勇者「コミュ障すぎて満足に村人と話すことすらできない」
|
Part24
964 :
はい◆N80NZAMxZY :2014/12/08(月)21:42:44 ID:
PHB
戦士「しかし、キミにしてはずいぶん無茶なことをしたね」
勇者「一人、なのか?」
戦士「いや。ボロボロな勇者のために、素敵な癒し手を連れてきたよ」
「勇者様! 構えてくださいまし」
勇者「え?」
女騎士「油断するな。私たちは魔物に囲まれてるんだぞ」
勇者「う、うん」
勇者(俺に襲いかかろうとした魔物を、女騎士はあっさりと切り伏せた)
僧侶「相変わらず勇者様は気が抜けてますね……いい意味で」
勇者「僧侶……無事だったんだな」
僧侶「おかげさまで」
戦士「さて。再会の喜びを噛みしめる前に、まずはコイツらをけちらすとしようか」
女騎士「言われるまでもない」
965 :
名無しさん@おーぷん :2014/12/08(月)21:44:30 ID:
PHB
◆
戦士「思いのほか、あっさりと終わったね」
女騎士「しょせんは時間稼ぎのための捨て駒だったのだろう」
勇者(さすが。頼もしいな、この二人がそろうと)
僧侶「勇者様、座ってください。街に戻る前に応急処置しますので」
勇者「あ、はい」
戦士「しかし、勇者は本当にボロボロだね。無茶なことをしたもんだよ」
僧侶「その無茶のおかげで、こうして合流できたわけですけど」
女騎士「……どういうことだ?」
戦士「勇者がリスクを冒した目的は、敵をおびき寄せることだけじゃなかったんだよ」
戦士「教会に自分の居場所を伝えてボクらと合流する。これも目的の一つだった」
女騎士「勇者からは、そんなことは聞いていないが」
戦士「へえ、今回の作戦は勇者から持ちかけたんだ。意外だね」
勇者(なぜか目を丸くする戦士であった)
966 :
名無しさん@おーぷん :2014/12/08(月)21:46:41 ID:
PHB
女騎士「それより。二人は今までどこに潜伏していたんだ?」
戦士「僧侶ちゃんは『柔らかい街』で、ボクはとある港町」
戦士「実はボクと僧侶ちゃんが合流したのは、本当についさっきのことなんだ」
女騎士「勇者から話は聞いたが、どうして三人はバラバラの場所に?」
戦士「ボクの予想だけど。魔法使いの転移の術は、まだ不安定なんだと思う」
戦士「だから、今まで生成した魔方陣にバラバラに飛ばしてしまったんじゃないかな」
僧侶「おそらく様々な場所で、魔法使い様は空間転移の術を練習していたのでしょう」
勇者(そう。魔法使いがいなければ、俺たちの再開はありえなかった)
僧侶「あとの話は、街に戻ってからにしましょう。勇者様の回復もまだですし」
戦士「そうだね。だけどさあ、勇者」
勇者「?」
967 :
名無しさん@おーぷん :2014/12/08(月)21:47:51 ID:
PHB
戦士「生きるか死ぬかの崖っぷちからの再会だよ?」
戦士「もっとさ、喜んでくれてもいいと思うんだけど?」
勇者「あ、いや……その、うまく言えないけど。俺もよかった、って思ってる」
勇者「二人とも生きててくれて、本当に」
僧侶「戦士様。意地悪はそこらへんにしておいては?」
戦士「それもそうだね」
勇者「意地悪?」
僧侶「勇者様が心の底から、私たちの無事を喜んでくれてるのはわかっています」
勇者「そう、なの?」
戦士「キミはすぐに顔に出るからね、考えてることが」
戦士「真面目な話。生きて再会できたのは、本当によかった」
女騎士「……」
戦士「あっ、騎士。キミと再会できたのも、うん、喜ばしいことだ」
女騎士「お前、完全に私のことを忘れていただろ」
968 :
名無しさん@おーぷん :2014/12/08(月)21:51:22 ID:
PHB
戦士「だけど。ボクらのパーティーで、魔法使いだけがここにいない」
勇者「……」
戦士「そう、あのとき。ボクが彼女をまもらなきゃいけなかったんだ」
戦士「……もしかしたら、魔法使いは魔物たちに捕らわれたのかもしれない」
