姫「私が姫になった理由は勇者のことが好きだからだ!文句あるのか!?」
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Part8
133 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/01(日) 01:21:53.47 ID:
jsYv3LANo
騎士「……」
勇者「でも、何も絶対に嫁になれとはいいません。まずは候補ですから」
騎士「候補、ですか?」
勇者「俺の理想はイチャイチャラブラブウフフフな毎日を可愛い嫁と過ごすことですからね」
騎士「つまり、お友達からでいいのですか?」
勇者「はぁい。当然じゃないですか。俺たちは出会ったばかり、お互いのことを知ってからでないと結婚なんてできないでしょう」
騎士「でも……」
勇者「付き合ってみれば互いを好きになることもあるはず。わかりますね?」
騎士「……」
勇者「付き合ってみて俺のことを好きになれないというなら、それでいいです。別れましょう。でも、俺のことを好きになったなら」
騎士「結婚……ですか」
勇者「はい」
騎士「しかし……私は……」
勇者「お願いします。たったそれだけのことで貴方の国に真の平和が訪れるんですよ?」
騎士「……わかりました。その条件を呑みます」
134 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/06/01(日) 01:23:15.82 ID:kQL/aevf0
この騎士は本当に女なのか...
135 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/01(日) 01:31:25.57 ID:
jsYv3LANo
勇者「ありがとうございます」
勇者(うらぁよっしゃぁぁぁい!!!!!)
騎士「では、このことを陛下に伝えてーー」
勇者「お待ちになってください。貴方の目で今いる教育係が魔女なのか確かめることも必要でしょう?」
騎士「確かに……。人違いの可能性もありますね」
勇者「ですから、ぶひひひ、城へ案内しますよ」
騎士「よろしいのですか? 武装した兵を簡単に自国に招き入れるなんて」
勇者「貴方なら問題ありませんよ。ウェルカムです」
騎士「寛大なお心遣いに感謝します。では、一度騎士団の者にこのことを伝えてきます」
勇者「はい。俺は馬車の準備をしておきますね」
騎士「それはありがたい。よろしくお願いします」
勇者「貴方のためならダイヤモンドもかき集めてきますよ」
騎士「嬉しい限りです。では、後ほど」
勇者「はい!!」
勇者(来たな……。俺のファンなんだし、デートを重ねればそのままハネムーン確定じゃん。俺にも遅すぎた春がやってきたぜい。アヒョヒョヒョヒョ)
136 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/01(日) 01:39:10.87 ID:
jsYv3LANo
国境の砦 門前
騎士『勇者様。お待たせしました』
勇者『待ってませんよ。さ、馬車の中へ』
騎士『はい。割と広いですね』
勇者『この広さなら、いろんなことができますよ?』
騎士『え? あ、あの……あんっ……やめて……』
勇者『その蕩けた顔は続けてと言っているようにしか見えませんね』
騎士『あぁ……ゆ、しゃ……さ、まぁ……』
勇者『祭りじゃぁぁぁ!!!! げひゃひゃひゃひゃ!!!!』
勇者「……シミュレート完了」
騎士「勇者様。お待たせしました」
勇者「祭りじゃぁぁ!!!」
騎士「ひっ」ビクッ
勇者「あ、いえ。なんでもありません。どうぞ中へ」
騎士「は、はい。よ、よろしくお願いします……」
142 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/02(月) 19:08:39.58 ID:
kkz1tQy4o
城内
姫「では、教会に行ってきますわ」
兵士長「今日も楽しんできてください。姫様のこと頼むぞ」
兵士「はっ!」
姫「ところで……あいつ……勇者様はまだ戻ってこないのか?」
兵士長「結構な遠出ですからね。もう少しかかるじゃないかと」
姫「そうか。分かった」
