姫「私が姫になった理由は勇者のことが好きだからだ!文句あるのか!?」
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Part1
姫「私が姫になった理由は勇者のことが好きだからだ!文句あるのか!?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1401353000/
1 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/29(木) 17:43:20.94 ID:
ay9jyg+Uo
前スレ
勇者「俺が勇者になった理由は女の子にモテるためだ。文句あんのか」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1398060666/
2 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/29(木) 17:46:49.26 ID:
ay9jyg+Uo
城下町 教会
神父「健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け……」
神父「その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか?」
医者「誓います」
村娘「誓います」
神父「では、誓いの口付けを」
姫「おぉー! きたぁ! キスだ! キス!」
村娘「……」
医者「……」
シスター「し、静かにしてください」
姫「おっと。すまん」
兵士長「違うだろ?」
姫「あぅ……。すみません」
兵士長「そうそう。あいつの教育はなっちゃいねえなぁ。ま、本業じゃねえし仕方ねえけどよ」
姫「これが結婚式かぁー。いいなっ。私もしたいぞ!」
3 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/29(木) 17:54:44.25 ID:
ay9jyg+Uo
農夫「幸せになるんだぞー!!」
医者「ありがとうございます」
「末永くお幸せにー!!」
村娘「はぁーい」
村長「うぅ……孫の結婚を生きているうちに見られるとは……うぅぅ……」
村娘「お、おじいちゃん、泣かないで。村を出て行くわけじゃないんだし」
シスター「やっぱり憧れますね……」
兵士長「嬢ちゃんなら引く手数多だろ。すぐにできるさ」
シスター「だといいんですけど……。職業柄、中々男性とお付き合いする機会がなくて……」
兵士長「ハハッ。その初心さ、たまらんねぇ。俺があと20歳若ければ、口説いてるところだ」
シスター「や、やめてください」
医者「それにしてもこんな立派な教会で式を挙げられるとは思いませんでした。本当に感謝しています」
兵士長「気にすることぁない。あんただってこの国の英雄みたいなもんだしよ」
医者「そんな。私なんて勇者様に比べれば……。そういえば、勇者様はご出席されていないようですが……」
姫「あいつならデートだ。今日はこれないって言ってた」
4 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/29(木) 18:01:29.02 ID:
ay9jyg+Uo
村娘「デート? ついに特定の女性が?」
兵士長「いや相手は男だ」
医者「え!?」
シスター「勘違いしないでください!! ほら、あの傭兵のかたですよ。任務らしくて」
医者「あ、あぁ。なるほど。驚きました」
姫「でも、あいつデートって言ってたぞ? 違うのか?」
兵士長「違うんじゃねぇの?」
姫「そっか」
医者「そうですか。この挙式も勇者様のご提案ということだったので、是非とも来て頂きたかったのですが」
兵士長「ま、あのバカにとっては幸運だったかもなぁ」
村娘「どういうことですか?」
兵士長「なんでもない。それよりも花嫁さん。そのブーケはどうすんだ? いつまでも持ってるつもりか?」
村娘「あ、そうだ。投げないと」
姫「ガルルルル……」
村娘「え? な、なに? ほ、欲しいの?」
5 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/29(木) 18:10:25.79 ID:
ay9jyg+Uo
姫「あいっ!」
村娘「うーん。でも、勇者様の妹さんに渡したほうが年齢的にもあっているような……」
姫「くーれっ! くーれっ!」
村娘「うーん……」
