2chまとめサイトモバイル
ショートストーリー
Part1

魔王「創る魔物が全部女の子になってしまう」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1429267467/

1 :1 ◆U3IejVpYkU :2015/04/17(金) 19:44:27.83 ID:LKf0oi4a0
ハーピー「魔王様〜!」
魔王「ぐぬぬ」
ハーピー「…?(きょとん」
魔王「(…古代の魔物錬成術を試してみたはいいのだがことごとく女の姿に)…うーむ」
ハーピー「??」
側近「今日もダメだったようですね…」
魔王「ああ。5年間で10587体創って10585体女性型」
魔王「術が記されていた魔導書には『錬成に用いた材料などによって性別が変化することがあります』とあったのにも関わらず何を使っても女性型になってしまう」
魔王「材料に雄の生物を使っても」
ワーウルフ「わぅ?」
魔王「性別もへったくれもない植物や無機物を用いても」
アルラウネ「よんだ…?」
ゴーレム「…(ぼー」
魔王「複数の材料を用いても」
キマイラ「にゃ?」「んめ?」「しぇ?」
魔王「側近、お前と火の四天王以外すべて女性型になってしまった」
魔王「それどころか」
魔王「術など使わなくとも自然発生するスライムでさえも!」
スライム「…ほへ?」
魔王「女の姿を取る!!」
側近「…うーむ、5年の間に思いついたありとあらゆる試行錯誤をやってみましたが結局変わらず」
魔王「2500体ほど創ってあとは自然に増えるのを待つつもりがこれでは増えるわけがない」
スライム「わたしふえるよー?」プニョン
スライム1&2「ほらね」
魔王「お前はそれでいいが他の者はそうは行かぬのだよ」
魔王「仕方ないから必要なだけ自分で増やすとしよう」
魔王「幸い我の魔力はほぼ無尽蔵だからな」
竜「魔王様、お食事の用意ができました」
魔王「ああ。少し待ってくれ」
魔王「ふむ、うまい」
ミノタウロス「自慢のビーフステーキです♪」
魔王「そ、そうか…(お前も牛のはずなんだがな…)」
ミノタウロス「火が通っていなかったのです?」
魔王「いいや違う、完璧だ」
ミノタウロス「ありがとうございます♪」
竜「寝室の用意ができました」
魔王「うむ、下がれ」
魔王「(彼女たちは皆料理などは非常にできるのだが…)」
ケンタウロス「えい!」
ガーゴイル「とりゃ!」
アラクネ「はっ!」
魔王「ほう、朝から修行か、良い心構えだ」
アラクネ「ええ、魔王様を守るのが私達の使命なので」
魔王「そうか。たまには我直々に稽古をつけてやろう」
ケ&ガ&ア「ありがとうございます!!」
魔王「ふんっ!(と言ったはいいが)」ズガーン
ケ&ガ&ア「」死ーん
魔王「はぁ…」ザオリク×3
ケンタウロス「くっ…」
ガーゴイル「うぅ」
アラクネ「あらら」
魔王「実践訓練は基礎体力をつけてからにせよ」
ケ&ガ&ア「はっ!」
魔王「(この通り戦闘はからっきしなのである。一部の例外を除き)」
側近「兵の様子はどうでしたか?」
魔王「」
側近「絶句するほど弱い…と」
魔王「うむ…」
側近「人間の国に侵攻するのは辞めたほうがいいのでは?」
魔王「今のところそのつもりだ。がすでに人間や物資をそれなりに奪っている以上向こうから我を倒さんとする者は来るであろう」
側近「しかもその中に人間の王1の娘も混じっていたから尚更」
魔王「あれは意図的に攫ったのだが」
側近「そうでしたっけ?まあいいです」
魔王「まあどちらにせよ武力がほぼ皆無なのは問題であろう」
側近「それは確かに。しかし現状ではいかに強力な魔物を創ろうとしても出来上がるのはほぼ力のない魔物ばかり」
魔王「皆戦闘以外の物事はよく出来るのだがな…」

