Part18
406 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/10/08(月) 22:03:42.98 ID:
qMni9gaG0
龍「……勇者っ!」ザッ
狼「なっ……」
ザシュッッ
龍「…………ぁ」
パタッ
狼「……あ、ああああああああああああああああああああああ!!」
狼「何故……! 何故……!」ガクガク
龍「ーーーー」
狼「ああああああああああああ!! ああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
407 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/10/08(月) 22:06:02.02 ID:
qMni9gaG0
勇者「…………」ブツブツ
ズルッズルッ
ピトッ
狼「はあっ……はあっ……」
勇者「イヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだ」ブルブル
勇者「たすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃ」ポロポロ
狼「……何してやがる」
勇者「…………」
狼「……姉御は死んだっ!! 俺が殺したっ!!」
勇者「…………」
ボタボタボタボタ
狼「いくら血を垂れ流して治そうとしてもっ!! 死んだもんは生き返らねえだろうがっ!!」
408 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/10/08(月) 22:07:32.46 ID:
qMni9gaG0
勇者「…………」
ボタボタボタボタ
龍「ーーーー」
狼「…………があああああああああああああああああああっ!!」
ブオッ
ザシュッッ
ボタボタボタボタッ
勇者「…………」
龍「ーーーー」
ザシュッッ
ザシュッッ
勇者「…………」
409 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/10/08(月) 22:10:27.00 ID:
qMni9gaG0
龍「…………ぅ」
狼「……あね、ご?」
龍「……」スウスウ
勇者「……」トサッ
ギュッ
狼「…………」
勇者「……絶対に……守る……」
狼「……負けだ。完膚なきまでの負けだ」
勇者「……」
狼「図々しい事この上ないのを承知して言いやす。
願わくは、同胞に慈悲の心を以って裁断してやってくだせえ。
そして、姉御を幸せにしてやってくだせえ」
勇者「……」
狼「どうかお頼みいたしやす」
410 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/10/08(月) 22:12:08.90 ID:
qMni9gaG0
ズドッ
狼「……うおおぉぉぉおおおおおおおおおおお!!!!」
ブチブチブチブチッ
カランッ
狼「ーーーー」
ドサッ
勇者「…………」
勇者「……はやく……魔蟲と……死者の群れを……ごぶっ……」
勇者「くそっ……。時間が……」
勇者「…………」
ズルッズルッズルッズルッ
411 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/10/08(月) 22:17:26.44 ID:
qMni9gaG0
ーーーー初の国・師匠宅・地下ーーーー
ウゾウゾ
参少女「ここにまで大きいムシが……」
師匠「……こんな薄暗い部屋で臨終かよ」
参少女「ひっく……ぐすっ」
初少年「……っ」スッ
師匠「何をする気じゃ」
初少年「僕が魔蟲の注意を引きつけます。隙を見て逃げてください」
参少女「え……」
師匠「馬鹿野郎! 自己犠牲なんて美徳でも何でもねえぞ!」
初少年「……お兄ちゃんが此処に居たらこうしたと思います。たとえ、剣の力が無くとも」
師匠「お前はあの阿呆ではないじゃろうが!」
初少年「だとしてもです。それに、女の子の前だったらカッコつけたいじゃないですか」
参少女「っ……」
師匠「……大阿呆が!」
初少年「……ほんとですね」
ウゾウゾ
初少年「くっ……!」ガッ
ウゾウゾウゾウゾッ
初少年「早くっ……!」ガッガッ
師匠「……くそっ!」
プシャッッ
参少女「ふぇっ……?」
ピクピクッ
初少年「魔蟲が……死んだ……?」
師匠「……これは、刀痕?」
412 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/10/08(月) 22:19:34.54 ID:
qMni9gaG0
ーーーー肆の国ーーーー
肆将軍「……屍の集団が粉々になった!?」
肆将軍「……機を逃すな! 慎重に集めて焼き払え!」
ウオオォォオオオオ!!
