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魔王「ここはどこだ?」
Part19


249 : ◆e5RobaASduyx :2013/12/28(土) 22:00:12.96 ID:ID/LtRc/0
 ー校門前ー
勇者(やっぱりね)
勇者「…何してるの?」
魔術師「!!」
勇者「まだ学校終わらないわよ」
魔術師「…」テコテコ ギュ
勇者「外に出るなとは言わなかったけど」
勇者「ここにいられるとなんか色々都合が悪いみたいだから家で待ってて」
魔術師「…」フルフル
勇者「何か困った事でもあったの?」
魔術師「…たの」
勇者「ん?」
魔術師「…寂しかったの」
勇者「うーん、気持ちは分かるけど…」
勇者「ここにはあんたは入れないのよ」
魔術師「…」フルフル
勇者「困ったわね…」
男「何やってんだ、お前」
勇者「帰れ」
男「いきなりそれかよ…」
男「もうすぐ授業始まるだろ?」
キーンコーンカーンコーン
男「ほれ」
勇者「もうサボるからいいわ」
男「おいおい…」

250 : ◆e5RobaASduyx :2013/12/28(土) 22:41:39.08 ID:ID/LtRc/0
勇者「今は一緒に入れないんだよ、分かる?」
魔術師「…」ギュウ
男「何だそのガキ、お前の子供か?」
ガキィンッ!!
勇者「ちょっと黙ってて」ニッコリ
男「鉄の門が…」
男「じゃあ事情話して教師にお世話になってもらってたら?」
勇者「まともな事も言うのね、あんた」
男「真面目に話せばこれだよ…」
勇者「でもこの子、特定の人にしか懐かないのよ」
男「ふぅん、ほれいい子いい子」サワッ
魔術師「!?」バチッ
男「でっ!?何だ今の?!」
勇者「こら、こんなところで使わない」
魔術師「…」ギロ
男「おぉ、怖いな」
勇者「あんたはいらん事するな!!」
男「頭撫でただけなんだがな…」

251 : ◆e5RobaASduyx :2013/12/28(土) 23:08:39.87 ID:ID/LtRc/0
勇者「あぁ!!めんどくさくなった!!」
勇者「今日、全部サボるわ」
男「無茶苦茶な結論だすな、おい」
勇者「一応報告だけしてくるか…」
勇者「魔術師、ちょっと待ってて」
魔術師「…」コクリ
タタタッ
男「女はいいよな、あの日だとでも言っときゃ休めるから」
魔術師「…」
男「俺はどうするかな…」グッ
魔術師「…?」
男「授業受ける気しねぇ…」ズルズル ドサッ
男「お嬢ちゃん、あいつと今日サボっていいと思うか?」
魔術師「……?」
男「いやな、ちょっとアイツに言いたい事あるんだわ」
男「このままサボられると話す機会なくなるなぁってな」
男「でもちょっと風邪気味で動けないんだわ…」
魔術師「…」ポンポン ポォォォ
男「なんだ…お?」
男「頭痛が消えた…」
魔術師「…おまじないかけた」
男「さっきめっちゃ睨んでた気がしたが…」
男「何か分からねぇがサンキュ」ググッ
魔術師「…一緒にいる?」
男「あ、あぁ…サボるか、俺も」
男「元々、遅刻したわけだしこのまま休んでしまえ」

252 : ◆e5RobaASduyx :2013/12/28(土) 23:33:09.09 ID:ID/LtRc/0
 ー公園ー
勇者「何でこうなったのよ?」
男「ん?」
勇者「あんたまでいる理由よ」
魔術師「…」グイグイ
勇者「なに?」
魔術師「…言いたい事あるって」
男「うわ、言うなよ」
勇者「何吹き込んだの?」ジロ
男「お嬢ちゃんが俺の話聞いてくれただけだ」
勇者「ふぅん」
勇者「で、言いたい事って?」
男「今までの事だ」
男「ずいぶん勝手な事言ってきたと思う」
勇者「今頃そんな事言って謝ってもあんた嫌いだから」
男「嫌いでもいい」
男「ただ言いたかっただけだ」
男「前にいじめられていた奴に話しかけられてな」
男「『あの人は何も悪い事はやっていない』」
男「『自分に勇気をくれただけなんだ』って言ってたわ」
男「中庭で俺と話してるのを見かけたらしくて」
男「お前のために誤解を解こうと俺に話しかけてきたんだとよ」
男「何と言うか…お前を信じてやれなくて悪かった」
勇者「…ふん」

