Part2
21 :
◆XtcNe7Sqt5l9 :2015/07/15(水) 10:05:21.81 ID:9XTpaLhVo
ーーーやるべき事を、やればいい。
勇者と僧侶が戻って来たのを確認した後、盗賊は夜明け前の街へ繰り出していた。
目標はやはり腐った貴族。己が利益の為に、人類に牙を剥く外道。
「……たす、けて」
盗賊「残念だが、聞けないな」
ざくり。ダガーが肉を斬る感触が手に伝わる。
物言わぬ亡骸となった”それ”を尻目に溜息をついて、盗賊は屋敷を後にする。
人類の敵は魔族のみではないという事が分かった時、盗賊は人の命を刈る事を覚えた。
人間の中にも魔族と手を組む外道は多く居た。そういう輩は勇者たちを罠に嵌めようと画策するものだ。
魔法使い「……見ちゃったよ、盗賊さん」
盗賊「……見てたのか」
魔法使い「眠れなくて、さ」
屋敷を出た所で、思わぬ声に肩が震えた。魔法使いは少し、眠たげな眼を細めていた。
内心、しまったと動揺はしていたが僧侶ではなかった事が安堵感を与えてくれた。
22 :
◆XtcNe7Sqt5l9 :2015/07/15(水) 10:06:04.17 ID:9XTpaLhVo
魔法使い「……人間も、人間を殺すんだね」
盗賊「そうだ。人間が必ずしも、魔族の敵と言うわけではないという事だな」
魔法使い「いつから?」
盗賊「……旅を始めて三ヶ月くらいからか。こうして、俺は手を汚して来たさ」
魔法使い「一人で?」
盗賊「言えると思うか。出来ると思うか。あの二人に」
魔法使い「だったら、私にも言ってくれれば良いのに」
盗賊「……これは、俺の役目なんだよ。お前たち、三人を魔王の元に無事に送り届ける」
魔法使い「………」
盗賊「俺は弱い。お前たちに比べて、な……だから、やれる事をやってるまでさ」
23 :
◆XtcNe7Sqt5l9 :2015/07/15(水) 10:06:40.34 ID:9XTpaLhVo
魔法使い「……知ってるの、二人は」
盗賊「勇者はとうの昔に感づいている。何度かそれとなく咎められはしたけどな」
魔法使い「……じゃあ、僧侶さんは」
盗賊「知らないだろ。知っていたら、どうなるか分かっているだろ」
魔法使い「そっか。じゃあ……秘密にしなくちゃ、ね」
盗賊「………悪いな」
魔法使い「私はエルフ……魔物だから。人間を殺す事に、そこまで抵抗はないよ?」
盗賊「言ったはずだぞ。これは俺の役目だーーーお前たちは、称えられなければならない」
キレイ事ばかりで旅は完遂出来ない。
ならば、汚れるのは最低限の人間だけでいい。
魔法使いは不満気に口を尖らせて、何も言わずに宿屋へと戻っていった。
嫌われただろうか。それでも盗賊はこの役目を辞める事はないと確信していた。
24 :
◆XtcNe7Sqt5l9 :2015/07/15(水) 10:07:24.83 ID:9XTpaLhVo
勇者「ーーー大雷撃魔法!」
魔法使い「いっけーっ! 大火炎魔法っ!」
二人の魔法の前に魔物の軍勢は塵芥と化していく。
されどうじゃうじゃと雲霞の如くーーその数は減る様を見せない。
盗賊「くそ……この村事態が、罠とは思わなかった……な……」
僧侶「盗賊、今は話さないで……身体を、休めてください!」
立ち寄った村で、一行は窮地に追い込まれていた。
村は魔物の巣窟であったが、それを気づかせないだけの活気があった。
村人は優しく、笑顔の絶えない村だったーーーだが、全てが一行を陥れる為だけの布石。
魔物「ぎゃはははは! どうだ、どうだ我らが智将の策は! 貴様らにも見抜けまい!」
軍勢たちが嘲る。勇者の歯ぎしりが確かに耳に届いたーー盗賊は、僧侶の後ろで俯く。
不覚。その一言に尽きる。僧侶が回復魔法を翳してくれている、腹部を抑えながら盗賊もまた歯ぎしりした。
25 :
◆XtcNe7Sqt5l9 :2015/07/15(水) 10:08:44.63 ID:9XTpaLhVo
遡ること数時間前。
盗賊の早朝、一番の早起きだった。村はやけに活気がなく、人っ子一人出歩いていない。
不審に思いながらも宿屋から出ると一人の男に声をかけられた。
「勇者様一行はこちらに?」
盗賊「ああ、そうだけど。何か用かーーーっ!?」
盗賊が言葉を終わらせる前に、彼の腹部には深々と長剣が刺さっていた。
口から血を吹き出し、男の顔を見る。その顔は、憎らしいほどに柔和な笑顔だった。
