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魔王「死に逝くものこそ美しい」女勇者「その通りだ」
Part10


353 :>>1 :2014/05/21(水) 23:36:10.93 ID:DUn+F9BLo
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
『なんにせよ、自分は礼儀を知らないわけではない』
『強制的に当て嵌められた『役割』の為であっても、戦士として自分に挑んできた勇者達には礼儀を持って相手をした』
『ならばこれらにもそれ相応の礼儀を持って報いるのが魔王たる者の在り方である』
魔王『…………『いただきます』』
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
勇者『それが豊かさ、というものよ』
魔王『豊かだと?人間の言うそれは財の有る無しでは無いのか?』
勇者『単純に生きるためもある。けれどおいしいものを食べると心が豊かになる。本当の意味で『いただきます』を言えるようになる』
魔王『粗食に準じるのが貴様等の美徳と聞いた』
勇者『それもその豊かさの為、貧しい食を知ってこそ、食卓に料理が並ぶことの尊さを学ぶことができる、どちらが欠けても豊かとは言えない』
魔王『ほう、少し面白い』
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

354 :>>1 :2014/05/21(水) 23:36:38.46 ID:DUn+F9BLo
魔王「黙れ……」
勇者「そんなにまで世界を憎んだ貴方が、必死になって歩み寄った」
魔王「黙れと言っている!!」
勇者「世界の中で喜びを見つけ、世界と絆をつくろうとした」

355 :>>1 :2014/05/21(水) 23:37:42.19 ID:DUn+F9BLo
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
魔王『やはりか、我はこのように甘く柔らかなものを食したことが無い、言え、これは毒で、貴様は我を殺さんとしたのであろう』
勇者『……気に入ったの?』
魔王『…………毒ではないのか?』
勇者『フフッ……おいしい』
魔王『いや、しかし……』
勇者『食べないの?なら……』
魔王『ならぬ』
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
魔王『今日より貴様は『ヨミ』と名乗るがいい、古の神、宵闇の神の名を冠するのだ』
ニャーン……
魔王『………………フフッ』
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

356 :>>1 :2014/05/21(水) 23:39:36.27 ID:DUn+F9BLo
魔王「黙れええええぇぇぇぇぇぇぇぇっっっ!!!!」
勇者「自分が『そうでない』のに『殺される為に産まれた』のに」
勇者「自分とは真逆なものを理解して愛そうとした」
勇者「貴方こそ本当の勇者だ」
魔王「我は……っ我は違う……っ!貴様等が憎い、妬ましい!滅びよ!それこそが我が望みだ!!」

357 :>>1 :2014/05/21(水) 23:41:25.81 ID:DUn+F9BLo
勇者「今日の貴方は、少し、変……」
魔王「黙れっ!黙れっ!黙れええええぇぇぇっっ!!!!」
勇者「ハラペコで、甘党で、素直じゃない、いつもの、ほうが……良い」
魔王「憎いっ!貴様等皆呪われろっ!殺してやる!滅んでしまえ!!」
勇者「……そんなっ……貴方が……大好きだっ」
魔王「もう良い!我を惑わす淫売めが!亜空の海に消えるが良いっ!!!!」
《亜空転移》
勇者「お願い……自分で創った自分なんかに、敗けないで」
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・


358 :>>1 :2014/05/21(水) 23:42:42.62 ID:DUn+F9BLo
今日はここまで。

359 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/05/21(水) 23:44:22.49 ID:yCjo2Sk00

次回完結かなぁ・・・
魔王様マジヒロイン

360 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/21(水) 23:44:45.66 ID:dWgjKJqp0
ほうっ

361 :>>1 :2014/05/21(水) 23:46:03.08 ID:DUn+F9BLo
>>359 完結はもう少し先です。結構気になっている人がいるようなのでお知らせを。
それでダレなければ良いんだけど、よければお付き合いください。

362 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/21(水) 23:47:52.38 ID:yY0omk650


363 :>>1 :2014/05/21(水) 23:48:09.91 ID:DUn+F9BLo
>>352 訂正
勇者「だからこそ尊いの、限り在るものこそ、死に逝くこそ美しいから」→×
勇者「だからこそ尊いの、限り在るものこそ、死に逝くものこそ美しいから」→○
よりにもよって……興を削いで申し訳ない。

