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勇者「俺ってめちゃくちゃ弱い?」
Part4


131 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/26(土)21:01:12 ID:y7YmvVZxr
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盗賊「もし科学の力が魔王軍に渡れば、人間はこの戦争には絶対に勝てない」
看守「………安心しろ。今の人間側で、科学を完璧に理解している人間は一人しかいない」
盗賊「なら、ソイツを何をしてでも守るんだ」
看守「………残念だが、私はソイツがどこの誰だか分からない」
魔法使い「どういう事ですか?」
看守「………ソイツは、人間側でも限られた人間しか知らないらしい。それも、その知っている人間も、あまり知られていない」
盗賊「まるで、伝説か幻のようだな」
看守「そうだな。ただ一つだけ分かるのは、ソイツは昔、魔法使いだったと言う事だろうか」
魔法使い「………元、魔法使いですか」

132 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/26(土)21:03:34 ID:y7YmvVZxr
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マスター「それでは、天空の泉に行くと言うのなら、勇者様には紹介しなければなりませんね」
勇者「紹介?」
マスター「私の勇者時代の仲間です。ソイツは優秀な魔法使いだったんですが、今は少し方向性を変えましてね」
『失礼だな。やり方を変えただけだ』
勇者「!? 今の声は、テレパシー!?」
マスター「いえいえ、今のは、ソイツの声です」
『仕方ない。今行くよ』
勇者「また!?」
マスター「私が勇者の頃はまだ声変わりもすんでいない若造でしたが、今では立派な大人ですよ」
『やめろ、まだ19歳だ。だいたい、まだ10年しか経っていないだろう』
マスター「10年も、だろう」
『まったく、これだから年寄りは』
マスター「まだ34歳だ。年寄りでは無い」
『俺からしたら充分年寄りだよ』
ガチャ

133 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/26(土)21:06:24 ID:y7YmvVZxr
勇者「………女?」
遊び人「相変わらずの美人だねー、でもたまには日光浴びよーぜ?」
?「やだよ、日焼けしたくない」
遊び人「えー、俺とデートしようぜ?せっかくのナイスバディなんだし、海とかよー」
?「うっさい」
マスター「紹介しますよ。この世界一の技術を持つ元魔法使い」
科学者「科学者だ。よろしく」
勇者「………よろしく」
科学者「で、何?今度はコイツを泉に連れて行くの?」
マスター「あぁ、そうだ」
科学者「相変わらず、アンタの人選は訳が分からないね。こんな遊び人の次は、こんな冴えない勇者か」
勇者「冴えなくて悪かったな」
マスター「さて、それじゃあ準備を始めましょうか」
勇者「………準備?」
遊び人「気をつけろよ勇者。ちゃんと準備しないと、お前道中死ぬぞ」
勇者「………え?」

134 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/26(土)21:07:56 ID:y7YmvVZxr
マスター「泉は、来たものを迎えます。少々荒っぽいやり方で」
遊び人「少々?何言ってんだよ。俺の時は飛竜に囲まれてその上、炎を纏った巨大なドラゴンだぞ?少々なんか生ぬるいわ」
勇者「飛竜?ドラゴン?は?」
科学者「出発はいつ?」
マスター「任せますよ」
科学者「そんじゃコイツがマシにぬったらね」
勇者「………え?え?え!?」
科学者「行くよ。ついて来な」
勇者「え?ちょっと待って?飛竜?ドラゴン?ねぇ、どういう事?ねぇ!?ねぇ!!」
科学者「後で説明するから」
勇者「今してくれよ!!」

135 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/26(土)21:10:40 ID:y7YmvVZxr
遊び人「………行きましたね」
マスター「ですね」
遊び人「でもまぁ、あん時はホントにやばかったね」
マスター「あの歓迎は泉の意志ですからね。鍵の私には止める資格はありません」
遊び人「………勇者、早くしろよ」
マスター「………時は動いてますからね」
遊び人「………戦士か、盗賊か」
マスター「さて、せっかくですし、何か飲みますか?」
遊び人「あぁ、任せるよ」
マスター「しかし、面白い方ですね」
遊び人「だろう?」
マスター「生まれる世界が違えば、もっと面白かったかもですね」
遊び人「………多分、ね」