253 : ◆e5RobaASduyx :2013/12/29(日) 00:06:37.71 ID:ydXEcSBf0
男「ミスコン見てやっと気づいたんだわ」
勇者「あ、あんたあれ見てっ!?」
男「普通の女の子だって事にな」
勇者「…」
男「不覚にも可愛いと思った」
勇者「ぇ…」
男「俺は自分で見たものは信じるんだ」
男「嫌われてなかったら告ってたかもしれんな」
男「と、いうわけで言いたい事終わり」
勇者「ちょ…待って…」
男「何だ?もう去るからその子の相手でもしてやれよ」
魔術師「…?」
勇者「いや、あの…」
勇者「本気で思った…?」
男「何を?」
勇者「か、かかか可愛いって…」モジモジ
男「もちろん、あの私服が一番可愛かった」
勇者「〜〜〜〜〜///」

254 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/29(日) 00:26:09.43 ID:qLXY67tiO
ハンパなくちょろい

255 : ◆e5RobaASduyx :2013/12/29(日) 00:32:16.70 ID:ydXEcSBf0
男「んじゃ」テクテク
勇者「ま、待って!?」
男「何だよ?嫌いじゃなかったのか?」
勇者「嫌いよっ…でも…」
勇者「何だか分からなくなってきた…」
男「ふぅん」
男「じゃあ今度中庭でその件についてゆっくり話すかー」テクテク
勇者「お、お断りよ!!」
勇者「何なのよ、あいつは…」
魔術師「…」クイッ
勇者「あぁ、ごめん帰ろっか?」
魔術師「…何だか嬉しそう」
勇者「気のせいよっ」プイッ

256 : ◆e5RobaASduyx :2013/12/29(日) 00:56:06.90 ID:ydXEcSBf0
 ー次の日 教室ー
勇者「今日の授業終わった…」
女生徒「勇者ちゃん一緒に帰らない?」
勇者「え、うん…いいよ」
女生徒「わーい、やっと念願の勇者ちゃんを手に入れたぞ」
勇者「念願…?」
女生徒「私ね、気に入った子を自分でプロデュースするのが夢だったの」
勇者「はい?」
女生徒「初めて見たときからずっと思ってたの」
女生徒「この子をどこのアイドルにも負けない子にしようと!!」
勇者「言ってる意味が分からないよぉ…」
女生徒「そうねぇ…まず見た目から…」
女生徒「よし、早速今日行きましょ」
勇者「どこに!?何を言ってるの!?」

257 : ◆e5RobaASduyx :2013/12/29(日) 01:19:34.59 ID:ydXEcSBf0
???「勇者ちゃんはおられるか!!」ガラッ
勇者「えっと…ここに」
???「ついにリアル勇者たんと遭遇したハァハァ」
???「落ち着け同士よ、警戒されるぞ」
勇者「あの…どちらさまで?」
???「勇者ちゃんのファンクラブ『勇者ちゃんを愛し隊』だっ!!」
勇者「そういえばそんなのあったっけ…」
ファンs「勇者たんが忘れちゃっても僕らは忘れた事ないよぉ」
勇者(なんか分からないけどすごく気持ち悪いな)
ファン「我々がここに来たのはだね…」
ファン「クリスマスパーティのお誘いに来たのだよ」
勇者「クリスマスパーティ?」
ファン「初のファンメンバーの集まりだし」
ファン「やはりここは勇者ちゃんにも来ていただきたく…」
勇者「は、はぁ…」
ファン「初めて会う者たちだけど怖がる必要はないよ」
ファン「ほら、こんなに君を愛でようとしている連中に悪い奴はいないさ!!」
ファンs「勇者たん勇者たん!!大好きだぁ〜」
ファンs「こっち向いて!!笑顔を僕に見せて!!」
ファンs「わ、私を罵ってくださいませ…ぽっ」
ワラワラワラ
勇者「ひぃぃぃぃぃぃ!?」
ファン「さぁ、我々と一緒にレッツパーティ!!」

