勇者「コミュ障すぎて満足に村人と話すことすらできない」
|
Part1
勇者「コミュ障すぎて満足に村人と話すことすらできない」
http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1409750001/
1 :
名無しさん@おーぷん :2014/09/03(水)22:13:21 ID:
qY3WErK7e
勇者「あの、そのぉ……」
村人「ん? もしかして俺に話しかけてんのか?」
勇者「ぁ、そうです。はい」
村人「見かけねえ顔だな。なんか俺に用でもあんの?」
勇者「……あるんです」
村人「はい?」
勇者「あの、だから……あるんですよ」
村人「なにが?」
勇者「えっと……聞きたい、こと、ですかね? あはは……」
2 :
名無しさん@おーぷん :2014/09/03(水)22:15:38 ID:Do1KQwdv1
冒険の旅も終わらなそう
3 :
名無しさん@おーぷん :2014/09/03(水)22:18:34 ID:
qY3WErK7e
村人「聞きたいことって? 具体的に言ってくれよ」
勇者「あっ! そ、その、わ、忘れちゃいました」
村人「は?」
勇者「……な、なに、聞こうとしたか」
村人「兄ちゃん。俺も暇じゃないんだわ、こう見えてもな」
勇者「……そう、ですよねえ」
村人「おう」
勇者「あ、あはは」
村人「笑ってんじゃねえよ」
勇者「……はい」
村人「次からは人に質問するときは、頭ん中でまとめてからにしな」
勇者(行っちゃった……)
4 :
名無しさん@おーぷん :2014/09/03(水)22:18:51 ID:qfCyWjaGl
うん
5 :
名無しさん@おーぷん :2014/09/03(水)22:20:24 ID:6VsNW4CZQ
コミュ障はパシりにつかわれるよな
そういう事だ
6 :
名無しさん@おーぷん :2014/09/03(水)22:23:56 ID:
qY3WErK7e
勇者「……クソが」
勇者(誰に向かって口聞いてると思ってんだ!)
勇者(なんなんだよ、あの中年小太りオヤジがっ!)
勇者(ムダに鼻油でテカテカのくせにっ!)
勇者(こっちがなけなしの勇気振り絞ってんのによおっ!)
勇者(もうすこし優しくしてくれてもいいだろうがっ!)
勇者(ていうか見知らぬ人間が困ってたら、助けようと思うだろ!)
勇者(それが人情ってもんだろうが!)
女の子「お兄さんジャマ。そこどいて」
勇者「ぁ、はい」
7 :
名無しさん@おーぷん :2014/09/03(水)22:27:21 ID:qfCyWjaGl
勇者ちゃうやん
勇者名乗るなよ
8 :
名無しさん@おーぷん :2014/09/03(水)22:28:44 ID:
qY3WErK7e
勇者(しかし、なぜ俺はこうも人との交流が下手なんだろうか)
勇者(理由がまったくわからない)
勇者(気づいたら、こうなっていた)
勇者(幼少のころから、勇者としてまじめに修行してきただけなのになあ)
勇者(たとえば、定食屋に行けばーー)
店員『おかわり自由だからね! いっぱい食べてね!」
勇者『……』
勇者(おかわりって言えない……)
10 :
名無しさん@おーぷん :2014/09/03(水)22:29:15 ID:qfCyWjaGl
わかるなぁ…
11 :
名無しさん@おーぷん :2014/09/03(水)22:33:51 ID:
qY3WErK7e
勇者(かわいいお姉さんとお酒飲める店行ってもーー)
お姉さん『お兄さんって、普段はなにしてる人なの?』
勇者『ぁ、そ、その……』
お姉さん『やだー緊張してるの? かわいーいー』
勇者『ち、ちがっ……そのぅ……』
お姉さん『で、お兄さんの職業は?』
勇者『ゅ…………ひっ……はあはあ……!』
お姉さん『ちょっとお兄さん!? しっかりして!』
勇者(緊張のあまり、過呼吸でぶっ倒れて教会に送られる始末)
13 :
名無しさん@おーぷん :2014/09/03(水)22:40:14 ID:
qY3WErK7e
勇者(道具屋で装備品を買おうとしたときもーー)
勇者『ちょっと裾が長いな……』
勇者『サイズを調整したほうがいいかも』
勇者『でも……』
店員『お客さん、これなんてどうです?』
客『いいね。おたくの店、なかなかの物を揃えてんね』
店員『でしょう? これなんかもどうです?』
客『おおっ!』
勇者『……』
勇者(結局サイズ直しもせずに出てきてしまうし)
14 :
名無しさん@おーぷん :2014/09/03(水)22:49:22 ID:
qY3WErK7e
勇者「旅ってつらいなあ」
魔法使い「なにブツブツ言ってんの?」
勇者「うわあぁ!?」
魔法使い「そんなに驚かなくてもいいじゃない」
勇者「きゅ、急に! は、話しかけないでくださいよ……」
魔法使い「はいはい。これからは気をつけるね」
勇者(コイツは魔法使い。国の推薦を受けるほどに優秀な術者)
勇者(魔王をたおす旅の俺のお供のひとり)
勇者(つい最近知り合った。もちろんいまだに打ち解けていない)
15 :
名無しさん@おーぷん :2014/09/03(水)22:50:10 ID:qfCyWjaGl
キャラ増えた
16 :
名無しさん@おーぷん :2014/09/03(水)22:51:47 ID:YJtOSJRbU
「はい」か「いいえ」だけ話せればいいって言ったじゃないですかー
17 :
名無しさん@おーぷん :2014/09/03(水)22:56:03 ID:
qY3WErK7e
魔法使い「そんなことより。きちんと情報収集してるの?」
勇者「……いちおう」
魔法使い「いちおうってなによ?」
勇者「ま、魔法使いさんも知ってますよね?」
勇者「ボクが、極度の人見知りだってこと」
魔法使い「もちろん知ってるよ」
勇者「じゃあ……」
魔法使い「でも勇者が言ったんだよ?」
魔法使い「手分けして情報収集しようって」
勇者(それはお前らとずっと一緒にいて、気が休まらないから言ったんだよ!)