136 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/26(土)21:14:22 ID:y7YmvVZxr
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勇者「………何この部屋?」
科学者「仮想体験室。言って分かるかは知らないけど」
勇者「分からん」
科学者「………お前、隠し事が分かるらしいな」
勇者「そんないいもんじゃないよ。遊び人みたいに何を考えてるかまでは分からない」
科学者「どう言う事?」
勇者「隠し事をしている事は分かる、でも、どんな隠し事をしてるかまでは分からないんだよ」
科学者「何それ?まったく分からないの?」
勇者「まったくじゃないよ。例えば、俺から金を盗んだ奴がいたとして、この目を使ったら、金、くらいしか見えない」
勇者「第一、普段は使ってないから効果は薄いまんまなんだよ」
科学者「何?使い続けたら強くなるよ?」
勇者「………さぁ?でも、普段から使わないと、薄くなるよ」
科学者「ふぅん、なるほどね」

137 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/26(土)21:24:43 ID:y7YmvVZxr
勇者「つか、なんでそんな事聞いた?」
科学者「興味。そんだけ」
勇者「興味かよ」
科学者「知りたいことを知りたいと思う。興味があることを調べる。好奇心が働けば動く。私はそんな人間だよ」
勇者「………あっそ」
科学者「興味無いって顔だな」
勇者「………もう、ね」
科学者「何?もうって」
勇者「いや、子どもの頃はそうだったなーって」
科学者「何?俺がガキだって言いたいのか?」
勇者「まぁ、女が一人称俺ってのはガキっぽいかな」
科学者「うっせぇ、9歳で魔王討伐の旅に出てるせいで、女の子らしいことなんか一つもしてないんだよ」
勇者「もったいないな」
科学者「そうか?」
勇者「最強の剣を子どもが持つようなもんだよ」
科学者「あっそ」

138 :名無しさん :2014/04/26(土)21:30:10 ID:AYkrZSn6M
支援

139 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/26(土)21:34:01 ID:y7YmvVZxr
科学者「とりあえず、アンタには今から仮想戦闘してもらうから」
勇者「仮想戦闘?」
科学者「そ。俺の作った機械でね。コレつけて」ポイッ
勇者「………何コレ?眼鏡?」
科学者「映像を移す眼鏡。とりあえずつけてみて」
勇者「あいよ」ガチャ
ドラゴン【ガァァアアアア!!】
勇者「!?」
科学者「ハイ落ち着くそれは眼鏡が移してる映像だから。でも、アンタはアレに干渉できるよ」
勇者「え?マジ?」
科学者「とりあえず攻撃してみ?」
勇者「お、おう」

140 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/26(土)21:36:27 ID:y7YmvVZxr
勇者「おらぁ!」
ザクッ
ドラゴン【ガァァアアアア!!】
勇者「切れた!?」
科学者「そーゆー風にできてんの。魔法使いが幻覚見せるのと一緒」
勇者「すげーな、コレ」
科学者「それじゃ、今からみっちりコレで泉対策するからね」
勇者「分かった。そんじゃはじめようぜ」
科学者「ハイハイ、それじゃがんばってね」ポチ
飛竜【ピィィィィィ!!】
飛竜【ピィィィィィ!!】
飛竜【ピィィィィィ!!】
ドラゴン【ガァァアアアア!!】
ドラゴン【ガァァアアアア!!】
科学者「それじゃ手始めにこちらの五体から」
勇者「………手始め?」
科学者「手始め」
勇者「うっわ嘘ついてないヤバイ泣きそう」

141 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/26(土)21:38:17 ID:y7YmvVZxr
ーーーーー
?「………どうしたの?」
?「何かが、来る気がするんだ」
?「………久しぶりだね」
?「うん。どんな人かな?」
?「………人かな?」
?「分からない」
?「………歓迎、しないとだね」
?「あぁ、そうだね。妖精」
妖精「………辿り着ける人だといいね、天使」
天使「大丈夫、あの人がいるならね」

