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魔王「ここはどこだ?」
Part6


73 : ◆e5RobaASduyx :2013/12/10(火) 00:33:00.82 ID:7mINfk3W0
………
女「はぁ…ストーカーかなぁ」
魔王「やっぱり…そうなのかな…」
女「同性のあたしから見ても可愛いからなぁまおたん」
魔王「かわいいって…」
女「今日は一緒に帰ろっか?」
魔王「いいの…?」
女「あったりまえだよー」
魔王「ありがとう」
女「でも途中までだから別れたあとは気をつけないとね」
魔王「うん…」
魔王(なるべく巻き込みたくはなかったけど…)
魔王(昨日、一緒にいる時は気配が消えたから)
魔王(少しの間だけでもいてもらおう)

74 : ◆e5RobaASduyx :2013/12/10(火) 00:46:18.58 ID:7mINfk3W0
 ーグラウンドー
教師「今日は走り高跳びをする」
魔王「…まずい」
女「どうしたの?」
魔王「い、いや…何でも…」
魔王(何をするのかさっぱり分からない…)
魔王(普通知っている事を知らないとなるとまずいだろう)
魔王(聞くわけにもいかないし…)
魔王(どうすればいいんだ…)
 『まおたんも人の話には耳を傾けてみるといい』
魔王(人の話か…)
生徒「私、これ苦手かも〜」
生徒「ただ飛ぶだけじゃない」
生徒「だって、バーに当らずにってなんか怖くない?」
生徒「いやいや、怖くはないっしょ…」
魔王(バーとかやらに触れずに飛べばいいのか)
魔王(ふむ…あとは人の動きを見て参考にしてみるか)
タタタ…タンッ…トサッ
魔王(基本背中から飛び越すようだな)

75 : ◆e5RobaASduyx :2013/12/10(火) 01:00:28.13 ID:7mINfk3W0
教師「次っ」ピッ
魔王(と、考えている間にわたしの出番らしい)
魔王「…ふっ」タッタッタ タンッ!!
トサッ
教師「よし、次っ」ピッ
魔王(あんな感じでいいらしいな)
魔王(そういえば身体能力だけはそのままだった)
魔王(どうもこの世界の人間と体のつくりが若干違うらしい)
魔王(加減しないとな)
………
魔王「…ふっ」タッタッタ タンッ!!
トサッ
おぉぉぉぉぉ!!
魔王(少しずつ高くなっていったのだが…)
教師「驚いたな…」
生徒「あの高さまで飛べるなんてすごいっ」
魔王「は、はは…」
魔王(少々やりすぎてしまったかもしれない)
魔王(やはり人間って面倒だっ)

77 : ◆e5RobaASduyx :2013/12/10(火) 01:14:01.25 ID:7mINfk3W0
 ー昼休みー
生徒「魔王ちゃんってホントに元病人なのか?」
生徒「すごい運動神経だよねぇ」
生徒「前に2階から飛び降りてたし、何かやってたの?」
魔王「少々鍛えたから…かな…」
魔王(体育以来、なんだか別の印象を与えてしまったようだ)
生徒「容姿だけじゃなかったという事か…」
生徒「これで頭良かったら完璧すぎるわぁ」
魔王「頭は…あまり…」
魔王(何せこっちの事はまだ基本ぐらいしか分からないからな)
生徒「ですよねー」
生徒「そこまで完璧超人いるわけないか」
魔王(しかし、こうやって何人もの人と話すというのも悪くないな)
???「…」ジー
魔王「っ!?」キョロキョロ
生徒「どうしたの?」
魔王「なんでもない…よ…」
魔王(学校内にも気配が…まさかな…)

78 : ◆e5RobaASduyx :2013/12/10(火) 21:38:57.51 ID:7mINfk3W0
 ー放課後ー
女「まおたん、どう?」
魔王「え?」
女「まだ誰かついてきてる?」
魔王「…今はいないみたい」
女「そっかー」
魔王「でも昼休みに…いたかも…」
女「えぇっ!?」
女「じゃあうちの学校の生徒かな?」
魔王「でもそれは今日だけだったし」
女「うーむ…不法侵入してきたのかな…」
女「っとー、ここでお別れだけど大丈夫?」
魔王「もうちょっとで着くから」
女「そっか、じゃあねっ」タタタ
魔王「うん、また明日…」
魔王「…」テクテク

