Part2
19 :
◆e5RobaASduyx :2013/12/04(水) 00:09:03.04 ID:XMdz1zvE0
ー深夜ー
魔王「…賢者、寝たか?」
賢者「ん〜?まだ起きてるけどー?」
魔王「わたしはこの世界でやっていけるのだろうか…」
賢者「不安なのかい?」
魔王「あぁ…」
魔王「今まで自分であまり動き回ったりした事がなかった」
魔王「すべて他の者にまかせっきりだったからな」
魔王「自分の力で生きるという事がまずできるか不安なんだ」
賢者「そこだけ聞いてると」
賢者「魔王ってのがなきゃどこかのお嬢さまだなぁ」
賢者「気持ちは分かるけどなんとかなるよ」
賢者「私だって最初は失敗ばかりだった」
賢者「力を抜いて頑張ればいんだ」
賢者「気を張ると失敗ばかりか無駄に疲れるだけ」
魔王「そうか…」
魔王「力を抜いてか…明日から頑張らねばな」
魔王「まず…は…生きる……」
魔王「すぅすぅ」
賢者「寝ちゃったか」
賢者「この世界はのんびりしている」
賢者「元の世界に帰る方法分かるまで頑張っていこうじゃない」パチッ
20 :
◆e5RobaASduyx :2013/12/04(水) 21:43:20.99 ID:XMdz1zvE0
ー朝ー
魔王「んん…」
魔王「あとごふぅん…」ゴロリン
賢者「まだ起こそうともしてないのにそれ言っちゃうまおたんかわいいっ」
魔王「すぅすぅ」
賢者「寝かせたままにしてあげたいが…」
賢者「『あの子』の相手をしてほしいな」
賢者「と、いうわけで…いただきます」パンパンッ
モゾモゾ ススス…
魔王「っ!?」ビクンッ!!
賢者「ここか?ここがええのんかぁ?」ムニムニッ
魔王「あっ…んぁ…は…」
魔王「やめろっ!!」ガバッ!!
賢者「あふんっ」ゴロン
魔王「む…?ここは…」
賢者「異世界・賢者お姉さんの部屋・オッケー?」
魔王「あぁ…そうだったな」
魔王「しかし、いきなり何をするのだっ!?」
賢者「いやぁ起きてほしかったのさ」
魔王「だからといって身体をまさぐるのはどうかと思うが…」
賢者「微妙に育った身体はどんな感じなのかと思って?」
賢者「育ってるところは育ってました!!」グッ
魔王「俗に言う変態なのか?」
賢者「そう、ある意味職業のようなものさ」
魔王「どんな職業だ…」
21 :
◆e5RobaASduyx :2013/12/04(水) 22:05:16.68 ID:XMdz1zvE0
魔王「それで何故起こしたのだ?」
賢者「えっとね」
賢者「今日はある子供の相手をしてほしいんだ」
魔王「子供?幼子か」
賢者「この部屋貸してくれている人の子供なんだけど」
賢者「色々お世話になってるし」
賢者「それに君だってこれからお世話になるわけだ」
魔王「そうか、それなら引き受けたほうが良さそうだな」
賢者「基本的にあの子の自由にさせていればいい」
賢者「わがままとか言うかもしれないけど、適当にあしらっていいよ」
魔王「適当でいいのか…?」
賢者「小さな子はそれぐらいじゃないと付き合うのは難しいよ」
賢者「それに相手してると自然と覚える事もある」
魔王「心得た」
22 :
◆e5RobaASduyx :2013/12/04(水) 22:30:12.14 ID:XMdz1zvE0
賢者「それじゃ私はバイト行ってくるわぁ」
魔王「バイト?」
賢者「アルバイト…お仕事さ」
賢者「お金稼がないとさすがに生きていけないからね」
魔王「人間は金を使って食料を調達するのが基本だから仕方ないだろうな」
賢者「自給自足で手に入れることもできるけどここじゃ厳しいしね」
賢者「あーそうそう、お昼頃に私のバイト先に来ておくれ」
賢者「ここにその場所は書いておいたよ」パサリ
賢者「書いてある物を目印にこれば着くはずだからね」
魔王「分かった」
魔王「留守とその子供の相手はまかせろ」
賢者「それじゃお願いねぇ」ガチャ
賢者「いってきまーす」
魔王「いってこい」
バタン
魔王「む?」
魔王「そういえばその子供とやらはいつ来るのだ??」
魔王「まぁいい、勉学に励むか」ペラッ
魔王「山…川…空…海……」カリカリ
魔王「漢字とやらがえらい多量にあるが…」
魔王「これすべて覚えるのか…むぅ」
魔王「いや!弱音を吐いている場合じゃない!!」
魔王「ここで生きるには大切な事なのだ…」カリカリカリ…
23 :
◆e5RobaASduyx :2013/12/04(水) 22:45:50.36 ID:XMdz1zvE0
ー2時間後ー
魔王「…」カリカリカリ
コンコン
魔王「…」カリカリカリカリ
