2chまとめサイトモバイル
勇者「俺が勇者になった理由は女の子にモテるためだ。文句あんのか」
Part6


104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/22(火) 00:20:24.89 ID:WNVHldV5o
医者「ーー結果が出ました」
隊長「……」
医者「若干、違いはありますが、私の調合した薬で症状は治まるはずです」
隊長「ほ、んとうですか……?」
医者「はい。今から配ります」
隊長「おぉ……おぉぉ……!!!」
勇者「問題はこの幻覚剤がどの程度使われているかですけど」
隊長「うぅ……くっ……。ーー恐らくは全ての町民に使われているはず」
勇者「それは聞きましたけど、確証でもあるんすか?」
隊長「今から14日前でしょうか……。不思議な霧が発生したんです」
勇者「霧……?」
隊長「濃霧でした……。きっとあれが原因なんです」
勇者「(誰が得するんすかねぇ……)」
医者「では、これを全ての町民に配ってください」
兵士「は、はい!!!」

105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/22(火) 00:23:09.12 ID:WNVHldV5o
酒場
町娘「……」
勇者「これで心配ないですから」
町娘「はい……」
勇者「それでは」
町娘「……」
勇者「すみません」
町娘「え……?」
勇者「約束、守れませんでした」
町娘「……」
勇者「勇者、失格っすね」
町娘「いえ……そんなこと……」
勇者「……さようなら」
町娘「ありがとう……ございました……」
勇者「(誰がなんのために……こんなこと……!!!)」ギリッ

106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/22(火) 00:27:59.97 ID:WNVHldV5o
農村
勇者「助かりました」
医者「勇者様。このことは……」
勇者「貴方は何もみなかったし、しなかったことにしときます」
医者「……」
勇者「そのほうが気苦労もなくていいでしょう」
医者「助かります」
勇者「では、これで」
医者「勇者様、お気をつけて」
勇者「うっす。ありがとうっす。あなたも幸せになってください」
医者「はい。勿論です」
勇者「……むかつくっす」
狼少女「どこいく?」
勇者「……帰る」
狼少女「わかった」

107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/22(火) 00:33:33.14 ID:WNVHldV5o
城下町 墓地
勇者「……親父。俺はやっぱり、誰とも結ばれない運命なのかもしれないぜ」
狼少女「うぁー?」ドガッ
シスター「ちょ、ちょっと!! 何をしているのですか!?」
狼少女「ガルルルル……!!」
勇者「あ、どうも」
シスター「墓を叩くなんて……!!!」
狼少女「なんだ、こいつ。食っていいのか?」
勇者「……すんません。ほら、行くぞ。お前のことも色々聞きたいし」
狼少女「あい」
シスター「何かありましたか?」
勇者「……自分の人生に絶望してます」
シスター「よければ教会のほうでお話を……」
勇者「いいんすか? なら、今夜にでも」
シスター「分かりました。待ってますね」

108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/22(火) 00:41:52.49 ID:WNVHldV5o
城内
兵士長「……陛下には話したのか?」
勇者「まだっす」
兵士長「ふむ……。誰が何のためにしているのかわからんが、忌々しき事態だな」
勇者「ここも危ないかもしれないっすね」
兵士長「実はな、それに関連しているかは分からんが農村での事件と似たようなことが頻発しているようだ」
勇者「マジすか?」
兵士長「ああ。見知らぬ相手が急に殴りかかってきたり、刺してきたり。殆ど通り魔ってことで片付けてたようだが」
勇者「……犯人は?」
兵士長「わかんねえよ。だが、陛下は犯人はこいつしかいねえって言ってる」ペラッ
勇者「手配書の女……っすか。美人っすよね」
兵士長「美人だが魔女だ」
勇者「魔女……」
兵士長「陛下がいうには、コイツが国の乗っ取りを企てているんだとよ。そのうち、討伐命令が下るだろうなぁ」
勇者「魔女っすか……魔女ね……」

