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姫「私が姫になった理由は勇者のことが好きだからだ!文句あるのか!?」
Part4


60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/30(金) 20:39:44.48 ID:dyTrUY/Vo
兵士長「てことは、姫様も賛成ってことでよろしいですね?」
姫「大賛成だ。というか、あいつが考えてくれたんだろ? やらないわけには行かない。男からのプレゼントは素直に喜べ、だからな」
兵士長「そらぁ、よかった。それじゃ第一回目は3日後にあるんで、そのつもりで」
姫「わかりましたわ」
教師「第一回? ということは二回目も三回目も考えているワケデスね?」
兵士長「一応な」
姫「それは凄いな!」
兵士長「ただ、続けるかどうかは第一回目次第だな。姫様が楽しくなければ意味がないですし」
姫「安心しろ。責任をもってたのしんでやる」
兵士長「心強いお言葉、感謝しますよ」
姫「この日のための服とかいるな」
教師「ウフフフ。それはワタシのオシゴト、デスネー?」
姫「な……!?」
教師「プリティーでキュートでエロティックなプリンセスにしてアゲますね? ウフフフフ……」
兵士長「エロティックは余計だぜ、先生?」

61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/30(金) 20:48:56.14 ID:dyTrUY/Vo
夜 中庭
姫(よーし。今日も報告を……)
「隊長。私は反対です」
「そういうなって。我らが勇者様のご提案なんだぜ?」
姫(なんだ……?)
兵士「もう少し様子を見るべきです。本当にあの魔女の娘が安全なのかどうかを見極めてからでも遅くはないはず」
兵士長「俺ぁ、何も問題ねえと思ってるけど?」
兵士「これは私個人だけではなく、複数名が感じていることです」
兵士長「わぁーってるよ」
兵士「それに万が一、あの魔女の娘だと分かれば本当に国が終わってしまう。ただでさえ、最近は治安が悪化の一途を辿っているというのに」
兵士長「だから俺たちや勇者自らが一つ一つ解決していってんだろ」
兵士「わかっていますが……」
兵士長「ほら、巡回の時間だろ。行け」
兵士「はっ」
姫「……」

62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/30(金) 22:56:38.07 ID:dyTrUY/Vo
翌日 城内 中庭
兵士「お! 勇者殿!!」
勇者「うぃーっす……」
兵士「予定よりも1日ほど戻られるのが遅かったですね」
勇者「色々あったんすよぉ。若さを吸われた気がするっすぅ」
兵士「はぁ……。今回も大変苦労されたのですね」
教師「アラ、勇者サマ。今、戻ってキタのデスか?」
勇者「おっ!! いや、貴方はもう俺の中では過去の女……。さよなら、マダム」
教師「今日の夜、一緒に食事でもどうデスカ?」
勇者「喜んで」キリッ
教師「嬉しいデス。ウフフフ」
勇者「では、いい店を予約しておきましょう」
教師「ええ、エスコートをお願いシマスね」
勇者「了解」
勇者(キター!! やっぱり俺の魅力は初日じゃ伝わらないんだな!!! 会えない期間こそ本物の愛を育むというものだ!!! フハーハハハハ!!!!)

63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/30(金) 23:03:32.06 ID:dyTrUY/Vo
通路
勇者「さーて、どの店にするか。知ってはいるけど行ったことのない店が多いんだよな」
姫「わぁぁー」テテテッ
勇者「よう。元気だったか?」
姫「あい。お前は?」
勇者「疲れたね。あー。とっても疲れた。賊に襲われているからって行ったものの、やっぱ田舎の村だ。若い女がいやしねえ」
姫「私ぐらい若い女はそうはいないからな」
勇者「お前は若すぎ。もう生気を奪われそうなご老体ばっかりでさぁ、気が滅入った滅入った」
姫「私が元気を分けてやってもいいぞ」ギュッ
勇者「でも、世の中はそこまで腐っていなかった。神は遂に俺に祝福の鐘を鳴らしてくれたようだ」
姫「結婚か?」
勇者「それはまだ早い。でも、そうなるかもな」
姫「おぉぉ!! だな! あのブーケ、使おうな!」
勇者「いいのか? なら遠慮なく使わせてもらうぜ。ナハハハハハ」
姫「もちろんですわー」

