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魔王「ここはどこだ?」
Part8


103 : ◆e5RobaASduyx :2013/12/12(木) 00:34:01.93 ID:jdft6l0Q0
 ー未使用教室ー
魔王「じゃあ食べよう」
女「勇者さんってなんというか…すごいエロい」ジロジロ
勇者「ぶはっ!?」
勇者「なななな何を…」
魔王「よく育ってるよね」ニコニコ
勇者「うるさいっ!!」
女「でも番長」
勇者「ぐすぐす…」ズーン
魔王「泣かせちゃダメだよ」ナデナデ
勇者「魔王優しくなったわね…」
魔王「そう?」
勇者「あっちの世界にいた頃とは大違いだわ」
女「あっちの世界?」
魔王「わーわーっ!?」
勇者「あ、なんでもないっ!!」
魔王(勇者…)ジロリ
勇者(ごめん…油断したわ…)
女「えっと、何か事情ありそうだし聞かなかったことにするよ」
魔王「ごめんね」
女「知り合いだったんだね?」
魔王「うん」

104 : ◆e5RobaASduyx :2013/12/12(木) 00:49:49.27 ID:jdft6l0Q0
勇者「それにしても魔王はいいなぁ…」
勇者「遠くから見てただけでも人気者だし愛されてるのが分かる」
勇者「それに引き換え、うちなんて…」
勇者「番長って呼ばれて、みんな怖がって誰も近寄らない…」
魔王「何でわたしのところに来たのか気になってたけど」
魔王「そういう事だったんだね」
魔王(ずっとひとりぼっちだったのだ、彼女は)
魔王(頼りたくはなかったのだろうけど、知っている人物がわたしだけだったから…)
女「うわぁ…そんなの知らず番長番長って言ってたよぉ」
女「マジでごめんなさい」ペコリ
勇者「いや、かまわない」
勇者「もう慣れてるから…」モクモク
魔王「…」
女「まおたん?」
勇者「ぶふっ!?」
女「え、なに??」
勇者「ゴホゴホ…ちょっと詰まらせただけ…」
勇者(いつ聞いても笑ってしまうわ…この癖なんとかしないとな…)
魔王「勇者を何とかしてあげたいな」
勇者「え?」
魔王「ホントは可愛くなりたいんじゃないの?」
勇者「まぁ…うん…」
勇者「素直に白状するとそういうものになりたかった」
魔王「昨日ずっとわたしが可愛いって言ってたので気づいたよ」
勇者「でもうちじゃ無理でしょ…」
女「素材は良いもの持ってるからなんとかなるんじゃないかな?」
女「スタイル抜群、運動神経もいいときた」
女「まおたんに匹敵するほどレベル高いと思う」
魔王「わ、わたしは別に…///」
女「まおたん、人気投票覚えてる?」
魔王「うん、クラスの男子がやってるっていうやつだよね?」
女「そうそう、それを利用して勇者さんのイメージを変えてしまおう」
勇者「え?」
魔王「いいね、やろうか」ニッコリ
勇者「え?え?」

105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/12(木) 07:23:10.68 ID:WybYjynMo
支援
更新早いのもいいよね

106 : ◆e5RobaASduyx :2013/12/12(木) 22:14:53.04 ID:jdft6l0Q0
>>105 支援ありがとうございます
自分では遅いと思ってたんだけどwこれぐらいでいいみたいなのでこのペースでいきます

107 : ◆e5RobaASduyx :2013/12/12(木) 22:16:28.91 ID:jdft6l0Q0
 ー次の日の昼休みー
ザワザワ…
司会「突発イベント・ミスコン開催です!!」
司会「このイベントは女子限定で参加が自由となっております」
司会「見事優勝した方には某レストランでスイーツ食べ放題券を進呈だ!!」
女生徒「うっそ…あの有名なところのじゃない?!」
女生徒「私出てみようかなぁ…」
司会「参加表明してくれた人から順に自己アピールしてもらいます」
司会「参加者がいなくなり次第投票に入ります」
司会「さぁ自分に自信のある女子!!」
司会「このチャンスを逃したら二度目は多分ないですよ!!」
司会「人気とスイーツを手にできるのは君次第だぁ!!!!」
女「これはひどい」
女「でも、これで舞台はそろったね」
魔王「女ちゃん、実はすごい人?」
魔王「この企画できるまで誘導するなんて…」
女「誰でも出来るってこんなの〜」
魔王「あとはこれに参加するだけだよ…って勇者?」キョロキョロ