「やりました、やりましたよ魔王様! 我々のーー勝利でございますう!!!!」
長剣を抜き取ると、男は魔王の名を叫びながら、声高らかに宣言するーーー勝利を。
その雄叫びに呼応してか、村人たちがどこからともなく現れる。
あっという間に宿屋は囲まれ、盗賊は膝をついて村人たちを睨む。
「ははは、後はあの三人だけですね」
「これで我々も、魔王様の血肉となれるのですね」
「ですよね、智将様!」
村人を掻き分け、人間型の魔物がゆるりと歩いて来たーーーその冷酷な眼差しが、鼻につく。
智将「そうだ、人間ども。これでお前たちは……魔王様の眷属となる事を許されるのだ」
「うおおおおお! ありがたや! ありがたや!」
……狂っている。魔物と通じる人間が居るのは知っている。何度も始末を繰り返してきた。
だがしかし、ここまで大規模に通じていた等とは思いもしなかったーーーまるで、宗教の様な。
26 :
◆XtcNe7Sqt5l9 :2015/07/15(水) 10:09:14.32 ID:9XTpaLhVo
智将「盗賊、と言ったかな。貴様が一番厄介だった。人間を使い、お前らを始末しようとしてもしくじるばかり」
盗賊「と……ぜん、だな……まぬけ、め……」
智将「だがな、この村は魔王城の近くと知っているだろう。ならばこそ、人間が生きていられる環境なものか」
「故に、我らが生かしているのだ。そこまで頭が回らなかったのかな、黒い旋風とやら」
盗賊「お前にだきゃ……呼ばれ、たくないね……」
智将「ふふ、誇るが良い。勇者は勿論だが……魔族の間で有名だぞ、貴様の名は」
「我らの駒の人間を屠る上に、弱点を付くのが上手かろうーーー窮鼠とは、先ず殺さねばな」
氷の様な表情がぎしりと歪むーーー智将の手に魔力が灯る。
盗賊「……ちっ、甘ぇんだよ、ナメんじゃーーーねぇ!」
外套の中に手を入れ、ダガーを取り出そうとした刹那ーー奔る、雷撃。
智将「む……っ!」
「ひぃいぃ」
「ぬわああ」
勇者「……やってくれるじゃないか、お前ら」
ばちばち、と右手に放った雷撃魔法が余韻を残していた。
盗賊を守る様に、その雷撃魔法は智将を含めた村人達を拘束する様に麻痺を帯びていた。
27 :
◆XtcNe7Sqt5l9 :2015/07/15(水) 10:09:42.41 ID:9XTpaLhVo
盗賊「よぉ……お寝坊さん」
勇者「すまない……僧侶、頼む」
僧侶「大回復魔法!!」
じわり、と傷が急速に修復を始める感覚に顔を曇らせる。
どうやら命拾いしたらしい。二人で登場、というのにはなんとなく釈然とはしないが。
魔法使い「わわわ、智将! やばいって〜!」
智将「ほう。裏切り者のエルフか。お前には魔王様から言伝があるぞ」
遅れて現れた魔法使いが智将を見て顔を青ざめていた。
それを見て、心底愉快そうに智将は口元に手を当てていた。
魔法使い「何よ……」
智将「勇者の次は貴様らの里だ、とな」
魔法使い「ーーーーーっ!」
魔法使いの顔が歪む。魔王の恐怖は、魔族である彼女がよく知っているのだろう。
28 :
◆XtcNe7Sqt5l9 :2015/07/15(水) 10:10:39.46 ID:9XTpaLhVo
智将「まあ良い。先ずは貴様らだ……二人、削ったも同然だ」
勇者「何を……」
智将「盗賊。貴様の傷……易々、治癒出来ると思うか?」
盗賊の腹部に激痛が奔る。回復魔法を受けてなお、傷は治りが遅く……それどころか、徐々に傷が広がりつつあった。
僧侶「そんな……回復がおいつかないなんて!」
智将「あの長剣には呪いが込められている。なに、死にはしない。僧侶、貴様が回復を確りとかけ続ければな」
僧侶「くっ……大回復魔法、大回復魔法!」
僧侶が魔力を更に込め始めて、漸く傷は広がるのを停止した。
完治させるには、更にかけ続けなければならないのだろうーーーつまり、僧侶と盗賊は身動きが取れない。
29 :
◆XtcNe7Sqt5l9 :2015/07/15(水) 10:11:26.35 ID:9XTpaLhVo
勇者「貴様ーーー許さないぞっ!!!」
智将「許さんのはこちらだ。魔王様に歯向かう屑共。絶望の中で、嬲り殺してやる」
智将の言葉と同時、村人達の足元から”大きな口”が現れた。
悲鳴と共に村人達は飲み込まれ、咀嚼されーーーやがて、奇形の魔物の形へと成した。