64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/30(金) 23:10:04.88 ID:dyTrUY/Vo
勇者「お前にしては景気のいい答えだな」ナデナデ
姫「えへへ」
兵士長「おーおー。戻って早々あっまい香り漂わしやがって。見てるこっちが恥ずかしくなる」
勇者「先輩。うーっす」
姫「うーっす」
兵士長「姫様。これから教会に行くんですから、そういう言葉遣いは控えてくださいよ」
姫「ふふーん。大丈夫ですわ。外面ぐらいはなんとかなりますわ」
兵士長「不安でしかたねえよ」
勇者「今日なんすか?」
兵士長「おう。お前も来るか?」
勇者「そうだなぁ……」
姫「お前は来なくていいぞ」
勇者「あぁん? なんだとぉ?」
姫「行きたくないって顔してる。そんな顔で来て欲しくないな」
勇者「言うじゃねえか。けーっ。頼まれたっていってやるかよぉ。誰がガキのお遊びに付き合うかってんだ」

65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/30(金) 23:19:07.36 ID:dyTrUY/Vo
姫「私はこれから着替えなきゃいけないんだ。またなっ」
勇者「さっさと行ってこい、腐れビッチが」
姫「ふんふふーん」
勇者「なんだよ。ちょっと見ない間に傲慢女みてーになってないっすか?」
兵士長「女は傲慢ぐらいが丁度いいんだよ。男を振舞わせない女になんの魅力があるんだ?」
勇者「先輩も嫁さんに振り回されてるっすか?」
兵士長「俺は結婚したときから尻に敷かれっぱなしだよ」
勇者「情けないっすねぇ」
兵士長「てめぇも気をつけねえといつかはそうなる。油断すんなよ」
勇者「まぁ、でも、あのお尻に敷かれるのは悪くないっすけどねぇ……ドゥフフフフ……」
兵士長「俺の嫁でおかしな想像はするなっつの」
勇者「ざーんねん。先輩の嫁さんじゃないっす。先生っすよ。先生」
兵士長「……なに? なんか約束でも取り付けたのか?」
勇者「今晩、デートに誘われちゃって。いやぁー。やっぱり、顔がよくて勇者っすからね、俺。いい女は黙ってないっすわ」
兵士長「ふぅーん……。あの先生がね……」

66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/30(金) 23:24:43.48 ID:dyTrUY/Vo
勇者「それじゃ、俺はこれから店とホテルの予約しなきゃいけないんで!!」
兵士長「ちょいまち」
勇者「んもー!? なんすかぁー!?」
兵士長「これに目を通しておけ」
勇者「……いやっす!」
兵士長「仕方ねえだろ。似たような陳情が大量に届いてるんだ。お前にも働いてもらわなきゃ手がまわりきらねえんだよ」
勇者「でもぉ……俺、今帰ってきたばっかりっすよ? しかも地獄だったんすから……」
兵士長「もう暫くは我慢してくれよ」
勇者「次はどこっすか……?」
兵士長「国境付近の町だな」
勇者「はぁー!? どこまで行かせる気っすかぁ!?」
兵士長「国境付近はいいぞー? いい女も出入りしてるからな」
勇者「……先生みたいな?」
兵士長「行くか?」
勇者「行くっ」

67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/30(金) 23:32:45.74 ID:dyTrUY/Vo
中庭
勇者(また同じだな。これも要するに盗賊だが夜盗に襲われているから助けてくださいってことだし……)
勇者(魔女の一件で治安が不安定になってるからってもいっても流石に多すぎる。俺のナンパの邪魔すんじゃねえよ、畜生共め)
狼「ガウッ」
勇者「うぃーっす。どうした、狼畜生。腹でも減ったかぁ?」
狼「ガウッ!!」
勇者「ほら。腐ったパンでも食ってろ」ポイッ
狼「ガウッ!!」パクッ
勇者「随分、犬っぽくなってきたな。野生の欠片もねえじゃん」
狼「……」タタタッ
勇者「腹壊して、死ね」
姫「おい。変なものを食べさせるなよ」
勇者「んー? あれ食って死ぬようなら俺がパン屋に文句言ってくる。ーー姫様はもう行かれるのですか?」
姫「はい。行ってきますわ」
勇者「お気をつけて。お土産よろしくおねがいしまぁーっす」

