姫「私が姫になった理由は勇者のことが好きだからだ!文句あるのか!?」
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Part15
267 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/07(土) 04:07:37.70 ID:
1KdbAw8Do
国境の砦
兵士「みえたぞー!!!」
勇者「おぉぉぉ!!!」
馬「ヒヒーン!!!」ドドドドッ
警備兵「門をかためろー!!!」
憲兵「閉じ込めるんだー!!!」
姫「閉まる!! 閉まるぅ!!」
勇者「早くはしれ!! この駄馬がぁ!!!」パシンッ!!!
馬「ヒヒーン!!!」
騎士「門が閉じる……!!」
王子「追え!!! 絶対に逃がすな!!!!」
騎士「わかっています!! 王子は私にぴったりとついてきてください!!」
王子「言われずとも!!!」
騎士「……そうしっかりと後ろを」
王子「にがすかぁ!!!」
268 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/07(土) 04:12:47.18 ID:
1KdbAw8Do
勇者「ーーよしっ!! ぬけたぁ!!!」
姫「わぁぁー」
騎士「待てぇ!!!」
勇者「あんたは抜けなくてもいいのに」
警備兵「閉めろー!!!」
「おぉぉぉー!!!」
王子「ま、まて!!! 俺がまだだ!!!」
ズゥゥゥン!!!
王子『何をしている!! 開けろ!!!』
勇者「聞こえますかぁ? 王子様ぁ?」
王子『おい!! 早くその男を捕らえろ!!!」
騎士「聞こえません」
王子『ど、どういうことだ!? 俺に背くということは、国への反逆だぞ!!! 分かっているのか!?』
騎士「私は……国よりも、愛を選びました。王子」
王子『なに……? ま、まさか……おまえ……』
269 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/07(土) 04:21:37.77 ID:
1KdbAw8Do
勇者「悪いな。王子様。こいつは俺の言うことなら何でも聞いてくれるっていうんで、芝居をうってもらった」
王子『お、おまえ……!!』
騎士「王子。この度の蛮行は看過できません。騎士団をも私物化し、幼い姫様に暴行など……」
王子『今までも黙認してきただろうが……』
騎士「兵士を使い、罪もない子どもがいる民を殺し、そして女児を意図的に孤児にした。魔女から教えてもらいました」
王子『は、ははは。バカな何を証拠にそんなことを……』
兵士長「ーー証拠も糞もねえ。我が国の姫様を暴行したって事実がありゃあ十分だ。ここにいる全員が証人だ。クソガキ」
王子『くっ……覚えていろ!!! お前の国など、半年足らずに落としてみせる!!』
勇者「反対からでようとしてもむだですよー。どっちも閉まってますから」
王子『なにぃ!? 何故だぁ!!!』
兵士長「事情を説明したら快く引き受けてくれたぜ。そっちの憲兵さんたち。ハハッ」
王子『おのれぇぇ……!! 俺をこんな目にあわせてどうなるかわかっていないようだな!! 全員死刑だ!!! 父上が必ず貴様らを死刑にしてくれる!!』
姫「親を頼るな。かっこわるいぞ」
王子『ぐっ……!?』
姫「お前は多分、いや、確実に世界で一番ダサい男だ」
270 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/07(土) 04:28:48.40 ID:
1KdbAw8Do
勇者「アーッハッハッハッハッハッハ!!!!! こんなガキに言われてやんのー!!! ダセー!!!」
王子『この俺をコケにしやがってぇぇ……!!! うわぁぁぁぁ!!!! あけろぉ!!! あけろぉ!!!!』ドンッ!!!!ドンッ!!!!