109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/22(火) 03:35:33.86 ID:Axiuwpvpo
狼娘かわいい

110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/04/22(火) 07:47:39.92 ID:OlXgqa9h0
勇者の方はケモノくさい女はノーサンキューなんだろうな

111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/22(火) 09:52:21.27 ID:yjw0Yd3S0
なにこの生き物かわいい
ゆるさないとか言いながら妙に素直に言うこと聞くしw

115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/22(火) 17:33:15.86 ID:WNVHldV5o
兵士長「それにしても東の町で女を置いてきたって、その辺はお前のクソ親父とは違うな」
勇者「どう違うんすか?」
兵士長「お前のクソ親父なら精神的に弱ってる女を見かければ、確実に持って帰ってきてたぜ? 一夜限りの相手としてでもなぁ」
勇者「ふぅーん」
兵士長「まぁ、がめつさが無い分お前のほうがまだ人間はできてるなぁ。誇っていいぜ」
勇者「……俺に足りないのはあと少しの強引さなわけっすか」
兵士長「参考にするなよ。でさぁ、そろそろツッコんでいいか?」
勇者「なんすか」
兵士長「そいつ、誰?」
狼少女「……」
勇者「なんか知らないけどついてきたっす」
兵士長「別によぉ、他人の趣味にとやかく口出すつもりはねえけどさ、お前は勇者だ。流石に犯罪じゃねえか?」
勇者「失敬な。こんなワイルドをそのまま着込んだようなやつは断固拒否っすよ。俺の理想は守ってあげたくなるような……」
兵士長「はいはい。わぁーってるよ。清楚で可憐な美人さんだろ」
狼少女「あぅ?」

116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/22(火) 17:36:34.38 ID:B1bCUASeo
狼少女かわいい

117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/22(火) 17:44:03.79 ID:WNVHldV5o
勇者「狼と一緒に襲ってきたんすよ。ゆるさなーい!!とか言いながら。そのあとはこうして俺の後ろにぴったりついて回る次第で」
兵士長「狼と……? そりゃ本当か、お嬢ちゃん?」
狼少女「……」プイッ
兵士長「あら……。嫌われてるな」
勇者「本当だよな?」
狼少女「あい」
兵士長「じゃあ、あの話は本当だったのか」
勇者「話って、先輩はこいつのことしってんすか?」
兵士長「人伝でな。あの農村の近くに狼が住んでいる森があるんだがよ、その森に狼に育てられた女の子がいるとかなんとか」
勇者「なんすて!?」
狼少女「おぉー」
兵士長「狼が捨てられた赤子を食わずに育ててるなんて荒唐無稽すぎて単なるホラ話だと思ってたけどよぉ……」
勇者「お前、狼に育てられたのか。ははーん、どうりで獣臭がするわけだ」
狼少女「そう?」クンクン
兵士長「(いや……でも……もし本当なら、こいつちょっとおかしくねえかぁ……?)」

118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/22(火) 17:52:21.77 ID:WNVHldV5o
勇者「その辺のことはじっくりと尋問してやるっすよ。じっくりとなぁ」
狼少女「ガルルル……!!! 変なことしたら食うぞ!!」
勇者「するかぁ!!! 俺にも相手を選ぶ権利ぐらいあるわい!!」
狼少女「ガルルルル……!! ガァァァウ!!!!」ガブッ!!!
勇者「いてぇー!! ゆるしてぇー!!!」
兵士長「……そいつのことどうするつもりだよ」
勇者「事情を聞いたあとで森に帰すか保健所にもっていくか決めるっす」
狼少女「お前ゆるさない!! 仲間傷つけた!!!」
兵士長「随分恨まれてるなぁ」
勇者「そうなんすよ。俺のこと殺そう思ってるのかもしれないっす。まぁ、こんなガキにやられるほど落ちぶれちゃいないっすけどね。はっはっはっは」
狼少女「うー!!!」ドガッ
勇者「いてぇ!? いい加減にしろこらぁ!!!」
狼少女「バカにするなぁー!!」
勇者「生意気なぁ!!」
兵士長「……」

