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勇者「俺ってめちゃくちゃ弱い?」
Part5


251 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/27(日)13:35:45 ID:LaQOs2ofD
ーーーーー
遊び人「ハァ……ハァ……ちっ、くしょう………」
戦士「随分と頑張るな。死ぬぞ?」
遊び人「ケッ……俺はな……死ぬ時は美女に浮気して刺される時って決めてんだよ」
戦士「………くだらないな」
遊び人「……そのくだらない事に命賭けんのが遊び人さ」
戦士「だがまぁ上出来だろう。なんせ俺をここまで手こずらせたんだからな」
遊び人「………なぁ、一つ、教えてくれよ」
戦士「なんだ?」
遊び人「………なんで、アンタは勇者の仲間でいた頃、アソコまでアホになれたんだ?」
戦士「………」
遊び人「普通、人ってのはどんなに演技してても、演技してるって事は捨てきれない」
遊び人「だけどアンタは、ホントに心からアホになってた。でも、今のアンタと前のアンタはかけ離れ過ぎてる」
戦士「………アホ、か」
遊び人「何故、アンタはあそこまでアホになれた?」

252 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/27(日)13:36:22 ID:LaQOs2ofD
戦士「………忘れていたんだろうな」
遊び人「……忘れる?」
戦士「………俺は、魔王軍の中でも重い罪を背負っている。なんなら、今起きている戦争の火種は俺だ」
遊び人「………前魔王殺したのはアンタか」
戦士「………そんな俺を、勇者は迎えてくれた」
戦士「楽しかった。背負っていた罪を、忘れられるほどにな」
遊び人「………楽しかった、か」
戦士「………何度も考えた事があった」
戦士「勇者も、魔王も無い。人とモンスターの垣根も無い。争いも無い。平和な世界があれば」
戦士「俺も、毎日あんな風に楽しめたかな、なんてな」
遊び人「………そうかい」
戦士「長くなったな。決着をつけようか」
遊び人「………だな」

253 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/27(日)13:37:54 ID:LaQOs2ofD
グオオン!!
戦士「!? なんだ今の音は!?」
遊び人「………ハハ、やったぜ」
戦士「………何だアレは!?」
遊び人「………てめえらの行きたがってた場所に行く乗り物だよ」
戦士「………天空の泉にか!!」
遊び人「勇者はあそこに乗り込んでる。俺は、お前には負けたけど、勝負には勝ったんだよ………」
戦士「………最初から、時間稼ぎのつもりで」
遊び人「死ぬつもりだったよ」
戦士「………小賢しい」
遊び人「ありがとさん」

254 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/27(日)13:38:34 ID:LaQOs2ofD
?「貴様、何をへたり込んでる」
戦士「………お前は」
遊び人「………ハハ、疲れてんだ。休ませてくれよ。看守ちゃん」
看守「………まだ、休むには早いぞ?」
遊び人「なんで?あとはもう見送るだけだろ?」
盗賊「そうは行かないみたいだぜ?」
戦士「と、盗賊!?」
魔法使い「私達もいますよ」
僧侶「お久しぶり、戦士さん」
遊び人「おいおい、どういう事だよ、こりゃ」
看守「言ったはずだ。休むには早いぞと」
盗賊「………たった今、動いたらしい」
遊び人「………うっわ、見えちゃった」
看守「………魔王が、天空の泉に向かっている」

255 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/27(日)13:39:26 ID:LaQOs2ofD
戦士「魔王が!?何故だ!?」
看守「どこからかは知らんが、魔王に勇者達が天空の泉に向かっていると情報が漏れたらしい」
遊び人「………戦士、多分お前、付けられてるぜ」
戦士「なっ!?」
盗賊「バーカ、普通お前みたいのは警戒されるに決まってんだろ」
遊び人「一応だけど元勇者の仲間だ。いつ裏切られてもおかしくは無いからな」
戦士「………エルフに見破られていたか!!」
盗賊「うっわよりにもよってエルフかよ」
魔法使い「確か、エルフも魔力を持っていましたよね」
僧侶「魔王軍の数少ない魔力持ちですね」
戦士「最初から、魔王はここまで読んでいたのか!!」
遊び人「なにそれ怖っ」
看守「魔王は今ドラゴンに乗り天空の泉に向かっている。このままでは勇者達が危ない!!」