肆将軍「……何が有ったんだ」
413 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/10/08(月) 22:23:46.00 ID:
qMni9gaG0
ーーーー陸の国ーーーー
龍「……ん」パチ
ムクッ
龍「……勇者」
勇者「良かった」
ギュッ
龍「ん……」
勇者「本当に良かった」
龍「……大丈夫なのか? 血塗れだぞ」
勇者「今は大丈夫だ。それに血塗れなのは同じだ」
スッ
龍「……本当だ。というより、辺り一面が血だらけじゃないか」
狼「ーーーー」
龍「……狼」
414 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/10/08(月) 22:27:18.34 ID:
qMni9gaG0
ブオッ
龍「っ……」
ザッ
側近「……貴方が勇者か」
勇者「そうだ。……お前が今回の一件の首謀者か」
側近「まさしく。……人狼と、おそらく骸も倒したようだが、魔蟲と凶行軍が残存している。我々の勝利だ」
勇者「いや、お前たちの敗けだ。魔蟲と死者の群れは全て消した」
龍「え?」
側近「……まさか。有り得ない。世界中に放散したのだ」
勇者「魔剣を身体に取り込んだ。おかげで剣を出す必要も、振る必要も無くなった。
そして、今ならば世界を形作っている粒子すらも読み取れる」
415 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/10/08(月) 22:30:48.77 ID:
qMni9gaG0
プシャアッッ
側近「っ……」
勇者「お前の両翼を斬り落とすこともできる。
しかし、龍は単体では無かったのだな」
側近「……敗北か。いつだって、魔物は北上するばかりだ」
勇者「お前のせいで多くの人間が死んだ。その生命で贖え」
龍「……勇者、こいつを見逃してやってくれないか。決して悪人では無いんだ。それに魔物の未来に必要な男だ」
勇者「それは無理だ。根源は絶たなくてはいけない」
側近「……良いだろう。しかし、これ以上無い恥辱を被る代わりに、今際の願いを聞いて欲しい」
勇者「……何だ」
416 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/10/08(月) 22:35:03.42 ID:
qMni9gaG0
側近「陛下を殺したのは私だと民、そして姫様に伝えてくれ。
魔剣を握らせて暗殺を目論んだと。王位を奪って、民を所有物にする為に反逆行為に及んだと。
骸と人狼は、私が姫様を人質にとって従属させていたと」
龍「……何を言っているんだ」
側近「陛下が崩御なさった今、姫様と貴女が政を担うことになる。
反人間派の私が極悪人となれば、民の心は貴女たちに傾くだろう」
勇者「……自分の行いを全否定してまで魔物の未来に貢献すると?」
側近「その通りだ」
龍「……お前は後世まで非難されることになるぞ。お前の今までの功績も忘れられ、全ての民に唾棄されるのだぞ」
側近「それで民が幸せになれるならば、甘んじて受け容れましょう」
龍「っ……」
勇者「……分かった」
側近「恩に着る」
417 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/10/08(月) 22:40:21.72 ID:
qMni9gaG0
ダッ
側近「……はあ!!」ブオンッ
ザシュッ
側近「ーーーー」
ドサッ
龍「……どいつもこいつも馬鹿だ!!」
勇者「……」
龍「どうしてっ……!」ポロポロ
黒「勇者!」タッタッタッ
勇者「……黒」
フラ
勇者「……限界か」
バタッ
勇者「ーーーー」
418 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/10/08(月) 22:45:05.97 ID:
qMni9gaG0
龍「……勇者?」
黒「はあ……はあ……。どういう……こと……?」
龍「おい、起きろ。……起きろ!」
勇者「ーーーー」
黒「勇者……。起きて……」
勇者「ーーーー」
黒「そんな……」
魔姫「……黒ちゃん」
黒「え……」
龍「魔姫、どうして此処に……」
黒「魔姫……」
ドクンッ
黒「…………ぁ」
419 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/10/08(月) 22:47:14.20 ID:
qMni9gaG0
どうしよう。?
このままじゃ、わたしはあの子を傷つけてしまう。?
どうすればいいの??
どうすれば……。?
ーーああ、そっか。?
簡単な方法があった。?
わたしは、わたしのーーーー?
活動目的を封じ込めちゃえばいいんだ。
420 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/10/08(月) 22:48:51.35 ID:
qMni9gaG0
花飾りのーーーー
ーーー黒ちゃん?