364 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/22(木) 00:07:01.30 ID:IEX1pUAoo

もう少し続くと聞いて嬉しいやら寂しいやら

365 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/22(木) 00:41:05.81 ID:PsoorPPAO

今回はいつも以上に筆が走ってて迫力あった
ノッてる時に多少の誤植は付き物だから気にせず思いっきり書いて欲しい

366 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/22(木) 00:56:20.41 ID:vB147KBDO
随所で鳥肌……
大丈夫、>>1が書きたい長さが丁度いい長さだ

371 :>>1 :2014/05/24(土) 19:53:52.05 ID:+WYJqF+No
菌糸王『『『さにあらば、私は王として、生命在る者として、全霊を以って貴方を殺すまでです』』』
獣王『我等は最後の一体となっても抗い、戦い往くまで』
機械王『貴方ノ愉悦ヤ、或イハ別ノ感情ノ為ニ今回ノ結末ニナッタノデアッテモ私ハ責メナイ。重要ナノハ『個』トシテ在ル事ダカラダ』
妖精王『だからせめて……なるたけアンタにとって胸糞悪いヤツになって死にたいな。けどね、最後まで抵抗はさせてもらうよ?それが生命ってもんさ』

・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・

372 :>>1 :2014/05/24(土) 19:55:38.25 ID:+WYJqF+No
魔王「否、否、否ッ!我は我であるッ!万物の破壊者、魔王であるッ!!」
勇者「違う、貴方は真の勇者。自分の宿命と向き合い、それでも戦い続けた本当の戦士」
魔王「これで終わりだッ!!我の眼前より消えて失せろ勇者ァッ!!」
勇者「…………ッ」
きつく目を閉じ、涙を流す女の姿に一層心が乱れる。
何故だ、今更この女に何を思う。
消えよ、さすればその妄言も二度と我には届かぬ。
消えよ、さすればその忌々しい眼も我には視えぬ。
消えよ、さすれば我の心は乱れぬ。
勇者「戦うの……10010001110…抗って…010000100…最後ま…101000010…で……」
消えよ、さすれば我は……

373 :>>1 :2014/05/24(土) 19:57:52.92 ID:+WYJqF+No
*************
《 ???? 》
1010001101000010010011010010001111000010000101000100100011101010000100101010000
勇者「……ここは?」
1000111010100000101010001101000010010011010010001111000010000101000110100001001
勇者「この数字は……もしかしてこれが『そうであるもの』と『そうでないもの』?」
勇者「なにか見える……あれは……!」

374 :>>1 :2014/05/24(土) 19:59:26.60 ID:+WYJqF+No
……1010001001000111010100001001010100001001001
ニャーン……
魔王『ヨミよ、我を許せ……』
魔王『これしかないのだ、我が死ねば全てに決着が付く。それがこの世界なのだ』
魔王『我のみが滅びようとも世界の巡る命はそのままである、全ての繁栄が未来にある』
魔王『だが、我は自決を許されぬ……出来ぬのだ』
……1010100001001001101000100100011101010000010
魔王『眷属の恨みと怒りはやがて弾けよう、その時、神はこの星を放棄するであろう』
魔王『その前に決着をつけねばならん、その時、世界は終わりを迎えるのだ』
魔王『我が滅ぼさずとも……『光の一筋も差さぬ暗闇の世界になる』』
魔王『それが幕引きとなってしまうのだ』

375 :>>1 :2014/05/24(土) 20:01:09.64 ID:+WYJqF+No
……1010001101000010010011010010001111000010000
魔王『そうはさせぬ……その前にアレに、あの女に我を滅ぼさせるのだ』
魔王『神の望む舞台を整えるには、我は城にて待ち望まねばならぬ。その為に、配下共を皆殺しにするは……』
魔王『我としたことが……今は心苦しく思う……』
ニャーン……
……1010001001000111010100001001010100001001001
魔王『『勇者が、魔王を討つ』のだ、それでこの星は生き残る、『そうなっている』のだ、それが皆の望む世界なのだ』
魔王『あの女も、我が配下も、誰も死なせぬ』
魔王『その為に、貴様に術式を書き込む』