119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/22(火) 17:57:07.32 ID:WNVHldV5o
兵士「隊長、勇者殿。国王陛下がお呼びです」
兵士長「俺もか。了解だ」
勇者「うーっす。あとでいくっす」
兵士長「今から行くんだよ」
勇者「えぇー?」
兵士長「おい」
兵士「はっ」
兵士長「この子のこと少し見ておいてくれ」
兵士「え?」
狼少女「あぅ」
兵士「こ、この子どもは……」
兵士長「いいから」
兵士「了解」
勇者「じゃ、行ってくるから。ここで大人しくし待ってろ」
狼少女「あい」

120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/22(火) 18:06:55.80 ID:WNVHldV5o
謁見の間
王「ーーご苦労であったな」
兵士長「いえ」
王「連続殺人犯は自害か……」
勇者「力及ばず申し訳ありません、陛下。ただ、その町でも他で起こっている奇怪な出来事が同じく発生しておりました」
兵士長「被害は広範囲に及んでいます。北の町、南の港でも多発しているようです」
王「こんなことができるのはあの魔女だけだ。ーーこれより魔女狩りを行う!!! 全兵に通達しろ!!!」
衛兵「はっ!!!」
勇者「(魔女狩りっすかぁー)」
王「草の根を燃やしつくしても構わん。必ず魔女を捕らえ、ここへつれて来い」
兵士長「生け捕りにするのですか」
王「当然だ。今回の罪を償わせる」
兵士長「はっ」
勇者「仰せのままに」
王「期待しておるぞ」

122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/22(火) 18:14:33.81 ID:WNVHldV5o
通路
勇者「ふぃー。陛下も結構乱暴なことするんすね」
兵士長「妃に先立たれてから良くも悪くも仕事熱心になってしまったからな。以前の陛下であればもう少し慎重だったはずだが」
勇者「魔女狩りか……」ペラッ
兵士長「どう思う?」
勇者「そうっすね。なんで陛下が魔女が犯人だと決め付けてるのかわかんねーってぐらいっすかね」
兵士長「そもそも陛下はこの事件が発生する前から手配書を出してまで魔女を探していたわけだからな」
勇者「この事件の犯人にしちゃってますけど、どうなんすかね」
兵士長「あー、やだやだ。こういうきな臭いことは。もっと分かりやすく危険だったらいいのになぁ」
狼少女「わぁぁー」タタタッ
勇者「よぉ」
狼少女「あう」
兵士「こらぁー!! 待てというのに!!!」
狼少女「ガルルルル……!!! こいつでてきた! おまえ、いらない!!」
兵士「そ、そうかもしれないが……」

123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/22(火) 18:24:23.70 ID:WNVHldV5o
勇者「どうも。もういいですよ」
兵士「は、はぁ」
勇者「大人しくしてたか?」
狼少女「あい」
兵士「問題なく大人しかったですよ。黙って座ってましたし。ただ勇者殿が出てきた瞬間、走り出して……」
勇者「大人しくしてねえじゃん。嘘ついたのかよ。謝れ」
狼少女「すまん」
兵士長「それより明日から大仕事だ。その子のことどうするか今日中に決めろよ」
勇者「わかってるっすよぉ」
兵士「それでは自分も持ち場に戻ります」
勇者「あざしたぁ。先輩、今度は一緒に仕事できそうっすね」
兵士長「頼りにしてるぜ、勇者様」
勇者「頼ってくださいっすよ。それじゃ。また明日。お前も挨拶ぐらいしろ」
狼少女「ばいばい」
兵士長「おーう。しっかり休めよぉ」