2 :1 ◆U3IejVpYkU :2015/04/17(金) 19:46:39.04 ID:LKf0oi4a0
人間の城1…
王1「近頃魔物たちが行商などを襲撃しており相当の被害を受けておる。そしてその魔物はすべて魔王と呼ばれる存在が人間を生贄にして生み出したものだという。」
王1「さらに奴はわしの娘をも攫っていった。勇者よ、魔王を倒してまいれ!」
勇者「はっ!」
魔王城…
魔王「人間を使って創ったのは5体だけなんだがな…」
側近「それはさておきとうとう勇者が来ますね」
魔王「そうだな。あまり強くはなさそうだからとりあえずスライムたちに向かわせよう」
魔王「あの勇者だ。今後どうするかのために念のため観察しておこう」
城1付近の草原…
勇者「どこに魔物がいるんだ?」
スライム「(ゆーしゃみつけた)」ガサッ
勇者「魔物っ!」
スライム「ゆーしゃかくごー!」
勇者「半透明の女の子!?」
スライム「うりゃ!」ドカッ
会心の一撃!勇者にダメージはほぼない!
勇者「よわっ!?(俺Lv1だぜ?)」
勇者「とぉ!!」ペチッ
スライムにそれなりのダメージ!
スライム「あぅ」デローン
スライムをやっつけた!!
勇者「初戦闘は勝った…がいくらなんでも弱すぎないか?」
魔王城…
側近「案の定の惨敗でしたね」
魔王「うむ」
スライム「うきゅー…」デローン
魔王「ふんっ」ベホマッ
スライム「まおーさまごめんなさい…」
魔王「大丈夫だ、問題ない。下がれ」
スライム「うぅ」
側近「進撃どころか勇者の妨害すら危ういというこの現状」
側近「しかし勇者を止めねば姫が危ない。無論魔王様も」
魔王「我と姫の優先順位が逆ではないか?」
側近「実際そうでしょう」
魔王「確かにな。では水の四天王を勇者のところに向かわせろ。我は引き続き研究を続ける」
側近「魔王様」
魔王「どうした?」
側近「勇者の元に水さんを向かわせるのは少々まずいかと」
魔王「そうかもしれぬな、では土の四天王を向かわせろ」
魔王「承知しました」
魔王「男性型の魔物を確実に創る方法の見当はある程度付いている。が実際に実行するにはリスクが大きすぎるのだ」
側近「もしかして…」
魔王「聞いていたのか側近。ああ、そのもしかして、だ」
側近「しかしあの材料だとどうしても問題が」
魔王「そう。だから問題なのだ」

5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/04/17(金) 20:07:08.24 ID:ItGLn0HAO
俺は好きだぜ
支援

8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/04/17(金) 21:15:13.62 ID:C7emN83I0
期待

9 :1 ◆U3IejVpYkU :2015/04/17(金) 21:15:22.31 ID:LKf0oi4a0
人間の城2…
王2「近頃近くの森に見知らぬ女がうろついているとの情報があった」
王2「しかしそこには人は住んでおらず行くものも限られている」
王2「この謎の女を見つけてくれ」
勇者「はっ!」
森…
勇者「森に謎の女ねぇ…まあ魔物だろうな」
コボルト「あ、勇者だ!四天王様に言わなきゃ!」
勇者「魔物っ!?まてぇえええ!!」

10 :1 ◆U3IejVpYkU :2015/04/17(金) 21:15:49.79 ID:LKf0oi4a0
森の奥…
勇者「ぜぇ、はぁ、案外、はやい…」
コボルト「四天王様ー!」
??「お疲れ様、コボルト。お城に帰ってなさい」
コボルト「はーい」
??「あら勇者お久しぶり、いやはじめましてかしら?」
勇者「誰だお前は!!」
土の四天王「私は土の四天王。あなたには魔王討伐を諦めてもらうわ」
勇者「それはできない!だって魔王は…」
土「姉の敵、かしら?」
勇者「そうだ!姉さんは5年前に魔王の手で…!!」
土「安心しなさい、あの子は生きているわ。そしていずれ出会うはずよ」
勇者「そんなこと言われて信じると思うか!」
土「信じるも信じないも貴方の勝手」
勇者「ふざけるな!!」ブンッ
土の四天王はひらりと身をかわした!
土「ちょっと落ち着きなさい」ドカッ
勇者に結構なダメージ!
勇者「うがっ!」
土「魔王は貴方を待っているわ…じゃあまた会いましょう」
勇者「ま…て…!!」
勇者はちからつきた!