兵士長「今度はそれなりに長い休みを与えるつもりですから」
姫「そうだな。そうしてやってくれ」
兵士長「お友達、待っているんじゃないですか?」
姫「そうですわ! 急ぎましょう!!」
兵士「はい!」
兵士長「ふぃー……。たまらんねぇ。で、そっちはどうよ?」
戦士「あれから目立ったことはしてないわね」
兵士長「先生がビビってくれたなら言うことはないんだがな」
143 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/02(月) 19:16:29.25 ID:
kkz1tQy4o
通路
教師「……」
教師(資料室……。入りたいけど鍵は掛かっているものね……)
兵士「また遠征だって。賊による略奪や誘拐や殺人ばっかりだ。これじゃキリがないよな」
門兵「確かにな。隊長も大臣らも頭抱えてるよ。勇者殿だって相当無理してるみたいだしな」
兵士「まぁ、勇者殿の場合は遠方での出会いを期待しているような節もあるけど」
門兵「確かに。まぁ、俺たちの国のことだし、俺たちがどうにかしないとな」
教師「あのぉ、ちょっとよろしいですかぁ?」
兵士「どうされましたか!?」
教師「資料室、入ってはイケマンか?」
門兵「申し訳ありませんが教育係の貴方といえども簡単に入室はできません」
教師「見られては困るものでもあるのデスか?」
門兵「お答えできません。そういう規則ですから」
教師「そんなこといわずに……ネ?」ギュッ
門兵「おぉ!? い、いや、だ、だめ、ですからぁ!!」
144 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/02(月) 19:21:18.47 ID:
kkz1tQy4o
兵士「いいんじゃないか? 姫様の先生だぜ?」
門兵「無理に決まっているだろう」
教師「1分だけでもいいんデス。サービス、してあげますからぁ」
門兵「で、ですが……」
教師「モチロン、そちらのステキなアナタも一緒にネ」
兵士「通してやれって!!」
門兵「簡単にいうなよぉ」
教師「ウフフフ」
戦士「ーーあらあら。サービスならあたしがしてあげるわよぉ?」
兵士「でた!?」
戦士「あぁん? 文句でもあるの? 女なんかよりも上手いわよぉ。うふふふ」
教師「……」
戦士「先生、勝手なことはしないようにね?」
教師「そうデスね。ゴメンナサイ」
戦士「謝るときは気持ちも込めろってママから教わらなかった?」
145 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/02(月) 19:28:19.37 ID:
kkz1tQy4o
教会
少女「ねえねえ」
姫「なんだ?」
少女「気になってたんだけど、いつも外で待ってくれてる人って誰?」
姫「あ、ああ……。あいつは、お兄様みたいなものだ」
少女「そうなんだ。なんだか大人の知り合いが多いんだねー」
姫「まぁな」
少女「かっこいいなぁー」
少年「そうかぁ? 別に普通だろう。俺だって大人に囲まれて生活してるぜ?」
少女「あんたは違うの!」
姫「でも、今は違うぞ」
少女「え?」
姫「私には友達のお前たちがいるからなっ」
少年「ふ、ふんっ。何いってんだよ」
少女「あ、照れた」
146 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/02(月) 19:32:22.51 ID:
kkz1tQy4o
少年「て、照れてねーよぉ!!」
少女「ねえねえ。聞いて、実はね、こいつ貴方のことが……」
姫「なに?」
少年「おい!! な、なにいってんだよ!! やめろよ!!!」
少女「いいじゃない。どーせ叶わないんだし」
少年「俺は別にこんなやつのことなんてーー」
姫「ごめんなさい」
少年「な……?」
姫「私には好きな奴がいるから、お前の気持ちには応えられない」
少年「違うっていってんだろー!!」
姫「で、でも!! 友達ではいてほしい!!」ギュッ
少年「がっ……!?」
姫「これからも友達でいてくれ」
少年「……ああ」
少女「わーい、フラれたー」
147 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/02(月) 19:37:21.08 ID:
kkz1tQy4o
神父「ーーそろそろ。時間ですよ。みなさん、帰る用意をしてください」
「「はーい」」
シスター「忘れ物がないようにしてくださいね」
少年「……」
姫「なぁ、私は振ったわけじゃないからな。友達で居てほしいだけなんだ。わかってくれ」
少年「わかってるよ!! 今日は帰る!!」タタタッ
姫「あぁ……」
少女「大丈夫。あいつのことは私に任せて」
姫「頼むな」
少女「うんっ。またね!」
姫「バイバイ」
少女「あ、そうだそうだ! ねえねえ。今度、あなたのお家に行ってもいい?」
姫「え? き、機会があればな」
少女「ホント!? やったぁ! 約束だよ」
姫「ああ、約束する」
148 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/02(月) 21:24:23.41 ID:
kkz1tQy4o
城下町 広場
兵士「今日も楽しかったですか?」
姫「うーん。でも、ちょっと問題もあったな」
兵士「帰り際に全力疾走で帰路についた男の子のことですか?」
姫「そうなんだ。私のことが好きらしくてな」
兵士「そ、それで姫様はなんと!?」
姫「勿論、好意は嬉しいけど受け取れないって言っておいた。恋愛マニュアルにも好きにもなれないつまらない男は切り捨てようって書いてたしな」
兵士「姫様!? なんてことを!? いくらなんでもあんまりでしょう!?」
姫「好きになれなかったんだから仕方ない。友達としては勿論好きだけどな」
兵士「いえ、そういうことでは……」
勇者「お?」
姫「あ!?」
兵士「ゆ、勇者殿!!」
姫「わぁぁぁー!!!」テテテテッ
勇者「久しぶりだな。元気してたか?」
149 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/02(月) 21:28:37.77 ID:
kkz1tQy4o
姫「あいっ!」ギュッ
勇者「そうか。それは良かった」
姫「おかえり! ……隣の奴は誰だ?」
勇者「紹介しておく。隣国の騎士団を束ねる団長さんだ」
騎士「どうも」
姫「……はじめまして」
勇者「さぁ、行きましょうか」
騎士「あの、こちらの女の子は?」
勇者「知り合いです」
姫「深い付き合いのな」
騎士「はぁ……」
兵士「勇者殿!! どういうことですか!?」
勇者「まぁまぁ。嫉妬する気持ちもよく分かりますけど、詳しい話は城でしますよ」
兵士「隊長が怒りますよ?」
勇者「(それより、姫様とはもう少し外で時間を潰してから城に戻ってきてくださいよ)」
150 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/02(月) 22:10:08.01 ID:
kkz1tQy4o
城内 謁見の間
兵士長「ーーあの先生が魔女だと?」
勇者「そうっす。隣の国でも色々と悪さをしていたようっす」
兵士長「ええと、団長殿。間違いないのか?」
騎士「貴方たちが我が国で教育係を勤めていた者を採用したというのなら間違いはありません」
勇者「ただ人違いだったらアレなんで確認のために来てもらったんです」
兵士長「そういうことは勝手にやるなよ」
勇者「いーじゃないっすかぁ。俺は勇者っすよ。これぐらいの越権行為は許されて然るべきっす」
兵士長「越権すんなっつーの」
騎士「あの……」
兵士長「おう、わりぃな。とりあえず、会ってみるか?」
騎士「いえ、直接会うと逃げられてしまうので……できれば、遠くから……」
兵士長「そうだな。わかった。あんたの好きにするといい」
騎士「ありがとうございます」
勇者「終わったら食事に行きましょうね」
151 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/03(火) 00:07:46.27 ID:
Ijp4CUYyo
騎士「勇者様。魔女の顔を確認したら私はすぐにでも国に帰らなければなりませんので」
勇者「まぁまぁ。でも、今日は流石に泊まっていくでしょう?」
騎士「それは、そうですが……」
勇者「では、俺がいいホテルをーー」
兵士長「ちょっといいか?」
勇者「なんすか!? ちょっと黙っていてくださいよ!!」
兵士長「なんでお前、そいつのこと口説いてるんだ?」