142 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/26(土)21:41:31 ID:y7YmvVZxr
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看守「お前達、今日の分の食事だ。ホラ」
僧侶「………ありがとうございます」
魔法使い「………美味しいです」モグモグ
盗賊「………何故だ?」
看守「は?」
盗賊「何故俺達は生かされてる!?俺達は、殺されるんだろう!?」
看守「………どうした?怖くなったか?」
盗賊「………怖いだ?」
看守「確かに、生かされるのは怖いだろう。いつ殺されるか分からない、そんな中、生かされるのはな」
盗賊「………何が目的だ?何故俺達に食事を与える?あとなんでアーンされてんの?」
看守「お前達は手足が使えないからな。こうでもしなきゃ食えないだろう?」
盗賊「まずそこ答えるのか」

143 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/26(土)21:45:33 ID:y7YmvVZxr
看守「………お前達が生かされてるのは、ある方の意志だ」
盗賊「悪趣味な野郎がいるんだな」
看守「………確かに、変わってる奴だよ」
魔法使い「………盗賊様、食事が冷めてしまいますよ?」
盗賊「………だな。頼む」アーン
看守「ちなみに言うが、貴様達に食事を与える登板は罰ゲーム扱いだ」
盗賊「だろうよ。こっちも罰ゲーム気分だよ」
盗賊(俺達を生かして得は無い)
盗賊(だとしたら、何故?)
盗賊(………俺達を生かして、得をする人物がいるのか?)
盗賊(………そういえば、俺達は今魔王軍に居場所を特定されているのだろうか)
盗賊(………されていれば、すでに何かがあるはずだ)
盗賊(………一体、何で?)
僧侶「………やはり、あの方は」
魔法使い「………あの方?」
僧侶「いえ、なんでもありません」
盗賊「ちなみにこの錠って取れるの?」
看守「一応な」
盗賊「言っていいの?」
看守「大丈夫だ。取れるのは私だけだ」

144 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/26(土)21:48:09 ID:y7YmvVZxr
ーーーーー
戦士「………あれからもう一週間か」
戦士「………見つからないどころか、何も分からないか」
戦士「マズイな………何か、何か無いか」
戦士「………ここは、あの時の宿か」
戦士「奇妙なもんだな………」
「オイ、そこのアンタ」
戦士「ハイハ………い」
遊び人「どのツラさげて来た?」
戦士「………元勇者か」
遊び人「現遊び人だよ」
戦士「いや、実は勇者達とはぐれて、それで………」
遊び人「忘れてんのか?俺の才能」
戦士「………ハァ、ダメか」
遊び人「帰れっつったら帰るか?」
戦士「残念ながら」
遊び人「だよな」ジャキンッ
戦士「最近の遊び人は剣なんて持ち歩くのか」ジャキンッ
遊び人「………一応、言っておく」
遊び人「帰れ」
戦士「断る」
ジャキンッ!!

145 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/26(土)21:50:19 ID:y7YmvVZxr
戦士「いきなり切りかかって来るか。物騒な野郎だよ」
遊び人「スミマセンねぇ、厄介で!!」
ブゥンッ!!
戦士「そんな大振り当たるかよ!!」サッ!
遊び人「違うね!狙いはここだよ!!」ヒュッ
戦士「っ!?ナイフ!?」
遊び人「いつから俺が剣一本しか使わないと思ってたんだ!?」
戦士「くっ!?」
ザクッ!!
遊び人「どーだい?少しは成長しただろう?」
戦士「………確かに。俺達に倒されたあの時よりはな」
戦士「だが」
遊び人「っ!!」ゾクッ!
戦士「まだまだ俺には届かねえんだよ!!」ビュンッ
遊び人「っぶねえ!!」サッ!