258 : ◆e5RobaASduyx :2013/12/29(日) 01:46:00.22 ID:ydXEcSBf0
女生徒「待ちなさい!!」
勇者「あ、さっきまで無言だったのに…」
女生徒「ちょっと妄想…思考しててね」
勇者「はぁ…」
ファンs「妄想乙!!」
女生徒「うるさいよ?!」
女生徒「あんたらのようなキモオタの中にこの子放り込めるわけないじゃない」
女生徒「それに今日は着せ替えタイムの日なのよ!!」
ファンs「確かにあの時早着替えしてたのには萌えた」
ファンs「自分だけで独り占めする気だぞこの女!!」
女生徒「だまらっしゃい!!うしゃしゃい!!」
勇者「よく分からないけど逃げたほうがよさそう…」コソコソ
ファン「ふっ、貴女だけの彼女じゃないんだよ…分かるね?」
女生徒「分かるわけないわ!!帰れキモオタども!!」
ファンs「お前だって十分キモ女じゃねぇか!!」
女生徒「あんですってー!?」
勇者「…」コソコソ
女生徒「…」チラッ
勇者「!?」ビクッ
女生徒「逃げていいよ」クイクイ
女生徒「止めておいてあげるから」
勇者「…ありがとう」
女生徒「でも今度一緒にショッピングしようね?」
女生徒「もっと可愛くしてあげるからねっ」
勇者「…」ニ、ニコ…
勇者(ちょっと変だけど彼女はいい人だった…)

259 : ◆e5RobaASduyx :2013/12/29(日) 23:20:47.86 ID:ydXEcSBf0
 ー夜 ホテル街ー
勇者「あいつどこにいるのかしら…」テクテク
呼び込み「おねーちゃん、いい男いるんだけど寄っていかない?」
勇者「すいません、人探ししているので」
呼び込み「ありゃそうかー、こんな所だと変なの多いから気をつけるんだよ」
勇者「どうもです」
呼び込み「一応聞くけど探してるのどういうヤツ?」
勇者「騎士というとんでもない変態です」
呼び込み「…それ、うちで今凄まじい人気誇ってるヤツなんだが」
勇者「うそ!?」
呼び込み「呼んでこようか?」
勇者「お願いします…ここに来てまで変な仕事ばかりしてあのアホは…」

260 : ◆e5RobaASduyx :2013/12/29(日) 23:36:54.34 ID:ydXEcSBf0
騎士「よぉ、勇者ちゃん」
勇者「マジで本人だった…」
騎士「ん?にしても、わざわざ会いに来てくれるとはなぁ」
騎士「やっと俺の愛に答えてくれる気になったか?!」
勇者「全然まったくさっぱり思わない」
騎士「あぁん、厳しい子だこと」ビクン
勇者「話があるのよ」
騎士「え、どの体位が一番気持ちいいって?」
勇者「剣よ…」ゴゴゴ
騎士「ここで剣出すのやめれ!?」
騎士「真面目な話?」
勇者「仕事中で悪いけど、なるべく早く話したかったから」
騎士「半分自由みたいなもんだからいいよ」
騎士「どこか入るか?」
勇者「いや、ここでもいいけど…」
騎士「じゃああそこなー」
勇者「…あそこ宿泊するところじゃないの?」
騎士「まぁそれもあるけど本来はセック…」
騎士「…俺の行きつけ行くか」
勇者「セックって何?」
騎士「聞かなかった事にしてくれよんっ」
騎士(いつものノリって怖いよな、ついいらん事言っちまう)