シスター「あ、遠慮なく投げてください。きっと誰もひめ……いえ、この子には敵いませんから」
村娘「それなら……。ーーそーれっ」
姫「ガァァウ!!!」パシッ
村娘「す、すごい……」
姫「とったー! とったー! やったー!」
兵士長「おーぅ。すげえなぁ」
姫「ん? これ、本物の花じゃないんだな」
村娘「造花なの。しばらくは飾っておけるからいいかなって」
姫「そっか! なるほどな! 私の結婚するときはこれ投げるぞ。で、お前に渡してやるからな」
シスター「あ、ありがとう……。私のほうが後なんだ……」
姫「これで結婚できるぞ! わーいっ」
6 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/29(木) 18:20:04.00 ID:
ay9jyg+Uo
医者「……彼女、元気そうで良かったです」
兵士長「初潮はまだみたいだけどな。でも、身長は少し伸びた」
医者「なら、心配はありませんね。それにしても……」
姫「ブーケは冠にするとすごい効果出たりするんだろ?」
シスター「そういう使い方はないですよ」
姫「恋愛マニュアルにはそう書いてたぞ」
シスター「いい加減、それは信じないほうが……」
医者「見違えましたね。身嗜みを整えるだけであんなにも可憐になるとは」
兵士長「だろぉ? すんげー美人になるはずだ」
医者「あの、彼女は今どこで生活をしているのですか?」
兵士長「ん? あ、あぁ。孤児院みたいなところで元気に生活してるよ。で、俺や馬鹿野郎がたまに面倒見てる」
医者「なるほど。大変ですね。まだ王座も空席のままですし国自体が不安定な状態でしょう?」
兵士長「国王代理は大臣らが必死にやってるから問題ねえよ」
医者「ですが、噂は耳にしていますよ。なんでも前国王陛下には隠し子がいたとか。その子が次の陛下になられるのでは?」
兵士長「ノーコメントだ」
7 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/29(木) 18:27:42.85 ID:
ay9jyg+Uo
医者「すみません。このようなことを一平民が聞いてはいけませんよね」
兵士長「それより魔法の馬車が待ってるぞ。はやくいってやれよ」
医者「そうします」
村娘「あなたー。はやくー」
医者「今行く! みなさん、本当にありがとうございました!!」
村娘「このご恩は決して忘れません!!」
兵士長「忘れていいぞ。毎度結婚記念日に恩返しされたら号泣する奴もいるからな」
シスター「お幸せにー」
姫「ブーケありがとうございます! 後生大事にしますわ!!」
村娘「うん!!」
医者「このお礼は後日必ず!」
兵士長「おーぅ」
村娘「勇者様にもよろしくお伝えください!!」
シスター「わかりましたー!」
兵士長「伝えた日は自棄酒だな。また付き合ってやるかぁ」
8 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/29(木) 18:32:13.59 ID:wzkp7dRqo
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
きたあああああああああああああああああああああああああああ
>>1超絶期待
9 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/29(木) 18:34:39.68 ID:
ay9jyg+Uo
姫「わーいっ。わーいっ。結婚だっ、結婚だー」
兵士長「姫様。帰りますよ」
姫「あい!」
兵士長「違うでしょう」
姫「あい! あぅ、はいっ!」
兵士長「そうそう、それそれ。んじゃ、またな」
シスター「はい。兄さんが帰ってきたらまた顔を出すように言ってください。最近、お墓参りにもあまり来ていないみたいで」
兵士長「色々忙しいからな。任務もあれば姫様のお世話もあるし」
姫「ブーケ、ブーケ」
シスター「……そうですか。元気ならいいんですけど」
兵士長「ナンパにいけねーって嘆いている間は大丈夫だ。心配しなくても死にはしねーよ」
シスター「はい。私もそう思います」
兵士長「ま、こっちも考えがないわけじゃないけどな」
シスター「考えですか?」
姫「おーい。帰らないのかー?」
10 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/29(木) 18:41:30.51 ID:
ay9jyg+Uo
広場
兵士長「城に戻ったあとは、いつものように自習でもしておいてくださいよ」
