勇者「俺が勇者になった理由は女の子にモテるためだ。文句あんのか」
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Part15
321 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/25(金) 21:07:26.66 ID:
lKr1mxGno
狼少女「でもぉ……」
勇者「行ってやれよ」
狼少女「か、かまない?」
勇者「お前以上に噛み付いてくるやつはいねえだろ」
狼少女「……」
狼「……」
狼少女「あ……ぅ……」
狼「クゥーン……」
狼少女「あっ……。えと……ごめんなさい……」ギュッ
狼「クゥーン……」
狼少女「ごめんなさい……」
勇者「……お前らはどうするつもりだぁ!?」
「ガルルル……」
「……」
勇者「来るならこいよぉ!! おらおらぁ!!」
322 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/25(金) 21:14:13.43 ID:
lKr1mxGno
勇者「この薬を飲ませて……」
狼「ガルルルル……!!!」
勇者「飲めよ!!」グイッ
狼「ガァァ……!」
狼少女「がんばれ! がんばれ!」
勇者「おーし。こんなもんだろう」
狼「ガッ……ウゥゥ……」
勇者「で、俺に……いや、こいつを助けるために一緒にきてくれないか?」
狼「……」
勇者「いいのか!? よーし、たすかるぅ。狼畜生にしては良いやつだな!」ナデナデ
狼「……ガウッ」ガブッ
勇者「噛むなよ。甘噛みでもいてぇよ」
狼「ガウッ」
勇者「分かったのか?」
狼少女「これから仲間も一緒か!! うれしいな!!」キャッキャッ
323 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/25(金) 21:21:19.69 ID:
lKr1mxGno
勇者「おし、んじゃ、そろそろ行くか」
狼少女「どこいく!?」
狼「ガウッ」
勇者「戦力の補充はまだ終わっちゃいねえよ」
狼少女「そうなのか!?」
勇者「しかも次は確実だ。というか俺のお願いを断れるわけがない!!」
狼少女「よし! じゃあ、いくぞ! しゅっぱーつ!!」ペシペシ
狼「オォォォン!!」
勇者「お前、そいつに乗っていく気か?」
狼少女「あいっ!」
狼「ガウッ」ダダダダッ
勇者「待てよ!!」
狼少女「お前も早くこい!! 置いていくぞー!!」
狼「ガァァウ」ダダダッ
勇者「てめぇ……!! さっきまで俺に抱かれてたくせに!!! このビッチがぁぁ!!!」ダダダッ
324 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/25(金) 21:30:34.48 ID:
lKr1mxGno
農村
シスター「兄さん、どこまで行ったのでしょうか」
戦士「すぐに帰ってくるわよぉ。心配性ねぇ」
シスター「心配はしますよ。大切な家族ですから」
戦士「あんた、お兄さん一筋なの? 男は?」
シスター「わ、私は修道女ですよ!? そ、そのようなふしだらなことは……」
戦士「照れちゃって。可愛いわねぇ。てことはあんた処女ね」
シスター「うぅ……」モジモジ
村長「うぅむ……これは、一大事だ……」
農夫「勇者様の言ってた事はやっぱり本当だったんだなぁ……。信じたくなかったけどよぉ」
村長「この村に勇者様を遣わせてくれた国王様が魔女と……」
シスター「どうかしたのですか?」
村長「農村から城下町へ移り住んでいた者から今朝手紙が届いてな。三日前、国王様と魔女が正式に結婚したらしい」
戦士「祝福されてるわけ?」
村長「町民の殆どは不安がっているようだが、手紙を読み限りでは城の兵士たちは賛同しているようだな……」
325 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/25(金) 21:43:01.42 ID:
lKr1mxGno
シスター「それって……」
戦士「薬で操られてるんじゃないの?」
医者「ーーだとすると、殆どの兵士は正気を失っている可能性もありますね」
戦士「あらぁ。どうして?」
医者「魔女が使っているのは興奮剤、幻覚剤の一種ですからね」
戦士「王様の傍にいるのは魔女なんかじゃなく、普通の女ってことなのね」
医者「ええ。恐らく」
シスター「な、なら! 貴方の薬で……!!」
