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魔王「ここはどこだ?」
Part7


88 : ◆e5RobaASduyx :2013/12/11(水) 01:14:05.62 ID:0vDAfDUY0
賢者「お腹ペコちゃん…」グルルルー
魔王「あ…ごめん」シュウッ トサッ
魔王「食べよう」
勇者「あ、あれ?おしまい?」
魔王「勇者も一緒に食べよう」
勇者「へ?」
賢者「この子は空気を読んだんだよ」
賢者「今は暴れる時でも暴れる場所でもないってね」
勇者「…」
勇者「もしかして『教育』したのですか?」
賢者「この子自らの判断だよ」
賢者「それを笑うとさすがに私は怒るよ」
勇者「…分かりました」トサッ
魔王「…」ゴソゴソ
賢者「じゃあ遠慮なく食べておくれっ」
魔王「あ、飲み物…何がいる?」スクッ
賢者「じゃあ私はビールー」
魔王「了解、勇者は?」
勇者「…何があるの?」
魔王「お酒…はさすがにダメだからオレンジジュースかお茶」
勇者「オレンジジュース…」
魔王「了解」トコトコ

89 : ◆e5RobaASduyx :2013/12/11(水) 01:22:38.06 ID:0vDAfDUY0
勇者「賢者さん」
賢者「はふはふ…ん?」
勇者「どうして魔王はあんなに大人しいのですか?」
賢者「わたしにそれ聞かれてもねぇ」
勇者「もっと威厳のある佇まいだったのに」
勇者「今は…普通の女の子のような…」
賢者「そいつはここで暮らすために頑張った結果だよ」
賢者「あんたと同じようにね」
賢者「元より大人しい感じではあったし」
賢者「案外あれがデフォかもよ?」
勇者「そうですか…」
賢者「倒すために追ってきたんでしょ?」
勇者「そのつもりでした」
賢者「でもお互い戦うほどの力も余裕も失ったってところか」
賢者「だったら今は憎み合わなくてもいいじゃない」
賢者「帰る方法は考えておいてあげるからさ」
賢者「こののんびりした世界をお互い楽しんじゃえばいいんだ」
賢者「戦うのは戻ってから、ね?」
勇者「本当にあなたは賢者と呼ばれてるだけありますね…」
賢者「いやいや、ただの頭でっかちの変態女だよ」ニッ
勇者「なんですかそれ」ニコ

90 : ◆e5RobaASduyx :2013/12/11(水) 01:34:59.33 ID:0vDAfDUY0
魔王「楽しそうだね」
勇者「…」
賢者「まおたんも変態トークに参加するかい?」
魔王「これでも飲んで大人しくしててっ」ドンッ!!
賢者「ひゃっはー!お酒だー!!」カシュッ グビグビ
魔王「はい」トンッ
勇者「…ありがと」
賢者「ふーむ…」
魔王「どうしたの?真剣な顔して」
賢者「いや…どんなもんだろうなと思って…」
魔王「?」
勇者「どんなもんとは?」
賢者「いやぁ…」ジー
魔王(賢者の視線の先に…)
勇者「うち?」
賢者「その二つのメロンのサイズが出会ってからずっと気になっててね…」
魔王「変態、自重しろ」ポコッ
賢者「だってーあんなにでかいと気になるじゃなーい」
勇者「…ぷっ」
勇者「あはははははは」

91 : ◆e5RobaASduyx :2013/12/11(水) 01:50:02.25 ID:0vDAfDUY0
勇者「ツッコむ魔王なんてはじめて見た、あははははは…」
魔王「む」
勇者「いや、さっきみたいにバカにしてるわけじゃなくて」
勇者「イメージが違いすぎて面白かったから」
魔王「変?」
勇者「変ね…くくくっ…」
魔王「結局バカにしたな…」ゴゴゴゴゴ
勇者「それやめってって!?」
賢者「だったら罰ゲーム執行っ」モニッ
勇者「ひっ!?」
賢者「ウソつきの罰〜」モニモニ
魔王「これでシラフだから危ない人なんだよね」
勇者「あっ…変な解説いいから…んんっ…たすけ…」
賢者「スタイルもいいしグラビアとかに出たらいいかもなぁ」モニモニ
勇者「ひぃぃぃぃぃぃ」
魔王「ざまーみろ」

92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/11(水) 06:42:01.57 ID:uVOkkbtNo
あれ?勇者女?