18 :
名無しさん@おーぷん :2014/09/03(水)22:59:13 ID:qfCyWjaGl
なぜ仲間になった魔法使い
19 :
名無しさん@おーぷん :2014/09/03(水)23:04:00 ID:
qY3WErK7e
勇者(この旅というのは、たえず他人と行動せにゃならん)
勇者(おかげでたえず神経張ってなきゃ行けなくて疲れる)
勇者(ひとりの時間がないと、とてもやっていけない)
勇者(ていうかなんで俺って、ひとりで旅してないんだろ)
勇者(いや、そりゃあひとりで冒険なんて無理だけどさ)
勇者(……そもそもこれも魔王がすべて悪い)
勇者(そう。魔王が姫様をさらった。それがすべてのはじまりだった)
21 :
名無しさん@おーぷん :2014/09/03(水)23:15:52 ID:
qY3WErK7e
勇者(巧妙に姫のいる城に侵入した魔王と俺は対峙した)
勇者(実力は魔王のほうが上だった)
勇者(でも、こっちには仲間がたくさんいたから戦いを有利に進められた)
勇者(まあ最後にはスキをつかれ、逃げられたんだけど)
勇者(しかも姫様までさらわれた)
勇者(魔王との戦いでかなりの傷を負った俺)
勇者(だけど、まだこの時点ではマシだった)
勇者(問題は姫様がさらわれたあと)
勇者(よりによって俺が責任を追求された)
22 :
名無しさん@おーぷん :2014/09/03(水)23:18:15 ID:qfCyWjaGl
こみゅ障勇者なんだよなぁ…
23 :
名無しさん@おーぷん :2014/09/03(水)23:20:36 ID:
qY3WErK7e
姫がさらわれたあとの会議
えらい人A『ぶっちゃけ誰が悪いのよ?』
えらい人B『警備兵の采配は君がしてたんでしょ?』
えらい人C『え? 私が悪いの?』
えらい人D『じゃあほかに誰に非があるんだよ?』
えらい人E『まず姫の避難が遅かったのが問題じゃね?』
えらい人F『ていうか、勇者が魔王を追っ払ってばよかったんじゃね?』
勇者『……え?』
えらい人G『あーうん。そんな気がするわ』
勇者『ふぇ?』
24 :
名無しさん@おーぷん :2014/09/03(水)23:26:05 ID:
qY3WErK7e
えらい人H『あのさあ。勝てないんなら逃げろよ』
勇者『あ、いや、でも……』
えらい人I『なに? 反論があるならはっきり言いなさいよ』
勇者『あー、そのぉ……』
えらい人J『うん、悪いのは君だよ。責任はきちんととろうね』
勇者『そ、そんな……』
勇者(だいたいこんな感じの流れで、気づいたら全部俺のせいになってた)
勇者(こうして、ほか3人の仲間と旅に出ることになってしまった)
勇者(権力の前に、俺の人生をかけて鍛えた剣術は全く役に立たなかった)
25 :
名無しさん@おーぷん :2014/09/03(水)23:30:02 ID:qfCyWjaGl
反論出来ないよなぁ…
26 :
名無しさん@おーぷん :2014/09/03(水)23:38:06 ID:
qY3WErK7e
勇者「『はい』か『いいえ』だけで会話が成立すればいいのに」
魔法使い「そんなの無理に決まってるでしょ」
勇者「はい」
魔法使い「とりあえず、みんなと合流する?」
勇者「いいえ」
魔法使い「きちんと会話しなさい」
勇者「……すみません」
勇者(この寸胴ボディ女が! えらそうな口を!)