戦士「だが、そうだとしても。彼女は必ず取り戻す、絶対に」
勇者(そういえば、前に魔法使いから聞いたな。戦士が今回の旅に参加した理由)
勇者(名門貴族の生まれながら、九人兄弟の末っ子の戦士)
勇者(昔から周囲に相手にされなかったから、幼い頃に家を出て、ギルドに加入した)
勇者(周りに認めてもらうため。今回の旅も、自分の名をあげるため)
勇者「……そうだな。四人そろわなきゃ、勇者パーティーじゃないもんな」
戦士「そういうことっ」
僧侶「……あの、今思い出したのですけど」
勇者(めずらしく、僧侶が気まずそうに視線を泳がせた)
僧侶「魔法使い様は無事です」
969 :
名無しさん@おーぷん :2014/12/08(月)21:54:27 ID:
PHB
◆
戦士「魔法使いは転移の術を使った。で、うっかり王都に飛んじゃった、と」
僧侶「はい。あくまで聞いた話ですが」
戦士「聞いた話って、誰に?」
僧侶「それは私ではなく、実際にその人から聞いたほうがよろしいかと」
戦士「その人は教会にいるってことか。にしても、見張りが多いね」
勇者(たしかに。俺が街を出たときには見張りなんて、いなかったのに)
僧侶「その人に会えば、この人数の理由もわかるでしょう」
勇者(僧侶について行く形で教会に入り、関係者室へ続く隠し通路に立ち入る)
戦士「魔法使いの事情を知ってる人は、この部屋の中ってことだね」
僧侶「ええ。たいへん偉い方なので、くれぐれも失礼のないように」
戦士「そこらへんは大丈夫だよ。じゃ、失礼しまーす」
姫「あっ」
戦士「わーお」
勇者(姫様を見た戦士は、口を開けた状態で固まってしまった)
970 :
名無しさん@おーぷん :2014/12/08(月)21:57:17 ID:
PHB
◆
戦士「いやあ、もう、うん。今この場で死んでもいいかもしれない」
姫「それはちょっと」
戦士「勇者。キミが急に憎らしく思えてきたよ。ていうか、羨ましいよ」
戦士「キミは姫様の美しさを、何度もその目に焼きつけてるんだろ?」
勇者「……いや、今はそんな話をしてる場合じゃないから」
勇者(姫様は魔法使いによって、『柔らかい街』に飛ばされた)
勇者(運がよかったのは、宿で僧侶と出会えたこと)
勇者(あの街では軍がいなかった上に、僧侶の傷のこともあって、しばらくは身を潜ませていたらしい)
女騎士「姫殿下。この阿呆には構わず、話を続けてくださいませ」
戦士「キミが女で残念だ。勇者とでは、この喜びを分かちあえないし」
女騎士「……黙らぬのなら、その舌、切り落としてやろうか」
姫「あの、話を続けてもいいかしら?」
戦士「どうぞどうぞ。全力で傾聴させていただきます」
姫「あ、ありがとう」
971 :
名無しさん@おーぷん :2014/12/08(月)22:01:28 ID:
PHB
姫「私の能力で、なんとか魔法使いと会話をすることができたの」
勇者(姫様の能力。はなれた人間とも、心で会話をする能力か)
姫「それで、彼女が王都にいることは判明した」
姫「すでに王都を出て、魔法使いはこちらに向かっているわ」
戦士「そうか、魔法使いも無事か……よかった」
女騎士「だが。まだ全員、傷は癒えていない。それに、魔王城の手がかりもない」
僧侶「傷に関しては、私の術で、ある程度の回復は可能です」
戦士「だけど、大丈夫なの? 僧侶ちゃんの魔力も、かなり消費してるでしょ?」
僧侶「ええ。ですが、多少は薬で誤魔化せるでしょう」
女騎士「癒し手を寄こすよう、教会に伝えたのではなかったか?」
勇者「……あっ、完全に忘れてた」
戦士「癒し手か。美人なお姉さんだと嬉しいね」
『マジっすかあ。そういう要望はちょっとねえ』
戦士「……気のせいかな。この暑苦しい声に、聞き覚えがあるんだよね」
魔物使い「美女だと思ったんすか? 残念、魔物使いでしたー!」
972 :
名無しさん@おーぷん :2014/12/08(月)22:03:41 ID:
PHB
戦士「……」
女騎士「……」
僧侶「……」
勇者(扉から入ってきた魔物使いを見る目は、非常に冷たかった)
魔物使い「あれ? なんか反応が変っすね。待望のオレの登場っすよ?」
戦士「ああ、うん。はるばる来てくれてありがとう」
魔物使い「やっぱ戦士さんは、オレの味方っすね」
戦士「よし、帰っていいよ」
魔物使い「ひでえ! オレの扱いひどいっすよ!?」
戦士「ジョークだよ」
魔物使い「いやあ、それにしても。本物の姫様に会えるなんてもう感激っす!」
姫「は、はあ」
魔物使い「ご尊顔を拝し奉り、もう恐懼の極みっすよ!」
魔物使い「オレごときの卑しい一介の下僕からしたら、汗顔の至りって感じっす!」
973 :
名無しさん@おーぷん :2014/12/08(月)22:05:23 ID:
PHB
女騎士「相変わらず、暑苦しい男だ」
魔物使い「そういう騎士さんは、なんか前より顔がコワイっすよ?」
女騎士「……姫殿下の前でなければ、貴様を殴りたおしてるところだ」
戦士「まあまあ。とりあえず、ボクらは魔物使いに回復してもらおう」
魔物使い「勇者さんの診断書は目を通してるんで。治癒はここでやっちゃうっす」
勇者「ああ。たのーー」
僧侶「いいえ。あなたにやってもらう必要はありません」
勇者(魔物使いの行く手を阻むように、僧侶は俺の前に立った)
魔物使い「な、なんすか急に?」
僧侶「信用できません。あなたは敵ですから」
戦士「……まさか」
僧侶「スパイはあなただった。そうでしょうーー魔物使い様」
魔物使い「……」
974 :
名無しさん@おーぷん :2014/12/08(月)22:17:29 ID:
PHB
女騎士「この男が、スパイ……?」
勇者「だ、だけど。なんで魔物使いが?」
魔物使い「……あーあ、どうも誤魔化せる雰囲気じゃないっすね」
勇者「じゃあ、お前は本当に……」
魔物使い「そうっす。魔族に情報を流してたのはオレっすよ」
戦士「魔物使いは、『魔物の使い』だったってわけね。だけど、どうして魔物に?」
魔物使い「質問に答えてもいいんすけど。先にこっちの質問に答えてくれません?」
魔物使い「どうしてオレがスパイだってわかったんすか?」
女騎士「貴様、自分の立場が理解できていないようだな」
戦士「騎士、待て。正直、ボクも個人的に気になるんだよね、それ」
魔物使い「オレ、ほとんどボロは出さなかったはずなんすよね」
僧侶「たしかに。あなたはほとんどミスをしていない。でも、魔物はどうでしょう?」
魔物使い「……ひょっとして、あのローブの男っすか?」
僧侶「ええ、正解です」
975 :
名無しさん@おーぷん :2014/12/08(月)22:19:47 ID:OIA
なんと・・・
976 :
名無しさん@おーぷん :2014/12/08(月)22:21:15 ID:qGX
あのキャラでスパイとか、、
978 :
名無しさん@おーぷん :2014/12/08(月)22:25:16 ID:
PHB
僧侶「勇者様は覚えていますか? あのローブの占い師の発言」
勇者「占い師の? たしかーー」
?『宿の場所は、わざわざ言う必要はありませんね』
?『それより。あなた方が落ち合うことになってる場所、こちらのほうが重要でしょうか?』
勇者「……そうだ。どうしてか、あのローブは知ってたんだ。俺たちの合流地点を」
僧侶「はい。あのとき、その合流場所を知っていたのは、私たち四人」
僧侶「女騎士様と魔物使い様。……この場合、宿の経営者である二人は除外していいでしょう」
魔物使い「……それで?」
僧侶「ローブに情報を流せるのは、当然、この六人の中の誰かです」
僧侶「ですが、合流場所を決めたあとは、二手に別れた。だから、単独行動をした人はいない」
戦士「……そうか、そういうことか」
僧侶「そう、一人だけいたのです。途中、単独で行動した人間が」
僧侶「その人こそが、あのローブに私たちの合流場所を伝えた」
979 :