11 :1 ◆U3IejVpYkU :2015/04/17(金) 21:16:55.15 ID:LKf0oi4a0
城2…
王2「…起きろ勇者!!」
勇者「…ここは城?俺は森にいたはずなのに…」
王2「土の四天王を名乗る女が瀕死のお主を抱えてこの城に来たのだ」
勇者「なんだと…」
王2「そしてそやつは『まだ勇者にはあの子、そして魔王に会う資格はない』と言い残し去っていった」
勇者「くそ…っ!」

12 :1 ◆U3IejVpYkU :2015/04/17(金) 21:17:21.56 ID:LKf0oi4a0
魔王城…
魔王「おお、土の四天王ではないか、よく戻ってきた」
土「勇者はまだまだ脅威にはならないわね」
魔王「それは良かった」
土「けど魔王?」
魔王「なんだ?」
土「あの勇者ってまさか…」
魔王「そのまさかだ」
土「だから『勇者を倒せ』じゃなくて『勇者を止めろ』なのよね?」
魔王「ああ」
土「まあいいわ。いずれ勇者がすべてを知った時の反応が楽しみね」
魔王「同感だ」

14 :1 ◆U3IejVpYkU :2015/04/17(金) 22:07:29.51 ID:LKf0oi4a0
城2…
王2「…して勇者よ、森の女は土の四天王とその配下、ということでよいな?」
勇者「はい。おそらく俺を待ちぶせしていたのかと」
王2「協力感謝する。これは礼だ。装備でも整えてゆけ」
勇者「ありがとうございます」
王2「どうした、不満でもあるのか?」
勇者「い、いえ」
王2「ならよい。下がれ」
勇者「はっ!」

15 :1 ◆U3IejVpYkU :2015/04/17(金) 22:08:07.08 ID:LKf0oi4a0
城下町2 宿屋…
勇者「土の四天王のあの発言…」
土「安心しなさい、あの子は生きているわ。そしていずれ出会うはずよ」
勇者「どういうことなんだ…あっ!」

16 :1 ◆U3IejVpYkU :2015/04/17(金) 22:08:32.39 ID:LKf0oi4a0
魔王城…
魔王「ようやく勇者が土の四天王の正体に気がついてきたようだな」
側近「しかしまだ彼は弱すぎます」
魔王「だからそれなりに遠回りさせるつもりだ。風の四天王を人間の国3付近に向かわせろ」
側近「承知しました」

18 :1 ◆U3IejVpYkU :2015/04/17(金) 22:56:59.71 ID:LKf0oi4a0
城2付近の草原…
勇者「うーむ、謎を知るためには土の四天王を見つけるのが最優先だ」
勇者「だけどどこにいるのだろう…」
??「勇者、聞こえてるかしら?」
勇者「空から声!?」
風の四天王「私は風の四天王。人間の国3の近くの塔で待っているわ」
勇者「塔だな!今から行くぞ、風の四天王!」

19 :1 ◆U3IejVpYkU :2015/04/17(金) 22:57:41.54 ID:LKf0oi4a0
城下町3…
勇者「せっかくだからここで装備を整えていこうかな」
武器屋「へいらっしゃ〜い!!」
勇者「(女の武器屋とは珍しいな…ってえええ!?)」
武器屋「どうしたんだい突然固まって」
勇者「その蛇の尾…お前魔物か!」ジャキン
武器屋(ラミア)「そうだけど何さ」
勇者「なぜ魔物が町中にいる!」
武器屋「だって武器屋だもん」
勇者「は?」
通行人A「魔物が商売してて驚くなんて、おまえよそものか?」
通行人B「その蛇の嬢ちゃんいい仕事するぜ?」
勇者「へ?」
通行人1「よそものなら仕方ねぇな、ちょっと来い、説明してやる」
勇者「あーれぇーー」
武器屋「後で買いに来てね〜!」
城下町3、酒場…
勇者「…ふむ、つまりここ数年魔物が魔王の元から抜けだして町に定住するようになった、と」
通行人B「そうそうそういうこと」
マスター(ケンタウロス)「へいビール2丁とオレンジジュースおまち!」
勇者「けど魔王はなぜ魔物の脱走を止めなかったのだろう?」
マスター「魔王様は去るものは追わないし来るものも拒まないよ」
勇者「そ、そうなのか。そういえば今『魔王様』といったってことは魔王に対して忠誠心がないわけではないんだな」
マスター「ま、私を創ってくれたのは魔王様だしね」
勇者「じゃあなんで魔王の元を離れたんだ?」
マスター「新しい世界を見たかったのさ。魔王様にそう言ったらあっさり出してくれたよ」
勇者「ふむふむ、面白い話を聞かせてくれて有難う。お題はここに置いていく」
マスター「またいらっしゃいね!」
勇者「魔物ってのはなんなのだろうな…」
勇者「そして魔王ってどんなやつなんだろうな…」
勇者「その答えは本人に聞くしかなさそうだな」