医者「私もできるなら早く治療を行いたいですが簡単には……」
村娘「た、大変!! おじいちゃん!!」
村長「どうした?」
村娘「こ、この村に兵隊が向かってきてるの!!」
村長「なんだと!?」
医者「まさか……」
戦士「……」
326 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/25(金) 21:51:22.60 ID:
lKr1mxGno
兵士長「……」
兵士「隊長……」
兵士長「言うな」
兵士「……」
戦士「はぁーい。良い男たちぃ。ピクニックにでもいくのかしらぁ?」
兵士長「お前は勇者と共にいた者だな」
戦士「(5人か。少数精鋭ね。まぁ、村を焼くには十分な人数だけど)」
兵士長「勇者を出してもらおうか」
戦士「どうしてぇ?」
兵士長「国王陛下の命令だ」
戦士「勇者狩りってわけぇ? 狙いは勇者様にくっついてるガキンチョのほうじゃないのぉ?」
兵士長「出してもろうか」
兵士「……」シャキン
戦士「魔女の言いなりなんて恥ずかしくないわけ?」
兵士長「……いいから、出せ」
327 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/25(金) 22:19:30.00 ID:
lKr1mxGno
戦士「嫌よ。強引な男はお、こ、と、わ、り」シャキン
兵士「きさまぁ……」
戦士「魔女との結婚に諸手を挙げて祝福したらしいけど、どういうつもりなのぉ? それともやっぱり貴方たちにとっては普通の妃なの?」
兵士長「奴は確かに魔女だ」
戦士「(あら……。薬で操られてるわけじゃないのかしら?)」
兵士長「勇者と姫を連れて帰らねばならないんだよ。なんとしてでもなぁ」
戦士「なんでよ」
兵士長「魔女が薬をばら撒いてたんだ。つまり全ての町の民を人質にしているんだよ。この任務に失敗すれば、町民同士に殺し合いをさせるといっている」
戦士「そうなの。それなら薬で操られているほうがよかったわね。あ、そうだ。薬持って帰る? ここにはそれなりにあるけど?」
兵士長「町民全員分の薬を今すぐ用意できるってか? あの町にどれだけの人が住んでいると思ってやがる」
戦士「まだ無理ね」
兵士長「だからよぉ……。今はこうするしかないんだ」
戦士「でもねぇ。今、村にいるのは勇者様の妹だけだしぃ」
兵士長「あいつの妹を連れていくだけでもいいかもしれねえな。それだけでも今日死人がでることはない」
戦士「悪いけど、こっちの準備が整うまでは多少の死人は出るわよ。だって、私の仕事は勇者様の妹を守ることなんだものっ。あんたたちの任務は失敗ね」
328 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/25(金) 22:32:25.82 ID:
lKr1mxGno
翌日 農村
狼少女「ついたー」
狼「ガウッ」
勇者「お前は仲間のところにいてくれ」
狼「……」
狼少女「仲間のとこいって!!」
狼「ガウッ」タタタタッ
勇者「あいつらを村の中につれてはこれないからなぁ。家畜たちが大騒ぎしちゃうし」
狼少女「あい」
勇者「行くか」
狼少女「はらへったな!」
勇者「そうだなぁー」
村娘「ゆ、勇者さまぁ!!」
勇者「うぃーっす。ただいまっすぅ」
村娘「どこに行っていってたんですか!? 昨日、大変なことが……!!!」
329 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/25(金) 23:06:37.45 ID:
lKr1mxGno
民家
戦士「……」
勇者「生きてるっすか?」
医者「ええ。ただ意識が戻らなくて」
勇者「そうっすか」
医者「どうやら貴方の妹さんを利用して、城まで来させようとしていたようです」
村娘「村にきたのは、あの馬車を用意してくれた隊長さんでした」
勇者「(先輩っすか)」
医者「彼らを責めてはいけません。城下町の人間全てが人質になっているようです」
勇者「薬はあげたっすか?」
医者「いえ、渡せませんでした。私たちは隠れているように言われていたので……」
勇者「なるほど……」
医者「それと気になるのが。この村にきた兵士たちは正気を保っていました。あの町の人たちのように突然凶暴化するというわけでもないようです」
勇者「でないと、脅しにはできないっすからね。都合のいいときに凶暴化させないと」