勇者「まぁ、安心してください。王子様はこれから男ではなくなりますから」
王子『あけろぉ!!! あけろといっているぅ!!!』
勇者「お願いします」
王子『あけろぉ!!! あけろぉぉぉ!!! だせぇぇぇ!!!』
『はぁい。今日のお客さんは活きがいいわねぇ』
王子『な、なんだ……!? はっ……お、おまえは……!?』
『ほら、じっとして。すぐに気持ちよくしてあげるからぁ』
王子『やめろぉ!! くるな!!! それ以上、来たらこれで叩き切るぞ!!!』
『やれるものならやってみなさい』
王子『お……おぉぉぉぉ!!!』
『ふんっ』
王子『が……!? 剣が折れ……』
『次はあたしの剣をあんたの鞘に納め番ね。安心してね。あたし、こっちは初めてじゃないから。ーーおうじょうせいやぁ!!!!』
271 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/07(土) 04:30:00.09 ID:1vzP03mZ0
おぅふ
272 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/07(土) 04:34:44.56 ID:
1KdbAw8Do
『うあぁぁあああぁ!!!! あぁぁあっぁぁぁぁ!!!!!』
『ふんっ!! ふんっ!!! ふんっ!!! ふんっ!!!』
警備兵「中で何が……」
「想像したくもねえ……」
兵士長「中々壮絶なお仕置きだな」
勇者「まぁ、死にはしないからいいじゃないっすか」
姫「なぁー。中で何やってるんだ?」
騎士「い、いえません」
勇者「ああ、そうだ。とりあえず姫様の治療を……」
姫「頼む!」
勇者「はいはい。ほら、じっとしろよ」
姫「あいっ」
勇者「大した怪我はなくてよかった。あと痛いところはないか?」
姫「お腹が痛いな。蹴られたし」
勇者「痣になってるかもな。ちょっとお腹をみせ……って……お、おい……お前……!!」
273 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/07(土) 04:39:34.85 ID:
1KdbAw8Do
姫「どうした?」
勇者「お前……どこから血を流してるんだ……!?」
姫「おぉ? 気が付かなかった」
勇者「完璧に出血してるじゃねえか!! おい!!」
姫「どこだろうな?」
騎士「この血は……」
兵士長「姫様。ちょっと自分でパンツの中確認してみろ」
姫「なんでだ?」
兵士長「いいから」
姫「わかった」チラッ
姫「おぉ……」
勇者「なんだ? どこを怪我してんだ!? 早く言えよ!!」
姫「股から血が出てる」
勇者「な……!!! 助けるのがおそかったのかぁ……!!!」
兵士長(こいつ……。まぁ、いいか。このままでも面白そうだし)
274 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/07(土) 04:45:25.47 ID:
1KdbAw8Do
姫「なんてこったい」
勇者「くっ……」
姫「どうした?」
勇者「……」ギュッ
姫「おぉ……な、なんだ? お前から抱きしめられると、すごく恥ずかしいんだが……」
勇者「……泣くな。すげー辛いのは分かる。分かってる」
姫「うむ。お前もいるし泣かないぞ」
勇者「こうなったのも俺の所為だ……。姫様……」
姫「だから、なんだ?」
勇者「あと5年……いや、この際3年でもいいか、俺がお前を嫁にもらってやる」
姫「いいのか!?」
勇者「もうしかたねえだろう……。責任は取る」
姫「わーい。結婚だー」
勇者「くそぉ!! 姫様になんてことしやがるんだぁ!!! アネさん!!! もっとガンガンついてやってくれぇぇぇ!!!」
騎士「え……。私は……どうなるんですか……」
275 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/07(土) 04:54:09.51 ID:
1KdbAw8Do
兵士長「ハハッ。いい感じで片がついていくな。あとは……」
勇者「……先生」
教師「ウフフフフ。とてもいい取材ができました。ありがとうございます」
騎士「やはり貴方は……」
教師「真実を世界に届ける。それが私の仕事であり生きがい。今回は収穫が多かったですよ」
兵士長「各国を練り歩いては国の秘密を暴露してるのか?」
教師「本にしてね。こういう本は売れるんですよ」
勇者「姫のことも書くつもりなんすね」
教師「姫様のことだけじゃない。勇者様のこともオジサマのこともね」
兵士長「まぁ、あの王子のことを記事にしてくれるっていうなら、悪い話でもねえか。姫様も近いうちに存在を知らせるつもりだったしな」
教師「あの王子だけは困りましたよ。決定的な証拠がなかったの、中々本にできなくて」
姫「証拠がないと、書かないのか?」
教師「真実だけを書きたいんですよ。一割も自分の妄想や推測があってはいけない」
騎士「それであの王子のことも公にすることはなかったと……」
教師「そうでーす。いやぁー、でも姫様がいなかったらまだ証拠は掴めなかったでしょうね。本当に役に立ってくれましたよ」
276 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/07(土) 05:02:51.57 ID:
1KdbAw8Do
騎士「役に……?」
教師「あの王子が幼い女の子にしか興味がないというところまでは知っていたので、姫様を使えば化けの皮がはがれーー」
勇者「ふっ!!!」ドゴッ!!!!
