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勇者「俺が勇者になった理由は女の子にモテるためだ。文句あんのか」
Part14


300 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/25(金) 18:28:20.84 ID:lKr1mxGno
医者「ーーでは、失礼します」
狼少女「うぁぁ……いたかった……」
勇者「そうか。では、これで」
狼少女「どこいく?」
勇者「今は、一人にしてくれ」
狼少女「あい」
戦士「どこで寝るの? 添い寝してもいい?」
勇者「今日はすんません」
戦士「今日はってことは、明日ならいいのね!? あはぁーん。あたし、かんげきぃー」
勇者「……寝よう」
シスター「兄さん……」
勇者「兄だと思う必要はない。こんな男と血が繋がっているなんて、吐き気がするだろ?」
シスター「いえ、確かにびっくりしちゃったんですけど……」
勇者「お前と俺はもう兄妹じゃないよ。お前には兄なんていなかった。そうだろ? 強く、生きてくれ……」
シスター「あ……兄さん……」

301 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/25(金) 18:41:05.67 ID:lKr1mxGno
牧場
勇者「ふっ……。女の子たちにモテないばかりか、実の妹にまで嫌われる始末……」
勇者「家族の女の子とも仲良くなれないとは……」
勇者「苦労して勇者になっても報われないんだなぁ……。俺の人生、無駄が多すぎる……」
勇者「このまま旅に出るのもいいな。そして仙人にでもなれば煩悩を捨てられるかもしれないし」
勇者「うしっ。そうしよう、そうしよう。決めたぞ。勇者から仙人になるんだ。俺は。きっとその先に素晴らしい世界が待ってるはず」
勇者「こんな穢れだらけの俗世にいちゃ、俺はダメになる。山にこもって修行しよう。うん」
シスター「ーー兄さん」
勇者「……君のような可愛い妹はしらないんだ。どっか行ってくれ」
シスター「兄さん、戻ってきてください」
勇者「俺はたった今決心したんだ。仙人になるってな。邪魔しないでくれ。煩悩退散!! 煩悩退散!!!」
シスター「私、帰りたいんです」
勇者「え?」
シスター「まだまだ父に文句を言いたいんです。だから……」
勇者「空に向かって言えばいい。ほら、あの全然輝いてない星を親父だと思って、レッツトライ」

302 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/25(金) 18:50:40.29 ID:qbMyAlEso
勇者をやめて賢者になりたいとか神官に怒られるぞ

303 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/25(金) 18:51:56.53 ID:lKr1mxGno
シスター「……兄さんがして欲しいこと、私がしてあげても……いいですよ?」
勇者「な、なに……!?」
シスター「兄さん……」
勇者「で、でも、お前……嫌がってたじゃないか……」
シスター「私、兄さんの力になりたいから……」
勇者「……」
勇者「(いいのか……? 相手は妹だぞ……? いいのか……?)」
勇者「(折角、向こうから誘ってきてるんだ。いいじゃないか。何を拒むことがある。男を見せろ俺)」
勇者「(ダメだ!! 相手は妹だぞ!! そんなことあってはならない!! だが、俺から迫ったわけじゃないからセーフ!!!)」
勇者「……いいんだな?」
シスター「ここで、する?」
勇者「どこでも構わないさ」
シスター「兄さん……それじゃあ……」
勇者「ああ……」
勇者「(妹でもいいじゃないか。妹だって女だ。結婚できなくても一緒に住めるわけだし、こうして愛し合っているなら……!!)」

304 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/25(金) 18:57:21.42 ID:lKr1mxGno
シスター「あ、このベンチがいいかも。ここでしようよ」
勇者「ああ。しかし、お前がこんなスケベな妹だったとは。血は争えないな」
シスター「はい。きて」
勇者「……」
シスター「どうしたの? はやくきて」
勇者「……ダメだ!!!」
シスター「え?」
勇者「ダメだ!! やっぱりだめだぁ!!!」
シスター「に、兄さん?」
勇者「妹を抱くなんて、俺にはできねぇぇよぉぉぉお!!!!!」
シスター「あの、膝枕してあげようと思っていたんだけど」
勇者「……ひざまくら?」
シスター「うん。ほら、兄さん、子守唄歌って欲しいんだよね?」
勇者「……」
シスター「ララバイしてーって言ってたから……。ち、違うの?」

305 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/25(金) 19:03:44.33 ID:lKr1mxGno
シスター「ら〜らら〜ら〜らら〜ら〜」ナデナデ
勇者「(妹に膝枕してもらって……子守唄か……。なにしてんだろうな……俺……)」
シスター「兄さん、これでよかった?」
勇者「俺はね。ララバイとバイバイをかけていたわけでね」
シスター「違う歌がいい?」
勇者「もういいです」
シスター「……私のお母さんはまだ生きてるの」
勇者「……」
シスター「だから、このまま魔女が世界を征服するなんて……私は嫌なの……」
勇者「そうか」
シスター「兄さんにとっては血も繋がってない赤の他人だけど……私にとってはただ一人の親だから……」
勇者「……」
シスター「守って……ください……」
勇者「……妹の頼みじゃ、断れないなぁ。こんなことまでしてもらってるし」
シスター「兄さん……。うれしいっ」ギュッ