376 :>>1 :2014/05/24(土) 20:02:08.50 ID:+WYJqF+No
……1010100001001001101000100100011101010000010
魔王『この術式はこの世界で我のみが詠唱できる、この世界の根源である。その有様は……『機械仕掛けの神』とはよく言ったものである』
魔王『我が滅べば配下の者は皆復活するよう、貴様に術式を書き込んだ』
魔王『アレ等が再び目覚めた時、アレ等は我に操られていたということになる。それで良い、アヤツ等ならば、我亡き後、人間共に陵辱されることはあるまい』
魔王『そして、あの女が勇者ならば……あの者共が過去に受けた恥辱を再び迎えることも無いであろう』
……1010100001001001101000100100011101010000010
魔王『問題はあの女が我が意図に気付いた時よ』
魔王『己に《思考操作》をかける愚か者は後にも先にも我だけであろう。玉座の間にて、我があの女と会う時、我は我で無くなる』
魔王『さすればアレも我に対し、全霊を以って挑むであろう』

377 :>>1 :2014/05/24(土) 20:02:56.33 ID:+WYJqF+No
……1010001101000010010011010010001111000010000
ニャーン、ニャーン
魔王『わがままを言うでない、貴様は我が忠実なる下僕であろうが』
魔王『……おそらくそれでもアレが我に勝つことは叶うまい』
魔王『なれば、その時は……貴様が我自身の楔となるのだ』
魔王『やもすれば……我は、貴様を、殺すかもしれん……』
……1010100001001001101000100100011101010000010
魔王『よいな、ヨミよ。我が忠実なる、愛すべき下僕よ』
魔王『案ずるな、貴様は魔王軍最強の存在である』
魔王『頼む……』

378 :>>1 :2014/05/24(土) 20:04:17.77 ID:+WYJqF+No
1010001101000010010011010010001111000010000101000100100011101010000100101010000
魔王『我が…………ぃ、した世界を』
1000111010100000101010001101000010010011010010001111000010000101000110100001001
勇者「貴方は馬鹿…………本当に、馬鹿っ」
1000111010100000101010001101000010010011010010001111000010000101000110100001001

379 :>>1 :2014/05/24(土) 20:05:40.62 ID:+WYJqF+No
*************
にゃーん……
魔王「……畜生か?どこより出でた?」
にゃーん、にゃーん
魔王「……汚らわしい、擦り寄るな畜生めが」
にゃーん、にゃーん
魔王「…………消えよ」
何故か酷く不快である。
肉塊へと変じさせるべく、術式を編む。
では消えよ。
《      》

380 :>>1 :2014/05/24(土) 20:07:17.24 ID:+WYJqF+No
魔王「うむ?」
失敗?有り得ない、この我が詠唱失敗など、これはむしろ《散漫》の術式、それもかなり高度の……
にゃー……1010100001001001101000100100011101010000010
魔王「ッ!?貴様!何故その呪文を!?」
その直後である、ガラスを破砕したような甲高い音、そしてその上に何者かが降り立つ音。
勇者「ッ!!」
魔王「なん……!」
何故だ、事象を操った創造神の勇者ですらこの術式の前に消し飛んだ。
生物が適応できるものではない、この世界の在り方に干渉する術である。
魔王「貴様、いかなる術を持って!?」
勇者「………………このっ!」

381 :>>1 :2014/05/24(土) 20:08:20.51 ID:+WYJqF+No
魔王「ッ!?」
勇者「大馬鹿ァッ!!!!」
女の眼に宿る黄金の炎がより一層輝く、その一瞬後。
不可避、不可視、何が起こった、何故、我は地を這っているのか、何故血を吐いているのか。頭上からか?叩き伏せられたのか?
魔王「ぐ、お、おお……」
勇者「立てッ!!中にいるその人ごと殴ってやるッ!!」
魔王「人間がっ、図に……!」
勇者「フンッ!!」
魔王「ガハッ!!」
直ちに報復する為立ち上がろうとするところを蹴り上げられ、そのままたたらを踏む。
力が抜ける。
この我が崩壊を迎えようとしている。

