勇者「俺が勇者になった理由は女の子にモテるためだ。文句あんのか」
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Part17
362 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/26(土) 23:14:01.90 ID:
MT50MpWlo
勇者「ずっ……!?」
兵士長「フゥー……フゥー……!!」
勇者「つえぇ……。流石、先輩……」
兵士長「グァアアアア!!!!」
勇者「でも、俺だって負けられねぇぇぇ!!!!」ガキィィン!!!
兵士長「ギギ……!!」
勇者「女の子にモテるために、勇者になったのに。結果、妹や拾った野生児のためにこんなことしている……」
勇者「こんなはずじゃなかったんだ……こんなはずじゃ……」
兵士長「オォォォオオオ!!!」
勇者「おぉぉぉぉ!!! 先輩の大嘘つき野郎ぉぉぉぉ!!!!!」ザンッ!!!!
兵士長「ガァ……!?」
勇者「はぁ……はぁ……。ちょっと、休んでてくださいよ」
兵士長「グ……ゥ……」
勇者「魔女、どこいった……」
勇者「もし魔王と子作りしてるなら、容赦なく後ろから差し込んでやる。剣を」
363 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/26(土) 23:19:22.55 ID:
MT50MpWlo
通路
兵士「オォォォオ!!!」
勇者「どけぇ!!」ドガァ!!!
勇者「(先輩のことだから、上手いこと狼たちをこっちに嗾けてくれてるはずなんすけど……)」
「ガァァアアアア!!!」
勇者「おっ! いたいたーー」
王「……」ザンッ
狼「グゥゥ……」
勇者「な……!」
王「……」
魔女「ウフフ。狼のエサに私たちを選んだのはいいセンスね。私以上に美味な肉もないでしょうし」
勇者「なんで……」
魔女「何を驚いているの? 狼ごときに私の夫がやられるわけないでしょう?」
勇者「陛下に何をしたんだ?」
魔女「貴方も見たでしょう? この薬を使ったの」
364 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/26(土) 23:20:41.06 ID:zMPWAI85o
王改造されてたのか、だっきみたいやな
365 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/26(土) 23:29:22.15 ID:
MT50MpWlo
勇者「それは……」
魔女「私の愛娘が協力してくれて完成した究極の薬。どんな人間でも限界以上の力が引き出せる魔法の薬」
勇者「それは結構危ない薬品っすよね? 成長がとまるほどの」
魔女「子どもに使えばね。でも、大人に使用する分には平気よ。まぁ、使い続ければ死んじゃうだろうけど」
勇者「ずっとそんな頭のイカれた研究ばっかやってたんすか?」
魔女「そうよ。この馬鹿で糞な国王に捨てられてから、ずっとね」
勇者「……」
魔女「お腹を痛めて産んだ子を寄越せといってきた。国のためには必要だからと。国のために……。国のためなんかに差し出すのなんて馬鹿らしいでしょう?」
勇者「それはそうっすね」
魔女「だから殺したのよ。こいつの妻をね。そして娘をつれて逃げたの。いつか復讐してやると神に誓ってね」
勇者「復讐ってあんたは妃を殺した。それで十分じゃないっすか」
魔女「何を言っているの? そんなことで私の気持ちが治まるとでも? 坊やには一生分からないわ。私の気持ちなんてね」
魔女「愛した男に裏切られ、その間に生まれた子どもまで奪われそうになった私の気持ちなんて……!!」
勇者「そんなに大事にしてるなら、一緒に隠れて住めばよかったんじゃないっすか?」
魔女「大事? 確かに大事にしていたわ。愛していたわ。実験台として狼と同じように愛情こめて使ってやったわ」
366 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/04/26(土) 23:33:57.26 ID:CduknesK0
いまのあんたがいちばんみにくいぜ!