306 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/04/25(金) 19:04:46.30 ID:1mLWG5RJ0
やっぱこの勇者ちょろいなぁw

307 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/25(金) 19:09:44.09 ID:dYje/SZIo
結局は困ってる人見捨てられないタイプだ

308 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/25(金) 19:13:08.13 ID:lKr1mxGno
勇者「ありがと。なんか懐かしかった。母さんによくこうしてもらっていた気がする」
シスター「兄さんのお母さんって……」
勇者「実はいうと、俺が小さなときに病気で死んじゃってな。よく覚えてないんだ」
シスター「それって……」
勇者「なんだよ?」
シスター「あ、ううん」
勇者「そうだ。親父のこと知りたいんだよな。ええとだなぁ」
シスター「いいよ。今は、話さないで」
勇者「どうして?」
シスター「平和になってから聞きたい」
勇者「今でいいだろ?」
シスター「ううん。あとでいい。だから、兄さん。絶対に戻ってきてね」
勇者「俺は死なないって」
シスター「約束して」
勇者「わかった。約束する。魔女を倒して、お前に親父のことを話す。これでいいな?」

309 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/25(金) 19:17:39.00 ID:lKr1mxGno
シスター「うんっ」ギュッ
勇者「(妹じゃなきゃ、キスできてるんだろうなー……)」
狼少女「おい!! なにしてる!?」
勇者「おう。元気か?」
狼少女「ガゥー!!!」ガブッ
勇者「なんだよ、お前。鬱陶しいな」
シスター「ダメだよ、噛み付いちゃ」
狼少女「ガルルルル……!!!」
シスター「私、どうして嫌われてるの……?」
勇者「気にするな。俺にもよくわかんないから」
狼少女「お前、この女のこと好きなのか!?」
勇者「好きというか、妹だからなぁ……」
シスター「(そういうことか……)」
狼少女「むぅー……」
勇者「とりあえず戻るか。もう寝よう」

310 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/25(金) 19:26:14.61 ID:lKr1mxGno
民家
戦士「あらぁ、お帰りぃ」
勇者「寝る前に今後のことを話すっす」
狼少女「あいっ」
勇者「明日から仲間をかき集める」
シスター「な、仲間ですか?」
勇者「ああ。俺たちの戦力じゃどうしたって町中で捕らえられて終わりだからな」
戦士「そうかもねぇ。実質、あたしと勇者様だけだしぃ」
勇者「そういうことです。なので、手を貸してくれそうな奴に声をかけてくるっす」
シスター「どこにいるのですか?」
勇者「まぁまぁ。仲間は俺に任せてくれ。考えがあるから」
戦士「任せちゃっていいのぉ?」
勇者「もちろんっすよ。では、寝ましょう」
戦士「はぁーい。勇者さまぁ。こっちにきてぇーん」
狼少女「ガルルルル!!!」

311 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/25(金) 19:32:15.00 ID:lKr1mxGno
戦士「なによぉ!」
狼少女「がう! がうっ!!」
勇者「よし。俺の貞操をそのまま死守するんだ」
戦士「やだぁ、ひどぉーい。あたし、そんなことしないのにぃ」
シスター「私と一緒に向こうの部屋にいこ、ね?」
狼少女「ガルルルル……!!」
シスター「やっぱり、ダメ?」
勇者「俺はもう寝るぞ。お疲れー」
狼少女「あいっ」ギュッ
戦士「んもぉ! もういいわ!! 明日はあたしとねるんだからねっ!!」
狼少女「いーっだ!」
戦士「んまぁ!! かわいくない子!!」
シスター「兄さんのこと、よろしくね?」
狼少女「まかせろっ!」
勇者「すぅ……すぅ……おっぱ……ぃ……もみてぇ……よぉ……」

312 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/25(金) 20:02:37.56 ID:lKr1mxGno
翌朝
狼少女「がぉー……がぉー……」
勇者「……行くか」
狼少女「すぅー……すぅ……」ギュゥゥ
勇者「はなせよ」グイッ
狼少女「うぁ……? おはよ」
勇者「おはよう。まだ寝ていていいぞ」
狼少女「……どこいく?」
勇者「おつかいだよ」
狼少女「私もいく」
勇者「危ないからダメだ」
狼少女「大丈夫!!」
勇者「でもなぁ……」
狼少女「つれてけ!!!」ドガッ
勇者「いってぇ!? なんにすんだこらぁ!? さっさと顔洗って来い!!!」

313 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/25(金) 20:12:01.05 ID:lKr1mxGno
狼少女「うぅー。つめたいぃ……」パチャパチャ
勇者「いい天気になりそうだな」
狼少女「あらった!!」
勇者「早く拭け」ゴシゴシ
狼少女「おぉう」
勇者「本当に姫様かよ、お前。品性のかけらもねえな」
医者「勇者様。こんなに朝早くからどうしたのですか」
勇者「すんません。ご迷惑ばかりかけて」
医者「いえ。そんなのはいいのですが」
勇者「こいつに異常はあったっすか?」ポンポンッ
狼少女「あぅ」
医者「その……耳を貸してください……」
勇者「……なんすか?」
医者「……」
狼少女「なんだ? 私もききたいぞ」