68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/30(金) 23:54:38.59 ID:dyTrUY/Vo
教会
兵士「では、姫様。私は外で待っていますので」
姫「う、うむ。くるしゅうないぞ」
兵士「はっ」
姫(少し、キンチョーするな)
姫「ーーえーい、ままよ!」バンッ!!
シスター「あ、姫様」
神父「どうも。姫様」
姫「……お前たちだけですか?」
シスター「はい。まだ誰も来ていないので」
神父「さ、こちらに座ってお待ちください」
姫「分かった」
シスター「まだ時間までは少しありますから」
姫「そうですわね。では、またせてもらいますわ」
シスター「何か飲み物でも如何ですか?」

69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/31(土) 00:24:57.72 ID:lSIrsjNpo
神父「これはこちらに置いておきましょうか」
シスター「ええ。そうですね」
姫「……」
神父「あとは……」
シスター「手を拭くものも必要ですね。持ってきます」
姫「なぁ?」
神父「どうされましたか?」
姫「……いや、なんでもない」
神父「よくありませんよ?」
姫「え?」
神父「吐き出そうとする言葉は自分にとっては毒と同じ。それを飲み込もうとすることは体によくありません」
姫「そうなのか……」
神父「言ってみてください。私で力になれることがあればなんでもいたします」
姫「うー……。ホントに来るのか? このまま私一人ってことはないか?」
神父「心配はいりません。必ず来られますよ」

70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/31(土) 00:36:51.65 ID:lSIrsjNpo
シスター「神父様、来ましたよ」
神父「ほら、噂をすればですね」
姫「おぉぉ……?」
少年「こんちわー!!」
母親「ほら、ご挨拶して」
少女「こんにちは」
シスター「はい。こんにちは。今日は来てくれてありがとうございます」
母親「いえ。神父様にはいつもお世話になっていますから」
姫「き、きたか……!!」
神父「みなさん。ようこそ。ご足労いただき感謝していますよ」
姫「……」
少年「あれ、見たことない子がいる」
姫「おっ」ビクッ
少女「だぁれ?」
姫「わ、私は……その……村はずれにすんでいる、ものですわ……」

71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/31(土) 00:46:25.83 ID:lSIrsjNpo
少年「へー。こんなところまでわざわざ来たのか?」
姫「文句でもございまして?」
少年「そんなこと言ってないけど」
少女「よろしくね」
姫「よ、よろしく……ですわ……」
少女「あはは。変な喋り方ー」
姫「変か? 先生が変だから仕方ないんですわ。すまんですわ」
少女「あははは。おもしろいね」
母親「神父様、あの女の子は?」
神父「実は孤児の子で……」
母親「なるほど」
シスター「では、まずはお菓子でもどーぞ。あとから来る人もいるはずだから全部取らないようにしてください」
少年「やっりぃ。これが目当てだったんだよ」
少女「はい、どうぞ」
姫「あ、ありがとうございますわ」

72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/31(土) 00:47:28.31 ID:lSIrsjNpo
>>71
神父「実は孤児の子で……」

神父「実は孤児なんです……」

73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/31(土) 00:56:05.70 ID:lSIrsjNpo
夕方 城門
勇者「まっててねーん。せんせいさぁ〜ん!!」
兵士長「……よぉ」
勇者「あ、先輩。うぃーっす」
兵士長「今からデェトか?」
勇者「うっす。ちょっと、キマりすぎてません、このタキシード」キリッ
兵士長「蝶ネクタイが曲がってんぞ」
勇者「うっそ!? マジっすかぁ!? どれどれ?」
兵士長「そろそろ姫様が帰ってくる頃だが、待っててやんねえのか?」
勇者「今日は先輩に任せるっすよ。それじゃ」
兵士長「ふぅー……。あんなに女を見る目がねえ男も珍しいなぁ」
兵士「隊長!! ただいま戻りました!!」
兵士長「おう。ご苦労さん」
姫「……」
兵士長「姫様もおかえりなさい。どうでしたか?」