93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/11(水) 19:31:00.96 ID:BZN0PqrAO
基本全員女だと思って読んでた

94 : ◆e5RobaASduyx :2013/12/11(水) 22:01:53.98 ID:0vDAfDUY0
あ、大体女ばかりです
ちょっと分かりづらいかもしれませんがそう思って読んでくれてかまいませんよ
男はしゃべり方とかではっきり分かるのでそれで判断してください

95 : ◆e5RobaASduyx :2013/12/11(水) 22:03:36.19 ID:0vDAfDUY0
賢者「─ーー」ピクピク
魔王「やっと大人しくなった…」
勇者「いやいや、あんたが大人しくさせたんでしょ!?」
勇者「睡眠魔法と衝撃魔法の乱打はさすがに死ぬかと…」
魔王「意外と丈夫だからその内起きる」
勇者「…あんた、本当に変わったわね」
魔王「変わらざるをえなかったんだよ」
勇者「言っておいてなんだけどそれには同意」
勇者「うちの話し方は元から変わってないけど」
勇者「暮らし方は変わった」
魔王「向こうと全然違うしね」ニコ
勇者「…くっ」
魔王「何を悔しがってるの?」
勇者「あんた…うちより可愛らしいじゃない…」
魔王「そうかな?」
魔王「わたしはあまりそういうの分からないけど」
魔王「勇者だって可愛いと思う」
勇者「いやいや」
勇者「うちは戦いの事ばかりでそういうのは全然だったんだよ」
勇者「おしゃれとかしてる余裕もなかった」
魔王「ならここで変われば良いんじゃないのかな」
勇者「そうだけど…あぁ〜やっぱり魔王のほうが可愛い…」

96 : ◆e5RobaASduyx :2013/12/11(水) 22:24:12.64 ID:0vDAfDUY0
魔王「関係ない話だけどひとつ聞きたい」
勇者「なにさ?」
魔王「魔法使える?」
勇者「ぶっちゃけ全然使えない」
勇者「せいぜい回復魔法(小)ぐらいだね」
勇者「元々魔法は苦手分野だったけど」
魔王「やっぱり世界変わるとなくなるのか…」
勇者「やっぱあんたは膨大な魔法所持してたから結構使えるようね」
魔王「でもここじゃ必要ないのは分かったし」
魔王「それでも使えるのだいぶ減ったよ」
勇者「そうだね」
勇者「しょうがないな…」
勇者「しばらくはあんたと共生しようじゃない」
魔王「いいの?」
勇者「お互いが全快の状態じゃないと意味がないじゃない」
魔王「優しいね、君は」
勇者「マジ悔しい…話し方ですらなんか可愛い…」
魔王「?」

97 : ◆e5RobaASduyx :2013/12/11(水) 22:40:46.66 ID:0vDAfDUY0
魔王「ここには一人で来たの?」
勇者「メンバー二人はついてきたよ」
勇者「僧侶は向こうに大切な人がいるらしいから置いてきた」
勇者「帰れなくなって泣かれても困るからね」
魔王「やっぱり優しいね勇者」
勇者「べ、別に泣かれたら対処が面倒だっただけよっ」プイッ
魔王「で、他の二人は?」
勇者「転送した時、離れ離れになったけど」
勇者「騎士はホテル街をぶらぶらしてるの見た」
勇者「ここの生活を楽しんでるようだったわ」
魔王「ホテル街…最初に来た時行った悪い奴がいた所か」
勇者「アレにはできたら関わりたくないからもう放置してる」
勇者「放っておいても勝手に生きるし」
魔王「はじめて会った時告白?されたっけ」
勇者「魔王相手に愛を語るとかアホ以外ないでしょ」
魔王「今ならあれがどういう意味か分かる」
勇者「知らなかったのっ?!」
魔王「愛とか恋とかそういう感情が分からなかったから」
勇者「ふぅん」
勇者「あとは魔術師か」
勇者「あの子は正直どこにいるか分からない…」
魔王「元々無口だったみたいだしね」
勇者「考えてる事もよく分からなかったし」
魔王「でも心配してるんだね?」
勇者「魔法はすごいけど12歳の少女だよあの子は…」

98 : ◆e5RobaASduyx :2013/12/11(水) 23:00:26.94 ID:0vDAfDUY0
賢者「変なのに捕まってないといいね」
勇者「うん…って、賢者さんいつのの間に…」
魔王「あ、起きたんだ」
賢者「あの永久2コンボはさすがに効いたわぁ」
賢者「まーちんはこっちで探しておいてあげよう」
勇者「ぶふっ!!」
魔王「何で人のあだ名で吹くの?」
勇者「な、なんでか笑っちゃうんだよ…」
勇者「うちはそろそろ帰りますね」
勇者「ごちそうになりました」ペコリ
賢者「持ってきたのゆうちゃんだけどねー」
勇者「ははっ…」
魔王「勇者」
勇者「なに?」
魔王「…」スッ
勇者「…なに?」
魔王「共生の握手」
勇者「ホント変わったね」ギュ
勇者「いつまでか分からないけどよろしく魔王」グッ
魔王「よろしく勇者」ニッコリ
勇者「くそぉぉぉぉぉ!!」ダンダンダン!!
賢者「なんか地団太踏んでるけど大丈夫かいこの子?」
魔王「気にしないであげて…」