智将「嬉しかろう。魔王様の眷属として、存分に働け」
魔物「ぎゃははは、ぎゃはははははーーーー良い気持ちだなあっ!!!」
魔法使い「そんな、人間を魔物に……!」
僧侶「………二人とも、気をつけて」
勇者「ああ……こんな外道に、人間を殺す外道に俺たちは負けない!!」
ーーーー人間を殺す外道、か。
治療を受けながら、盗賊は勇者の言葉に苦虫を噛み潰した様な顔になってしまう。
この失態は自分の責だと感じている。もっと卑劣に、疑り、村人を始末していれば。
もっと密に調査を重ねていればーーーこんな危機に陥らなかったのに。
例え、勇者に外道だと思われていたとしても。
例え、魔法使いに嫌われてしまったとしても。
例え、僧侶に蔑まれたとしても。
盗賊「……ちくしょう」
30 :
◆XtcNe7Sqt5l9 :2015/07/15(水) 10:12:01.73 ID:9XTpaLhVo
ーーそうして、戦いが始まり。
勇者と魔法使いが魔法を連発し、軍勢をなぎ払い続けていた。
軍勢の奥で智将はほくそ笑んでおり、じわじわと軍勢が数を減らしつつも焦る様子はなかった。
勇者「キリがない……が、確実に数は減っているぞ!」
魔法使い「ええ、こいつら一匹一匹は大して強くないわ」
そう、一匹一匹は村人たちが魔物へと変貌したもの。
これまでの道程で遭遇した魔物と比べれば、格が落ちる。
だがしかし、その奥に鎮座する智将はーーー果たして。
智将「ふむ。中々やる……そろそろ頃合いか?」
にやり、と智将の口元が歪む。
宿屋に避難し、治療を受け続ける盗賊と僧侶はその表情を見て背筋に悪寒が走った。
31 :
◆XtcNe7Sqt5l9 :2015/07/15(水) 10:12:38.98 ID:9XTpaLhVo
盗賊「何を考えてやがる、あいつ……」
僧侶「……今は、信じるしかありません」
嫌な予感が、当たらなければいいのだがーーーその瞬間、智将が吠える。
智将「さあ、貴様らーーー 一斉に、掛かるが良いぞ!」
智将の一声に、魔物達が集中的に魔法使いを狙う。
勇者を素通りして、魔物たちは死をも恐れんと魔法使いへと攻撃を繰り出す。
魔法使い「くっ……やってやろうじゃないの……っ!」
勇者「はあ、はあ! 魔法使い、今助けるぞっ!」
智将「勇者よ、よそ見かな?」
刹那、勇者の肩に智将の手が置かれた。
勇者が振り向いた時には、音もなく智将は真後ろに佇んでいた。
勇者が振り向き様、剣を薙ぐーーされど、幻影かの様に智将は掻き消える。
32 :
◆XtcNe7Sqt5l9 :2015/07/15(水) 10:13:06.86 ID:9XTpaLhVo
智将「おお、鋭い一閃だ。やはり貴様は……私、一人で戦うに限るな」
勇者「なにーーーぉ」
掻き消えた幻影はまた勇者の背後に現れ、今度は瞬きの後に智将の姿が掻き消えた。
ーーーー勇者と、共に。
魔法使い「勇者様ぁ!!」
僧侶「そ、そんな……!」
盗賊「マジか、おい……くっ、まだ治らないのか!」
パーティを絶望の色が染める。
未だ多くの魔物は健在。魔法使いはなんとか数を減らし続けている。
盗賊の治療もあと少しで、完了すると思われるーーーだが、勇者が智将と共に消え去った。
それが、どれだけの絶望だろうか。
盗賊は焦りながらも、腹の傷の癒やしの速度が徐々に遅くなっていくのを感じていた。
33 :
◆XtcNe7Sqt5l9 :2015/07/15(水) 10:13:52.11 ID:9XTpaLhVo
……結論から言って、勇者は無事だった。
完治した盗賊を筆頭に、三人は辺りを散策しーー彼らが勇者を発見した時には、彼の足元に智将の亡骸があった。
勇者「………手強い、敵だった」
勇者の肩には盗賊の腹と同じような刺し傷があったが、盗賊の様な呪いを帯びている節はなかった。
僧侶「勇者様、よくご無事で……」
魔法使い「でもすっごいね。一人で幹部……てか、側近を倒しちゃったんだ」
勇者「側近なのか……道理で、手強いわけだ」
盗賊「はあ……マジで、心配したぞ」
勇者「悪かった。まだまだ修行が足りないって事だね」
僧侶「ほんとに、心配しました。とりあえず……戻りましょうか?」
魔法使い「そうだね。多分、村人は全員……」
勇者「……魔王信仰者、か」
三人が沈痛な面持ちで誰もいなくなった村へと歩を進めていく背後、盗賊は智将の亡骸をじっと見つめていた。