74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/31(土) 01:05:43.53 ID:lSIrsjNpo
通路
兵士長「姫様? 何かあったんですか?」
姫「……」
兵士長「(おい、どうしたんだよ?)」
兵士「(分かりません。教会から出てきたらあの調子で)」
兵士長「姫様、何かお気に触るようなことでもあったんですか?」
兵士「それはないはずーー
姫「……あった」
兵士「え!?」
兵士長「そらぁ、大変だぁ。どこのクソガキですか? 処刑してきますよ」
兵士「た、隊長!! 冗談でもそのような発言はしないでください!!」
兵士長「ハッハッハッハ」
姫「ーー遊ぶ時間、短いぞ!!!」
兵士長「へぇ?」
姫「もっと増やせ!!! やっとかくれんぼのコツを掴んだところで終わりなんて嫌だ!! 次はもっと長くしろ!! できればでいいけどな!!」

75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/31(土) 01:13:25.63 ID:lSIrsjNpo
兵士「姫様……」
姫「ダメか!?」
兵士長「ハッハッハッハ。一考しときます」
姫「頼むぞ!」
兵士長「仰せのままに」
兵士「ふぅ……。びっくりした」
姫「で、あいつはどうした? 部屋で寝てるのか?」
兵士長「いやぁ、遊びにいってますよ」
姫「そうか。なら、私は部屋に戻るか」
兵士長「ゆっくり休んでください」
姫「あいっ」
兵士「楽しそうでしたね」
兵士長「やっぱり同年代と話してるほうが楽しいだろ」
兵士「言えていますね。では、自分は通常任務に戻ります」
兵士長「助かったぜ。また頼むかもしれねえけど、そのときはよろしくな」

76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/31(土) 01:20:55.71 ID:lSIrsjNpo
レストラン
勇者『ふっ。君の美しさに完敗。乾杯じゃなくて負けるほうの完敗ですよ?』
教師『ウフフフ。面白い人デスね』
勇者『貴方を楽しませるために、俺は生まれてきたのですから』
教師『ヤダ……』
勇者『……好きだ。結婚してくれ』ギュッ
教師『ダイテっ!!』
勇者「ーー完璧だな。これで落ちない女はいないと恋愛マニュアルにも書いていた。いけるぞ……」
教師「ハーイ。オマタセしましたか?」
勇者「いえ。今来たところですから。それに貴方のことなら何時間でも、いえ何日でも待ちますよ」
教師「教科書通りに喋ってたのしいデスか?」
勇者「え?」
教師「乾杯するときに、君の美しさに完敗。乾杯じゃなくて負けるほうの完敗ですよ?なんて言いまセンヨね?」
勇者「ま、まさかぁ!! そんなセンスのないこと言うわけないじゃないですかぁ!! やだなぁー」
教師「それはヨカッタです。では、乾杯シマショウか。勇者サマ」

77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/31(土) 01:29:56.56 ID:lSIrsjNpo
勇者「あぁ……。か、乾杯」
教師「ハイ。乾杯デス」
勇者「……」
教師「ふぅー。美味しいデスねー?」
勇者「そ、そうですね……」
勇者(何故だ……!! 何故、こっちの手札が全て筒抜けなんだ!? まさか、心が読める人なのか……!?)
教師「お肉だーい好きデース! はむっ! デリシャスぅ!」
勇者(ま、めちゃくちゃ美人だし、可愛いし、どうでもいいけどなぁ。このあとが大事なんだ。ホテルの部屋にいって……)
教師「勇者サマ?」
勇者「は、はい。なんでしょう?」
教師「……教え子のことで訊きたいことがあるのデスけど」
勇者「はぁ……?」
教師「あの子、何者なんデス?」
勇者「何者って、もう何日も一緒にいるんですからわかるでしょう?」
教師「城の中庭で狼と話しているのは知っていますケド、それ以外のことがさっぱりなんデス。教えてクダサイ。ね?」