261 : ◆e5RobaASduyx :2013/12/29(日) 23:56:19.73 ID:ydXEcSBf0
 ー近くのバーー
勇者「ここ…酒場みたいなもの?」
騎士「似たようなもんかな」
騎士「酒飲みに来るところだし」
勇者「ふぅん」
騎士「んで、話ってのは?」
勇者「うん…」
勇者「帰る方法分かったんだって」
騎士「マジか」
勇者「元はといえば魔王の魔力が原因だったらしいわ」
騎士「やっぱり僧侶の予想は当っていたのか」
勇者「『魔力があの空間には残っています』」
勇者「『おそらく魔王の魔力そのものでしょうね』」
勇者「だったかな」
騎士「よく覚えてるな」
勇者「仲間の言葉は忘れた事ないよ」
騎士「じゃあ俺のエロトークも覚えているんだな?」ニタニタ
騎士「さぁ、言え?!言えぃ!!」
勇者「このテーブルに埋まりたくなかったら落ち着きな」ゴンゴン
騎士「サーセンwww」

262 : ◆e5RobaASduyx :2013/12/30(月) 00:31:18.93 ID:GM/dYeEL0
騎士「で?」
勇者「あんたはどうする?」
騎士「帰るか、残るかってか?」
勇者「そうよ」
騎士「俺はどっちでもいいわ」
騎士「帰ったって居場所ないしな」
勇者「そっか、あんた…」
勇者「ごめん」
騎士「気にすんなよ」バンバン
騎士「何だ、わざわざそれ聞きに来たのか?」
勇者「それもあるけど…」
騎士「じゃあ何?」
勇者「魔王の事」
騎士「魔王ちゃん?」
勇者「あの子戻ったら魔力なくなるんだって」
騎士「なくなるってどういう事?」
勇者「あんたと同じで魔力0になるのよ」
騎士「補充は?」
勇者「体内の魔力の源がなくなるから無理らしい」
騎士「ははっ、だったら魔王恐るるに足らずじゃん」
勇者「そうなんだよ」
勇者「うちらだけじゃなくて一般の人間にもやられてしまうんだ」
勇者「腕力はないみたいだから」
騎士「まぁそうだろうな」
勇者「確かにうちらの目的は魔王を追いかけて討伐する事だった」
勇者「でも…」

263 : ◆e5RobaASduyx :2013/12/30(月) 00:57:45.34 ID:GM/dYeEL0
騎士「死んでほしくないのか」
勇者「あの子には優しくされたんだ…」
勇者「あんなに憎んでた相手なのにね」
勇者「今ではあんたら仲間と同じぐらい…」
勇者「おかしいよね?」
騎士「いや、おかしくはないだろう」
騎士「この前会った時なんか2人で楽しそうだったじゃないか」
勇者「…」
騎士「ふぅ…じゃあお前はどうしたい?」
勇者「えっ?」
騎士「俺はここ結構気に入っちまった」
騎士「お前は?」
勇者「うちもこの世界は結構好き」
勇者「使命もないし、今までできなかった事もできる」
騎士「いい事だらけか」
勇者「そうだね」
騎士「だったらそれでいいじゃん」
勇者「ここにずっと住むって事?」
騎士「いや、向こうだって気になるんだろ?」
勇者「それは…」
騎士「それに魔王ちゃんの件」
騎士「彼女はなんて?」
勇者「まだ決めてないみたい」
勇者「自分の命に関わるしね」
騎士「ならまかせちゃえよ」
勇者「?」
騎士「正直、俺達はどっちにいてもかまわないわけだ」
騎士「なら重大な選択迫られてる本人に任せるといいさ」
勇者「…そうだね」
勇者「そんな簡単な事だったんだね」
騎士「魔術師には言ったか?」
勇者「まだ…帰ったら言うつもり」
騎士「多分アイツだって同じだぜ」
騎士「俺達の仲間だしな」
勇者「あんたにしてはいい事言うわね」
騎士「エロい事ばっかですみませんねー」
勇者「そう思うなら自重しなさいよ」
騎士「これは俺の生きがいだからなくさないでぇ」
勇者「うざ…」

264 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/12/30(月) 10:59:20.29 ID:JJ1c/2lOo
なんだ
騎士良いキャラじゃん