教師「がっ……!? な、なにを……!?」
勇者「……」
姫「お、おい……」
勇者「自分のために姫様を利用したのか」
教師「ウ、ウフフフ。利用しない手はないでしょう。巨悪を潰すのなら、多少の犠牲は付きものじゃない」
兵士長「悪いな。こいつを生かしておいたのは俺の判断ミスだ」
勇者「いいっすよ、先輩。結果だけ見れば、先生がいなきゃマジで戦争になっていたでしょうし」
教師「そうですよ。私がいなければこの国はどうなっていたか」
教師「私の取材が、記事が、本が、この国を平和にするんですから!! ウフフフフ!!!」
勇者「魔女。次、この地に足をつけてみろ。真っ先に四肢を両断してやる」
教師「勇者様なのだから、そんな私怨での殺人なんてーー」
勇者「お前は人間じゃないから、殺してもいいんだよ」
277 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/07(土) 05:08:53.91 ID:
1KdbAw8Do
教師「救世主に向かって酷いことを言うんですね」
兵士長「……つれていけ」
兵士「はっ」
教師「何をするつもりですか!?」
兵士長「好きなだけ書かせてやるよ。牢屋の中でな。書き終わったら慰安旅行として海で泳がせてやる」
教師「この!! はなせぇ!! 私は魔女じゃない!!! 救世主ですよ!!!」
勇者「美人は変人しかいないのかよぉ」
姫「ここ、ここ」
勇者「お前は確かに変人じゃないな」
姫「ダーリンっ」
勇者「やめろ」
騎士「あの……私、無職になっちゃったんですけどぉ……」
兵士長「心配すんな。こっちで雇ってやるよ。いいよな、姫様?」
姫「うーん……。まぁ、いいぞ。許可する」
騎士「いいんですかぁ!? ありがとうございます!! 私!! この国のため、愛する人のために、戦います!!」
278 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/07(土) 05:10:52.79 ID:l50EqOBOo
イイハナシダナー
279 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/07(土) 05:14:54.27 ID:
1KdbAw8Do
戦士「ーーちょっとぉ!! あたしは反対よぉ!!! 乙女な男はあたしだけで十分でしょー!?」
騎士「私も勇者様のことを愛してしまった身です。たとえ叶わない恋でもいい。ただ、勇者様の傍にいたい」
戦士「あんた……。やるじゃない」
騎士「でも、隙があれば……」
戦士「そんなの勿論よ……」
勇者「さ、帰るか」
兵士長「お前、モテすぎだろ。妬いちゃうぜ」
勇者「嫌味っすかぁ!?」
兵士長「ハッハッハッハッハ。あの坊ちゃんはどうしたぁ?」
戦士「泡吹いて気絶しちゃったわぁ。優男はこれだから嫌なのよねぇ」
姫「何やってたんだ?」
戦士「うふっ。人間ってねぇ、意外と拡がるのよぉ。この腕がずっぽり入っちゃうぐらいに」
姫「そんな太い腕がどこに入るんだ……!?」
戦士「それはぁ」
兵士長「言わなくていい。気色悪い」
280 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/07(土) 05:22:02.39 ID:
1KdbAw8Do
姫「なぁーなぁー」
勇者「なんだよ?」
姫「間違いないよな? 結婚、してくれるんだよな?」
勇者「3年後にな」
姫「私、待ってるからな!! お前とあの教会で結婚式するのずっと、ずーっと、待ってるからな!!」
勇者「はいはい。あんなことがあったんだ。助けられなかった俺が男として……」
騎士「勇者様。姫様の出血は生理ですよ」
勇者「……は?」
兵士長「あちゃぁ……」
騎士「ですから、勇者様が責任をとることはないんです」
勇者「生理……だと……。お前、あの王子にやられたんじゃないのか……?」
姫「やられた? 顔と腹は殴られたぞ。あと首も締められた」
勇者「結婚の話はキャンセルな」
姫「なんでだぁぁぁ!!!! うわぁぁぁぁ!!!!」
兵士長「ひでぇ男だ。そりゃモテねえよ」
