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勇者「幼女大好き」
Part6


127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/09/07(金) 23:43:24.38 ID:QaZ3OqBj0
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勇者「ちょっと手続きしてくる」
黒「手続き?」
勇者「明日は大武闘会に出るから、その手続き」
黒「そっか」
勇者「お金を渡して置くけれど、無駄遣いしないように。あと人目の多いところにいて」
龍「はい」
勇者「それじゃ。……どうせなら見送りのチュウを」
黒「イヤ」
勇者「ぐすん」

128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/09/07(金) 23:44:55.98 ID:QaZ3OqBj0



龍「さて。何をしようか」
黒「ごはんも食べたし、ゆっくりしたい」
龍「なら、帰って寝るか?」
黒「でもどうせならお店とか見たい」
龍「……じゃあ、ゆっくりと歩き回るか」
黒「うん」

129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/09/07(金) 23:47:01.49 ID:QaZ3OqBj0



黒「ほわあ……」
龍「甚く精巧な人形だな」
黒「本物の人間みたい」
龍「そして高い……」
黒「うん……」
参人形師「おや、可愛らしいお客さんだ。いらっしゃい」
黒「えと。……いらっしゃった?」
龍「何だそれ?」
黒「『いらっしゃい』への返事のつもり」

130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/09/07(金) 23:48:51.16 ID:QaZ3OqBj0
参人形師「ふふ、面白い娘たちだ」
龍(私も含まれているのか)
参人形師「ーー君たちは人形が好きかね」
黒「あんまり。でもこの人形はキレイだと思う」
参人形師「ふふ、ありがとう。私は人形が大好きだ。世界中で一番愛している」
黒「そうなんだ」
龍(人間というのは奇妙な嗜好を持った奴が多いな)
参人形師「……お願いが有る。きいてくれれば、好きな人形を上げよう」ニヤ
黒「……っ」ビクッ
黒「イヤ」

131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/09/07(金) 23:51:49.82 ID:QaZ3OqBj0
参人形師「良いから。ほら」
ガシッ
黒「いたっ……」
参人形師「こんな美しい娘たちは初めて見た。奥でじっくり調べさせてもらおう。ふふふ」
龍(……目が血走ってる。面倒だし、気絶させてしまおうか)
ガチャッ
龍(……仲間か?)
スタスタ
ガシッ
参人形師「な、何だね!?」
肆歌手『その娘たちから手を離せ』
参人形師「な、何だ!?」
グイッ
肆歌手『行こう』
黒『……うん』
肆歌手『君も』
龍「……」
スタスタ
バタンッ

132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/09/07(金) 23:59:08.91 ID:QaZ3OqBj0
黒『助けてくれてありがとう』
肆歌手『何ということはないよ。
同郷の人から、あの人形師の不穏な噂を聞いていたからね。
君たちが人形屋に入ったのを見かけて、心配で見守ってたんだ』
黒『そうなんだ……』
肆歌手『昨日の彼は? 君たちの保護者なんだろう?』
黒『用事が有るらしくて今はいない』
肆歌手『そうか。こんな小さな娘たちを放置するとは非常識だな』
黒「……悪い人では無いけどね」
肆歌手『ん?』
黒『なんでもない。
……あなたの唄が聴きたい』
肆歌手『ん、それは嬉しい言葉だ』スッ
ーー♪
肆歌手『風が巡る ? ? ?君が薫る』
ーー♪
肆歌手『内包された久遠 ? ? ? 再生された虚空』
ーー♪

133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/09/08(土) 00:02:14.44 ID:Et7/xiGi0



黒『よかった』パチパチ
龍「……」パチパチ
肆歌手『ありがとう。嬉しいよ』
黒『他にも唄は有るの?』
肆歌手『有るよ。因みに即興で唄を作るのが得意なんだ』
黒『即興で?』
肆歌手『そう。和音を奏でるとね、その和音が具有する連続性が次の和音を導いてくれるんだ。神が僕たちの魂を導くようにね』
黒「……?」
肆歌手『音が音を呼ぶといえば良いのかな。僕はそれを繋げるんだ。あと詞は結構適当だったりする』
黒『すごい』