名無しさん@おーぷん :2014/12/08(月)22:27:34 ID:
PHB
勇者(魔物使いとの会話は、今でも思い出せる)
勇者(戦士と女騎士に役立たずと言われて、宿に隠しておいたゴーレムを連れてきた)
勇者(つまり。魔物使いは俺と会うまでに、一人で行動した時間があったってことだ)
戦士「蓋を開けてみれば、至極単純な答えだったね」
魔物使い「……まったく。あの魔族、余計なことを」
僧侶「もっとも。あなた自身にも、失言はありました」
魔物使い「失言? このオレが?」
僧侶「はじめての顔合わせのときです。あなたはこう言ったはずです」
僧侶「『緑の街から行き先までわざわざ変えてもらってるのに。申し訳ねえ』と」
魔物使い「言ったかなあ、そういえば」
戦士「……そうだよ、言ってたよ。教会にしか行き先は伝えてなかったのに」
戦士「キミは教会本部に配属されてたね。気づくべきだったよ」
戦士「ボクらに会う前から、キミは教会から情報を引き出して、魔物側に流してたんだね」
980 :
名無しさん@おーぷん :2014/12/08(月)22:34:35 ID:
PHB
魔物使い「……あーあ。出しゃばるんじゃなかったなあ」
僧侶「ちなみに。この推理は私ではなく、姫様によるものです」
姫「魔法使いから話を聞いて、偶然気づいたの」
戦士「容姿端麗、そのうえ頭脳明晰だなんて。さすが姫様」
女騎士「で? 貴様の疑問は、これで解けたか?」
魔物使い「おかげでね。しかし、謎って解けるとつまんないっすね」
魔物使い「特に今回みたいに、陳腐な解答だと余計に」
女騎士「話はここまでだ。裏切り者を、いつまでも殿下の前に置いておくわけにはいかん」
戦士「まっ、それもそうだ。まずは身柄を押さえてーー」
魔物使い「ヤダなあ。まだオレが答えってないっすよ? 勇者さんの質問に」
勇者(不意に地面が光る。地面、じゃない。これは魔方陣!)
戦士「これは、空間系の魔術……!」
僧侶「からだが……動かない……」
魔物使い「やっぱり。体調は万全じゃないみたいっすね」
魔物使い「不意打ちとはいえ、こんなあっさり術にハマるなんて」
981 :
名無しさん@おーぷん :2014/12/08(月)22:38:25 ID:
PHB
姫「いったいなに……!?」
魔物使い「空間系魔術。魔方陣で空間を切り取り、切り取った空間に獲物を閉じこめる」
戦士「空間系魔術……キミも使えたのか?」
魔物使い「当たり前っすよ。『柔らかい街』のこと、思い出してくださいよ」
魔物使い「あの大量の魔物、誰が運んできたと思ってるんすか?」
戦士「じゃあ、キミがあの魔物を?」
魔物使い「戦士さんも、知ってるじゃないっすか? オレがエリートだってこと」
女騎士「エリートだろうが、なんだろうが関係ない」
魔物使い「あーあ、一人だけ捕まえられなかったか」
女騎士「勇者たちとちがって、私は体力があり余ってるからな」
魔物使い「コワイコワイ。物騒な人だ」
女騎士「覚悟ーー!」
魔物使い「ムダっすよ」
勇者(今度は天井が光った。この光は……)
982 :
名無しさん@おーぷん :2014/12/08(月)22:42:50 ID:
PHB
ゴーレム「……」
女騎士「コイツら……!」
魔物使い「こっちに来る前に上の階で準備しておいたんすよ」
魔物使い「転移の術の魔法陣は、時間がかかるんでね」
勇者(ゴーレムが三体。人工生命体とかって言ってたな)
勇者「騎士、ゴーレムは強い。気をつけろ」
女騎士「……まさか、貴様が私を心配するとはな」
魔物使い「さあ、騎士さん。このゴーレム相手にどうやって戦うんすか?」
女騎士「決まってる。正々堂々、容赦なく叩きつぶす」
騎士が跳んだ。一瞬で距離を詰めた騎士を相手に、ゴーレムは拳を振り抜く。
だが、騎士の足払いのほうが早かった。
土の魔物の体勢が崩れ、その隙にみぞおち目がけて膝を叩きこむ。
女騎士「チッ、かたいっ!」
勇者(なんであの姿を見て、膝蹴りをかますんだ?)
