姫「私が姫になった理由は勇者のことが好きだからだ!文句あるのか!?」
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Part2
20 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/29(木) 19:41:17.58 ID:
ay9jyg+Uo
城下町
姫「どこいく!?」
勇者「早速、騙された……。先輩め……。結局、俺にガキのお守りを押し付けやがってぇぇぇ……!!!」
姫「なぁーなぁー」
勇者「なぁーにが、姫にも町を見せてやれーだ。んなもん、窓から見てればいいだろーがよぉ」
姫「なぁー。どこに行くんだぁー?」
勇者「俺はナンパに行きたい」
姫「どうぞ」
勇者「ぶっころすぞぉ?」
女性「ランララーン」
勇者「あぁ。ちょー美人がいるぅ……」
姫「ナンパしないのか?」
勇者「お前はしなーー」
女性「チョット、いいデスか?」
勇者「え? 逆ナン!? ーーはい。勿論っ」キリリッ
21 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/29(木) 19:46:15.90 ID:
ay9jyg+Uo
姫「むぅー」
女性「アノ城へ、行きタイのですが、この道デあってますカ?」
勇者「よければご案内しますよ」
女性「ワオ。ホントデスか? それはーー」
姫「ガルルル……」
女性「どうやら、私はオジャマみたいデスね」
勇者「あ、いや……」
女性「バーイ」
勇者「あぁぁ……!! まってぇぇぇ……!!」
姫「ベーッ」
勇者「この!! 折角の美人がいっちまっただろぉ!?」
姫「なんだぁ? 私はナンパしないのに、あんな美人をナンパするとか恥ずかしくないのか!?」
勇者「恥ずかしくないね!」
姫「ほら、早くどっかつれてけ!」
勇者「はぁ……。ほら、こっちこい。迷子になっても探してやらねーからな。しっかりついてこいよ」
22 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/29(木) 19:53:20.62 ID:
ay9jyg+Uo
広場
勇者「あーあ。この町も捨てたもんじゃないのになぁ。あんな美人がいるぐらいなんだからよぉ」
姫「……」
「今日は何してあそぶ?」
「うーんとね……」
姫「……」
勇者「それもこれもお前みたいなのが腰巾着みたいにくっついてるから……。って、おい」
姫「あ、すまん。なんだ?」
勇者「なんだよ。あのガキを見てたのか。初恋ですかぁ?」
姫「違う。それに初恋はもうとっくに始まってる」
勇者「へぇー。そうかそうか」
姫「なにしてるんだ。女の子を退屈にさせるとダメだって書いてたぞ」
勇者「お前は恋愛マニュアルからの受け売りばっかりだな」
姫「お前もだろ」
勇者「……そうだけどよ。あぁーあ。久しぶりに墓参りにでもいくかぁ」
23 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/29(木) 20:00:17.60 ID:
ay9jyg+Uo
墓地
勇者「親父。久しぶりだな。今頃はとっくにあの世でハーレム作ってんだろ? 作るコツ教えてから死んでくれよ」
姫「どうも。お義父様。不束者ですががんばりますわ」
勇者「なに言ってんだ」ペシッ
姫「いてっ」
シスター「兄さん!」
勇者「お。元気だったか?」
シスター「うん。最近、会えなかったから心配してたんだよ?」
勇者「忙しくてナンパにもいけないんだよ。どう思う?」
シスター「ナンパはしなくてもいいと思うけど……」
姫「こんにちはっ」
シスター「どうも、姫様。あっ……」
勇者「いいよ。誰もいないし」
シスター「う、うん。それより兄さん、今姫様を叩いたでしょ? ダメじゃない」
勇者「いいんだよ。俺がこいつになにしよーが。噛み付かれるだけだし」
24 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/29(木) 20:06:12.60 ID:
ay9jyg+Uo
姫「ガァァァウ」ガブッ
勇者「こうしてる限り、誰も姫様だなんて気づかないだろうしな」
シスター「そ、そうかもしれないけど……」
勇者「あ、ちょっと。頼みたいことがあるんだけどさ」
シスター「なに? 何でも言ってね」
勇者「新人のシスターとか入ってこないの? きたら一報くれ」
シスター「兄さん!」
勇者「いいだろぉ。たのむってぇ。また今度、遠征なんだぜぇ? なぁ?」
シスター「また? 兄さん、体のほうは大丈夫なの?」
勇者「いやぁ、もうボロボロさぁ。このままだとヤバいな。死ぬかもしれない。筋肉痛で」
シスター「マッサージならしてあげられるけど」
姫「私がする」
シスター「あ、そうですね。そのほうがいいですよ」
勇者「おらぁ! でしゃばんなぁ!!」
姫「ここか? ここがいいのか?」モミモミ
25 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/29(木) 20:11:39.06 ID:
ay9jyg+Uo
勇者「もういい。くすぐったいだけだ」
姫「あぅ」
シスター「相変わらず仲が良いみたいで安心した」
