魔王「死に逝くものこそ美しい」女勇者「その通りだ」
|
Part2
28 :
>>1 :2014/05/05(月) 17:37:33.88 ID:NkxOGtWXo
魔王「わかるまい。その『そうであるもの』と『そうでないもの』が無数に羅列して我等の世界がある。そしてそれらは人為的なものだ。我はそれに気付いていた」
魔王「我等の世界の外には神がいて、いいように操る為に、自分の中の何かが潤うために我等に殺し合いを強いておるのだ」
勇者「なんのことかわからないよ。どうしたの?」
魔王「『魔王は勇者に殺されるもの』そういう『役割』で生まれてきたのだ」
魔王「故に我にそういった知識は無い、必要も無い。在るのは魔王であるゆえの冷酷さ、悪性、魔力という曖昧な力、後は多少なりともそれに干渉できる力か……」
勇者「干渉できる力?」
魔王「我を創造した神は少々ひねくれ者だったらしい」
勇者「よくわからないけど」
29 :
>>1 :2014/05/05(月) 17:38:42.53 ID:NkxOGtWXo
魔王「だろうな、要は……何をしようと全く意味が無いのだ。この世界ではな」
勇者「……つまり貴方は働いていないのね?」
魔王「何を言う、日がな無謀にも戦いを挑んでくる勇者共を八つ裂きにしている」
勇者「それを働いていないというの」
魔王「『役割』は果たしている、戦うことが我が使命、それを放棄した貴様とは違う」
勇者「戦ってすらいない」
魔王「なんだと?聞き捨てならんぞ人間」
勇者「あれを見て」
魔王「植物がなんだ?」
30 :
>>1 :2014/05/05(月) 17:39:47.52 ID:NkxOGtWXo
勇者「屈んで、よく見るの」
魔王「虫けらが取り付いているな」
勇者「そう、私がいくら草を刈っても、虫は必死になって作物を自分の中に取り込もうとしている」
魔王「……だからなんだ?我はこの食い尽くされるのを待つのみの植物と同じと言うのか?」
勇者「いいえ、貴方は植物にも劣る」
魔王「……挑発するのにも言葉を選べよ小娘」
勇者「植物は目に見えないだけで今毒を放っている、今も必死に戦っている。自分が辿ろうとしている運命に必死に抗っている」
魔王「なんだと?そんなことがあるものか、こうして虫けらに食い荒らされているではないか」
31 :
>>1 :2014/05/05(月) 17:41:08.26 ID:NkxOGtWXo
勇者「おそらく明日には虫は死に絶える。自分の種を残すため、他の同種が食い荒らされない為に植物はこの戦い方を選んだ」
魔王「嘘を申すな、そのようなことが」
勇者「では何故私達は食べたもの全てを体に取り込めず排泄するの?それは植物が、食べ物そのものが毒だからではないの?」
魔王「む……」
勇者「私達の体もその毒に対抗するためにこの体になった。知っている?この体の中にこの虫より遥かに小さい虫が何万、何億といることを、その虫たちが毒を打ち消してくれる」
魔王「そんなわけがない、妄想も大概にしろ」
32 :
>>1 :2014/05/05(月) 17:41:51.51 ID:NkxOGtWXo
勇者「それは大地の恵みと同種のモノ、貴方の配下にも菌糸類がいたはず、聴いてみると良い」
魔王「なんだと?」
勇者「共存とはそういうこと。そして私達は誰一人として逃げたりしていない。みんな戦っている」
勇者「『王であること』から『生きている』ことから目を背けている貴方が馬鹿にして良いものじゃない」
勇者「私達は全員が戦士だ」
.
