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魔王「ここはどこだ?」
Part17


221 : ◆e5RobaASduyx :2013/12/24(火) 23:05:46.68 ID:jXkzHY/M0
 ー教室 授業中ー
勇者「…」
勇者(緊張したけど何とかうまく自己紹介もできたし)
勇者(その後の質問攻めはきつかったけど…)
勇者(これでうちも学校で生活できるんだ…)
勇者(楽しみっ)
生徒「勇者ちゃん、呼ばれてるよ」ボソッ
勇者「へっ?」
教師「勇者さん、いないのですか?」
勇者「あぁ、いますいますっ」ガタッ
勇者(まず慣れないとね…)
勇者(輪の中に入って色々覚えていけば大丈夫だよね?)

222 : ◆e5RobaASduyx :2013/12/24(火) 23:27:48.91 ID:jXkzHY/M0
 ー勇者の部屋ー
賢者「おっぱいちゃん帰ってる?」
勇者「それやめてください…」
賢者「ふひ、ゆうちゃんの特徴挙げたらそこだからなぁ」ジロジロ
勇者「…」スッ
賢者「指2本突き出して目元に持ってくるのやめてっ!?」
賢者「それで学校どうだった?」
勇者「まだ初日だから何とも言えないけど…」
勇者「これからが楽しみではあります」
賢者「そっか」ニッ
賢者「あと、あまり危ない事はしないでおくれよ」
勇者「え?」
賢者「いや、何でもないよん♪」
賢者「ところで…今からお風呂入ったりしないのかい?」
勇者「いえ、まだもうちょっとあとで入りますが」
賢者「…ちっ」
勇者「何を企んでいるのですか…」
賢者「ベツニ ウマレタママノスガタ ノゾコウナンテ オモッテナイヨ?」
勇者「会ってすぐに思ってた事だけど」
勇者「普段はこの人ダメな人だ…」

223 : ◆e5RobaASduyx :2013/12/24(火) 23:50:33.46 ID:jXkzHY/M0
 ー次の日 教室ー
勇者「お、おはよう」
生徒「え、あ、おはよう…」コソコソ
生徒「おはよ…」コソコソ
勇者「?」
勇者(何だかみんながよそよそしい)
勇者「ねぇ、どうしたの?」
生徒「っ!?な、何が…?」
勇者「なんか…うちを怖がってない…?」
生徒「そ、そんな事ないよ…」テテテッ
勇者「…?」

224 : ◆e5RobaASduyx :2013/12/25(水) 00:18:28.91 ID:wmXlzjQd0
 ー昼休み 中庭ー
勇者「結局、あれから1人も話しかけてくる人はいなかった…」
勇者「うち、何かしたかな?」
勇者「空気悪くするのもあれだから外出てきたけど」
勇者「寂しいなぁ…」モグモグ
生徒「あそこにいるの例の子じゃね?」
生徒「あの不良、一撃でぶっ潰したんだろ?」
生徒「何人か倒してるの見てたって言うし」
生徒「たった一日で番長だぜ、番長」
生徒「不良よりはマシだろうけどアイツよりやばいんだろ?」
生徒「襲われたりするのかな?マジこえぇよなぁ…」
勇者(番長…?)
勇者(昨日の朝のアレのせいで怖がられたのか…)
勇者(人助けしただけなのにどうして…)
勇者「…」
生徒「げ、こっち見てる」
生徒「い、行こうぜ…」タッタッタ
勇者「襲うとか…そんなつもりじゃ…」
男「だったらどういうつもりだったんだ?」ザッ

226 : ◆e5RobaASduyx :2013/12/25(水) 00:44:41.91 ID:wmXlzjQd0
勇者「誰…?」
男「誰かなんかどうでもいい」
男「あんた、不良殴ったよな?」
勇者「…えぇ」
男「みんな恐れてるんだよ」
男「誰にも止められなかったヤツが一瞬で沈められたんだぜ」
男「そりゃ番長と呼ばれてもおかしくないわ」
勇者「なに?うちは悪い事したの?」
男「別にそうではないと思うが」
男「周りはそう見てくれねぇんだよ」
勇者「ただ人をいじめてたからそれを止めただけよ」
男「…ふぅん」
勇者「信じてないでしょ?」
男「見てねぇもん」
勇者「見てもないくせにそこまで言うの?」
男「周りの評価で十分だろ?」
勇者「…アイツよりある意味最低ね」
男「はぁ?あんなのと同じ?頭おかしいんじゃねぇの?」
男「俺は一般論言ってだけなの」
男「分かるか?」