勇者「こんなガキと仲良くなっても仕方ないけどなぁ」
姫「私は仲良くできて嬉しいぞ」
シスター「よかったね、兄さん」
勇者「お前が……妹じゃなければ……よかったのに……」
シスター「ご、ごめんなさい」
姫「私は妹じゃないぞ」
勇者「おう。そうだな」
シスター「あはは……」
勇者「あぁ、そうだ。もう一つ頼みたいことがあるんだけどさ」
シスター「なに? 私、友達は少ないから紹介とかはできないよ?」
勇者「違う。って、友達少ないのか? そうか……元気だせよ?」
シスター「同情しないで。それで、頼みたいことって?」
26 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/29(木) 20:17:02.94 ID:
ay9jyg+Uo
教会
神父「なるほど……。そのようなことを……」
勇者「まぁ、できなきゃできないでいいんですけど」
神父「しかし、勇者様。いいのですか? 姫様はまだ国民には知られてはいけないはず。そんなことをされては……」
勇者「機嫌取りも俺の仕事なんすよ」
神父「そうですか。勇者様がそこまで仰るのでしたら私も協力いたします」
勇者「どうも。すんません」
姫「なんの話してるんだ?」
シスター「えっと。姫様のこと、兄さんはとても気にしているみたいですよ」
姫「そんなの当然だ。相思相愛だからな」
シスター「そうですね。羨ましいです」
姫「ブーケはちゃんとお前に渡してやるから、安心しろ」
シスター「そのときが楽しみです」
勇者「おーい、かえるぞ」
姫「あいっ」
27 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/29(木) 20:23:45.37 ID:
ay9jyg+Uo
城内 通路
姫「割と楽しかったぞ。また誘ってくださいな」
勇者「はいはい。さっさと部屋に行け」
姫「あいっ」テテテッ
勇者「……」
戦士「ゆ、う、しゃ、さ、まぁぁん」
勇者「おぉぅ!? なんすか!?」
戦士「次、あたしとデートしてくれるのぉん?」
勇者「誰がそんな話をしたんすか!?」
戦士「いけずぅ。貴方のために命がけで働いてるんだからぁ、ご褒美があってもいいでしょ?」
勇者「それなりの金は渡してるはずっす!!」
戦士「肉体のケアもほしーのぉーん!!」
勇者「こっちは今から色々とあるんすよ!! さよなら!!」
戦士「まってぇーん!! 今日こそはあたしの初めてうけとってぇん!!」
勇者「気持ち悪いこというなぁー!!」
28 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/29(木) 20:28:17.88 ID:
ay9jyg+Uo
夜 中庭
姫「おーい」
狼「ガウっ」タタタッ
姫「ほら、ごはんだぞ。食べろ」
狼「ガウッ!」
姫「みんな、元気にしてるかな?」
狼「クゥーン……」
姫「してるよな。あいつら、私なんかより強いもんな」
狼「ガウッ」
兵士長「……姫様」
姫「なんだ?」
兵士長「何度も言ってますが夜は出歩かないようにお願いします。そいつにも俺が責任もってエサやってるんで」
姫「すまん。でも……その……」
兵士長「なんですか?」
姫「なんでもない。部屋に戻る。おやすみなさいませ!」
29 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/29(木) 20:37:04.91 ID:
ay9jyg+Uo
狼「グルルルル……!!!」
兵士長「怒るなよ。これも仕事なんだから」
狼「……」タタタッ
兵士長「すっ……ぱぁー……。全然、俺には懐いてくれねえなぁ」
勇者「先輩。準備できたっす。明朝には出発するんで」
兵士長「そうか。悪いな」
勇者「いえ。それが勇者っすから。もう結婚とか諦めましたし」
兵士長「諦めんなよ。……お前が出してくれた計画書。こっちでやっとくから」
勇者「多分、バレることはないとおもうんすけどね」
兵士長「やっぱり、姫の町見学はお前に任せてよかったぜ」
勇者「どーせ、先輩も似たようなこと考えてたくせに」
兵士長「そういうなって。お前が考えたってのが大事なんだ。これから姫様の機嫌は斜めになっちまうからな」
勇者「俺が任務のためにここを離れるからっすか? もうそろそろ我侭は言わないようにシメたほうがいいっすね」
兵士長「ちげーよ。姫様の教育係が決まったんだ。いつまでもお前に全てを任せられないからな」
勇者「マジっすかぁ!? やったぁぁぁ!!! これで俺も自由だぁぁぁぁ!!!!」
30 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/29(木) 20:43:41.11 ID:
ay9jyg+Uo
兵士長「だからな……」
勇者「ナンパ! ナンパ!! これで可愛い嫁さんもゲットできる!! ウッホホーイ!!」
兵士長「話を聞け」
勇者「先輩!! 俺のためにそこまで気を遣ってもらっちゃって!! あざーすっ!」
兵士長「腹立つな……。まぁ、そういうわけだから。お前は何も心配するな」
勇者「いやぁー。そうすっよね。俺、働きすぎっすもんね。まぁ、当然かぁー。あははは」
兵士長「それじゃ」
勇者「先輩」
兵士長「な、なんだよ?」
勇者「姫様の教育係ってどんな人なんですか?」