ガチャ
幼女「…」
魔王「…」カリカリカリカリカリ
幼女「しらないひとがいるー」
魔王「ん?来たのか」クルッ
幼女「けんじゃおねーちゃんはー?」
魔王「仕事に出かけた」
幼女「うにゅう」
魔王「お前の相手はわたしがまかされている」
幼女「おねーちゃんがあそんでくれるの?」
魔王「そうなるな」
幼女「けんじゃおねーちゃんのおともだち?」
魔王「友達…同居人というべきか」
幼女「どきゅんにんじん?」
魔王「どう聞けばそんな言葉になる…」
魔王「まぁ友達でいい」
幼女「だったらあんしんだぁ」グイグイ
魔王「こらこら、引っ張るでない」
幼女「おそといこっ!!おそとっ!!」
魔王「この辺を知らぬから遠くには行けぬぞ」
幼女「すぐ・そこ・さんくすだよっ」
魔王「よく分からぬが近くならよい」
幼女「ちかくだからいこ」グイグイ
魔王「だから引っ張るなと言うに…」
24 :
◆e5RobaASduyx :2013/12/04(水) 23:11:55.10 ID:XMdz1zvE0
ーアパート外の庭ー
魔王「ふむ、ここで何するのだ?」
幼女「おままごと!!」
魔王「おままごと?」
魔王「どういう遊戯だ?」
幼女「パパとかママになってかぞくになるのっ」
魔王「む?家族のふりする遊戯なのか?」
幼女「いいからはやくあそぶのっ!!」
魔王「う、うむ…わたしはよく分からぬから」
魔王「えー…お前、名前はなんだ?」
幼女「幼女!!」
魔王「ならば幼女、わたしはやり方を知らぬから好きに進めてくれ」
幼女「はーい」
幼女「じゃああたしはママで〜」
幼女「おねーさんはこども〜」
魔王「子供か…いいだろう」
魔王「あとわたしの事は魔王でいいぞ」
幼女「はーい、じゃあはじめるよ〜」
25 :
◆e5RobaASduyx :2013/12/04(水) 23:25:12.70 ID:XMdz1zvE0
幼女「…『このバカ娘っ!!』」
ばちーんっ!!
魔王「いっ!?何をするっ!!」ヒリヒリ
幼女「『どうしてお前は悪さしかしないのっ!!』」
魔王「どういう展開なんだこれは…」
幼女「『ちゃんと話を聞きなさいっ!!』」
ばちーんっ!!
魔王「だっ!?だからなぜ殴るっ!!」
幼女「『分かってくれないなんてママ悲しいわ』」シクシク
魔王「…」
幼女「『何か言わないと泣いちゃうんだからっ!!』」シクシク
幼女「『泣くと普段の十倍の力がでるのだよ…ボウヤ』」デデーン
魔王「何この超展開」
魔王「誰か助けて…」
26 :
◆e5RobaASduyx :2013/12/04(水) 23:52:38.16 ID:XMdz1zvE0
魔王「で、部屋に戻ってきたわけだが…」
幼女「ふんふーん」カキカキ
魔王「今度は絵描きに夢中か」
魔王「今のうちに勉学を…」カリカリカリ
幼女「まお〜」
魔王「なんだ?」カリカリカリ
幼女「おようふくぬいで」
魔王「は?」
幼女「ぬげ、はなしはそれからだっ」グイー
魔王「おい!!いきなり訳の分からぬ事を言うなっ!!」グググッ
魔王「何故脱がないといけないっ…」
幼女「ぬーどでっさんかくの」
魔王「…」ペラペラ…
魔王(ヌード:裸体。または裸体を扱った作品…)
魔王(デッサン:絵画、彫刻の下絵…)
魔王「全力で断る!!」
幼女「からだにじしんがないの?」
魔王「こやつ…本当に幼子か?」
幼女「つーまんなーい!!」ジタバタ
魔王「おい、暴れるな!?」ガシッ
魔王(まさか賢者の奴…)
魔王(こやつが面倒な奴と知って、わたしに押し付けたのでは…)
27 :
◆e5RobaASduyx :2013/12/05(木) 00:20:59.76 ID:og3O6vZx0
ー 一方、バイト中の賢者さん ー
賢者「ありがとうございましたぁ…へっ、くちゅーんっ!!」
バイト「賢者ちゃんの可愛いくしゃみっ」キュンキュン
店長「飲食店なんだから風邪とかは持ってこないでくれよ」
賢者「ぐずぐず…すいませんねぇ」
賢者「お客さん今いないから掃除しましょっと〜」キュッキュ
賢者(まおたん来てくれて楽できそうだわぁ)
賢者(なーんて、ホントは子供って苦手だったからちょうどよかった…)
賢者(悪影響しか与えないし…ふひひ)
店長「相変わらずよく働くなぁ」
バイト「それに美人さんだからお客さんも歓喜喝采」
店長「美人は認めるがそこまでじゃないだろ…」
バイト「でも何度かデートに誘われてましたよ?」
賢者「きれ〜いにきれ〜にできましたぁ〜♪」キュッキュ
バイト「今の顔いいっ!!いただきっ!!」パシャッパシャッ!!
