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勇者「俺ってめちゃくちゃ弱い?」
Part6


273 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/27(日)13:57:22 ID:LaQOs2ofD
ーーーーー
マスター「………見えましたよ、勇者様」
勇者「………アレが、天空の泉か」
マスター「天空に浮かぶ浮遊島。そこにある、泉。それが、天空の泉です」
勇者「………綺麗な島だな。遠くからでも分かる」
マスター「着きますよ、勇者様」
勇者「ハイ」
ガタンッ………
マスター「ここが、天空の泉です」
勇者「………薄い、オーロラみたいな膜があるんだな」
マスター「今、はらいますよ」スッ
サァァァ………
勇者「膜が、消えた………」
マスター「………来ましたよ!お二人共!!」
勇者「え?お二人?」
タッタッタッ

274 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/27(日)13:59:00 ID:LaQOs2ofD
天使「お久しぶりです。マスターさん」
妖精「………久しぶり」
マスター「お久しぶりです、お二人共」
勇者「………マスター、誰?」
天使「初めまして。僕は天使」
妖精「………妖精」
勇者「え、あぁ、どうも………」
天使「それじゃあ行きましょう。マスター、見張り、よろしくお願いします」
妖精「………行こ」ギュッ
勇者「え、あぁ、はい………」
勇者(手、握られちゃった)
勇者「………えっと、アナタ方は何者?」
天使「僕達は、ここな守り神みたいなものです」
妖精「………管理人さん」

275 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/27(日)14:00:47 ID:LaQOs2ofD
勇者「守り神?」
天使「えぇ、今でこそマスターさんがいますが、それまでは、私達が泉に迎える人物を選んでいました」
妖精「………悪い人が来るから」
天使「泉の力を正しく使える人々を見定め、誘う。それが僕達の役目です」
妖精「………簡単なお仕事」
勇者「………俺は、いいんだ」
天使「ハイ。勇者さんの願いは、存じてます、僕達はそれをよいと思った。だからいいんですよ」
妖精「………勇者の願い、素敵」
勇者「………どうも」
天使「さぁ、着きましたよ」
妖精「………着いた」
勇者「ここが………」
天使「ハイ、天空の泉です」
妖精「………綺麗だよ」

276 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/27(日)14:02:42 ID:LaQOs2ofD
勇者「………俺の望みを、叶えてくれる」
天使「………勇者さん、一つ、ご忠告があります」
妖精「………ちゅーいじこー」
勇者「忠告?」
天使「ハイ、勇者さんのーーーーー」
ーーーーー
グァァァァァァァァァォァァン!!
盗賊「クソったれが………全然倒れねえじゃねえかよ!!」
僧侶「………やはり、このドラゴン、無尽蔵に体力を回復してます!」
戦士「なるほど………僧侶みたいな、回復魔法に選ばれたドラゴンって訳か」
遊び人「………見たとこ、このドラゴン洗脳されてんじゃねえかよ」
看守「………ヘドが出るくらいにゲスだな」
魔王「褒め言葉でしかないね。俺ぁ魔王だからよ」
魔法使い「どうします?このドラゴンにはダメージは与えられません………」
盗賊「………万事休すかもな」

278 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/27(日)14:04:01 ID:LaQOs2ofD
遊び人「………なぁ、盗賊さんよ」
盗賊「あ?なんか思いついたか?」
遊び人「アンタさ、魔法使いちゃんが好きだろ?」
魔法使い「!?」
盗賊「………は?」
遊び人「そんで僧侶ちゃん。アンタは勇者か」
僧侶「ちょっ、ちょっと!?遊び人さん!!」
遊び人「戦士は………あ、特にいないのか」
戦士「………どうした?気でも狂ったか?」
遊び人「科学者ちゃんは聞くまでもないか」
科学者「おい!それはどういうつもりだ!!」
遊び人「そんで看守ちゃん」
看守「………なんだ?」
遊び人「俺はアンタが好きだ」
看守「………は?」
遊び人「なんとなく、言いたくなったんだよ。看守ちゃん、好きだ」
看守「馬鹿者!!今は戦闘中だぞ!!そんな時にお前は!!」
遊び人「終わりだよ」