367 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/26(土) 23:36:44.10 ID:
MT50MpWlo
勇者「なんすかそれ」
魔女「あの娘をただの一度も人間として見たことなんてないわ。だって、この男の血が流れてるのよ?」
王「……」
魔女「人間じゃない。悪魔よ」
勇者「(ダメだ。目がいっちゃってるっすね……)」
魔女「だから、使ってやったの。壊れないように気を遣ったのよ? 手軽に使える実験台は中々手に入らないからね」
勇者「そっすか」
魔女「あの子はまだまだ使えるの。子どもをどこまで兵器として使えるのか。試してみたいのよ。だから、あの子が私には必要なの」
勇者「……」
魔女「ズタボロになるまで使ってやるのよ。簡単には死なせないわ。この男もあの娘も!!!」
勇者「あんた、俺と似てるっすね。俺も色んな女性に裏切られてきたっすよ」
魔女「ふんっ。そうなの。なら、少しぐらいは分かるかしら、私の気持ちが」
勇者「いーや。わかんねえっすね」
魔女「なんですって?」
勇者「女性に裏切られて怒りはしては、恨んだことなんて一度もねえっすから」
368 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/26(土) 23:38:54.37 ID:
MT50MpWlo
>>367
勇者「女性に裏切られて怒りはしては、恨んだことなんて一度もねえっすから」
↓
勇者「女性に裏切られて怒りはしても、恨んだことなんて一度もねえっすから」
369 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/04/26(土) 23:40:41.05 ID:thhqUD5T0
クライマックスであるな
370 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/26(土) 23:48:16.98 ID:
MT50MpWlo
魔女「真性の馬鹿なのね」
勇者「馬鹿で結構。あんたは何もわかってないっすねぇ」
魔女「……」
勇者「一度でも惚れた相手っすよ? 振られても嫌いになんてならないでしょう、普通」
勇者「まぁ、あのときああしていればとか思うときはあるっすよ? 例えば、馬を助けなかったらもしかしてーとか、ずっと傍にいればよかったなぁーとか」
勇者「でも、そのあとに幸せそうにしていたり、元気そうにしていたりするなら、それでいいじゃないっすか」
魔女「坊やはそれで満足できるの? 他人の幸せを祝福できるの?」
勇者「できねーっすよ。死ね!って思ってます」
魔女「だったら……」
勇者「だからって、相手の幸せを壊す権利はない。奥歯かみ締めて拍手してやるんすよ。結婚おめでとー!! お幸せにぃー!!って」
魔女「他人の幸せのために自分が泣けばいい。そういうことね」
勇者「あんたちょー美人なんだし、子連れでも男はよってきたはずっすよ。俺とか俺とか。なのに子どもの幸せを考えずにこんなことして、これじゃあ……」
勇者「あんたをナンパする気もなんねーっすよ」
魔女「言わせて……おけば……!!」
勇者「お前、ブスっす。俺がこの世で一番嫌いなブスっす。あんたなんか金もらったって抱きたくねえっすわぁ。あーやだやだ。ブスは死んでいいっす」
371 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/26(土) 23:53:34.77 ID:
MT50MpWlo
魔女「……言いたいことは言ったかしら?」
勇者「うっす。ブサイク魔女。かかってこいよ」
魔女「ーー行け!!」
王「ゴォォオオオオ!!!!」
勇者「……」シャキン
魔女「フフフ。人間の限界を超えた力の前に絶望すればいいわ!!」
王「オオォォォオオオオ!!!!!」
勇者「はぁぁ!!!」ザンッ!!!
王「ギィ……!?」
魔女「え……」
勇者「……何、驚いてるっすか?」
魔女「ど、どうして……」
勇者「どうして? あんたの目の前にいるのは勇者っすよ?」
魔女「……っ」
勇者「伊達や酔狂で勇者やってねえっすから」
372 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/26(土) 23:57:10.81 ID:B4jnwxEco
勇者△
373 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/26(土) 23:57:54.82 ID:
MT50MpWlo
魔女「そんな……!! 前の勇者は試作品の薬で十分だったのに……!!」
勇者「観念しろっす。逃げ場なんてねえっすよ」
魔女「まだよ!!」
勇者「なに……」
魔女「こいつを使えば……!!」グイッ
狼「グルル……」
勇者「やめろ!!」
魔女「もう遅いわ!!」
狼「ガルルル……ガ、ガ、ゥゥウウ……!!!」
勇者「往生際わるいっすねぇ」
狼「ガァァアアアアア!!!!」
勇者「おぉい!! ちょっと待て!!」
魔女「フフフ!! 狼と戯れていなさい!!」タタタッ
勇者「まてこらぁ!!!」
狼「ガァァァウ!!!」
374 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/27(日) 00:07:54.63 ID:
bA453CjWo
城下町
魔女「はぁ……はぁ……!!」
魔女「(何よ……何よ……!! 忌々しい!! まぁ、今回はあの男を始末できただけでも良しとするしかないわね……!!)」
魔女「(また一から初めてやるわ……。どこかの野生の獣を捕まえて……私の兵隊にして……!!)」
魔女「私は諦めないわ……!! あの男が治めていたこの国を壊してやるのよ!!! そして、あの悪魔の娘も!!!」
魔女「アハハハハハハ!!! 見てなさい……!! 必ずやり遂げてみせるわ……!!!」
勇者「待てぇ!!!」
魔女「しつこい男ね……。でも……」
勇者「このーー」
女性「ウゥゥオオオ……」
男性「アァァァオオオ……」
勇者「ちぃ……!! どこまでも腐ってるっすねぇ!!!」
魔女「さようなら!! 勇者様!!! アハハハハハ!!! 優しい勇者様には一般人を傷つけることなんてーー」
勇者「一般人がなんだぁ!!!」ドゴォッ!!!!
