 絶対に倒してやる!」シー
龍「……」
ドゴオッ
ドゴオッ

196 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/09/09(日) 23:43:50.52 ID:IlQ7RlHe0



勇者「くそう! すぐに倒してやるう!」タタタッ
龍(国外に出るようだな)
勇者「……ここまで来れば良いか」ピタッ
龍「お前が誘導して私が壊した建物は何だ?」
勇者「奴隷の収容所やら市場やら、麻薬の保管庫やら、武器製造工場やら、武器庫やら色々だ」
龍「何の為に……」
勇者「吾人は人間相手に勝手な事は出来ないから。魔物に壊してもらうのが一番体裁が良い」
龍「……」
勇者「それと、囚われていた魔物たちは全員無事だ。
黒たちに逃走経路を教えて誘導させたから多分逃げ切れたはず」
龍「……冗談を言うな。どいつも疲弊し切って逃げ切れる体力など無かった。
サキュバスとセイレーンに至っては四肢と肝を奪われていたんだぞ……!」
勇者「吾人が治した」
龍「……はあ?」
勇者「聖剣パワーは万能。ふふん」
龍「……本当か」
勇者「本当だ。……それで。悪いけれど」ズルッ
チャキッ
龍「……ああ。この生命を以って事態の収拾をつけろ」スッ
勇者「……ていっ」ブンッ
ボトッ