281 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/07(土) 05:26:50.86 ID:
1KdbAw8Do
城門
兵士「あぁ!! 隊長!! お帰りなさい!!」
「隊長だー!!」
兵士長「わりぃな。全員、この通り無事だ」
勇者「うーっす」
門兵「勇者殿、ご無事でしたか」
勇者「まぁ、なんでもないっすよ」
戦士「あたしもいるわよぉーん!!」
「ひぃぃ!!」
騎士「本日からお世話になります!!」
「お、お前は……騎士団の団長……!?」
兵士長「新しい仲間の挨拶はあとだ。今は姫様の無事を喜んだからどうだ?」
姫「おぉぉ……」
勇者「俺の後ろに隠れるなって」
姫「だ、だって……」
282 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/07(土) 05:31:01.37 ID:
1KdbAw8Do
兵士「姫様……。良くぞご無事で」
門兵「皆、心配していました」
姫「え……?」
兵士長「姫様の勇気ある行動はちゃーんと話しておいたぜ?」
姫「わ、私は……別に……」
戦士「照れないのぉー」
姫「うぅ……」
勇者「魔女の娘」
姫「うぁ!? それ、いうなぁ」
勇者「今は違うだろ? この国の姫で、次期女王だ」
姫「おぉ……!」
勇者「怖がらなくていい。何かあっても今回みたいに守ってやるよ。全員でな」
姫「ホントか!? また、かっこよく助けてくるのか!?」
勇者「いい子にしてればな」
姫「あいっ! 私、いい子にするっ!!」
283 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/07(土) 05:36:26.30 ID:
1KdbAw8Do
騎士「とはいえ、魔女のイメージは悪いですから……」
兵士長「ま、問題があればその都度なんとかしていくしかねえな」
勇者「その都度っすか。面倒っすねぇ」
姫「お前は私のために働けばいいんだー!!」ギュッ
勇者「はぁ!? お前の奴隷じゃねえぞ!!」
姫「勇者様っ」
勇者「なんだよ?」
姫「大好きっ」
勇者「お……」
兵士長「おーい。勇者殿が照れてらっしゃるぞ」
兵士「まぁ、こんな可愛い子に言われたらなぁ」
戦士「きぃぃぃ!!! なによぉ!!! あたしのほうがもっと上手くいえるわぁ!!! 勇者さまぁーん!!! だーいちゅきー!!!」
騎士「あ……あの……わ、わたしも……す、す、すきです!! 愛しています!!!」
姫「な……!? 私のほうがお前らよりも何倍も勇者様のこと愛してるんだぁ!!! なめんなぁー!!」
勇者「なにこれ……全然嬉しくないんだけど……」
兵士長「ハッハッハッハッハ」
284 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/07(土) 05:40:38.80 ID:
1KdbAw8Do
酒場
兵士長「とりあえず、姫様のご成長を祝して、乾杯!!」
戦士「かんぱぁーい!!!」
勇者「なんすかぁ。どうして俺の周りには男とガキしかいないんすかねー?」
騎士「勇者様。何食べますか? 私が食べさせてあげます」
勇者「ごめんこうむる!!」
騎士「そんなぁ……」
姫「あーん!」
勇者「自分で食えるっつーの!!!」
戦士「あたしをたべるぅ?」
勇者「助けて……先輩……」
兵士長「仲良くしろよ。これから長い付き合いになるんだからな」
勇者「えぇぇ……やだぁ……」
姫「……なぁなぁ、頼みたいことがあるんだけど」
勇者「あぁ? なんでも言ってくださいな、姫様?」
285 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/07(土) 05:43:36.58 ID:
1KdbAw8Do
数日後 牢獄
勇者「本当に会うのか?」
姫「ああ」
勇者「そうか」
姫「お前が傍にいるから、平気だ。ちょっと怖いけどな」
勇者「無理はするなよ」
姫「あいっ」
兵士「おい。面会だ」
魔女「……」
姫「……」
魔女「あら、久しぶりね……。随分と小奇麗になって……」
姫「もうすぐ処刑されると聞いて会いにきました」
魔女「……喜べばいいのかしら?」
姫「貴方に一言言いたくて、来ました」
魔女「なにかしら?」