146 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/26(土)21:52:24 ID:y7YmvVZxr
戦士「読心か………厄介な力だな」
遊び人「ケッ、やかましい」
遊び人(やっべえな………こりゃ勝てねぇだろうな………)
遊び人(………時間稼ぎで、精一杯だな)
戦士「まぁ、いいか。お前にも聞きたいことがある」
遊び人「答えられる範囲なら答えてやるよ」
戦士「科学者。この名に覚えはあるか?」
遊び人「無いね」
戦士「ならば、死んでもらう他無いな!!」
遊び人「そう簡単には死ねないんだよ!!」
遊び人(目的は科学者ちゃん………魔王軍は、科学の力が目的か!?)
遊び人(だとしたらマスターの下には行けない。俺一人でどうにかしないとだな………)
遊び人「元勇者が一人!!現遊び人、いくぜ!!」
遊び人(………勇者、早く!早く天空の泉に!!)

147 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/26(土)21:53:57 ID:y7YmvVZxr
今日はここまでです
毎回毎回遅くてスミマセン
明日も書きます
早ければ明日に終わります
早ければ

148 :名無しさん :2014/04/26(土)21:54:34 ID:VuzjvA7yF
おつおつ
おとなしく待ってるぜ

149 :名無しさん :2014/04/26(土)22:25:43 ID:XTUj4UZco
おつ〜
明日も待ってる

246 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/27(日)13:29:50 ID:LaQOs2ofD
ーーーーー
科学者「っ!?」
マスター「………どうした?」
科学者「………遊び人が、戦士とやらと戦闘に入った」
マスター「何故分かる?」
科学者「遊び人につけた小型の映像伝達機から映像が伝達される。向こうの狙いは俺だ」
マスター「それつけられてる事は、遊び人様は知ってるのか」
科学者「知らない。知ってたらもっとマシな行動するはずだ」
マスター「………魔王軍が科学に目をつけましたか」
科学者「………マスター、行こう。天空の泉に」
マスター「………勇者様は?」
科学者「一応、向こうで対応できるくらいにはなってるはずだ。早くしないと、戦士がここに来る」
マスター「………分かった。お前は勇者様に行くと伝えてくれ」
科学者「分かった。すぐ行く」ダッ
マスター「………事が、進み始めますね」

247 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/27(日)13:31:23 ID:LaQOs2ofD
ーーーーー
バンッ!!
科学者「勇者!!少し早いが出発だ!!」
勇者「………出発?」
科学者「あぁ、予定外の出来事があった。急ぐぞ」
勇者「………分かった」
科学者「詳しくは道中説明する!行くぞ!!」
勇者「行くって、どうやって?」
科学者「いいからついて来い!!」
勇者「………分かった」
ダッ!!

249 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/27(日)13:32:44 ID:LaQOs2ofD
タッタッタッ
勇者「で、どうやって行くんだ?」
科学者「俺の作った乗り物で行く。空を飛ぶ自信作だよ」
勇者「………天空の泉か」
科学者「あぁ、そこに行く為に作ったもんだ」
勇者「………マスターは?」
科学者「先に乗り込んでるんじゃねえか?」
勇者「違う。マスターはどうやって天空の泉に行ったんだ?」
科学者「………知らない」
勇者「え?」
科学者「アイツが言うには、光の階段を登ったらしいけど俺たちはそこにいなかったんだ」
勇者「光の階段、ねぇ」
科学者「ま、信じちゃいないけどな」

250 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/27(日)13:33:46 ID:LaQOs2ofD
マスター「勇者様、科学者!早く!」
科学者「分かってるよ!」
勇者「………何これ?」
科学者「空飛ぶ馬車。馬いないから俺の作ったもん搭載して自力で飛ぶけど」
勇者「空飛ぶ馬なし馬車、ね」
科学者「ほら、行くぞ!」
勇者「ハイハイ」
マスター「準備は出来てますね?」
科学者「当たり前だ!」
勇者「………行きましょう!!」
科学者「そんじゃあ!飛ばすぞ!!」
ブオンッ!!
勇者「やっべえ!!マジで飛んでる!!」
科学者「このまま雲を突っ切る!!気をつけろよ!!」
グオオン!!