227 : ◆e5RobaASduyx :2013/12/25(水) 01:17:19.51 ID:wmXlzjQd0
勇者「本人の発言は信用できないの?」
男「たった一人だけ違うこと言ってたら普通疑うだろ」
男「しかも転校してきたばっかのヤツだし」
勇者「あんたっ?!」グッ
男「おっと、殴るのか?」
男「あの不良のようにな」
勇者「…」スッ
男「まったく可愛くないな」
男「所詮、暴力で済ますヤツか」
勇者「あんた何様のつもりよ!!」
勇者「人を馬鹿にするのもいい加減にしてよ?!」
男「馬鹿にしてるっつーか事実言ってるだけなんだが」
勇者「確かに殴ったわよ!!」
勇者「でもいじめられてる人助けたって理由がある!!」
勇者「なのに何よその人をダメ人間のような言い方はっ!?」
男「うるさい女だな」
男「俺は自分で見たものは信じる」
男「それに学校中お前が言う助けたって話してるヤツがいない」
男「ここで実際、お前は恐れられてるだけだしな」
男「信用なんてできたもんじゃねぇ」
勇者「やっぱり最低よ…」
男「最低最低って」
男「お前とことん可愛くないな」
男「大人しく認めて誰かに泣きついたら?」
男「見た目だけは悪くないから助けてくれる奴いるかもよ?」
バシッ!!
男「ってぇ…」
勇者「…」ポロポロ
タッタッタ…
勇者(何であそこまで貶されなきゃいけないの?)
勇者(うちは悪い事何もしてないのに…)
勇者(悔しい…悔しいよぉ…)
男「結局、暴力じゃねぇか」
男「クソ女」

228 : ◆e5RobaASduyx :2013/12/25(水) 21:56:26.61 ID:wmXlzjQd0
 ー勇者の部屋ー
勇者「…」
コンコン
勇者「…」
キィ…
賢者「開けっぱか…邪魔するよ」
賢者「…って、いるじゃないかい」
勇者「…」
賢者「電気もつけないで何やってんだい」パチ ピカピカッ
勇者「…」
賢者「学校で何かあったの?」
勇者「もう…行きたくないです…」
賢者「どうしてかは分からないけど深刻そうね」
賢者「話せるかい?」
勇者「うち…悪い事なんてしてないんです…」
勇者「ただ自分が良かれと思ってやっただけ」
賢者「うん」
勇者「なのにそれが原因でどうも嫌われたようです」
勇者「そりゃ怖い事したかもしれないけど」
勇者「結果的には人助けしただけで…」
勇者「うぐっ…」ポロ…

229 : ◆e5RobaASduyx :2013/12/25(水) 22:19:43.88 ID:wmXlzjQd0
賢者「そうかい」グイッ
賢者「すまないが私には何もしてあげられないよ」
勇者「うぐぅ…」ポロポロ
賢者「ただその話を信じる事ならできる」
賢者「あんたは良い子だ」
賢者「幼女の怪我治したり、可愛いものが好きだったり」
賢者「後半は関係ない気もするけど…」
賢者「私はあんたの味方だから」ナデナデ
勇者「ありがとう…ございます…」ポロポロ
賢者「アドバイスぐらいならあげちゃえる」
勇者「アド…バイス…?」
賢者「嫌われてるのがなんだってんだ」
賢者「悪い事してないなら堂々としてればいいんだよ」
賢者「余裕を見せてやりな」
勇者「余裕…ぐす…」
賢者「いつかあんたがそういう人間じゃないって」
賢者「分かってくれる時がくるさ」
賢者「私のエロ発言にツッコむような元気でいきなさい」
勇者「何でそこでそれもってくるんですか」ニコ

230 : ◆e5RobaASduyx :2013/12/25(水) 22:48:25.85 ID:wmXlzjQd0
賢者「じゃあ一回アドバイスしたから一揉みさせてケロ」
勇者「しょうがないですね…いいですよ」グッ
賢者「うぇ?!」
勇者「何です?」
賢者「いや、本当に許可してくるとは思わなかったので…」ポリポリ
勇者「いえ、本当に助かりましたので仕方なしですよ」
賢者「んじゃいただきます」ガシッ
勇者「変わり身はや…ひぅっ」
賢者「何食べたらこんな育つんだ…」モミモミ
勇者「んんぅ…別に…ぁ…普通のものを…」
賢者「実にけしからんっ」モミモミ
勇者「けしからんのは…んぁ…あなたです…」
賢者「うらやましいとは思わないけど、いいねムチムチも」パッ
勇者「…あなただって悪くないと思います」
賢者「人間普通が一番」
勇者「じゃあうちは異常ってことじゃないですか…」ズーン
賢者「ははっ、私は好きだよ」モミモミ
勇者「終わったかと思ったらっ…ぁひっ」
賢者「終わりなんていってないもーん」
勇者「子供かっ!?ぁん…」
賢者「たっぷり堪能させてもらうからなぁ」モミモミモミ
勇者「ひぃぃぃぃぃ」
勇者(よく考えたら一揉みって言ったのに何回も揉まれてる…)

