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勇者「幼女大好き」
Part17


383 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/10/06(土) 22:44:29.25 ID:dTYsa+wl0
ザッザッザッ
勇者「ていっ」ブンッ
プシャプシャプシャプシャプシャプシャプシャプシャッ
ポロポロポロポロポロポロポロポロ
ザッザッザッ
勇者「……首が無くとも動くか」
ザッザッザッ
勇者「……細切れだな」

384 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/10/06(土) 22:53:25.38 ID:dTYsa+wl0
メラメラ
黒「……炎? ……いた!」タッタッタッ
メラメラ
黒「……うぷ」
勇者「黒か。臭いから近寄らない方が良い。そもそも、どうして追ってきた?」
黒「どうしても。……それよりこのニオイはなに?」
勇者「死体の焼ける臭いだ。髪の毛の焼ける臭いが特に酷い」
黒「……そっか」
勇者「吾人は陸の国に向かう。異常事態が起きているようだ」
黒「わたしも……」
勇者「ダメだ。伍の国であの娘と待っていてくれ」
黒「……まだ最後まで言ってないのに」ムスッ
勇者「とにかくダメだ。不確定な事柄が多くて危ない」

385 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/10/06(土) 22:55:31.53 ID:dTYsa+wl0
黒「……」ウル
勇者「……必ず迎えに来るから」ナデナデ
黒「……」
勇者「それじゃ」
黒「……待つなんてできない!」タッタッタッ
伍歩兵「嬢ちゃん、乗りな!」パカッパカッ
黒「……どうして」
伍歩兵「恩人を援けるのは当たり前だろ。ほら、急げ」
黒「……ありがとう!」

386 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/10/06(土) 22:58:16.79 ID:dTYsa+wl0
ーーーー終の国・王城ーーーー
側近(全面戦争。そして魔物の再興)カリカリ
側近(これからが始まりだ)カリカリ
側近(先代も、そして陛下でさえも人間と和解することは不可能だった)カリカリ
側近(もう看過できない)カリカリ
側近(ーー新しい国造り。私の力だけでは到底及ばぬ)カリカリ
側近(問題は龍だ。彼女の民への影響力は非常に大きい)カリカリ
側近(引き込むことができない場合、不本意だが始末するしかない)カリカリ
側近(中途で反乱を起こされたら全てが瓦解しかねないのだから)カリカリ
側近(……最後の勧告に行くか。ちょうどキリも良い)
パサッ
スクッ
スタスタ
スッ
スタスタスタスタ

387 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/10/06(土) 23:01:46.22 ID:dTYsa+wl0
……………………
魔姫「……よし、出かけた」ソッ
魔姫「側近は絶対に何か隠してる」トコトコ
魔姫「大事な物はいっつもこの引き出しに……あったあった」ズズズッ
魔姫「羊皮紙。……人間との戦争についての書かな」スッ
魔姫「……相変わらず綺麗な字」ペラッ
魔姫「……」ペラッ
魔姫「……っ!? 魔蟲!? 龍さんを投獄!?」
魔姫「どういうこと……!?」
魔姫「…………」パサッ
魔姫「……陸の国に行かなきゃ」

388 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/10/06(土) 23:04:35.42 ID:dTYsa+wl0
ーーーー陸の国ーーーー
骸「……奇妙な雰囲気の人間が独り。ははん、お前が噂の勇者か」
勇者「……お前が死者を冒涜した者か」ズルッ
骸「ああ、凶行軍とかち合ったのか」
勇者「屑の所業だ」
骸「別に屑でも良いけどな」
勇者「ていっ」ブンッ
骸「ーーーー」プシャッ
ボトッ
勇者「……龍は何をしている? 平和の為に尽力すると言っていたけれど」
骸「龍なら投獄されてるぜ」

389 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/10/06(土) 23:09:00.43 ID:dTYsa+wl0
ズズズッ
勇者「……何故生きている」
骸「首飛ばされたくらいじゃ死ねないんだわ。難儀な体だからな」
勇者「お前もリビングデッドか」
骸「んー、むしろあいつらが俺の体液で動いてるからなぁ」
勇者「ならば火をつけて燃やせば良いな」
骸「残念、俺は気体になっても死なないし、直ぐに修復するぜ」
勇者「……」
骸「更に悲報を二つ。いや、もっと多いか? まあ、良いや」
勇者「……」
骸「凶行軍ーー生ける屍の集団は一つじゃない。万単位のが数十個。因みに、万一俺を倒したとしても凶行軍は止まらないぜ」
勇者「っ!?」
骸「しかも死体から死体に感染するから連鎖する。早く止めなければ人間は絶滅だな」
勇者「……」