382 :>>1 :2014/05/24(土) 20:11:44.99 ID:+WYJqF+No
魔王「《鎧》よ!」
ことにおいては形振りも構ってはおられぬ、一度脱ぎ捨てた絶対防御を再び纏う。
しかし、
にゃー……1101000010010011010010001111000010
一瞬に霧散する。
魔王「なんだと!?これは《武装かいじ》……ッ!?」
勇者「シッ!!」
魔王「ゴッ!?」
首から上が消し飛んだような錯覚、最早、音すら聴こえない、拳圧で背後の石床がめくれる様を我が知覚しているのはどういうわけだ。
魔王「き、さま……貴様ァッ!!」
存在を消滅させてやる。存在事実から消し飛ばしてやる。
どこより対抗呪文が、その理由は一つしか思い当たらぬ。

383 :>>1 :2014/05/24(土) 20:13:28.15 ID:+WYJqF+No
魔王「畜生めが……っ!畜生めがぁっ!!」
勇者どころではない、我に匹敵するするほどの呪文の使い手が、真の脅威が目の前にいる。
何故か、新手の神の刺客であるか、あるいは神そのものか、この間にもあの女は我に迫り来る、どうする、いかにしてこやつ等を殺す。
勇者「貴方はヨミに手は出せない、彼女は魔王軍最強の存在、貴方が言っていたこと」
『 ヨ ミ 』
古き神の名。宵闇を、深淵なる夜を支配する神の名。
しかし、我には、それ以上に、何かを、感じて。
魔王「左様なことは無い……あるはずが無い!!」

384 :>>1 :2014/05/24(土) 20:14:54.27 ID:+WYJqF+No
殺す、滅ぼす、あってはならない、貴様もこの女と同じだ、理解した、我を惑わす、我を無防備とする最も危ぶむべき存在である。
死ね、死ねしね、しねしねしねしねし1110101011000000010101010101010110001
にゃーん……10010011010010001111000010
《塵化》
《散漫》
互いに高高度の密度で編みこまれた術式が発現する。
掌より射出される《塵化》の呪いをその先から分散させる『ヨミ』の術式、しかし我の呪文がより密度が高い。押している。
殺す、コヤツだけは。
例えこの隙を勇者に狙われ、首を刎ねられようと、心臓をもがれようと、コヤツだけは殺さねばならん。

385 :>>1 :2014/05/24(土) 20:16:37.56 ID:+WYJqF+No
勇者「ヨミッ!!」
にゃーん……0101011000000010……今ぞ……10101010101……やれ……0110001
勇者「ッ!!」
0101011000……我の首を……000010……それで……1010101010101……全て……が……10001001010101010101
勇者「…………馬鹿っ」
101000110……早く……100001……ヨミを……001001101……頼む……00100011110
勇者「馬鹿ァッ!!!!」
110101000001010100……最後に……01101000……プリン……が……010010011010010……心残り……0011110000100001……である……01000110100001001001101

386 :>>1 :2014/05/24(土) 20:17:35.73 ID:+WYJqF+No
*************
魔王「…………む?」
何故、我は意識がある。
何故、我は生きている。
にゃーん、にゃーん
魔王「……ヨミ?」
瞬間、背筋が凍る。
我に意識があるということは。
我が生きているということは。

387 :>>1 :2014/05/24(土) 20:18:35.93 ID:+WYJqF+No
勇者「ハ……ッ……カ、ハ……ッ」
苦悶の顔を浮かべ、眼前でのたうつ女。
受けたのか、我の呪文を、遮ったのか、《塵化》であるぞ。再生を無視し、万物を塵と変える術式ぞ。
魔王「この……馬鹿者がァッ!!」
我は、しくじったのだ。

388 :>>1 :2014/05/24(土) 20:20:28.96 ID:+WYJqF+No
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おきのどくですが ぼうけんのしょ 3ばんは きえてしまいました。
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389 :>>1 :2014/05/24(土) 20:20:56.69 ID:+WYJqF+No
キリです。

390 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/24(土) 20:24:58.62 ID:ZYPzYnyAO
乙です

391 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/24(土) 20:27:07.45 ID:DDQqvs4po
おいおい……

392 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/24(土) 20:41:45.11 ID:z+z8px590
1ばん!1ばんをロードさせて!!