勇者「は? 見ての通り可愛いからですけど。あと性格もいいし」
騎士「そ、そんなことは……」
勇者「その照れた姿、僕の心を鷲づかみにしているのですが」
兵士長「そいつ隣国の騎士団なんだろ?」
勇者「それがなんすか? 愛に国境はないんすよ。ボーダーフリーっす」
兵士長「いやそうじゃなくてよ。騎士団に女は……」
騎士「それでは失礼します」
勇者「ちょっと!! あ、俺が先生のところまで案内しまーす!! 下心とか一切ないんで安心してくださーい!!! グエッヘッヘッヘ!!」
152 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/03(火) 00:12:55.04 ID:
Ijp4CUYyo
通路
勇者「ここで待っていれば、そのうち出てくるはずです」
騎士「ありがとうございます」
勇者「いえいえ」
騎士「魔女ならいいのですが……」
勇者(あーすげーいい香り。男の汗臭さとは全然違うね)
騎士「勇者様? あの、何か……?」
勇者「え?」
騎士「私の体臭が気になりますか?」
勇者「ええ!! いい意味で!!」
騎士「いい意味……?」
勇者「お。出てきましたよ」
騎士「え!?」
教師「ふわぁぁ……」
騎士「(ま、間違いない……!! 魔女だ……!!)」
153 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/03(火) 00:36:15.83 ID:
Ijp4CUYyo
勇者「(大当たりですか)」
騎士「(今からでもひっ捕らえところですが、ここは他国ですからね。それなりの手続きは必要になってきます)」
勇者「(この場で引き渡してもいいですよ? 無論、条件はありますが)」
騎士「(勇者様、冗談はそれぐらいに……)」
勇者「(俺はずっと真剣です)」
騎士「(それは……分かっていますが……でも、今は……)」
勇者「(俺と共に人生を歩みませんか?)」
騎士「(どうして……そこまで……)」
勇者「(貴方に恋をしたからです)」
騎士「(そんなこと男性に言われたのは初めてです……)」
勇者「(世の中には節穴野郎ばかりですから。でも、俺は違う。貴方の内面に惚れました)」
騎士「(は、はい。う、うれしいです……)」
勇者(今、確かな手応えがあった……!! 遂に……遂に……!! 念願の彼女もとい嫁が俺にもやってきたんだぁぁぁ!!!!)
戦士「(なんの話?)」
勇者「(俺の幸せをーー)」
154 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/03(火) 00:36:54.91 ID:
Ijp4CUYyo
>>153
騎士「(今からでもひっ捕らえところですが、ここは他国ですからね。それなりの手続きは必要になってきます)」
↓
騎士「(今からでも捕らえたいところですが、ここは他国ですからね。それなりの手続きは必要になってきます)」
155 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/03(火) 00:47:01.76 ID:
Ijp4CUYyo
勇者「おぉぉう!? なんでこんなところに!?」
戦士「なんでもくそも勇者様こそ、戻ってきたんならあたしにおかえりなさいのチューでしょう!?」
勇者「そんな約束はした覚えがないっす!!」
騎士「あの、この方は?」
勇者「昔、ちょっとばかりお世話になって雇ってる傭兵です」
騎士「お世話……」
戦士「色々してあげたのよねー?」
勇者「ま、まぁ……ね」
戦士「でも、こんなに愛してるんだから、もっと優しくしてくれてもいいでしょう?」
勇者「いや……十分、優しくしてると……」
戦士「そんなことないわぁん!!! だったらキスしてよぉ!!!」
勇者「なんでだ!?」
戦士「はよぉ!!! そのプリップリの唇、よこさんかいわりゃぁぁ!!!」
勇者「いやぁぁぁ!!!!」
騎士(なるほど。勇者様はだから私のことを……)
156 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/03(火) 00:50:41.87 ID:lDeHEHjPo
アカン(主に戦士がガンガン責める口実が出来た的な意味で)