279 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/27(日)14:04:53 ID:LaQOs2ofD
盗賊「………は?」
遊び人「終わり。戦闘も、なんもかんもね」
魔王「ハッ!どうした!!死の恐怖から狂ったか!?元勇者よ!?」
遊び人「終わりだよ。アンタも、俺も、皆も」
科学者「………なるほど、そういうこと」
遊び人「………俺達の勝ちだよ、魔王。もう、お終いだよ」
盗賊「………なるほどね、ようやく分かったわ」
遊び人「盗賊にしては遅かったな」
魔王「………まさか!?」
遊び人「そ。戦闘はアンタの圧縮。でも、勝負は俺達の勝ちだ」
魔王「っ!! ドラゴン!!コイツらを焼き払え!!」
遊び人「遅いよ」
遊び人「それじゃ」
「次で会おうぜ」

280 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/27(日)14:05:14 ID:LaQOs2ofD
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ーーーーーーー
ーーーーー

281 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/27(日)14:05:35 ID:LaQOs2ofD
ワー、ワー!
少女「まてー!!」
スライム「やーだよ!鬼ごっこしてるんだから!」
少年「スライム!あっちの木に登ろうぜ!!」
スライム「いや、僕登れないから」
少年「あ、そっか」
モンスター「ほら!鬼が来るぞ!」
少女「まてー!!」
キャハハハッ!!

282 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/27(日)14:06:48 ID:LaQOs2ofD
少女「ただいまー!!」
「おかえりなさい」
少女「ねーママ、パパは何のお仕事してるの?」
「んー、パパはね、正義のヒーローなんだよ」
少女「へー!パパすごーい!」
「コラコラ、変な事教えんなよ」
少女「でも!パパはヒーローみたいにかっこいいよ!」
「お?そっか?ありがとな!」
「それじゃ早くお風呂入りなさい」
少女「うん!!」タッ

283 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/27(日)14:07:46 ID:LaQOs2ofD
「………まったく、俺は正義のヒーローかよ」
「あら?でも正義の盗賊でしょ?盗賊さん」
盗賊「そりゃ、そうだけど……」
「いーじゃない、正義のヒーロー」
盗賊「それなら、お前だって正義の魔法使いじゃないねか。魔法使い」
魔法使い「やだ、それとこれは違うわよ」
盗賊「そうか?」
魔法使い「そうよ」
盗賊「………ホントの正義のヒーローっつうのは、アイツの事だよ」
魔法使い「………そうね」

284 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/27(日)14:08:51 ID:LaQOs2ofD
ーーーーー
ガチャ
「いらっしゃいませ」
「や、久しぶり」
「こんばんは」
「お久しぶりですね。遊び人様」
遊び人「やめてくれよ。もう俺は結婚したんだからさ、マスター」
マスター「そうでしたね。スミマセン、看守様」
看守「いーのよ、別に。この人今でも遊び人だからね」
遊び人「ちょ、ちょっと!!」
ガチャ
マスター「いらっしゃいませ」
ドラキュラ「やぁマスター、久しぶり」
マスター「おや、久しぶりですね」
ドラキュラ「いやー、しばらく仕事が忙しくてさ。あ、赤ワインね」
マスター「なるほど、お疲れ様です」

285 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/27(日)14:10:13 ID:LaQOs2ofD
遊び人「おっすドラキュラ、久しぶり!」
ドラキュラ「あ、遊び人さん。お久しぶりです」
遊び人「仕事って事は、戦士には会えたのか?」
ドラキュラ「えぇ。今では立派な王国騎士団の団長ですよ」
遊び人「そっか。アイツも、元気にしてんだな」
ドラキュラ「えぇ、そうみたいですよ」
「お待たせしました、赤ワインです」
遊び人「あれ?珍しく店出てんだね、科学者ちゃん」
科学者「そらー、だって、旦那様の店手伝うのは妻の役目だからな」
遊び人「そーかい」

286 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/27(日)14:10:59 ID:LaQOs2ofD
看守「あ、科学者さん。こんにちは」
科学者「おっす。こないだはサンキューな」
看守「いえ、私は魔法使いさんから教えてもらっただけですから」
科学者「あ、そうだったんだ」
看守「えぇ、こないだもーーー」
遊び人「……変わったな」
マスター「………えぇ、そうですね」
遊び人「………あの野郎、今ごろどこほっつき歩いてんだか」
マスター「そうですね………戦士様も探しているみたいですが……」
遊び人「………勇者」