姫「わかってるぅ……。お?」
「わーい!!」
「まてまてー」
姫「……」
兵士長「きいてんのか?」
姫「あ、すまん。なんだって?」
兵士長「……悪いが、姫にはもう少し窮屈な生活をしてもらうぞ?」
姫「分かってる。魔女が母親じゃ、女王になれないもんな」
兵士長「裁判の片がつくまでは待っていてくれ」
姫「別にいいって言ってるだろ。私にはゆーしゃがいるしな!」
兵士長「大事なパパだもんな」
姫「そうだ! パパだ! でも、あいつ最近パパって呼ぶなってうるさいんだ。嫌なのか?」
兵士長「嫌なんじゃねえの? よくわかんねえけど」
11 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/29(木) 18:46:52.73 ID:
ay9jyg+Uo
城内 姫の自室
姫「ねむいなぁ……」
姫「でも、サボったら怒られるしなぁ……」
兵士『姫様! 勇者殿が戻られました!』
姫「なに!? よし!! 呼べぃ!!」
勇者「もう来てるよ。バァーカ」ガチャ
姫「わぁぁー」テテテッ
勇者「よぉ。姫様」
姫「おかえりっ!」ギュッ
兵士「では、勇者殿。後ほど」
勇者「任務の報告は相棒に任せてるんで、よろしくっす」
兵士「はっ!」
姫「今日も勉強おしえてくれるんだろ?」
勇者「おいおい。その口の利き方はなんだぁ?」
姫「えーと……。本日もお勉強いたしますでしょう? おしえてくださいな!」
12 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/29(木) 18:54:01.25 ID:
ay9jyg+Uo
勇者「今日は歴史だったか……」
姫「なぁーなぁー。任務はどんなだったんだ? 姫にも報告義務があるんだろ? おしえろ」
勇者「誰から聞いたんだよ。まぁ、いいけど。北にある村が盗賊だかなんだかの被害にあってるから助けてくれっていわれて行ったんだ」
姫「大変だったか?」
勇者「相手の人数も結構いたからなぁ。骨は折れたけど、ボッコボコにしてやった」
姫「さすがだな!」
勇者「だろ?」
姫「かっこいいぞ!」
勇者「もっと言って」
姫「サイコーだぞ、ゆうしゃ! お前は世界一かっこいいぞ!!」
勇者「アーッハッハッハッハッハ!!! そうだろう! そうだろう!! なんせ俺はこの国、いや、世界を一度救った勇者だからなぁー!!! フフハハハハ!!!!」
姫「そんなお前がすきー」ギュゥゥ
勇者「……虚しい」
姫「えへへー」スリスリ
勇者「死ぬ思いをしてもこんなガキにしか褒めて貰えないなんて……!! おらぁ! さっさとこの空欄うめろやぁ、姫さまぁ!!」
13 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/29(木) 19:04:21.65 ID:
ay9jyg+Uo
謁見の間
戦士「ーー報告は以上よぉん」
兵士長「こんなに被害が出てたのか。村人の陳情がなけれりゃあ、村も終わってたな」
戦士「さっきも言ったけど、死者はかなり出ちゃってもの。あの村はこれからが大変かもねぇ」
兵士長「それはこの国もだけどな」
戦士「治安の悪化は避けられないわよぉ。気にしちゃ、ダーメっ」
兵士長「そうも言ってられねえよ。盗賊による被害はこの村だけじゃねえんだ」
戦士「えぇー。まだあるのぉ? あたし、こまっちゃうぅ。もっとお給料だしてぇん」
兵士長「傭兵なんだから、働けば出してやるよ。んなことより、そろそろ正規の兵になってくれねえか? 給料とか面倒なんだぜ?」
戦士「いいの。あたしは自由を愛する女だから」
兵士長「立派な男にしかみえねえがな」
戦士「プンプン! 心は乙女なの!」
兵士長「はいはい。おつかれさん。今回の報酬はあとで出してやるから」
戦士「うふふ。ありがと。さーて、勇者様にあいにいこーっと」
兵士長「あいつはまだ姫様とお勉強中だ。邪魔はしてやんなよ」
14 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/29(木) 19:09:10.15 ID:
ay9jyg+Uo
姫の自室
勇者「で、この計算はぁー」
姫「あぅ……あぅ……おぅ……」ウトウト
勇者「おい」グイッ
姫「おぅう!? なんですの!?」
勇者「寝るな」
姫「あい」
勇者「てめーの為なんだぞ。わかってんのかぁ?」
姫「分かってますぅ」