79 : ◆e5RobaASduyx :2013/12/10(火) 21:57:53.26 ID:7mINfk3W0
………
魔王「やっぱり1人の時だけか…」
???「…」ジー
魔王「いっその事…」コォォォォ
ガシッ
魔王「!?」バッ
賢者「私だよ、やめておきな」
魔王「賢者か…でも…」
賢者「あんたはそのまま家へ向かうんだ」
賢者「私は途中で別れたフリして奴を捕らえる」
魔王「…分かった」
賢者「さすがに気になるんだよね」
魔王「え?」
賢者「私も関係あるのかなって」
魔王「あー」
魔王(賢者がいる時もヤツは離れないからか)
賢者「だからこそバイト中断してまで来たんだ」
魔王「バイトに問題は…?」
賢者「普段から真面目にやってるから少しぐらい何も言われないよ」
魔王「そっか…」
賢者「じゃあここで」
魔王「了解」
賢者「犯人にはきっついお仕置きが必要だな…」タタタッ
魔王「…」
魔王(言われたとおり家まで行こう)

80 : ◆e5RobaASduyx :2013/12/10(火) 22:27:53.21 ID:7mINfk3W0
 ーアパート前ー
魔王「ついた…」
グイッ
魔王「!?」
?「そのまま動かないで」
魔王「むー」
魔王(この声は…)
?「これでストーカーがどう動くかな?」
???「!?」
???「わたしの魔王ちゃんが!!」ガタッ
賢者「なーにがわたしの魔王ちゃんが…だっ!!」
ゴチンッ!!
???「あいたぁ!!」
賢者「犯人があんたとはね」
賢者「私といても離れなかったのでピンときたわけだ」
賢者「ちなみにあの子捕まえてるのはあの子の友達さ」
賢者「あんたの気を引くため演技してもらった」
???「え?何のことやらさっぱり…」

81 : ◆e5RobaASduyx :2013/12/10(火) 22:54:18.79 ID:7mINfk3W0
賢者「あの子をジーっと見てた時から怪しいと思ったんだよ」
賢者「前に私にもついてこようとしてたの思い出してよかったわ」
賢者「最近あの子の帰宅時間ぐらいに休憩入れてたから変だとは思ったんだよ」
バイト「わたしは別に変な事考えてたんじゃ…」
賢者「ストーカーしてるだけで迷惑だっつーのっ!!」
ゴチンッ!!
バイト「いたぁい!!」
賢者「あんた、学校にまで入り込んでたんだって?」
バイト「うぅ…魔王ちゃん見てたかっただけなのに…」
賢者「で、あわよくば魔王ちゃんペロペロ、と」
バイト「そう!!あれだけ可愛いから」
バイト「隙あらばあんな事やこんな事を色々…ぁ」
賢者「よし判決、有罪っ!!」ガシッ
バイト「しまった!!誘導だった!?」
賢者「普通、誰もあそこでノるバカないけどね」
賢者「そして、あんた変な事する気満々じゃないか」
賢者「とりあえずあんたにお仕置きするわ」ニッコリ
バイト「け、賢者ちゃんにされるなら本望…」ニ、ニコ
バイト「ぎゃぴfkjlfksdrg」バリバリバリッ!!
賢者「あの子を愛でられるのは私だけで十分だ、ふひひ」

82 : ◆e5RobaASduyx :2013/12/10(火) 23:16:30.85 ID:7mINfk3W0
?「もういいかな」スッ
魔王「ぷはっ、女…さんがなんで?」
女「帰ってる途中でお姉さんがいたんだよ」
女「それでストーカーの事話したら捕まえるの協力してくれって」
魔王「そうだったんだ…」
女「ちょっとした気を引く役だったけど役に立てて良かった」
魔王「ありがとう」
女「いーのいーの、お友達じゃないっ」
魔王「お友達…」
女「あれ、違う?」
魔王「ううん…ううんっ」ブンブンッ
女「よかったよ、あと女ちゃんと呼んでくれると嬉しいかな」
魔王「分かったよ、女…ちゃん」ニコ
賢者「うむ、いい笑顔だ」
魔王「賢者か」
女「あ、お姉さん」
賢者「協力ありがとね」
女「いえいえ〜」
魔王「犯人は?」
賢者「毒魔法をぶち込ん…じゃない、反省させて帰した」
魔王(ほぼ全部言ってるじゃないか…)
女「もう大丈夫なんですか??」
賢者「うん、多分もう手ぇ出さないでしょ」
魔王「ほっ」
賢者「次やったら殺すし」ニッコリ
女「この人、結構怖い人…?」
魔王「多分…悪い事が許せない人なんだよ…」
魔王(出会った時も言ってたしな)