33 :
>>1 :2014/05/05(月) 17:43:04.06 ID:NkxOGtWXo
**************
そして何故か勇者の家で食卓を共にすることになった。
本来食事など魔王に必要なく、このような不完全な生き物がとる行動に付き合う義理も無い。
しかし、先程の会話の後、どうもこの女のなすがままである。
毒など入っていようが我に効くはずも無い、それはこの女もわかっているだろうに、どういうつもりか。
勇者「いただきます」
魔王「……その『いただきます』とは誰に対する祈りだ、貴様に恩恵を与えた神か?」
勇者「……多分、全て」
34 :
>>1 :2014/05/05(月) 17:44:51.94 ID:NkxOGtWXo
魔王「多分?全て?曖昧だ」
勇者「人によって言う対象は違う、料理を作ってくれた人、食材を買うお金を稼いでくれた親、食材を作ってくれた人、大地の恵み……だから多分、全て」
魔王「ほう、少し面白い、だが、何故『ありがとう』ではないのか」
勇者「こうして食卓に並ぶまでに失われた命がある、それは闘争、だから感謝の意味もあるけど、戦士に対する礼儀?」
魔王「何故疑問系なのだ?」
勇者「よくわからない。えてして風習とはそういうもの」
魔王「しかし……」
勇者「何?」
魔王「いや……」
勇者「……食べないの?」
魔王「……ああ」
35 :
>>1 :2014/05/05(月) 17:46:20.58 ID:NkxOGtWXo
**************
《 数日後 魔王城 》
魔王「表、上げ」
侍女「は、はい魔王様、何か……」
廊下ですれ違いそうになり、頭を垂れて道を譲る私に声が掛かる。
目元だけ上げ、拝見した魔王様の表情は剣呑であり、おそらくは不始末かなにかを咎められるのかもしれない。しかし魔王様の関心は他にあった。
魔王「それはなんだ?」
侍女「ラプンツェルでございます」
36 :
>>1 :2014/05/05(月) 17:47:26.05 ID:NkxOGtWXo
魔王「何処で採れたものか」
侍女「妖精の森で取れたものでございます。妖精族は肉を食することが出来ぬものでございますれば……」
魔王「そうか……」
妖精の類の家臣が口にするもの。
城に詰めている者に振舞われるものである。
魔王様にとっては関心など向かない路傍の雑草に等しいものだった。
魔王「後で我の部屋にも持って来い」
侍女「は……は!?」
魔王「なにか問題があるか?」
侍女「いえ、し、食されるのでございましょうか?」
魔王「他に何があるというのか」
37 :
>>1 :2014/05/05(月) 17:48:02.28 ID:NkxOGtWXo
侍女「いえ、た、直ちに持ってあがります」
魔王「楽しみにしている」
侍女「…………ッ!」
そうして笑みを見せる魔王様に言い知れぬ恐怖を感じる。
これは新たな『遊び』を思い付かれたのか。
それともこれは『夜伽』を命じる意味が込められているのか。
しかし数分後、そんな私の予想は呆気なく砕け散った。
38 :
>>1 :2014/05/05(月) 17:48:43.34 ID:NkxOGtWXo
**************
魔王「ご苦労だった、下がってよい」
侍女「は、ハヒ!失礼します」
魔王「……?」
何故か頓狂な声を上げて去った侍女の背を送り、目の前に鎮座するものを眺める。
魔王「…………」
これらが本当に毒を放ち、虫と血肉の争いをしていると言うのか、とても信じられない。
39 :
>>1 :2014/05/05(月) 17:49:18.70 ID:NkxOGtWXo
なんにせよ、自分は礼儀を知らないわけではない。
強制的に当て嵌められた『役割』の為であっても、戦士として自分に挑んできた勇者達には礼儀を持って相手をした。
ならばこれらにもそれ相応の礼儀を持って報いるのが魔王たる者の在り方である。
魔王「…………『いただきます』」
.
40 :
>>1 :2014/05/05(月) 17:49:50.85 ID:NkxOGtWXo
ひとまずキリ。
また戻ってきます。
41 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/05(月) 18:06:24.83 ID:0KUGy0TUo
続き期待してます
42 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/05(月) 18:26:03.40 ID:h9poelJp0
この雰囲気本当大好き
期待してます!
43 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/05/05(月) 18:30:52.81 ID:f6jK8TNg0
>>1 乙
楽しみに待ってるぞ
44 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/05(月) 18:34:52.14 ID:cqvgmtPo0
これは糞面白そうな気配がするな
糞期待させてもらうで糞
45 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/05(月) 18:59:08.68 ID:jB31Ai5fP
あら、おもしろそう
46 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/05(月) 19:06:51.85 ID:wJwRNt15O
なかなか面白い
魔王の生きていることとは勇者を根絶やしにすることでは?逃げてないような気もするが…果たしてどうなっていく実に楽しみだ
47 :
>>1 :2014/05/05(月) 23:28:12.23 ID:NkxOGtWXo
**************
《 菌糸の領域 》
菌糸王「「「……確かに、人に限らず、あらゆる動物に数多の微小なる生物が寄生して生きております」」」
魔王「ほう、少し面白い。それは貴様等の眷属か?なればそれは……」