男性「グェ……!?」
375 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/04/27(日) 00:10:41.25 ID:BQUkAv4d0
躊躇いが無さ過ぎるwwwwwwww
376 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/27(日) 00:15:23.32 ID:
bA453CjWo
魔女「あなた……!!」
勇者「……」シャキン
魔女「く、狂ってるわ……」
勇者「言ったはずっすよ? 俺は国のためや王のために勇者になったんじゃない。力なき人たちのためでもない」
魔女「……」
勇者「女の子にモテるためになった。だから国が滅びようが、善良な民が殺しあおうが関係ねえっすよ。寧ろ、ありがたいっす。俺に優しくない世界なんて滅べばいいんすよ」
魔女「だったら、どうしてこんなことを……?」
勇者「可愛い妹と……」
魔女「(こいつに薬を……)」スッ
勇者「姫様のーー」
魔女「くらえぇ!!!」
勇者「ためだぁぁ!!!!」ザンッ
魔女「ぎ……ぁ……」
勇者「ふぅ……」
勇者「ハラヘッタっすね。早く帰りたいっす」
377 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/27(日) 00:22:36.36 ID:
bA453CjWo
隊長「勇者殿!!!」
勇者「うぃーっす。怪我人は?」
隊長「多数出ています。陽動のためとはいえ、すこし暴れすぎてしまいました」
勇者「あんたたちのお陰ですんなり国王と魔女のところまでいけたんすよ。あざした」
隊長「お役に立てたのなら光栄です」
勇者「狼たちは?」
隊長「重傷ですが生きています。すぐに治療を施せば助かるでしょう」
勇者「お願いできるっすか?」
隊長「勿論です!! 彼らがいたからこそ敵の隊も混乱したわけですし!! 既に同志といってもいいほどです!!」
勇者「そうっすね」
勇者「(先輩の気遣いも多分に含まれてるっすけど)」
隊長「勇者殿も治療を……」
勇者「こんなの唾つけてればなおるっす。他の人を優先してくださいっす」
隊長「はっ!!」
勇者「……はぁ。先輩とこいくか」
378 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/27(日) 00:27:25.96 ID:
bA453CjWo
城内
「包帯を持ってきてくれー!!」
「わかりましたー!!」
勇者「うわぁー。皆派手に怪我しちゃってぇ」
兵士長「いよぉ」
勇者「先輩。生きてたっすね」
兵士長「魔女は……?」
勇者「倒したっすよ」
兵士長「殺したか?」
勇者「生きてんじゃないっすか? 致命傷にはなってないとおもうっすけど」
兵士長「そうか……。残念だったな」
勇者「はい?」
兵士長「あの魔女がお前の糞親父を殺したんだ。仇、取り損ねたな」
勇者「あんな親父の仇なんて取るまでもねぇーっすよ。どーせ、魔女の色香にやられて自滅したんすから。自業自得っす」
兵士長「ハハッ。ああ、あいつならありえそうだぁ……」
379 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/27(日) 00:33:30.83 ID:
bA453CjWo
勇者「それにしても、これからが大変っすね」
兵士長「陛下はもう王座に座ることはできねえからな」
勇者「残る王族は……」
兵士長「姫だけだな。なってもらうか、女王に」
勇者「ダメダメダメ! あんなの! 国が三日でおわるっすよ」
兵士長「優秀な夫がいれば問題ないんじゃないか?」
勇者「狼の王っすか? 斬新っすねぇ」
兵士長「馬鹿野郎。お前だよ」
勇者「俺? いやっすよ。あんなガキの旦那になるなんて」
兵士長「おまえなぁ」
勇者「それより先輩。俺、この国どころか世界を救った英雄なんすけど、もう世界中の美人が黙ってないっすよね、これ。ヤバくないっすか? マジヤバくないっすか?」
兵士長「世界の危機だったなんて誰が信じるんだ? 魔女は世界進出していたわけじゃねえんだぜ? 精々、この町の女が騒ぐぐらいだろ」