店長「頼むからお前も仕事してくれ…」
28 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/05(木) 07:32:51.96 ID:tBU2s/5ho
俺にその写真くれっ!!
29 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/05(木) 18:24:26.33 ID:cOnEj0GN0
その写真いい値で買おう
30 :
◆e5RobaASduyx :2013/12/05(木) 21:57:50.65 ID:og3O6vZx0
ー再び 賢者の部屋ー
幼女「んん…にゅぅ…」スゥスゥ
魔王「寝たか…」
魔王「…」カリカリ コロン
魔王「んーっ!!今はこれぐらいにしておこう」ググーッ
魔王「しかし…」
幼女「んにゅ…」キュッ
魔王「人の膝の上で寝られるとはな…」
魔王「掴まれているので動こうにも動けぬ…」
コンコン
魔王「誰だ?」
魔王「手が離せない、入ってくれ」
ガチャ
??「あぁ、やっぱりここにいたのね」
魔王「すまないがどなたかな?」
??「ここの大家よ」
大家「そして、その子の母親でもあるわ」
魔王「あぁ貴さ…あなたがそうだったの…ですか」
大家「賢者さんに事情は聞いてるわ」
大家「とりあえず慣れないうちは話し方好きにしていいわよ」
魔王「事情を理解してくれているのか…すまないな」
31 :
◆e5RobaASduyx :2013/12/05(木) 22:14:07.10 ID:og3O6vZx0
大家「これからここに住むんですってね?」
魔王「世話になる」ペコリ
大家「別にかまわないわよ」
大家「別にお金取ったりはしないし」
大家「それにその子の相手をちゃんとしてくれてたみたいだし」
魔王「外での遊戯を見てたのか」
大家「えぇ、今まで賢者さんにお願いしてた事だけど」
大家「魔王さん来たんならまかせちゃおうかしら?」
魔王「わたし1人ではこの子の相手は無理だ…」
大家「あら、早速やっちゃったのね」
大家「随分と悪い言葉覚えちゃっててごめんなさいね」
大家「どこで覚えてくるのかしらねぇ…」
魔王(おそらく賢者のせいじゃないだろうか)
魔王(自称・変態姐さんだからな…)
32 :
◆e5RobaASduyx :2013/12/05(木) 22:28:35.10 ID:og3O6vZx0
大家「そういうわけだから時々でもいいのでこの子と遊んでほしいの」
魔王「世話になるわけだ、それぐらいなら引き受けよう」
大家「ありがとうね」
魔王「ところで、この子はどうすれば?」
大家「起きるまでそのままでいいかしら?」
大家「目が覚めたら一階の端の私の部屋に戻らせればいいから」
魔王「承知した」
大家「それじゃよろしくね」バタン
魔王「…」
幼女「くぅくぅ」
魔王「寝顔を見ていると穏やかな気持ちになるな…」ナデナデ
魔王(でも、こういうのも悪くない)
33 :
◆e5RobaASduyx :2013/12/05(木) 22:52:34.11 ID:og3O6vZx0
ー昼 ファミレスー
バイト「いらっしゃいませぇ」
魔王「む…」
バイト「何この可愛い子」
魔王「…何か?」
バイト「いえ、何でもないです…」
バイト(心の声が漏れちゃったっ)テヘ
魔王「ここに来いと言われたのだが…」
バイト「相手はどういう方で?」
魔王「そうだな…」キョロキョロ
賢者「はい、カルボナーラとハンバーグランチお待ちどうさまですっ」カチャン
魔王「あれだ」クイッ
バイト「賢者ちゃん?」
魔王「うむ…わたしはどうすればいいのだろうか?」
バイト「待ってて、呼んできてあげる」テテテッ
バイト「あ、そこのテーブル席に座って待っててね」
魔王「ここか?分かった」テクテク ポフッ
魔王「…」
魔王(ここは食事をする所のようだ)
バイト「ご注文はお決まりになりましたかぁ?はい…〜ですね…」
魔王(なるほど、あっちの酒場に近い感じか)
魔王「こう見てると知らないものばかりで面白いな」
魔王「むっ…め、めにゅー?多くの料理?の絵があるがこれは…」ジー