勇者(王様直々の指名だからって調子にのんなよっ!)
27 :
名無しさん@おーぷん :2014/09/03(水)23:46:20 ID:qfCyWjaGl
ストレス勇者
28 :
名無しさん@おーぷん :2014/09/03(水)23:51:48 ID:rEDWnZK9W
まんまこの勇者がお前らで泣ける
29 :
名無しさん@おーぷん :2014/09/03(水)23:54:11 ID:AMFtlGaDS
>>28心の中の声だけは勇ましいあたりとかなwww
30 :
名無しさん@おーぷん :2014/09/04(木)00:01:29 ID:
pdk2DUuBO
魔法使い「よし。じゃあ戦士と僧侶と合流しよっか」
勇者「……」
勇者(せめてもうすこしだけ、ひとりの時間がほしい)
勇者(だいたい戦士と僧侶はもっと苦手だし)
勇者「すみません、道具屋に行ってきます」
魔法使い「なんでよ!? ていうか待ちなさいよ!」
勇者「待ちませーん」
勇者(ひとりこそが俺にとっては幸せなのだ!)
勇者「フハハハハハハ」
32 :
名無しさん@おーぷん :2014/09/04(木)00:06:40 ID:
pdk2DUuBO
そして十分後
道具屋「いやあ、この道具とかどうですか?」
勇者「ぁ、いや……」
道具屋「遠慮しないでくださいよ。
なんなら、この店限定のとっておきをお出ししますよ?」
勇者「その……べつに、あの……」
勇者(最悪だ。道具屋につかまった)
道具屋「まあとにかく、一個ぐらいなにか買っていってくださいよ!」
勇者(仕方ない。てきとうに道具を買ってさっさとずらかろう)
33 :
名無しさん@おーぷん :2014/09/04(木)00:11:10 ID:
pdk2DUuBO
勇者(薬草でも買ってくか?)
勇者(しかし金銭的に、そんな余裕はないもんな)
勇者(余ったお金はこっそり貯金しておきたいしなあ)
勇者(俺の将来の夢のためにも)
道具屋「お客さん」
勇者「はい?」
道具屋「今アンタ、うちの商品盗んだろ?」
勇者「え?」
道具屋「はっきり見てたよ、悪いけどね」
勇者「な、ななな……な、なにを……!?」
34 :
名無しさん@おーぷん :2014/09/04(木)00:12:49 ID:bgu5fCBTF
もう…
35 :
名無しさん@おーぷん :2014/09/04(木)00:20:30 ID:
pdk2DUuBO
道具屋「好青年かと思ったら、まさかだったなあ」
勇者(盗んでねえよバーカ! どこに目ぇつけてんだ!?)
勇者(だいたい盗みたいとも思わんわ、こんなホコリ臭い店の商品なんて)
道具屋「あ? なんだその目は?」
勇者「あ、あなたの……か、勘違いかと……」
道具屋「勘違い? 俺の?」
勇者「はい」
道具屋「盗人猛々しいとはこのことか! はっきりと盗んだろうが!」
道具屋「ほら、これを見てみろ!」
勇者「!」
勇者(俺のポケットに、小型ナイフが!?)
36 :
名無しさん@おーぷん :2014/09/04(木)00:24:52 ID:
pdk2DUuBO
勇者「な、なにかの、まちがいです……たぶん」
道具屋「まちがい犯したヤツがなに言ってやがんだ!」
勇者「そ、そんなあ!」
道具屋「とりあえずこっちに来い!」
勇者(そして俺は見知らぬ道具屋に無実の罪で捕まった)
勇者(しかもなぜか地下牢に突っこまれちゃうっていうね)
37 :
名無しさん@おーぷん :2014/09/04(木)00:28:14 ID:bgu5fCBTF
よくある(地下牢)イベントか
38 :
名無しさん@おーぷん :2014/09/04(木)00:32:06 ID:
pdk2DUuBO
道具屋「ここで大人しくしてろ!」
勇者「はい」
勇者(冗談じゃねえ! なんで勇者である俺が捕まってんだよ!?)
勇者(あのオッサンをボコボコにして逃げるべきだったか?)
勇者(ていうか。どうして俺のポッケにナイフなんて入ってたんだ?)
勇者(あのクソ道具屋め、ハメやがったか?)
勇者「……」
勇者(いや、でもここって落ち着くなあ)
勇者(人々の喧騒から離れた、静寂に満ちたひんやりとした空間)
勇者(このままここで貝になりたい)
39 :
名無しさん@おーぷん :2014/09/04(木)00:33:00 ID:sNoqbaxWm
勇者「はい」
wwwwww
40 :
名無しさん@おーぷん :2014/09/04(木)00:38:00 ID:bgu5fCBTF
しっかりしろ勇者