390 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/10/06(土) 23:12:48.10 ID:dTYsa+wl0
骸「もう一つは魔蟲。世界中に相当数の魔蟲を拡散した。
人間を乗っ取って支配する寄生型に、人間を食らう巨大型も。
これも急がないと人類が滅ぶぜ。絶体絶命だな」
勇者「……ていっ」ブンッ
骸「はは、無駄無駄」プシャッ
ズズズッ
ズパパパパパッ
骸「そんなんじゃ死ねないって」ズズズズズッ
勇者「……ちっ」ズブッ
骸「あ、先に凶行軍か魔蟲を潰しに行くつもりか?
それでも良いけど、その場合は龍が死ぬぜ」
勇者「……同胞を手にかけるつもりか」
骸「それくらいの覚悟も無しにこんな事をしてると思ってんのか。
あんまり馬鹿にすんなよ」
勇者「……くそ」
骸「口が悪いぜ」ニッ

391 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/10/06(土) 23:15:35.78 ID:dTYsa+wl0
ーーーー陸の国ーーーー
狼「うぶっ……おぇっ……」
ビチャビチャビチャビチャッ
狼「ちくしょう……」フラフラ
狼(魔剣が、他方の剣を求めてやがる。おかげで身体にかかる負荷が一気に増大しやがった)フラフラ
狼(……喰われそうだ。散々喰い散らかしてきた俺が物に喰われるのかよ。笑い話にもならねえな)フラフラ
狼「……ふざけやがって。死んで……たまるかよ……」フラフラ

392 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/10/06(土) 23:23:42.58 ID:dTYsa+wl0
ーーーー初の国・師匠宅・地下ーーーー
参少女「あのムシたちは何なんですか……?」
初少年「師匠、あの奇妙な虫たちはもしかして……」
師匠「……魔蟲」
参少女「魔蟲?」
師匠「古い文献に残ってる虫だ。化石は多く見つかったが、まさか種が存続していたとはな。しかも大量発生して初の国全土を襲うとは……」
参少女「どうにかできないんでしょうか……?」
師匠「ワシらでは何もできねえよ。こういうのは兵士や吏僚共に任せとけばいいんじゃ」
初少年「でも、初王が素っ頓狂な命令を出して指揮を混乱させてるみたい。賢王って称されるぐらいなのに、頭が狂ったのかな」
師匠「何かに取り憑かれたのかもな。ま、沈静化するまで待機じゃ」
参少女「勇者さまも、黒ちゃんも龍さんも、だいじょうぶかな……」

393 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/10/06(土) 23:25:45.89 ID:dTYsa+wl0
ーーーー陸の国ーーーー
勇者「ごぼっ……!?」
ドバドバッ
骸「おいおい、お前も狼と同じかよ」
勇者「くそっ……ぐぶっ……!」
ボダボダッ
骸「お前らの剣は相当生命を削るみたいだな。強いけど脆い。
まあ、俺は何故か剣に拒絶されたんだけど」
勇者「……っ」フラ
バタッ
骸「おいおい、これで終わりじゃねえだろ?」

394 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/10/06(土) 23:27:38.67 ID:dTYsa+wl0
勇者「く……」ググッ
骸「おらっ」ゴッッ
勇者「ーーーーっ」フッ
ズドオオッ
勇者「…………」
ガラッ…
骸「……立てよ。譲れないものが、守りたいものが有るなら立ち上がれよ。
どれだけ強い力を持とうが、不撓の意思がなければ意味ねえんだ。
人間の意地を見せてみろよ。こんな簡単にくたばってんじゃねえよ」
勇者「……」グッ
骸「そうだ。それで良い」ニッ