134 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/09/08(土) 00:04:23.95 ID:Et7/xiGi0
肆歌手『何ということはないよ。僕にとってそれは当たり前の事なんだ。特別なんかじゃない』
黒『そんなもの?』
肆歌手『そんなものさ。……君たちも手風琴を弾いてみるかい?』
黒『良いの?』
肆歌手『誰にでも触らせる訳ではないよ。ただ、君たちなら良いかと思ってね』
黒『弾いてみたい』
肆歌手『じゃあ、両帯を肩にかけて』
どしっ
黒『……けっこう重い』
肆歌手『重い方が基本的に音色が良いからね。立ちっぱなしで演奏すると腰が痛むけど』
黒『そうなんだ』

135 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/09/08(土) 00:06:42.64 ID:Et7/xiGi0
肆歌手『蛇腹はなだらかな丘を描くように広げて、戻す時はその逆だよ。そうしないと音が出ないからね』
黒『こう?』
肆歌手『そうそう。うまいね。それで右側が主旋律で左側が……』
龍(……退屈だ)フア



ーー♪
肆歌手『……すごい上達ぶりだ。素晴らしい才能だよ』
黒『そう?』
肆歌手『ああ、驚きだよ。僕なんか直ぐに追い抜かれそうだ』
黒『それは大げさ』
肆歌手『そうでも無いと思うけど』

136 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/09/08(土) 00:09:03.74 ID:Et7/xiGi0
黒『重くて疲れた……』
肆歌手『ん、一旦外そうか』スルッ
黒「ふう」
龍「……」ボンヤリ
肆歌手『君もやってみるかい?』
黒「やるか、だって」
龍「言葉なら分かっている。断ってくれ」
黒「話せるなら自分で話せば良いのに」
龍「今更話すのも不自然だろう」
黒『見てるだけで良いって』
肆歌手『そっか。……ところで君に憶えて欲しい唄が有るんだ』
黒『どんな唄?』
肆歌手『今弾くよ』スッ

137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/09/08(土) 00:10:07.66 ID:Et7/xiGi0
黒『今のも良い唄だった』パチパチ
龍「良いな」パチパチ
肆歌手『ありがとう。これは先に詞から作った唄なんだ』
黒『切ない歌詞』
肆歌手『……そうかもね。それじゃあ、教えるから』
黒『うん』
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138 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/09/08(土) 00:11:48.30 ID:Et7/xiGi0
ーーーー参の国・王城・娯楽の間ーーーー
参王「来られたか、勇者殿」
勇者「ええ」
参少女「むぐっ、ぢゅ……れろ」チュプ
参王「ちゃんと奥まで咥えろ」グイッ
参少女「むぐっ!? ……あむっ」
参王「歯を立てたりしたら即刻殺すからな」
グポグポ
参少女「っ……。ぐむっ、えろっ」グスッ

139 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/09/08(土) 00:13:45.23 ID:Et7/xiGi0
勇者「何の用でしょうか?」
参王「なに。勇者殿も幼い娘が好きなのだから、共に愉しもうと思ってな」
勇者「有り難いお心遣いでございます」
参王「なに、気にするな」ズルッ
参少女「ぷあっ……。げほっ」
参王「この娘は今日で最期だからな。誰かと分かち合うのも余興だ」スラッ
参少女「え……」
勇者「意味を分かりかねます」

140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/09/08(土) 00:17:15.62 ID:Et7/xiGi0
参王「余は常に七“匹”の娘を飼っている。皆美しい娘たちばかりだ」
勇者「はあ」
参王「そして新しい娘を買うたびに、その分古いのを殺すのだ。
そして今日、新しい美少女を入手したのだ」
参少女「やだ……。死にたくない……!」フルフル
参王「勇者殿にも美しいものを壊す快感を堪能して欲しくてな」
勇者「ふむ」
参少女「た、たすけて、ください……」ガタガタ
参王「強烈な快感を余に与える事ができるのだ。光栄に思え」スッ
参少女「いやぁ……!」