勇者「マジっすか。……この町には見切りをつけたけど、騒いでくれるなら……グフフフ……フフフハハハハハハ!!! よぉーし!!!」
兵士長「まてまて。俺の話をきけ」
勇者「もー!! なんすかぁー!! 女の子が俺のことまってんすよぉー!!」
380 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/04/27(日) 00:36:41.68 ID:UqcZfrEW0
ちょっと落ち着きさえすればモテモテになれるだろうに…
381 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/27(日) 00:41:42.38 ID:
bA453CjWo
兵士長「悪いことはいわねえ。姫とくっつけよ」
勇者「だーかーらー、俺にそんな趣味はないんすよ」
兵士長「よーく考えろよ。姫は誰が産んだ? ええ?」
勇者「魔女っすけど?」
兵士長「その魔女。容姿はどうだったよ」
勇者「すげー美人……はっ……!?」
兵士長「やっと気が付いたか」
勇者「あ、あの野生児が……あんな絶世の美女に……!!?」
兵士長「しかも、グラマラスなエロボディになること請け合いだ。流石の俺も嫉妬しちまうぜ」
勇者「しかも姫、いや女王となるなら、俺は国王に……!! それって……!!!」
勇者「側室とかもオッケーってことっすよねぇ!?」
兵士長「あ、ああ……まぁ、なぁ……」
勇者「うっひょーい!!!! やべぇー!!! テンションあがってきたぁー!!! それってもう合法ハーレムじゃないっすかぁ!!! 今が人生のピークっすぅぅぅ!!!!」
勇者「こうしちゃいられねぇ!!! 未来の側室たちを今から選出してこないと!!! まっててねぇーん!!! 俺のハニーたちぃー!!!」ダダダッ
兵士長「……ダメだな、あいつ。ま、姫が女王になるのにも色々問題は多いからな。簡単にはいかないぜ?」
382 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/27(日) 00:48:52.30 ID:
bA453CjWo
農村
村長「なんと勇者様が……!? そうですか……。わかりました」
兵士「はい。ですので、勇者殿の妹君と保護している女の子を連れてくるように言われて」
シスター「兄さんが……」
狼少女「あいつ、魔女……倒したのか……」
戦士「複雑よねぇ。仮にも自分の産みの親なんだし」
シスター「どうする?」
狼少女「……いくっ!」
シスター「よかった」
狼少女「あいつには私がいないとダメなんだ! 私もあいつがいないとダメなんだ!!」
戦士「生意気なこといっちゃってぇ」
医者「治療に専念するためにも都会にいったほうがいいでしょう。私も賛成です」
村娘「少し寂しくなるけど、仕方ないですね。また、勇者様と一緒に遊びにきてください」
シスター「はい。必ず」
狼少女「おい!! 早く行くぞ!! あいつ、待ってるからな!!!」
383 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/27(日) 00:56:18.54 ID:
bA453CjWo
街道 馬車内
狼少女「まだかー? なぁなぁ?」
戦士「もうちょっとよ」
狼少女「うぅー……」
シスター「兄さんのこと、本当に好きなのね」
狼少女「あいっ」
戦士「どこに惚れたの? やっぱり顔? 勇者様、可愛いもんねぇ」
狼少女「ちがうっ。顔は気持ち悪いだろ。あいつ、いつも一人でニヤニヤしてるしな」
シスター「まぁ……そうね……」
狼少女「……あいつ、私のこと必死に守ってくれたんだ。へんな人間が私を奪おうとしても、あいつは嫌だっていってくれた」
戦士「それだけで惚れちゃったのぉ?」
狼少女「あんなに優しくされたのは初めてだったんだ……。私、いつも……」
シスター「そっか……。うん。兄さんは優しいから、きっと貴方のこと大切にしてくれるはず」
狼少女「そうか!? えへへ。実はな、あいつ私のこと面倒みてくれるっていってくれたんだ!! それってつまり……」
戦士「つまりぃ……?」