124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/22(火) 18:31:43.90 ID:WNVHldV5o
宿舎 勇者の部屋
勇者「で、狼に育てられたのは本当なのか?」
狼少女「あい」
勇者「どんなこと教えてもらった?」
狼少女「狩りのやりかた。獲物の息の根の止め方」
勇者「へぇー。どんな感じ?」
狼少女「ガァァァウ!!!!」ガバッ
勇者「くっ……!?」ググッ!!!
狼少女「ガルルルル……!!!!」
勇者「分かったからすわれ!!」
狼少女「……」
勇者「なんで俺についてきたんだ?」
狼少女「お前、仲間傷つけた。ゆるさない。殺すまでつきまとうつもり」
勇者「……なぁ、ナンパできなくなるからやめてくれないか? ほら、親代わりの狼も森でお前の帰りを待ってるだろうしさ。ここは素直に……」
狼少女「やだ」

125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/22(火) 18:40:42.35 ID:WNVHldV5o
勇者「勘弁してくれよ……」
狼少女「はらへった」
勇者「しらねーよ」
狼少女「はらへったぁ」ガブッ
勇者「いてぇよ。自分で何か狩ってこいよ。狼に育てられたんだろ?」
狼少女「わかった」
勇者「待て待て。冗談だよ。んなこと町でされたら俺が困る」
狼少女「あぁー? はらへった」
勇者「ちょっと待ってろ……。えーと……。あぁ、あった。ほら、パンでもかじってろ」ポイッ
狼少女「あう」モグモグ
勇者「(最悪だ……。どうにかして森に……。そうだ。どうせ魔女狩りに出るんだから、森へ行って……)」
勇者「よし。そうするか」
狼少女「くった」
勇者「おう。そうか」
狼少女「うまかった。もっとないのか」

126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/22(火) 18:46:30.67 ID:KJecIYsh0
この狼少女が清潔にしてそれなりに着飾ると超絶美少女になるとかだったら最高

127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/22(火) 18:48:33.17 ID:WNVHldV5o
城内 中庭
兵士長「(魔女……。どんな奴だろうね。陛下の読み通り、一連の事件の犯人だとするなら、幻覚に気をつけねぇと同士討ちで自滅も……)」
勇者「ほーら」ポーイッ
狼少女「がうー!!」タタタッ
勇者「狼っつーより、犬だな」
兵士長「よう、旦那。球遊びとは楽しそうだなぁ」
勇者「先輩。うぃーっす。楽しそうにみえるっすか?」
兵士長「見えるぞ。変態にも見えるがな」
勇者「あいつが退屈で死にそうとか喚きだしたんでしかたなくっすよ。部屋の食料殆どの食べるし、マジ疫病神っすよ」
兵士長「ハハッ。昔から獣とガキにはモテるから、どストライクだな」
勇者「先輩、俺はーー」
狼少女「あうあうっ」
勇者「おかえり。もう一回行ってこい」ポーイッ
狼少女「がうー!!」タタタッ
兵士長「なんだ。飼うのか?」

128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/22(火) 18:58:38.24 ID:WNVHldV5o
勇者「飼わないっすよ。明日、町を出て森に帰してくるつもりっすから」
兵士長「そうなのか。もったいねえ。折角お前のことを好いてくれてるお嬢さんなのによ」
勇者「殺したいほど好かれたくはねえっす」
兵士長「そうかい? おっ。てことは今日は一緒に寝るのか? ヒュー。やるじゃん。ド変態野郎っ。このこの」
勇者「なわけないでしょうが!!!」
兵士長「風呂にもいれてやらないといけねえし、下の世話もあるし、大変だな」
勇者「あとで教会に行くんで、そこで今晩だけ預かってもらうつもりっす」
兵士長「教会に用事でもあんのか?」
勇者「ふっ。可憐なシスターが俺のことを待ってくれているんすよ」
兵士長「ほーぅ?」
勇者「実をいうとわかってたんすよね。俺の伴侶は彼女しかいないって」
狼少女「あうあうっ」
兵士長「この子のことか」
勇者「お前じゃねーよ!!! おらぁ!!!」ポーイッ
狼少女「がうー!!!」タタタッ