256 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/27(日)13:40:08 ID:LaQOs2ofD
遊び人「マジかよ………最後の最後に!!」
盗賊「で、どうすんだよ」
看守「………国王から、下った命はこうだ」
看守「勇者の意向で確保された盗賊達、勇者の仲間達に協力を願い、勇者を護衛する」
盗賊「………勇者の、意向?」
看守「お前は、何故生かされてると尋ねたな。つまり、そう言う事だ」
魔法使い「つまり、勇者様は………」
遊び人「そ、アンタらを生かす為に安全な檻に入れてたのさ。言うなれば鳥を鳥かごに入れるようはもんだよ」
僧侶「………勇者様!!」
看守「本来なら勇者の許可を得て、お前達を出す予定だったのだが、予定が変わった」
盗賊「………勇者、アイツ」
看守「………協力して、くれるか?」
盗賊「………決まってんだろ」
魔法使い「協力、します!!」
僧侶「回復なら、任せてください!!」
戦士「乗りかかった船だ。やってやるよ」
遊び人「………いい仲間持ったな、勇者」
看守「………ありがとう。では、行くぞ!!」
「「「おう!!」」」

257 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/27(日)13:40:50 ID:LaQOs2ofD
ーーーーー
勇者「………ハァ、ハァ、ハァ」
マスター「………今回は、厳しい道のりですね」
科学者「流石にここまでは想定してなかったわ」
ガァァァァァァァァァア!!
マスター「新手ですね!!」
勇者「チクショウ!そう簡単には行かないってか!!」
科学者「………待って、アレ何?」
勇者「は?アレ?」
科学者「ドラゴンの上!!何かいる!!」
マスター「………まさか!?」
グゥァァァァァァァァァァア!!
魔王「見つけた………見つけたぞ勇者達!!」

258 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/27(日)13:41:55 ID:LaQOs2ofD
勇者「………ラスボスのお出ましって訳か」
マスター「コレは、厄介ですね」
科学者「くそ、この馬車ももうボロボロだってのに!!」
魔王「やれドラゴン!!勇者達に引導を渡してやれ!!」
ガァァァァァァァァァア!!
マスター「っ!? 攻撃体制!!」
科学者「マズイ!!よけないと!!」
ブォオンッ!!
ドゴオオオオオン!!
勇者「………何アレ。くらった飛竜が爆発したんだけど」
科学者「あんなのくらったらひとたまりもない!!」
マスター「………逃げ切りましょう」
科学者「………そうね。逃げる他無い」
マスター「泉に辿りつけば、私がどうにかします。だから、今は逃げましょう」

259 :名無しさん :2014/04/27(日)13:42:18 ID:vPFv8QYFA
ハイペースだな

260 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/27(日)13:42:47 ID:LaQOs2ofD
グオオン!!
魔王「………なるほど、逃げるんだ。でもいいのかな?」
ブォオンッ!!
魔王「そんなんじゃ隙だらけだぜ!!」
勇者「科学者!後ろ!」
科学者「分かってる!!」
グォンッ!!
グォンッ!!
魔王「意外とすばしっこいな………まぁいい。追うか」
グゥァァァァァァァァァァア!!
勇者「ヤバイ!!追って来た!!」
マスター「………すごいスピードですね」
科学者「………」
勇者「科学者!どうする!?」
科学者「………マスター、操縦、出来るよね?」
マスター「………あぁ、できる」
科学者「それじゃお願い」
バッ!!

261 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/27(日)13:44:23 ID:LaQOs2ofD
勇者「!? 科学者!?」
マスター「勇者様!!スピード上げます!!」
勇者「科学者あああああ!!」
グオオン!!
科学者「………勇者、すごい声量だな。喉潰すぞ」
科学者「………久しぶりに魔法使ったけど、案外いけるんだな」
科学者「武器は………無いか。まぁ、魔法使えるし、久々に魔法で戦うのもありだな」
魔王「………娘、魔法使いか?」
科学者「元ですよ、元。今は科学を専攻してましてね」
魔王「なるほど、お前が科学者か」
科学者「おや、名前知られてるんだね」
魔王「あぁ、魔王軍に是非欲しい人材だったからな」
科学者「そりゃあ光栄ですわ」

262 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/27(日)13:45:37 ID:LaQOs2ofD
魔王「どうだ?今からでも手を組むか?」
科学者「大変嬉しいお誘いですが、遠慮します」
魔王「一応理由は聞いておこうか」
科学者「一応、元魔王討伐の為に旅に出た勇者の仲間だし。それに」
魔王「それに?」
科学者「好きなんだ。あのおっさんの事」
科学者「10年間、ずっと一緒にいたんだ。あのおっさんは裏切れないんだよ。俺」
魔王「惜しいな。魔王軍に来れば側室にしてやったよ」
科学者「そんなにかよ」
魔王「あぁ、いい女だよ」
科学者「天下の魔王にそう言われると自信つくぜ」
魔王「しかし、それとこれは別だ」
科学者「そうだな。魔王様、始めようぜ」
魔王「死ね」
科学者「そっちがな」
ドゴオオオオオン!!