勇者と智将の戦いは壮絶だったのだろう。智将の四肢は欠損し、辺りには夥しく血液が散っていた。
34 :
◆XtcNe7Sqt5l9 :2015/07/15(水) 10:14:22.10 ID:9XTpaLhVo
盗賊「笑顔……?」
引っかかるのは、智将の表情ーーーそれが、さも勝利したかのような”笑顔”だった事。
盗賊「おい、勇者。本当に大丈夫なのか?」
勇者「ああ、大丈夫だよ。僧侶が回復魔法をしてくれたら……直ぐに完治するさ」
僧侶「もうやってます」
魔法使い「歩きながら回復魔法とは器用な……」
盗賊「なら、いいけど……」
何かが、引っかかる様なーーー。
盗賊「………ん?」
智将の手に、真紅の刃を持つダガーがあった。
それは鋭く、まるで呪いを帯びたかの様な血塗れのダガー。
35 :
◆XtcNe7Sqt5l9 :2015/07/15(水) 10:14:49.30 ID:9XTpaLhVo
盗賊「……これが、お前の武器だったのか?」
智将の手からそれを取り、盗賊は”鑑定”を行う。
盗賊は鍛冶屋の真似事が出来た。本職に遠く及ばずとも、武器の性能する程の審美眼は持ち合わせていた。
盗賊「耐久性は、皆無だな。一度刺したらぶっ壊れそうだ」
だがその刃は禍々しく、威力は尋常ではなさそうに思える。
少なくとも、盗賊の所持する愛用のダガーよりは圧倒的に。
僧侶「盗賊? 置いていきますよー」
盗賊「あ、あぁ……悪い、直ぐ行く」
盗賊は真紅のダガーを懐に、勇者たちの後を追うーーー戦利品として、貰っておこうじゃないか。
一行は更に魔王城への旅を続ける。あれ以来、智将以上の手強い敵は現れなかった。
盗賊が不安に思っていた、手を汚し続けていた件についても僧侶は智将の口からの言葉は聞いていなかったらしい。
唯一、勇者と魔法使いだけがそれを知っている。それでいい、それで良かった。
あの村に帰った後、僧侶が村人だったモノの前で涙を流していたのを見て、再確認できた。
魔王信仰者と言えどもーー彼女にとっては、人間なのだ。
36 :
◆XtcNe7Sqt5l9 :2015/07/15(水) 10:16:37.97 ID:9XTpaLhVo
(つ∀-)
37 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/07/15(水) 10:23:35.12 ID:pu2Oalh6O
乙
38 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/07/15(水) 12:25:59.70 ID:r8VxjG7Ro
おやすみ乙
39 :
◆XtcNe7Sqt5l9 :2015/07/16(木) 00:29:16.25 ID:ZdmxBY5ao
崩壊はある日、突然やってくるのだと知らしめされる。
あの村での出来事以来、何時も以上に敏感に盗賊は自分たちに牙を剥く人間を狩っていた。
その甲斐もあってか、一行は”人間”の妨害は少なく、魔王城の手前まで来る事が出来た。
魔王城の近くとはいえ、人間の集落は確かに存在する。
だがしかし、そこは魔王信仰者の巣窟でもある。故に彼らは身分を隠し、行商人と偽り停泊していた。
そして勇者の存在に勘が良く、気づいた魔王信仰者を……盗賊は今日も狩っていたのだった。
魔法使い「おかえり」
盗賊「なんで起きてるんだよ」
魔法使い「私達の為に働いてる、盗賊さんの為じゃない」
盗賊「……そうかい、じゃあもう寝るんだな」
素っ気なく言い捨てて、男部屋へと足を運ぶがーー袖を、魔法使いに握られる。
40 :
◆XtcNe7Sqt5l9 :2015/07/16(木) 00:29:49.84 ID:ZdmxBY5ao
魔法使い「駄目。今は……駄目だよ」
盗賊「……なに?」
魔法使い「ね……駄目、なんだよ」
様子がおかしいと盗賊は目を細める。魔法使いは少し悲しげに、笑顔を浮かべていたが。
微かに耳に声が届いたーーこれは、女の嬌声か。
「………ぅぁ、ゆっ、しゃ様っ! だめ、だめです……っ!」
「そん、な……はげし、あん! やぁ、奥はーーーんぅ!」
盗賊「………魔法使い、ちょっと風に当たりに行くか」
魔法使い「そうだね。うん、賛成だよ」
扉の奥、肉と肉が交わる水音が耳に纏わりつくーーー不愉快だな、と盗賊は奥歯を噛む。
魔法使いの手を引いて、急く様にその場を後にする。