菌糸王「「「いえ、あれらは我等とは似て非なるもの、それらと我等、菌類は目に見えぬ微小なレベルで日夜争っております」」」
魔王「一枚岩ではない、いやそもそも別のものであるか」
菌糸王「「「ある程度なれば私の力で動かすことも……ご命令とあらばすぐにでも人間の領域を我が手のものにすることも」」」
魔王「なるほど、人間共を絶やすことなど実に容易なことであったのか」
菌糸王「「「恐れながら、我が力が及ばぬは魔王様ただ一人にございます」」」
48 :
>>1 :2014/05/05(月) 23:29:40.42 ID:NkxOGtWXo
数分もすれば水滴の一つも肌に滴ろうとするこの地下にあって、その巨大な体を鎮座させているのが菌糸の王、数多の植物、菌類を統べる者である。
平たく言えば、馬鹿でかいキノコだ。
先日、勇者の女と交わした言葉の中に聴き捨てならない言葉があったため、それの確認に来た。場合によってはこの領域を焼き尽くすつもりで。
魔王「気に入った、少し面白い。他に何か無いか?」
菌糸王「「「は……なにかと言いますと」」」
魔王「貴様等が人と和合している例である。苦しくない、不問にいたすゆえ遠慮なく言え」
菌糸王「「「では……これは信じがたいことですが、人間の中には我等を食する者があります」」」
49 :
>>1 :2014/05/05(月) 23:31:10.03 ID:NkxOGtWXo
魔王「それは知っている、貴様等の中にも毒性の低いものもいるからな。加えて言えば豚や猪も食らっているらしいではないか」
菌糸王「「「……美味でございましたか?」」」
魔王「中々に……貴様何を言っている?」
菌糸王「「「いえ、我等眷属を以ってあの勇者が培養し、食用としていることは存じております、そして魔王様がその食卓に足繁く通われておられることも……美味でございましたか?」」」
魔王「確かにうま……貴様、よもや我を責めておるのか?」
菌糸類「「「恐れ多い話でございます、それに構いませぬ、なんともなれば我等は他と在り方が違いますれば」」」
魔王「そういうものか、少し面白い」
50 :
>>1 :2014/05/05(月) 23:32:20.18 ID:NkxOGtWXo
菌糸類「「「人間の領域に住まう眷属の情報によると、人にとって我等は必要不可欠なものであるとか、薬、食用、何かを発酵させる際にも用いるとか」」」
魔王「なんと、貴様いつの間に人を統べておったか」
菌糸王「「「そういったわけでは有りませぬ。我等の特性を、あれらは自分の生業に役立てておるとか、その代わり、我等は我等の種を広く繁栄させているのです」」」
魔王「共存というヤツか」
菌糸王「「「魔王様の命とあらば、いつでも人を滅ぼしてご覧に差し上げます」」」
魔王「ふむ、よかろう。許す、今後ともあの女に手を貸しても構わぬ」
菌糸王「「「ところで魔王様……」」」
魔王「……なんだ?」
菌糸王「「「……美味でございましたか?」」」
.
51 :
>>1 :2014/05/05(月) 23:32:48.81 ID:NkxOGtWXo
どう考えても仲間を食したことを責めているように思える菌糸の王の問いを振り切り、日のあたらないこの領域を抜け出す。
この菌糸を統べる配下は、二心があるどころか人にとって重要な部分までに入り込んでいた。
良きかな、戯れに一つの国を胞子まみれにするのも一興。
飽きも来ようとしていた殺戮に、一つのバリエーションが加わったのだ、良きかな、良きかな。
あの人間の話も存外捨てたものではないと、今日も足を運んだ。
52 :
>>1 :2014/05/05(月) 23:34:23.78 ID:NkxOGtWXo
**************
魔王「女、聞いたところによるとチーズという菌を用いた食材があるそうではないか、何故作らん?」
勇者「……食べたいの?」
魔王「食は悪くないことに気付いた」
勇者「それは何故?」
魔王「全てに飽いた我にとって、食は大いに我を楽しませるものと気付いた」
勇者「……そうね、それも食事の一つの役割よ」
魔王「なんと、貴様等も楽しむために食を取るというか」
53 :
>>1 :2014/05/05(月) 23:36:28.27 ID:NkxOGtWXo
勇者「それが豊かさ、というものよ」
魔王「豊かだと?人間の言うそれは財の有る無しでは無いのか?」
時折財宝目当てで城に潜入する馬鹿を捕らえ、猛獣と殺し合いをさせることがある。あれは食事などには眼もくれていなかった。
勇者「単純に生きるためもある。けれどおいしいものを食べると心が豊かになる。本当の意味で『いただきます』を言えるようになる」
魔王「粗食に準じるのが貴様等の美徳と聞いた」
勇者「それもその豊かさの為、貧しい食を知ってこそ、食卓に料理が並ぶことの尊さを学ぶことができる、どちらが欠けても豊かとは言えない」
魔王「ほう、少し面白い」
54 :
>>1 :2014/05/05(月) 23:37:23.54 ID:NkxOGtWXo
勇者「ちなみにチーズは元々、動物の乳を保存用にしたもの、それをわざわざおいしくしたのはやはり豊かさを求めた結果」
魔王「で?無いのか?」
勇者「……少しなら」
魔王「では用意せよ」
勇者「……いいわ、チーズの話をしていたら食べたくなってきた」
55 :
>>1 :2014/05/05(月) 23:38:24.68 ID:NkxOGtWXo
**************
魔王「この乳はどこから手に入れた?貴様が出したものか?」
勇者「死ね」
魔王「何故だ?」
勇者「……畑とは別のところで捕まえてきたヤギが2頭いる。それから絞った」
魔王「ほう、気付かなかった……貴様、生命在るものに触っても平気なのか」
勇者「つい最近平気になった、それどころか野生のヤギが大人しく着いてきてくれる」
魔王「そうか、殺すことはできるか?」
勇者「試して無いけど、多分出来ない」
魔王「そうか」
56 :
>>1 :2014/05/05(月) 23:39:41.99 ID:NkxOGtWXo
勇者「……あ」
魔王「なんだ?」
ワンッ! ワンッ! ワンッ!