108 : ◆e5RobaASduyx :2013/12/12(木) 22:34:46.55 ID:jdft6l0Q0
女「どこ行ったの、あの人…」
魔王「さ、探してくるっ」ダッ
賢者「面白い事やってるじゃない」ヒョコ
魔王「賢者?また来たの?」
賢者「この子必要なんでしょ?」グイッ
勇者「うぅ…」
賢者「バカ正直に逃げてきたって言ってたから捕獲してみた」
女「お姉さん、ナイス!!」
勇者「こんな人前になんて出れるわけない…」
魔王「勇者…」
勇者「どうせうちは脳筋女だよ…」
勇者「番長と呼ばれてるんだよ…」
勇者「そんなのが出たって何の意味が…」
魔王「大丈夫だよ、出よう?」
勇者「いやだよ」
勇者「うちなんかじゃ無理よ…」
魔王「出よう?」
勇者「…」
賢者「詳しくは知らないけど」
賢者「これは一肌脱ごうじゃないか」
賢者「司会者さーん!!ここに参加したい子いますよー!!」ブンブン
勇者「や、やめてくださいっ?!」
賢者「こういうのはやってみなければ結果なんて分からないんだ」
賢者「やらずにずっと嫌われ者か、やって人気者か」
賢者「あんたはどちらを選ぶんだい?」
勇者「…」

109 : ◆e5RobaASduyx :2013/12/12(木) 22:54:10.11 ID:jdft6l0Q0
賢者「なんてね、選択肢なんてあってないようなもんだろう?」
賢者「ぶっちゃけ結果なんて気にする必要はないさ」
賢者「良くても悪くてもやれば何かが変わる」
賢者「私としては頑張ってほしいところだよ」
勇者「賢者さん…」
魔王「わたしもだよ」
魔王「頑張ってほしいな」
勇者「魔王…」
司会「お姉さーん!!参加者はどの子ですかー?」
賢者「さぁ、勇気をだしな」
賢者「『勇気ある者』だろう、あんたは」
勇者「!?」
勇者「そうだ…うちは『勇気ある者』…『勇者』なんだ」
スッ
勇者「うちです…」
司会「ななななんとぉーっ!!まさかの次の参加者は番長と呼ばれたあの人…」
司会「勇者さんだぁぁぁぁぁ!!」
ザワ…ザワ…
マジカ アノヒトガサンカヲ? ソウイウヒトダッケ?
勇者「…」
賢者「ゆうちゃん、手を貸しな」
勇者「?」スッ
ポォォォォ
勇者「魔法の指輪?」
賢者「私オリジナルの変装魔法が込められている」
賢者「そいつを使ってあっと言わせてきなっ」グッ
勇者「使い方は…よし、ありがたく使わせてもらいます」
テクテク
魔王「大丈夫かな…」
賢者「あの目はどんなものにも負けず、どんな障害も切り抜ける『勇者』の目だよ」
賢者「心配は要らないさ」

110 : ◆e5RobaASduyx :2013/12/12(木) 23:11:07.70 ID:jdft6l0Q0
勇者「…」
ザワザワザワ…
司会「それでは自己アピールをどうぞー!!」
勇者「…」スゥー
勇者「うちは…」
勇者「みんなの知っての通り腕力しかない子です」
勇者「でも、本当はそういうものよりなりたいものがありました」
勇者「それは…普通の女の子のような可愛いものに」スッ
女「布被ってどうするの?」
賢者「まぁ見てなって」
魔王「頑張って…」
バッ!! シュンッ
勇者「!?」
勇者(こ、これは…)
勇者(ヒラヒラフワフワしてて…でもかわいい服だ)
生徒「メイドさんだ!!」
生徒「うお、やべぇ!!ご奉仕されてぇ?!」
バッ!! シュンッ
勇者「!!」
勇者(これはちょっと恥ずかしい…)
生徒「ちょ、あんなでかかったのかよぉ!?」
生徒「スク水かよ…なんかすごいもの見たわ…」
生徒「マニアックだなぁ…俺は好きだがな!!」
女「えっと…早着替えか何かかな、これ」
魔王「そうじゃないかな」ニコニコ
バッ!! シュンッ
勇者「!?!?!??!?!」
賢者「あ、変なもの組み込んじゃってた」テヘッ
生徒「シ ャ ツ 一 枚 だ と ! !」
魔王「変態…」ジー
賢者「あ、あっはっはっは…視線が痛いよ、ふひひ」