287 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/27(日)14:12:19 ID:LaQOs2ofD
ーーーーー
ゴーン………ゴーン………
「…………」
トントン
「失礼します」
バタン
「………アナタは」
「今の音、ここからですか?」
「………えぇ、私が鳴らしています」
「へぇ、僧侶さんが」
僧侶「………ある日、突然消えた人が見つかるようにと、毎日、願いをこめています」
「毎日、ですか」
僧侶「えぇ、毎日です」
「………そうですか」
僧侶「ただ、明日からは鳴らさなくてよさそうです」
「………良かったですね」
僧侶「えぇ、毎日鳴らしたかいがありました」
「………そうですね」

288 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/27(日)14:12:45 ID:LaQOs2ofD
勇者「ただいま」
僧侶「おかえりなさい」

289 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/27(日)14:13:38 ID:LaQOs2ofD
「勇者さんの願いは、叶えらないんだ」
「………ざーんねーん」
「え?」
「勇者は、新しい世界を望むんだろう?」
「………にゅーわーるど」
「…あぁ、アイツらは戦争を止めようとした。人間とモンスターの争いを無くそうとした」
「その為に、自分達で新しい世界を作ろうとしたんだろうね」
「…………くりえいと」
「あぁ、アイツらの意思を、俺は引き継ぎたい」
「でも、新しい世界は作れないんだ。それは、神に刃向かうことになってしまう」
「………神様に」
「どういう事だ?」

290 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/27(日)14:15:08 ID:LaQOs2ofD
「この世界を管理しているのは、神様なんだ。勝負の勝ち負け、生き物の生命、全て、神様の支配のままだ」
「………神様の言う通り」
「世界を作り直すのは、神にしかできない。人間は、神の領域に足を踏み入れることはできない」
「………神様のおふれ」
「………なるほどね、それはできないか」
「どうするんだい勇者?」
「………クエスチョンターイム」
「………分かった。こうしよう」
「決めたのかい?」
「………即決即断」
「俺を神にしてくれ」
「そして、世界を作り直す」

291 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/27(日)14:16:35 ID:LaQOs2ofD
「なるほど、そう来たか」
「………びっくり」
「どうだ?我ながらナイスアイディアだと思ったけど」
「いいんじゃないかい?それ。背く神もいなくなるんだし」
「………ぶらぼー」
「だろ?」
「それで、勇者。君はどんな世界を作りたいんだ?」
「………ふーいずゆー」
「…勇者も魔王も無い世界」
「その心は?」
「………はうどぅーゆー?」
「勇者と魔王の対立関係を無くす。そうすれば、戦争はなくなるはずだ」
「なるほどね」
「………あったまいー」
「それで、平和な世界ができたあかつきには、神様の座を君達にでも譲って、俺の作った世界を暮らすよ」
「分かった。それじゃあ、願いを叶えよう」
「………次世代の神様、かもーん」

292 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/27(日)14:17:47 ID:LaQOs2ofD
「………なぁ、一つ聞いていいか?」
「なんだい?」
「………がんばって答える」
「マスターはどうやって、ここに来たんだ?」
「それか」
「………話してへーき?」
「なあに。次の神に逆らうやつなんざいないさ」
「いると思うよ?例えばマスターとかさ」
「………マスター」
「へ?なんで?」
「あの人、今の神様だから」
「………マスターいずゴッド」
「………マジで?」

293 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/27(日)14:18:47 ID:LaQOs2ofD
「あの人、自分でおいしい設定のキャラ作って、世界で暮らしながら神様やってるからね」
「………おしのび神様」
「マジかよ………あの人は」
「まぁ、下じゃめったに神の力使わないけどね」
「………勇者の才能があったから」
「なるほどね。マジで食えない人ってわけだ」
「さて、それじゃあ、もういいかい?」
「………あーゆーれでぃ?」
「あぁ、大丈夫だ」
「次の世界でまた会おう」

295 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/27(日)14:20:39 ID:LaQOs2ofD
くぅ疲おしまい
テーマは「中二病全開の黒歴史」
勇者って実はいらないんじゃね?的な発想から
色々あったけどとりあえずおしまい

296 :名無しさん :2014/04/27(日)14:21:08 ID:qA70zRhVS

面白かった

298 :名無しさん :2014/04/27(日)14:23:07 ID:dYXUUM0s1
一気に更新したな
乙!!面白かった!!