141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/09/08(土) 00:20:33.27 ID:Et7/xiGi0
勇者「お待ちください」
参王「何かね?」
勇者「その美しい娘を吾人に賜っていただけませんか」
参王「断る。美の破壊は余の生き甲斐だ」
勇者「重々承知いたしました。無論、相応の対価をお支払い致しましょう」
参王「端金など要らん」
勇者「貴方様の勅命を一つ、承りましょう。どのようなものでも必ず遂行致します」
参王「……ふん。『この娘を殺せ』という命令もか?」
参少女「っ……」ガタガタ
勇者「……」

142 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/09/08(土) 00:24:24.02 ID:Et7/xiGi0
参王「沈黙か。……まあ、良い。ならば命令をくだそう」
勇者「はい」
参王「明日の武闘会で、ひたすら嬲られろ。勿論、無抵抗でだ」
勇者「その程度ならば幾らでも」
参王「ふふ、かの勇者がひたすらに圧倒される。さぞかし面白いだろうな」
勇者「左様ですか」
参王「娘は手形として持っていけ。」
勇者「はい」
スタスタ
ファサッ
参少女「あ……」
勇者「粗末なものだが我慢してくれ」
参王「……勇者殿は初王殿から支援金を貰っているのだろう?」
勇者「ええ」
参王「ならば、そのようなみすぼらしい格好はやめておけ。失敬だ」
勇者「了解致しました。それでは失礼します。……行こう」
スタスタ
バタンッ
参王「……偽善者が。その娘だけを救ってどうするというのだ」
参王「……まあ、良い。“新品”の具合でも試すか。それと何処から調教するかも考えなくては」ニヤッ

143 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/09/08(土) 00:27:20.44 ID:Et7/xiGi0
ーーーー参の国・高級ホテルーーーー
勇者「ただいま」
黒「おかえり。……また新しい娘」
龍「おかえりなさい」
参少女「……」ビクビク
勇者「拾った。ふひひ」
参少女「ひっ……」
勇者「おっと。ごめん」
黒「……どうしてそんなに薄着なの? しかも羽織ってるのは勇者の服」
参少女「あ……」オドオド
勇者「色々とあった。黒、一緒にお風呂に入ってあげて。
服は……できるだけ大きいのを貸してあげて」
黒「……分かった」

144 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/09/08(土) 00:31:06.86 ID:Et7/xiGi0



勇者「はあ」
龍「あの娘はどうするんですか?」
勇者「敬語を使う必要はない。龍」
龍「……いつから気付いていた」
勇者「最初に会った時から」
龍「知っていて色々とからかっていたのか」
勇者「いや、ハグとかは実際にその姿が可愛いから」
龍「ふん、人間は形に囚われすぎだ。形とは、虚空と等しいのに」
勇者「そうか」

145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/09/08(土) 00:34:58.09 ID:Et7/xiGi0
勇者「そうか」
龍「ところで、打ち明けたということは戦うということか」スー
勇者「銀鱗美幼女。そんなものも有るのか」フムフム
龍「……は?」
勇者「現時点で戦意はない。ただ訊きたいことが有った」
龍「……何だ?」
勇者「龍というからには長寿のはず」
龍「まあ、そうだな」
勇者「多くのものを見てきただろう? 多くの哀しみも、多くの死も」
龍「まあ、そうだな」

146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/09/08(土) 00:37:48.36 ID:Et7/xiGi0
勇者「龍は、死をどのように考える?」
龍「勿論生命の終わりだろう。ただの物体に還るんだ」
勇者「うん」
龍「死は必ず発現する。天候に、偶然に、疫病に、害獣に、自身によって」
勇者「うん」
龍「だから、死自体は何も問題ではないんだ。死は生にとっての絶対だ。それ以上でもそれ以下でもないのだから」
勇者「龍は人間がーー君の場合は魔物がどのように生きて、どのように死んでも良いと?」
龍「そんな訳ないだろう。どのように生きるかは重要な事柄だ」