231 : ◆e5RobaASduyx :2013/12/25(水) 23:16:56.33 ID:wmXlzjQd0
 ー中庭ー
勇者「はぁ…」
勇者「教室居辛い…」モグモグ
勇者「悪い事してないなら堂々と、かぁ」
勇者「勇者みたいなものかなぁ…」
勇者「あの人ホント何者なんだろう?」
勇者「会ってすぐのうちにここまで優しくしてくれるし」
勇者「かなりの変態だけど…」
男「独り言多いな」
勇者「!?あんたか…」
勇者「何の用?話しかけないでほしいんだけど」
男「今日はえらい高圧的だな」
男「昨日なんか泣いて帰っていったくせに」
勇者「そうだね」
男「そこは認めるのか」
勇者「ウソついても仕方ないし」
勇者「また泣かせに来たの?正直うっとおしいんだけど」
男「昨日と違いすぎないかお前…」
勇者「これが本来のうちよ」
勇者「もう話しかけないで」
男「…」

232 : ◆e5RobaASduyx :2013/12/25(水) 23:57:28.51 ID:wmXlzjQd0
勇者「それともあんたも番長?の仲間になりたいの?」
男「頼まれてもなるかよ」
勇者「あっそ…」モグモグ
男「いつまでもそうして過ごしていくつもりか?」
勇者「そうね」
勇者「いつか分かってくれるまでなるべく1人でいる事にしたの」
男「理解されるわけがねぇよ」
男「お前はアイツ殴り飛ばした怖いヤツって認識されてる」
男「それ以外お前のイメージ変わる要素がどこにもない」
勇者「それでもかまわないわ」
勇者「うちが嫌われる事で人一人助かったなら安いもんでしょ」
勇者「昨日考えてそういう結論に至ったわ」
男「…」
勇者「ホント第一印象って大事よね…」
勇者「もっと別のものになりたかったんだけどなぁ」
男「何になるつもりだったんだよ?」
勇者「あんたになんか教えない」
男「どうせ言う奴もいないんだろ」
勇者「…分かってると思うけど今日のうちは優しくないよ」バキバキバキィ
男「いっ!?」
男(大木が握りつぶされてるだと…)

233 : ◆e5RobaASduyx :2013/12/26(木) 00:18:03.94 ID:b5ReVmFy0
勇者「今のところ、この世界で一番あんた嫌いだから」
男「何だよ…」
勇者「とりあえず殴るわ」スッ
男「何でだよっ!?」
勇者「昨日散々いじめられたし?」
勇者「一撃で意識とばないでね」ブンブンッ
男「お前、執念深いな…」
勇者「それだけ傷つけられたしね」
男「…」
男「もうお前には近づかねぇよ」テクテク
勇者「今日はあんたが逃げるのね」
男「くそ…」テクテク
勇者「ふぅ〜」
勇者「やっぱりこの方がいいね、うちは」
勇者「逃げずに立ち向かわなくちゃ」

234 : ◆e5RobaASduyx :2013/12/26(木) 00:54:38.66 ID:b5ReVmFy0
 ー次の日 教室ー
勇者「おはよう」
生徒「え…お、おはよう…」コソコソ
生徒「おお、おはようございます!!」
勇者「はは、そんな年上か偉い人に対して挨拶するみたいにしなくてもいいじゃん」
生徒「そ、そうだね…はは…は…」
………
生徒「んしょ…」ズシ
勇者「あ、重そうだから持ってあげるよ」ヒョイ
生徒「あっ…えっと…」
勇者「遠慮はいらないよ、無駄に力はあるんだから」
生徒「あ、ありがとう…」
………
生徒「何だと!?」ガシッ
生徒「やるのかぁ!!」
勇者「ちょっとやめなさいよ…」
生徒「!?」
生徒「ご、ごめん…ちょっとカッとなってた…」
勇者「ケンカになるかと思ったよ…もぉ」
生徒「…」
勇者(そうだ、普段のうちでいいんだ)
勇者(怖がられていようがうちはうちだ)