医者「凶暴化させるための合図か何かがありそうですね。やはり魔女の薬は着実に性能をあげていることに……」
331 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/26(土) 01:38:15.40 ID:fwezSInK0
ヤバイ
戦士さんが思ってたよりもかっこいいんだが
333 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/26(土) 01:59:01.08 ID:FrARXh9go
ハードボイルドなオカマの強キャラっていいよね
しかし更新速度早いな
334 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/04/26(土) 02:34:34.55 ID:gScZJpRA0
やべぇー
続きが早く見たいwwww
335 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/26(土) 07:55:00.68 ID:5x9bTMfko
やっぱりオカマは正義だよね
336 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/26(土) 18:05:20.34 ID:
MT50MpWlo
村長の家
勇者「……すみませんでした。俺の所為で村の人たちに恐怖を与えてしまって」
村長「ゆ、勇者様。顔を上げてください」
勇者「今晩にもここを出ます。これ以上俺が留まるとこの村が、貴方たちがどうなるか分かりませんから」
村娘「で、でも、薬がまだ揃っていないのでは……」
勇者「魔女と国王を討てばいいだけの話です。それに最初から薬の数が揃うまで待つつもりはありませんでしたから」
村長「確かに。魔女によって操られている者を救いながらでは手遅れになるかもしれませんな」
勇者「各地の犠牲者も増える一方でしょうからね」
村娘「大丈夫、なのですか?」
勇者「心配はいりません。貴女の旦那さんには本当にお世話になりましたし、ここからは俺の仕事です」
村長「これより先、何もできない我々をお許しください」
勇者「十分すぎるほどの援助を受けました。感謝するのは俺のほうです。それと……」
村長「分かっております。もしものときは村を捨てる覚悟もあります。元より村人の減少も歯止めが利かない現状です。遅かれ早かれ村は滅びる運命ですから」
勇者「そう言っていただけると、ありがたい。それでは、失礼しました」
村娘「勇者様……お気をつけて……」
337 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/26(土) 18:11:49.35 ID:
MT50MpWlo
馬小屋
勇者「マジでいいっすか?」
医者「勿論です。勇者様に使って頂けるのなら、喜んでお貸しします。それに、こいつも貴方に協力できることを嬉しく思っているはず」
勇者「本当かぁ?」
馬「……」ペロペロ
勇者「頼むぜ」
医者「車と幌も準備は出来ています」
勇者「あざす。では、行ってくるっす」
医者「勇者様」
勇者「なんすか?」
医者「また、この村に……」
勇者「もちろんっすよ。結婚式、絶対に呼んでくださいよ」
医者「はい!!」
勇者「行くか」
馬「ヒヒーン!!!」
338 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/26(土) 18:20:19.86 ID:
MT50MpWlo
農村
勇者「……こんなもんだな」
シスター「兄さん」
勇者「よう」
戦士「あらぁ、勇者様。つれないのねぇ。あたしをデートに誘ってくれないわっけぇ?」
勇者「意識、もどったんすね。にしてもまだ寝てないとダメじゃないっすか?」
シスター「止めたんですけど、どうしてもって聞いてくれなくて」
戦士「なによぉ。勇者様のためにがんばったのよぉ。あたしの体なんだも、あたしの我侭ぐらい聞いてくれるわよ」
勇者「そっすか? 倒れないでくださいよ。まだ妹を守る仕事、続いてるんすから」
戦士「ごめんねぇ。本当ならあたしも……」
勇者「いいっすよ。貴方を傭兵として雇ったのは正解でした。また、お願いしてもいいっすか?」
戦士「もっちろんよぉん!! 勇者様の依頼なら二束三文、ううん、無料でうけちゃうぅ! あ、でも、体では払ってもらうかしら。うふふ」