勇者「この時間がなけりゃあ、俺はもっと休めるし、ナンパにだっていけるんだ。その貴重な時間を割いて、お前の勉強に付き合ってんだ! わかる!?」
姫「わかるっ!」
勇者「よし、この問題の答えは!?」
姫「わからんっ!!」
勇者「だぁー!! もう寝る!! こっちは連日の任務で疲れてんだ!!」
姫「わかった! 一緒に寝ましょう!!」
15 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/29(木) 19:14:46.71 ID:
ay9jyg+Uo
通路
兵士長「すっ……ぱぁー……」
兵士「巡回終了しました。異常はありません」
兵士長「ごくろうさん。勇者様はどうした?」
兵士「さぁ、まだ姫様の部屋からは出てきていませんが」
兵士長「そうかい。あんがとよ」
兵士長(いつまで勉強会やってんだか。こっちだって話たいこともあるのによぉ)
兵士長「いってみっか……」
兵士長(まさかとは思うが……。流石にあの姫に手を出すことはないと思うが……)
兵士長「おーい。いるかぁー?」コンコン
兵士長「……反応ねえなぁ」
兵士長「はいるぞー」ガチャ
勇者「すかー……すかー……」
姫「すぅ……すぅ……」ギュッ
兵士長(……明日にするか。おつかれさん)
16 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/29(木) 19:20:38.33 ID:
ay9jyg+Uo
翌日 中庭
姫「このブーケさえあれば結婚できるんだ。すごいだろ?」
勇者「へぇー。すごいなぁー」
姫「な?」
勇者「そうだな」
兵士長「よーぅ。勇者様、デート中すまねえなぁ」
勇者「やめてくださいよ。デートじゃなくてお守りです」
姫「デートだろ」
兵士長「照れるなよ。昨日は一晩一緒のベッドで寝てたくせに」
姫「えへへ……。やってしまいましたわ」
勇者「冗談はいいっすよ。なんすか?」
姫「冗談か?」
兵士長「ああ。また被害報告があった。最近、この国は荒れてるみたいだな」
勇者「魔女と王が国を支配しようとしていたってことは衝撃すぎるっすからね。国民が不安になるのも無理ないっす」
姫「むぅ……」
17 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/29(木) 19:28:21.15 ID:
ay9jyg+Uo
兵士長「それと盗賊の増加が関係しているかはわかんねえけどな」
勇者「それしかないっすよぉ。それ以外に何があるんすかぁー」
兵士長「姫の前でそういうことは言うなよ。あと、城の外ではな」
勇者「はいはい。わかってまぁーす」
兵士長「ああ、あと裁判の件だが」
勇者「そろそろ終わってもいいんじゃないっすか?」
兵士長「そう簡単にいくかよ。だが、まぁ、結果は分かりきってるがな」
勇者「……なぁ?」
姫「いい」
勇者「気持ちは分かるけど、一応親なんだから、顔ぐらいは見ておいたほうがよくないか?」
姫「いいって言ってるだろ。しつこい男は嫌われるぞ。恋愛マニュアルにかいてた」
勇者「ま、お前がそういうならいいけど」
兵士長「ところで、また出張頼めるか?」
勇者「盗賊退治っすかぁ? もう勘弁してくださいよぉ。一個小隊動かせばいいじゃないっすか」
兵士長「動かしても間に合わねえから勇者のお前にいってんだろ。頼むよ、勇者様」
18 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/05/29(木) 19:32:55.82 ID:SRysf5gt0
嫁と言うか兄妹だろうな、どっちかというと
19 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/29(木) 19:34:56.12 ID:
ay9jyg+Uo
勇者「ちぃーっす」
兵士長「わりぃな」
勇者「こんだけがんばってんだから、可愛い女の子の1人や2人、寄って来てもいいと思うんすけどぉ?」
姫「……」グイッグイッ
勇者「なんだよ?」
姫「ここ。ここ」
勇者「あー、はいはい。そうだな。可愛いなー、お前は」
姫「もっと言って」
勇者「やなこった」
姫「ガァァウ!!!」ガブッ
勇者「鬱陶しいなぁ」
兵士長「わぁーったよ。今日一日は休みにしてやる」
勇者「マジっすか!? 先輩だけは俺を裏切らないっすぅー」
兵士長「当たり前よ。いつだって俺はお前の味方だからなぁ」
勇者「せんぱぁい。俺、一生先輩についていくっすからぁ!! やっほー!! 久々のナンパだぁー!!! イッヤフゥゥゥ!!!」