263 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/27(日)13:46:57 ID:LaQOs2ofD
ーーーーー
ドゴオオオオオン!!
マスター「始まりましたね」
勇者「………科学者」
マスター「………科学者の意思を無駄にはできません。必ず泉に着きますよ」
勇者「………分かりました」
マスター「………」
勇者「………マスター、昔話をしていいか?」
マスター「………私に、ですか?」
勇者「………話したいだけだよ」
マスター「………いいですよ、付き合いましょう」
勇者「………俺さ、小さい頃から能力があったんだ」
マスター「そうですか」
勇者「あぁ、俺は、人の隠し事が見えたんだ。今よりも、ハッキリと」

265 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/27(日)13:48:38 ID:LaQOs2ofD
勇者「そのせいで、普段から俺は人を信じられなかった」
マスター「隠し事が見えてしまうのですからね」
勇者「………俺は次第に力を使うことをやめた」
マスター「みたいですね」
勇者「使われない能力は次第に弱っていった。今では、ほとんど役に立たないんだ」
マスター「………」
勇者「俺はめちゃくちゃ弱いんだよ」
マスター「………今は、どうですか?」
勇者「………どうだろうな」
マスター「では、一つ質問です」
マスター「能力は、成長しますか?」
勇者「………どう思う?」
ピィィィィィィィィ!!
マスター「飛竜!!それもかなり大きい!!」
勇者「………マスターは操縦してください。俺が行きます」
マスター「………頼みます」
勇者「………行くぞ、俺!」
ピィィィィィィィィ!!
勇者「ハァァァァァ!!」

266 :名無しさん :2014/04/27(日)13:49:16 ID:qA70zRhVS
盛り上がってきた

267 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/27(日)13:50:07 ID:LaQOs2ofD
ーーーーー
遊び人「いやー、すごいね魔法使いちゃん。空まで飛べるなんて、それも俺達ごと」
看守「集中しろ!来るぞ!」
グゥァァァァァァァァァァア!!
遊び人「ドラゴンか………盗賊、そっち行くぞ!!」
盗賊「あいよ!!」
ビュンッ!!
盗賊「ハハ、ドラゴンも対したことないな!俺よりは遅い!!」
ズバッ!!
戦士「よし、とどめだ!!」
ザシュッ!!
遊び人「ヒュー!さっすが魔王軍四天王、鮮やかだねー」
盗賊「いーや、もう魔王軍四天王なんかじゃないさ」
戦士「今はもう俺達は勇者の仲間だ」
看守「次!来るぞ!!」
ピィィィィィィィィ!!
グゥァァァァァァァァァァアン!!
ガォォォォォォォォォン!!
遊び人「次々来るぞ!!気をつけろ!!」
盗賊「言われるまでもねぇ!!」

270 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/27(日)13:51:38 ID:LaQOs2ofD
グァァァァァァァァァォァァン!!
ドゴオオオオオン!!
看守「何だ?あそこだけやけに激しいが?」
魔法使い「!? アレは!!」
科学者「ウォォォォォォ!!」
ビュンッ!!ビュンッ!!
魔王「甘い!甘いんだよ!!」
ドゴオオオオオン!!
盗賊「魔王!!」
遊び人「戦ってんのは……科学者ちゃんか」
看守「………魔王が優勢だな。あのドラゴン、かなり強力だな」
戦士「行くぞ!!魔法使い!!」
魔法使い「ハイ!突撃します!!」
ビュンッ!!

271 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/27(日)13:53:55 ID:LaQOs2ofD
科学者「くっ………駄目、か」
魔王「ハッ!このドラゴンを倒そうだなんて、考えない方がいいぜ?もっとも」
グアンッ!
科学者「っ!!」
ビュンッ!!
魔王「コイツを倒さない限りは俺を倒せはしないけどな!!」
盗賊「へー、コイツ倒したらアンタ倒せるんだ」
戦士「それは是非試したいな」
看守「それじゃあ試してみるか」
遊び人「ほうほう、コイツ変な魔術かけられてんのか」
魔王「っ!?お前ら!?」
盗賊「通りすがりの裏切り者ですよ」
ズバッ!!
ザクッ!!
グサッ!!
ヒュッ!!
魔王「なっ!?」
グァァァァァァァァァォァァン!!
遊び人「だいぶ痛がってるみたいだぜ?」
科学者「………アンタ達……いつの間に?」
遊び人「風の噂を聞きつけてきましたよっと」

272 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/27(日)13:55:37 ID:LaQOs2ofD
魔王「………なるほど、人間達が小賢しく手を組んだってわけか」
戦士「小賢しいのもあなどれないぜ?旦那」
魔王「ハッ、言ってくれるじゃねえか」
遊び人「そんじゃ、さっそく試してみますか」
盗賊「ドラゴン倒したら魔王倒せるか、さ」
看守「数の暴力、って言い訳は無しだぞ?魔王」
戦士「魔王らしく、全員まとめてかかって来いぐらい言ってみな!」
魔王「………だったら、お望み通りにしてやろう!!」
魔王「全員まとめかかって来い!!」
「「「上等!!」」」