395 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/10/06(土) 23:32:38.43 ID:dTYsa+wl0
狼「……骸」ヨロッ
骸「おい、危ねえぞ狼。あの人間の剣は振るだけで何でも斬れちまうんだ」
狼「……」フラッ
骸「おい、大丈夫か!」ガシッ
狼「……骸」
骸「何だよ?」
狼「……すまねえ」
骸「は?」
ズドッッ
骸「ーーーーっ」
シュウウゥゥ…
狼「……力が漲ってくる」
骸「……俺の生命に……そんな効果あんの……?
だったら……魔王様に、くれてやりゃ、良かったな……」
狼「親分も直感で知ってただろうよ。やらなかっただけで。
……結局、俺はどこまでも親分には敵わねえ」
骸「……ま……いっか……ようやく……幕を閉じれたんだ……」
シュウウゥゥ…
骸「……人狼……阿呆を貫き通せよ……」ニッ
シュウウゥゥ…
狼「……ああ。……ありがとよ、兄弟」
骸「ーーーー」
サアアアァァァ……

396 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/10/06(土) 23:36:35.68 ID:dTYsa+wl0
ミキミキッ
勇者「……魔剣か」
狼「……お控えなすって。
あっしは四天王の人狼。生まれも育ちも終の国でございやす。
この巡り合わせも一つの縁。互いに須臾の生命、ぶつけ合いやしょう」
勇者「……吾人は、勇者などと呼ばれるしがない男だ」
狼「……」
スッ
勇者「……」
スッ
……………………
タンッッ
狼「……っ!」ブオッ
勇者「……っ!」ブンッ
ガキイイイィィィィイイイイイイイッッッッ!!!!

397 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/10/06(土) 23:39:31.29 ID:dTYsa+wl0
更新遅くてスミマセン。
あと100も無いはずなので出来るだけ早く投下出来るように頑張ります。

398 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/10/07(日) 12:50:17.45 ID:bp3Kz/VIO


399 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/10/08(月) 02:26:30.83 ID:msPBL+dIO
おつ

400 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) :2012/10/08(月) 14:43:27.72 ID:lS60K7tAO
骸……狼……ハッピーエンドよりは有終の美が見えてきたな乙

401 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/10/08(月) 21:46:53.41 ID:qMni9gaG0
ーーーー陸の国・王城・地下ーーーー
ーーガキイイィイイイッッ…………
龍「……今の轟音は?」
龍「……勇者?」
龍「……有り得なくは無いが、確証は無いな」
龍「可能性の為に魔姫の生命を危険に晒すことは……」
龍「…………」
龍「くっ……」
バキッ
ダダダッ

402 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/10/08(月) 21:50:58.13 ID:qMni9gaG0
ーーーー陸の国ーーーー
パカッパカッ
伍歩兵「……建物が吹き飛びやがった。勇者様か?」
黒「……ここまでで良い。後は走ってく」
伍歩兵「危ないだろ」
黒「大丈夫だから。ここまでありがとう」フッ
伍歩兵「ばっ……!?」
黒「大丈夫。わたしは人じゃないから」ストッ
伍歩兵「なっ……」
黒「ばいばい」タタッ

403 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/10/08(月) 21:53:04.16 ID:qMni9gaG0
ーーーー陸の国と終の国の国境付近・上空ーーーー
側近(猛烈な衝撃波が間を置かずに発生している)
側近(……成る程。魔剣が無ければ確かに勝てそうに無い)
側近(しかし、仮に互いが強化され合うとしたら、地力が上の人狼が勝つはずだ)
?
側近(……何れにせよ、急いだ方が良さそうだ)
ビュオッッ

404 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/10/08(月) 21:55:47.77 ID:qMni9gaG0
ーーーー陸の国ーーーー
ガガガガガガガッッ
勇者「っ……」
勇者(……振り抜けば勝利。しかし防ぐので精一杯だ)
勇者(隙を狙うしか無い)
ガガガガガガガガガガガガガガッ
狼「……」ブオンッ
勇者「……!」
ヒョイッ
狼「……」ガクッ
勇者(……好機)
勇者「て……」
ズパアッッ

405 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/10/08(月) 22:00:39.71 ID:qMni9gaG0
勇者「ーーーーっ」
ボトッ
狼「右腕は貰ったぜ。それに丸腰だ」ブオッ
ガキイイィィイイイイッッ
勇者「っ……」ズザザザッッ
狼「何時の間に剣が……。まあ、いい」スッ
勇者(……右腕は生えるようだが速度が遅い)
狼「……」ダッ
勇者「……っ」スッ
狼「甘い!」ブワッ
キインッ
勇者(巻き上げっ……!)
ブシャッ
勇者「かっ……」ガクッ
狼「紙一重で致命傷を避けやがったか。だが、おしめえだ」スッ
勇者「……」
ブオッ