314 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/25(金) 20:29:52.35 ID:lKr1mxGno
医者「詳しく検査をしたわけではないので、正確なことはまだなんともいえないのですが……」
勇者「……」
医者「薬の影響で成長障害が起こっている可能性があります」
勇者「それって……」
医者「今すぐ治療を始めなければ、彼女の体はあのままかと。第二次性徴を迎えることもないでしょう」
勇者「よ、よくわかんないっすけど、結論としてはどうなるんすか?」
医者「一生、あの姿のままです」
勇者「……」
狼少女「うぁ?」
勇者「治療しなけりゃ死ぬんすか?」
医者「成長を妨げるほどの強い薬を投与されているわけですからあの小さな体には相当な負担のはずです。少なくとも治療を行わず、これ以上薬を投与されることがあれば……」
医者「命の保障はできません」
勇者「(そうだ。どうして考えなかった。あの体で兵士を圧倒するだけ力を出していて体が壊れないわけがない……)」
狼少女「むぅ。こっちみんな!」
勇者「(ここまで来て死なせちゃ夢見が悪いよなぁ……。守るって約束もしちゃったし、俺がしっかりしないと)」

315 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/25(金) 20:43:52.52 ID:lKr1mxGno
医者「勇者様。医師の手配はできますが……」
勇者「その話は魔女を倒したあとでしましょう」
医者「勇者様、いいのですか?」
勇者「元凶を討たないと同じことの繰り返しになるっすよ」
医者「……それもそうですね」
勇者「問題は魔女の出す霧の影響がどれだけあるかっすけど」
医者「この薬で抑えられたらいいのですが……」
勇者「もっと貰っていいっすか?」
医者「え? それは構いませんが、今からどちらへ?」
勇者「魔女の被害者を仲間にしようかと思って」
医者「被害者?」
勇者「んじゃ、行ってくるっす。おーい、待たせたなぁ。いくぞぉ」
狼少女「あーい! 女を待たせる男はモテないぞ!」
勇者「どこで見たんだよ」
狼少女「あの本に書いてた!! 恋愛マニュアル!!」

316 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/25(金) 20:44:33.18 ID:VJd5nF9B0
狼ちゃん可愛すぎる

317 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/25(金) 20:44:47.69 ID:lKr1mxGno
>>315
勇者「どこで見たんだよ」

勇者「どこで知ったんだよ」

318 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/25(金) 20:50:45.86 ID:lKr1mxGno
狼の森
狼少女「おぉぉ……!!」
勇者「怖いなら戻ってもいいぞ?」
狼少女「な、なにする!?」
勇者「多分いるはずなんだ。あのとき魔女がつれていた狼は一匹だけだったし、その一匹も町の外へ行ったからな」
狼少女「うぅぅ……」ギュッ
勇者「行くか?」
狼少女「……いくっ!」
勇者「よぉし。行くぞ!」
狼少女「あぁう……」
勇者「(裏切った仲間にあうのは、まぁ怖いよなぁ)」
狼少女「なぁなぁ」
勇者「どうした?」
狼少女「だ、だっこしてくれ。私になんかあったら、こ、困るんだろ?」
勇者「畏まりました、姫様」ヒョイッ

319 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/25(金) 20:57:42.27 ID:lKr1mxGno
狼少女「……」ギュゥゥ
勇者「いるかな……。いてくれないと出鼻をくじかれることになるけど」
狼少女「……なぁ」
勇者「どうした?」
狼少女「あのときも、こんな感じだったな……」
勇者「あのときって? この森に俺が初めてきたときか?」
狼少女「ちがう。変な人間がたくさんいる町で、お前と出会ったときだ」
勇者「ああ。お前が俺を掴んで離そうとしないから、無理やり肩に担いだんだったな」
狼少女「お前はあのときも、守ってくれたな!」
勇者「守った?」
狼少女「あいっ」
勇者「守ったって……」
「グルルルル……」
狼少女「で、でたっ」ギュッ
勇者「ラッキー。いてくれたか」

320 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/25(金) 21:03:55.39 ID:lKr1mxGno
「ガルルルル……!!」
「グルルル……!!」
勇者「(頭数が少ないな……。もっといて欲しかったけど……)」
狼少女「あ、あれ! あれあれ!!」ペシペシ
勇者「なんだよ」
狼「……」
勇者「よう。会いたかったぜ」
狼「グルルル……!!」
狼少女「あぅぅ……」
勇者「やるきかぁ!? こっちにはお前の娘がいるんだぜ!?」
狼少女「多分、父親じゃない!!」
狼「グルル……」
勇者「ほら、ちょっと頭撫でてきてやったらどうだ?」
狼少女「ぁえ!? かまれるぞ!! 絶対!!」
勇者「なぁーに言ってんだよ。お前は仲間だと思ってたんだろ? なら、こいつらも同じじゃないのか?」