983 :
名無しさん@おーぷん :2014/12/08(月)22:44:38 ID:
PHB
もう一体のゴーレムが、騎士の背後から拳を振り下ろす。
だが、騎士はからだを横に流して、なんなく敵の攻撃をかわした。
魔物使い「素早いな。なら、これで」
挟みこむように、ゴーレムが騎士へと襲いかかる。
勢いよく飛んできた土の腕を、とっさに跳躍してやりすごす。
魔物使い「もらった」
狭い空間であることが災いした。
三体目のゴーレムが騎士に合わせて、同じように飛び上がっていた。
女騎士「なめるなよ、魔物」
いつのまにか振り抜いていた剣を、壁に突き刺す。
そのまま剣の柄をつかんだ騎士は、上半身を捻ると同時に魔物の顔面に蹴りを入れる。
戦士「うまい!」
空中でまともに蹴りを食らったゴーレムが、背中から床に落ちる。
984 :
名無しさん@おーぷん :2014/12/08(月)22:48:49 ID:
PHB
騎士は片手で剣にぶら下がったまま、もう一本の剣を抜き、ゴーレム目がけて投擲する。
しかし、剣がゴーレムに直撃することはなかった。
騎士は構わず、地面に着地。たおれたゴーレムに向かって躍りかかる。
魔物使い「ゴーレム!」
主の声が合図になったのだろうか。土の魔物が跳ね起きる。
騎士が三本目の剣を振りかぶる。その姿を確認して、危険と判断したのだろう。
ゴーレムは、騎士から離れるように飛び退くーー
ゴーレム「?」
勇者(ゴーレムの動きが止まった。なんで……いや、そうか)
ゴーレムの背中を抑えつけたのは、騎士が放った長剣。
生まれた隙はあまりにも短いものだった。それで十分だった。
魔力を帯びた剣が、ゴーレムの肉体を容赦なく引き裂く。
女騎士「まずは一体」
985 :
名無しさん@おーぷん :2014/12/08(月)22:52:15 ID:geS
勇者より普通に強くねえか>女騎士
986 :
名無しさん@おーぷん :2014/12/08(月)22:54:03 ID:
PHB
再び騎士の背後から、ゴーレムの腕が伸びてくる。
女騎士「あまい」
身を低くして、ゴーレムの腕を避けたときには、彼女は剣を手放していた。
魔物の腕に、自身の空いたそれを絡ませる。
そのままゴーレムの勢いを利用して、眼前のもう一体へと投げ飛ばした。
あとはあっさりとしたものだった。
重なって倒れた二体のゴーレムに、騎士は一切の躊躇もなく自身の剣を叩きつけた。
女騎士「まだやるか?」
魔物使い「……メチャクチャっすね、アンタ。ホントに騎士なんすか?」
女騎士「なにを今さら。貴様も私の戦い方は、見たことあるだろ」
魔物使い「コロシアムでね。でも、アンタはゴーレムを見ていない」
女騎士「なにが言いたい?」
魔物使い「アンタはゴーレムについて、なんも知らないってことっすよ」
ゴーレム「ーー」
女騎士「……ふんっ、そういうことか」
叩き割ったはずのゴーレムが、形を取り戻して立ち上がっていた。
987 :
名無しさん@おーぷん :2014/12/08(月)23:00:06 ID:OIA
女騎士つえぇーな!
しかし、相手はゴーレム
988 :
名無しさん@おーぷん :2014/12/08(月)23:04:22 ID:arr
騎士なのに膝蹴りしたり剣投げたりやりたい放題だなww