勇者「ははははは。勘弁してくれ」
シスター「兄さん……。お願いします」
勇者「任せろ。最高の妹に恥じない程度には働いてくる」
339 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/26(土) 18:26:48.63 ID:
MT50MpWlo
勇者「いくぞぉ!!」
馬「ヒヒーン!!」
狼少女「えい! えい! あーい!!」
勇者「降りろ」
狼少女「いやだ。私もいっしょにーー」
勇者「足手まといだ。鬱陶しい」
狼少女「え……」
勇者「早く降りろ」
狼少女「な、なんでだ!? お前!! 一緒にこいって……!!」
勇者「お前になんかあったら困るって言っただろ? 今回ばかりはダメだ」
狼少女「そんなの私だって同じだ!! お前になんかあったら困る!! 困るぞ!! いいのか!?」
勇者「帰ってくる」
狼少女「……いやだ。一緒にいく。いかせてくれ」
勇者「言うことを聞けよ。今度ばかりはお前を守ってやれるかどうか微妙なんだよ」
狼少女「お前のこと、私が守る。それでいいだろ? ……ダメなのか?」
340 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/26(土) 18:36:36.52 ID:
MT50MpWlo
勇者「お前に守られるほど弱くねえよ」
狼少女「じゃあ、守らない! それならいいか!?」
勇者「無理だ。大体、俺はお前の親を殺しに行くんだぞ? 確かに最低な親だ。俺の親父が聖人に見えるぐらいのな。なのに、ついてきたいのか?」
狼少女「……」ギュッ
勇者「おい。遂には実力行使かぁ」
狼少女「もう……いやだ……」
勇者「え?」
狼少女「こわいの……いや、だ……」
勇者「……」
狼少女「お前、いなくなったら……わたし……こわい……。仲間、いても……お前がいなくなるの……こわい……だから……」
勇者「おい……」
狼少女「いっしょに、いっしょに……いたいんだぁ……!!」
勇者「……」
狼少女「どこにも……いくなぁ……傍にいろ……」ギュゥゥゥ
勇者「ーーダメだ。降りろ。お前は邪魔なだけなんだよ」
341 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/26(土) 18:42:54.85 ID:
MT50MpWlo
狼少女「あぇ……!?」
勇者「ほら」ヒョイ
狼少女「なんでだー!? 今までだって……!!!」
勇者「しゅっぱーつ!!」パシーン
馬「ヒヒーン!!!」ダダダダッ
狼少女「まてー!! おいてくなぁー!!!」タタタッ
勇者「戻ってくる!! お前を一人には絶対にさせない!!!」
狼少女「ほんとうか!? ぜったいかぁ!? わたしをみすてないかぁ!?」
勇者「みすてねーよ!! 余裕ができれば面倒ぐらいみてやるよー!!」
狼少女「ぜったいだぞー!! やくそくだぞー!!!」
勇者「おーう!」
狼少女「うそついたらー!! おこるからなぁー!!!」
狼少女「うぅ……がんばれよー!!! まけるなよー!!! いってらっしゃーい!!!」
勇者「いってきまーす!! 良い子にしてろよー!!」
狼少女「あーい!!」
342 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/26(土) 18:47:16.69 ID:anaInGTJo
面倒を見てやる=結婚の約束
になってそう
343 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/26(土) 18:51:37.93 ID:
MT50MpWlo
城内 謁見の間
王「勇者と我が娘を取り戻せず、おめおめと逃げ帰ってきたのか?」
兵士長「申し訳ありません……」
王「使えぬ男め」
兵士長「……っ」
王「何だ、その目は?」
魔女「反抗的ね。いいのよ? 貴方の手で自分の妻と娘と殺したいっていうなら……」
兵士長「や、やめろ!! それだけは……!!」
王「ならば、行け。お前の責は民に償わせよう」
魔女「いい考えね、アナタ。素敵よ」ギュッ
王「フフフフ。だろう?」
兵士長「ぐっ……」
魔女「ふふ……」
魔女「(この国の兵隊は完全に傀儡と化したわね……。問題はあの坊やがどんな手で来るかだけど……)」
王「取り逃がした勇者が噛み付いてくるかもしれんな。手は打っておかなければ」