お姫様みたいーー
釣れーーーー
お魚ーーーー骸がーー
お父さんとーーーー
ーーーーお母さん
お城のてっぺんーー
側近にーーーーーー
ーーーー今度イタズラ
……雪だ?
国中のみんながーー
ーーーーあったかいスープを
龍さんはーー
みんなが幸せにーーーー誰も幸せになれないからーー
421 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/10/08(月) 22:53:01.24 ID:
qMni9gaG0
なのましんだっけ?
どうして昔の人は黒ちゃんを造ったのかな?
それはーーーー
黒「双魔アシュビンの破壊」
黒「そして、媒介者の処分」
黒「……全部思い出した。本当に全部」
黒「……勇者。せめて剣から解放してあげる」
スッ
龍「……黒?」
チュッ
422 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/10/08(月) 22:56:53.73 ID:
qMni9gaG0
ーーーーーー
ーーーー
ーー
「僅かばかりの時間を稼いでやる」
誰だ?
「今はお前だよ。代わりに消えてやるって言ってるんだ」
……訳が分からない。
「とにかく、お前は生き残れるんだよ」
……理解が追い付かないが、吾人は罪深い人間だなのだからこのまま消えた方が良い。
「あのな、お前は俺になれるけど、俺はお前にはなれないんだよ」
そうだとしても。
「お前にはまだやれること、やるべきことが有るだろ。
それに、ちょっと引き延ばすだけだからあんまり関係ねえよ」
…………
「妹の事を頼む」
ーーああ、お前は……。
「じゃあな」
423 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/10/08(月) 23:00:50.92 ID:
qMni9gaG0
ーーーーーー
ーーーー
ーー
勇者「……う」
龍「……勇者?」
勇者「……龍」
龍「っ……」
ギュゥッ
龍「……心配させるな! ばかっ!」
勇者「……すまない。……黒は?」
龍「魔姫と、側近と狼の遺体を終の国に運びに行った。
剣の力の残滓を掌握したとかで、凄まじい力を手に入れたようだ」
勇者「……なるほど。確かに剣の力が消えている」
龍「ああ、それと。黒はーー」
424 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/10/08(月) 23:04:42.24 ID:
qMni9gaG0
黒「……勇者!!」ガシッ
勇者「かはっ……!」
黒「あ、ごめん。強過ぎた」パッ
龍「戻って来たか。早いな」
勇者「……黒か?」
黒「うん」
勇者「その姿は……?」
龍「まあ、そういう事だ」
黒「……わたし、大人になっちゃった」
425 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/10/08(月) 23:08:00.17 ID:
qMni9gaG0
次の投下で完結しそうです。
ここまで見ていただいてる方には感謝でいっぱいです。
426 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/10/08(月) 23:19:40.24 ID:JJzzqqAIO
乙
ロリが・・・減っただとおー!
ま、龍ちゃんいるからいいや
427 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) :2012/10/09(火) 16:49:11.34 ID:CUD6Gc7go
乙
幼女を減らしてどうする気だ
428 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(西日本) :2012/10/10(水) 00:36:32.56 ID:TqY5ccD7o
乙。
一晩でロリ成長とか予想の斜め上を逝く壮絶なBadEndだ……
429 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) :2012/10/10(水) 01:39:50.41 ID:e/p7qS5Xo
黒がゼノギアスのエメラダににてるな。ナノマシンの集合体やら記憶思い出したら成長して大人になるとか
430 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) :2012/10/10(水) 01:49:51.43 ID:j5/AdtVYo
乙
幼女が成長するとはなんてバッドエンドだ!
431 :
◆Tou2G.k9G331 :2012/10/13(土) 23:40:51.10 ID:
Uc+4/xnX0
酉てすと。
>>429
このssはもともと、
久しぶりにゼノギアスやりたい→家宅捜索→見つからねえ!→フラストレーションを原動力にゼノギアスの二次創作でも書くか→口調とか細かい設定忘れた……
こんな経緯で書き始めました。
ゼノギアス面白いよね。やらないと人生損するよ。
さあ、みんなもゼノギアスやろうぜ!(ゼノギアスのダイマ)