111 : ◆e5RobaASduyx :2013/12/12(木) 23:29:49.64 ID:jdft6l0Q0
勇者「うぅ…」
勇者(あの人…なんてことしてくれたの…)
勇者(でも…うちは負けない!!)
賢者「次で最後だよ」
バッ!! シュンッ
勇者「あ…」
女「ただの私服?」
魔王「さっきの中で一番可愛いかも」
賢者「いわゆる普段の姿というヤツだね」
賢者「アレ最後にしたのは本当の姿ってヤツを見せるためさ」ニッ
勇者「…これがうちのいつもの姿です」
勇者「似合わないのは分かっています…でも…」
勇者「ただの可愛いもの好きな女の子なんです」
勇者「こんなうちだけどよろしくお願いします」ペコッ
勇者(このために魔法を渡してくれたんですね…賢者さん)
シーン
勇者(これで…いいんだよね…)
パチパチパチ…
パチパチパチパチパチッ
ワァァァァァァァァァァ!!
生徒「怖い人かと思ったけどそうじゃなかった!!」
勇者「!?」
生徒「俺はあんたを応援するぜ!!」
生徒「ちくしょう…可愛いじゃないか…」
生徒「惚れてまうやろーっ!!」
勇者「うちにこんなに声援が…」グス
賢者「さすがだね」
魔王「よかったぁ…」
女「これで勇者さんのイメージ大分変わっただろうね」
魔王「だからといってあれはなかったと思うんだけど?」ジトー
賢者「まぁお姉さんでも失敗はあるさ…」
賢者(ホントは狙って間違えたんだけどね)
賢者(サービスショットは誰もほしいでしょ)
魔王「今日のおかずひとつ抜き」
賢者「そんなっ!?」

112 : ◆e5RobaASduyx :2013/12/12(木) 23:44:12.40 ID:jdft6l0Q0
 ー帰り道ー
魔王「結局、優勝はできなかったね」
女「ファンクラブのようなものはできたみたいだけど」
女「『勇者ちゃんを愛し隊』だっけ?」
勇者「ぁぅ///」
女「意外と可愛い生き物だったんだねこの人」
勇者「『意外と』とか言うな…」
魔王「わたしは知ってたけど」ニコニコ
女「あ、あたしここまでだ」
魔王「うん、また明日ね」フリフリ
女「ばいば〜い」ブンブン
勇者「あの女め…」スッ
魔王「せっかく協力してくれたんだから怒ったらダメだよ」
勇者「分かってるわよ…」
勇者「魔王はなんで参加しなかったのよ?」
魔王「勇者のためのイベントだったんだから」
魔王「わたしが出たら意味ないよ」
勇者「あんた…」
勇者「絶対優勝できてただろうね、あんただったら」
魔王「そうかな?」
勇者「可愛いし…」
魔王「でも今日の勇者には負けるよ」ニコ
勇者「くっ///…今日はありがと」ボソ
魔王「うん」ニッコリ
勇者「でもホントあんたは別人すぎるわ…」
魔王「こっちの方が気に入っちゃって」
魔王「戻りたくなくなってね」
勇者「まぁいいんじゃない?」
勇者「向こう帰ってもそれだと威厳も何もなくなるけどね」
魔王「む」

113 : ◆e5RobaASduyx :2013/12/13(金) 00:15:58.63 ID:yhfEPdWr0
 ー夕方 某所ー
賢者「探し人見つかったのはいいけど」
賢者「こいつはなかなかの曲者ね…」
魔術師「…」
賢者「容赦なしに魔法撃ってくるとはね…」
賢者「氷片が刺さって痛い…」ドクドク…
賢者「何も怖いものはないからおいで?」スッ
魔術師「…」ブツブツ
カッ!!
ドガッ!!
賢者「くぁっ!!」ドシャッ
賢者「っつー…こりゃまおたんに心配されるな…」
賢者「さすがにお姉さんも我慢の限界だわ…」ゴゴゴゴ
魔術師「!?」
賢者「むやみやたらと魔法を人に撃つなと教えられなかったのかね…」ゴゴゴ…
賢者「もう泣いて謝ってもも許してあげないよっ」カッ

114 : ◆e5RobaASduyx :2013/12/13(金) 00:31:25.32 ID:yhfEPdWr0
 ー部屋ー
魔王「晩ご飯できたけど賢者が帰ってこない…」
魔王「いつもなら帰ってきてるのになぁ」
魔王「何かあったのかな?」
コン…コン…
魔王「?はーい」パタパタ ガチャ
賢者「帰ったぞぅ…」ボタボタ…
魔王「け、賢者!?どうしたのそれ!?」
賢者「ちょっと野良猫捕まえるのに苦労してね」ドサッ
魔術師「…」グタ
魔王「魔術師…見つけれたんだ」
魔王「でも、その怪我は…」
賢者「その子に噛みつかれたのさ…」ニコ
魔王「わたしじゃ回復できない…そういう呪文最初からないから…」
賢者「わたしゃ魔力消費しすぎてこれ以上使えない…」
賢者「元より回復系はこっちじゃほぼ使用不可だったりして」
魔王「どうしよう…あっ!!」
魔王「待っててっ」ガチャ パタパタ