83 : ◆e5RobaASduyx :2013/12/10(火) 23:23:32.41 ID:7mINfk3W0
 ー一方その頃ー
バイト「うは…なにこれ…身体が痛い…」ギシギシ
バイト「まるであの日みたいに…あふっ」ビクンビクン
バイト「苦し…痛い…」フラフラ
バイト「でも…」
バイト「これはこれで気持ちいかもっ」ビクンッ
バイト「賢者ちゃんすげぇぇぇぇ…やっぱ痛いぃ!!ボスケテ!!」ズキンビクンッ
魔王(しばらくして解毒はしてあげたそうな…)

84 : ◆e5RobaASduyx :2013/12/10(火) 23:43:36.00 ID:7mINfk3W0
 ー2週間後ー
魔王「最近になって街中のライトが多数光りだしたんだけど」
魔王「これにはどういう意味が?」
賢者「あー、クリスマス近いからだねぇ」
賢者「イルミネーションってやつだよ、綺麗でしょ?」
魔王「うん…ところでクリスマスというのは?」
賢者「イベントさ」
賢者「赤と白のモフモフした服を着てみたり、パーティ開いたり」
賢者「美味しい物食べたり、男女で乳繰り合ったり」
賢者「一種のお祭りだわね」
賢者「実際は正式な意味がある日らしいけど」
魔王「ほぇー」
賢者「まぁ正確にはもうちょっと後日になるんだけどね」
魔王「わたし達は何かしないの?」
賢者「やりたい?」
魔王「うん」
賢者「素直なまおたん、大好き」
賢者「そんな事もあろうかと準備は始めてるところだよ」
魔王「ホントに!?」
賢者「ホントホント」
賢者「あと1週間後を楽しみにしてるんだよ?」
魔王「分かった!!」
賢者「嬉しそうにしちゃって」ニコニコ
賢者(もっと人数集められたらもっと楽しくなるんだろうけどね)

85 : ◆e5RobaASduyx :2013/12/11(水) 00:08:04.37 ID:0vDAfDUY0
ピンポーン
賢者「おっと頼んだピザが来たね」
賢者「たまには楽したくなるよね〜、今行きまーす!!」
魔王「わたしに任せて」スクッ トコトコ
賢者「ホント動いてくれるようになったわぁ」ノビノビ
魔王「今開けます」ガチャ
ピザ屋「お待たせしました、こちらが…ぅえ?!」
魔王「え゛…」
ピザ屋「ごほん…こちらがご注文の品となります」スッ
魔王「いや、何やってんの?」
ピザ屋「料金は…」
魔王「聞 い て い る の か 勇 者 ! !」

86 : ◆e5RobaASduyx :2013/12/11(水) 00:28:17.00 ID:0vDAfDUY0
賢者「どうしたんだい?」
魔王「知った顔がいたので…」
賢者「二つ隣の部屋に住んでるゆうちゃんじゃないかい」
賢者「ピザ屋のバイトはじめたんだっけか」
魔王「知ってるの!??!」
魔王「しかもすごく近くに住んでるみたいだし?!」
賢者「偶然大家さんの所来てたから、あんたと同じように色々教えてあげたんだよ」
勇者「なんでこんな所に魔王が…」プルプル
賢者「なんだい、知り合いだったのかい」
魔王「これ、自分の世界でわたしをギリギリまで追い込んだ勇者だよ」
賢者「あらま」
勇者「この世界にいるのは分かっていたが…」
勇者「まさか賢者さんと同居してるとは予想外過ぎだ…」
賢者「じゃあとりあえずお腹ペコちゃんのお姉さんにピザをおくれ」
勇者「あ、はい…どうぞ」スッ
賢者「はーいお金ね〜」チャリッ
勇者「ありがとうございました…」
勇者「まさかここから出前くるとは思いませんでしたよ」
賢者「のんびりしたかったから手を抜きたくてね」
魔王「…」

87 : ◆e5RobaASduyx :2013/12/11(水) 00:45:16.83 ID:0vDAfDUY0
賢者「ゆうちゃんも食べてく?」
勇者「いえ…仕事中ですので…」
賢者「でももう終わる時間じゃない?」
勇者「何で分かるんですか!?」
賢者「そこのバイトしてたことあったしぃ〜」
賢者「まぁ電話しておいてあげるから入りな」
勇者「すみません…」
勇者「聞きたい事もありますし、お邪魔します…」
魔王「…」
賢者「まおたんもアツアツのうちに食べよ?」
魔王「うん…」
勇者「ぶふっ!!」
魔王「!?」キッ
勇者「あの魔王が『まおたん』だって…ぷふっ!!」
魔王「…」ユラリ
魔王「殺す…」メラメラ
勇者「何その可愛い炎!!さすが『まおたん』!!」
魔王「自己犠牲破壊魔法…」ゴゴゴゴゴ
勇者「いっ!?」
勇者「それ、ここでも使えるの!?さすがにやばいからやめてよ!?」