魔王「犬か……」
勇者「ハナ、ダメよ」
ワンッ! ワンッ! ウーッ! ワンッ!
魔王「やかましいな……」
殺すぞ畜生め……
ウーッ……
勇者「……ハナ、お客さんにほえてはいけない」
魔王「…………」
57 :
>>1 :2014/05/05(月) 23:40:57.58 ID:NkxOGtWXo
万物を殺す魔王たる自分に、本能で生きる獣が牙を剥こうとしている。これはどういうことか。
動物とは本能で生き、勝てない相手には向かっていかないのではなかったか。
山羊もそうだ。過酷な山岳地帯で生きる生き物と聞いた。なのに何故この女に従い、家畜として生きるのか。
**************
勇者「……できた」
魔王「コレはなんだ?チーズなるものは固形物と聞いたぞ、これではスープではないか」
勇者「チーズフォンデュ、チーズは溶けたらこのようにとろみが付いたスープになる。この串にさした野菜や……貴重だけれどこの肉を漬けて食べる」
58 :
>>1 :2014/05/05(月) 23:42:12.78 ID:NkxOGtWXo
魔王「ほう……鍋は一つだが貴様の分は無いのか?」
勇者「みんなで一つの鍋を囲む、それも『豊かさ』」
魔王「ほう、少し面白い……では」
魔王・勇者「「『いただきます』」」
中々……否、至極気に入った。
嫌いでは……否、好きかもしれん。
不味くは……否、美味である。
これがあのグロテスクな菌糸王の眷属が元になっているとは考えがたいものだ。
ウーッ……
その興を削ぐ唸り声に自然殺意が湧く。
59 :
>>1 :2014/05/05(月) 23:44:46.01 ID:NkxOGtWXo
勇者「ハナ……ッ!」
キュゥーン……
なんと、我が脅しても牙を剥いた畜生がこの女の一声で大人しくなった。
魔王「今のは神の恩恵か?」
勇者「今の?」
魔王「畜生を黙らせただろう」
勇者「違う、これは犬と人間の関係性から自然に出来ること」
魔王「共存と言うヤツか」
勇者「そう、けれど菌類や野菜とはまた違うもの」
魔王「なんだと?互いに有益な関係であるから共に生きているのではないのか」
勇者「確かにそうでもある。けれど犬や他の家畜たちはそれとは別次元」
魔王「ほう、少し面白い」
60 :
>>1 :2014/05/05(月) 23:45:34.25 ID:NkxOGtWXo
勇者「絆と言って良い」
魔王「人恋しさに狂ったか?」
勇者「真面目に言っている、例えば人と犬は種が現れた頃からほぼ同時期に生まれた」
魔王「ほう、少し面白い。だが犬の祖先には狼がいる、それを飼いならしたのではないか?」
勇者「言ってみればそう、だが狼は飼いならすことは出来ない。出来るのが犬」
魔王「続けろ」
勇者「普通動物の群れは別種の動物とは群れを為さない、けれど犬と人間はそれが出来た」
魔王「何故だ?」
勇者「犬も人間も社会性のある生き物。そして人間は『豊かさ』を持っていた」
魔王「それがどうして別の動物同士の絆になる」
61 :
>>1 :2014/05/05(月) 23:46:39.87 ID:NkxOGtWXo
勇者「なにもかもを食料としてみなさなかった。人間は犬を狩りの為に利用し、犬はその狩りを手伝うことで強い群れを作る」
勇者「世代を重ねることでどちらが欠けても生きてはいけない存在になった。お互いがお互いの精神的支柱だと言って良い」
魔王「人為的なものがあったのではないか?」
勇者「勿論あっただろう、仲良くなれない種と仲良くなれる種というものが有る。けど人間と犬はそういった気の遠くなるほど一緒にいて、今こうして私を守ろうとしている」
魔王「畜生風情が我と戦おうと言うのか」
勇者「その通り、この子は彼我の実力差を考慮していない、例え勝てない相手でも立ち向かうだろう。馬鹿だからじゃない、それが私達の在り方だから」