兵士長「……おめーには関係ねえだろ?」
勇者「はぁ? 俺の後釜っすよ? どこの馬の骨とも分からない奴にまかせられないっすけどぉ?」
兵士長「やっぱり、気になるか?」
勇者「なるっす」
兵士長「……これが顔写真だ」ペラッ
31 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/29(木) 20:52:58.31 ID:
ay9jyg+Uo
勇者「こ、これはぁ……!!!」
兵士長「とんでもない美人だろ? 若いのに色んな国で先生をしているらしくてな。隣国では王子の教育係でもあったそうなんだよ」
勇者「今日町で見かけた……超絶美人さん……!!!」
兵士長「言葉は拙いがまぁ通じないほどじゃないし、教養もどこぞの馬鹿とは比べ物にならねえ」
勇者「年上かぁ。うんうん。でも、そんなの関係ない!」
兵士長「俺の話きいてるかぁ?」
勇者「先輩。俺、分かっちゃったっす。この人と結ばれる運命にあるんするよ」
兵士長「まーった始まった……」
勇者「明日の出発は少し遅れますんで」
兵士長「おいおい。何言ってんだよ。困ってる人がお前の到着を待ってんだぞ?」
勇者「この先生に挨拶してからでもいいじゃないっすかぁ!! どうせ朝にくるんでしょう!?」
兵士長「ま、まぁ……そうだけどよぉ……」
勇者「よっしゃぁぁ!!! 共通の生徒を持ち、芽生える愛。異国の彼女も俺の魅力にうっとりっすね」
勇者「明日は何きよーかなぁー」
兵士長「ああいうところは糞親父によく似てやがるなぁ……」
32 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/29(木) 21:31:25.49 ID:
ay9jyg+Uo
姫の自室
姫「……」ペラッ
姫「年上にはパパよりもチューのほうがいいみたいだけど……」
姫「……流石にそれは恥ずかしいな」
勇者『おーい。起きてるかぁ』
姫「あい」
勇者「何してんだ、早く寝ろよ」
姫「これ、読んでた」
勇者「いい加減、返してくれないか? それがないと俺が困るんだけど」
姫「やだっ。まだ読んでる」
勇者「まぁ、いいけど。それより、お前には話しておきたいことがあるんだけどよ」
姫「なんだ? 結婚の日取りか?」
勇者「明日から俺が任務で出かけるのは知ってるな?」
姫「私も連れて行ってくれるのか?」
勇者「こういうことは度々あるから、俺はお前の勉強を満足に見てやれないだろ? だから、お前には専属の教育係がつくことになった。よかったな」
33 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/29(木) 21:44:31.29 ID:
ay9jyg+Uo
姫「そうか。わかった」
勇者「……あれ? いいのか?」
姫「なんだ? よくないのか?」
勇者「いや、ごねるかなって思ったんだけどな」
姫「私はそんなに子どもじゃないぞ。何せ、姫だからな」
勇者「おう。良いじゃないか。ようやく姫様らしくなってきたんだな」
姫「当然だ」
勇者「んじゃ、また明日な」
姫「あ、おい」
勇者「どうした?」
姫「ちゃんと帰ってこいよ」
勇者「帰ってくるに……きまってんだろぉ……にゅふふふふ……」
姫「どうした? キモいぞ」
勇者「うるせぇ。ガキにこの崇高なデスティニーは理解できねえよ。おやすみ」
姫「あい。おやすみ」
34 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/29(木) 21:59:13.41 ID:
ay9jyg+Uo
中庭
姫「……」キョロキョロ
姫「おーい」
狼「ガウッ」タタタッ
姫「しーっ。静かに」
狼「クゥーン」
姫「聞いてくれ。今日はなーー」
兵士長「またか……」
勇者「先輩。なにしてんすか?」
兵士長「仕事だよ。お前こそさっさと寝ろよ。起きれなくなっちまうぞ?」
勇者「子どもじゃないんすから」
兵士長「何か用か?」
勇者「いやぁ、星がきれいっすよね」
兵士長「……野郎と見たって感動はしねえなぁ」
勇者「まぁまぁ、そう言わなくでくださいよ。偶にはいいじゃないっすかぁ」
35 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/29(木) 22:06:07.45 ID:P1GJcZFa0
前スレ好きだったから超期待してる
36 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/29(木) 22:08:07.96 ID:
ay9jyg+Uo
翌日 城門
門兵「……む?」
教師「ハーイ。通してモラいマスね」
門兵「話は伺っています。どうぞ」
教師「ドモドモ」
門兵(美人だな……)
教師「ウフフ、ナニか?」
門兵「い、いえ!! 申し訳ありません!!」
教師「ソウですか?」
勇者「オー!! オマーチシテオリマシタデース!!!」
教師「あら、アナタは……」
勇者「さぁさぁ、こちらへどうぞ、マドモアゼル」
教師「アリガトウ。優しいンデスね」
勇者「貴方のような美しい人には優しくしろと父親から厳しく言われているんですよ」
教師「素敵なパパさんデスね。だから、アナタのような紳士が生まれタノデスね、きっと」