99 : ◆e5RobaASduyx :2013/12/11(水) 23:17:46.07 ID:0vDAfDUY0
 ー次の日ー
魔王「じゃあそろそろ行ってくる」
賢者「はーい、いってら〜」
ガチャ
勇者「…ぁ」
魔王「あれ、勇者も学校行ってたんだ?」
魔王「近くに住んでたのに気づかなかったって…」
勇者「ま、まぁ…賢者さんに強引に…」
魔王「そっか、だったら一緒に行こう」
勇者「しょ、しょうがないわね…」
魔王「でもこんな近くに住んでたのによく気づかなかったねお互い」
勇者「存在自体は知ってたわよ、あんただとは思ってなかったけど…」
魔王「あはは、あまり一人で外出たりもしてなかったしなぁ」
勇者「異世界でしかも一人であまり歩き回りたくないのは分かるわ」
魔王「あ、やっぱり勇者も?」

100 : ◆e5RobaASduyx :2013/12/11(水) 23:35:33.62 ID:0vDAfDUY0
魔王「いつも以上に視線を感じる…」
勇者「あんたも結構有名なのね」
魔王「あんた『も』?」
勇者「あ」
生徒達「おい、例の美少女と番長が一緒にいるぞ」
生徒達「最強コンビじゃない?」
魔王「…番長?」
勇者「…」
魔王「勇者って番長って呼ばれてるの?」
勇者「忘れろっ!!」
魔王「さすがに無理だって…」
勇者「くっ…」
勇者「学校行った初日にさ」
勇者「ひどいいじめの現場を目撃して」
勇者「いじめてた奴撃退したらそう呼ばれだした…」
勇者「倒した相手がこの辺で有名なヤツで迷惑してたんだってさ」
勇者「そのせいかうちはいつの間にか『番長』に…」
魔王「そうだったんだ」
勇者「笑いたきゃ笑いなさいよ…」
魔王「笑う?何で?優しいじゃない」
魔王「悪い事してないなら気にする必要ないよ」
勇者「…」
魔王「勇者らしくていいと思う」ニコ
勇者(魔王ってこんな優しい生き物だったっけ?)
勇者「は、早く行くわよっ」プイッ
魔王「あ、待ってっ」

101 : ◆e5RobaASduyx :2013/12/12(木) 00:03:45.15 ID:jdft6l0Q0
 ー昼休みー
魔王「女ちゃん」
女「うん?何?」
魔王「勇者、知ってる?」
女「あー…うん、有名な人だし知ってるよ」
女「まおたんよりあとぐらいだったっけ?に転校してきた人で」
女「たった一日で学校一危ないって人を叩きのめしたとか」
魔王「で、番長って呼ばれていると」
女「そうそうっ」
女「でも女の子だからちょっとかわいそうだよねぇ」
魔王「うん」
勇者「そこの君、魔王ここにいる?」
生徒「あ、番長さんじゃないですか」
勇者「番長じゃ…ないもん…」ズーン
生徒「魔王ちゃーん、番長さん…じゃなかった勇者さんが呼んでるよ」
魔王「何で勇者が…?」
女「何でかすごく落ち込んでるね」
魔王「勇者、わざわざここに来てどうしたの?」
魔王「確か一年上だったよね?」
勇者「ぐす…そうだよ」
魔王「何で泣いてるの?」
生徒「多分、俺が禁句言ったからかも…」
女「『番長』かな」
勇者「違うもん…ぐす…」ズーーーン
生徒「やめたげてよぉ!!」
女「最初に言ったの君じゃん…」

102 : ◆e5RobaASduyx :2013/12/12(木) 00:18:31.87 ID:jdft6l0Q0
魔王「用事あるんじゃないの?」
勇者「そうだった…お昼、食べた?」
魔王「今食べてるところだったけど」
勇者「じゃあいいや…」トボトボ
魔王「待って」ガシッ
勇者「…なに?」
魔王「一緒に食べよう?まだ途中だし」
勇者「でも…」
魔王「そのために来たんじゃないの?」
勇者「ぐすぐす…」
魔王「あれ、なんかいけない事言ったかな?」
勇者「ホントにいいの…?」
魔王「いいよ」
女「あれ、なんか1人増えそう」
女「でも楽しそう」
魔王「場所変えようか?」
魔王「女ちゃん」
女「はいはい、かまわないよ〜いつもの場所行こうか」
魔王「勇者、ついてきて」
女「まおたん、お弁当忘れてるよー」
魔王「あぅ…」
勇者「やっぱり可愛い…くやしい!!」ガシガシッ!!
生徒(番長がゴミ箱蹴ってる…でも不思議とあまり怖くない…?)