Part2
27 :
1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/21(月)20:12:24 ID:
mi1UuvpsI
遊び人「ただ、なんの報告かまではわかんねえ。何だかいい争ってやがる」
勇者「………何を」
遊び人「僧侶と魔法使い。それから盗賊。アイツら二重スパイだわ」
勇者「………本格的に俺ヘコむわ」
遊び人「そんで魔法使いは………うっわマジか」
勇者「………なんだよめんどくせーな」
遊び人「盗賊に惚れてる」
勇者「マジなんなんだよ。チクショウ、今日の冒険の書長くなるぞ」
遊び人「なんだお前のパーティマジで化け物達の集まりじゃねえかよ」
勇者「うーわ俺死ねる」
遊び人「むしろよく死んで無いな」
勇者「マジでそう思う」
28 :
1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/21(月)20:12:57 ID:
mi1UuvpsI
遊び人「………お前、どうすんの?」
勇者「………どうすっかな」
遊び人「………勝てんのか?」
勇者「………一体一で毎回僧侶の回復付きなら」
遊び人「実質の敗北宣言だよな、それ」
勇者「………ハァ、仕方ないか」
遊び人「どうすんの?」
勇者「………帰る」
遊び人「は?」
勇者「いや、帰るよ」
遊び人「いやいやいやいや!!お前馬鹿か!?」
勇者「うん」
遊び人「うんじゃねえよ!死ぬ気くよ!?」
勇者「………ただでは死なないさ」
29 :
1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/21(月)20:14:46 ID:
mi1UuvpsI
遊び人「………うわー。最悪、見ちゃった」
勇者「まぁ、そういうこった」
遊び人「お前………本当にバカだな」
勇者「そんじゃ頼んだわ」
遊び人「うわー、無いわー、うわー」
勇者「言ってろ」
遊び人「ハイハイまたな」
ーーーーー
勇者「………入りづらい」
勇者「………ハァ」
ガチャッ!!
戦士「バカ野郎!!お前達それでいいのかよ!!」
盗賊「俺は勝手にするさ」
戦士「ふざけんな!!」
勇者「うっせえな騒ぐんじゃねえよ!!」
戦士「ゆ、勇者!?」
51 :
1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/22(火)22:08:40 ID:
Y7yOeByYW
盗賊「悪りぃな勇者。入りづらくてよ」
戦士「っ!!」
ダッ
魔法使い「………追わないんですか?」
盗賊「知らねぇよ好きにさせろ」
僧侶「そんな勝手な!!」
勇者「お前ら」
僧侶「………勇者さん、様子が」
盗賊「どうした?」
勇者「話しがある」
僧侶「………勇者?」
勇者「お前達の目的、聞かせろよ」
盗賊「………ハァ」
52 :
1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/22(火)22:11:47 ID:
Y7yOeByYW
魔法使い「勇者様………何の冗談ですか?」
僧侶「そうですよ!私達は魔王討伐の為に!」
盗賊「お前を魔王城連れ込んで魔王に差し出そうとしてたよ」
僧侶「っ!?盗賊さん!?」
勇者「なるほどね」
盗賊「物分りがいいな」
勇者「どこぞの遊び人に聞いたからな」
魔法使い「………勇者、様?」
勇者「で、俺を魔王に差し出してどうしようとした?」
盗賊「………聞いたことあるだろ?モンスターと人間の戦争の話し」
勇者「あぁ、今も続いてるアレだろ」
盗賊「お前を人質にそれを止めようとした」
53 :
1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/22(火)22:15:50 ID:
Y7yOeByYW
勇者「………なるほどね」
盗賊「人間側に唯一生き残った勇者を捕らえた事を伝え、戦争を止めようとした」
魔法使い「………しかし、自体は変わった」
僧侶「魔法使いさん………」
魔法使い「………僧侶様。もう隠せませんから」
盗賊「一度、試したんだよ。十人の内一人を、拉致して魔王城に連れてって、国王に」
勇者「いつの間に………」
盗賊「俺は盗賊だぜ?人に気付かれないように動くのが盗賊だ」
勇者「今自分カッコいい事言ったと思ったろ?」
盗賊「うん」
勇者「だっせえ」
盗賊「よし喧嘩だ」
55 :
1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/22(火)22:20:08 ID:
Y7yOeByYW
魔法使い「魔王様は国王に伝えました。勇者を捕らえたと。返して欲しくば戦争を止めろと」
盗賊「それに対する国王の答えは、酷いもんだった」
勇者「まさか………」
盗賊「殺して構わない。勇者はまだいる、だとさ」
勇者「………最低、だな」
盗賊「魔王なんかよりよっぽど魔王だぜ。ありゃ」
魔法使い「そして私達は、魔王の命令に従い、九人の勇者を倒しました」
盗賊「安心しろ。命までは取ってねぇからよ」
勇者「………何で、俺だった?」
盗賊「は?」
勇者「なんで俺を最後の一人に選んだ!?」
56 :
名無しさん :2014/04/22(火)22:21:23 ID:woRrUNeNf
わくてか
57 :
1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/22(火)22:23:46 ID:
Y7yOeByYW
魔法使い「………勇者様は、私達の幼馴染で、一番騙しやすいと思ったんです」
勇者「………魔法使い」
魔法使い「ハイ、すみません……」
勇者「嘘つくんじゃねえ」
魔法使い「……え?」
勇者「俺にそんな嘘が通じると思ってんのか?」
盗賊「選ばれた十人の勇者の一人に、だろ?」
勇者「………なんで勇者が十人しか選ばれなかったか、知ってるはずだぞ」
僧侶「………勇者の資格、ですか」
勇者「勇者は選ばれた人間にしかなれない。第一、そうじゃなけりゃ国王は勇者大量生産して数で魔王軍押し切ってるはずだ」
盗賊「僧侶、お前みたいに、才能に選ばれなくちゃ勇者にはなれないんだよ」
58 :
1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/22(火)22:28:04 ID:
Y7yOeByYW
魔法使い「………勇者の、才能」
勇者「………盗賊、理由はなんだ?俺を最後の一人に選んだ理由は」
盗賊「………今日ほどお前の才能を恨めしく思う日は二度と来ないだろうよ」
勇者「俺も今日ほどお前達を恨めしく思う日は二度と来ないと思うよ」
盗賊「………お前の思う通りだよ、お前が弱いから。勇者の中で一番、お前がな」
勇者「ハッキリ言うじゃねえか」
盗賊「ハッキリ言わせてもらうぜ勇者さんよお!」
魔法使い「………勇者様」
僧侶「………二人を、信じましょう」
59 :
1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/22(火)22:32:48 ID:
Y7yOeByYW
勇者「そんじゃ、俺はもしかしなくてもめちゃくちゃ弱いってわけか」
盗賊「センスはあったと思うぜ?なんせ俺達に食らいつくまではできたんだからよ」
勇者「お世辞をどうもありがとよ」
盗賊「めんどくせえ才能だよ」
勇者「そこについては同意してやるよ」
盗賊「で、お前はどうする気だ?俺達殺すか?」
勇者「誠に残念ですが俺にはお前達と戦える力は無い」
盗賊「だろうな」
勇者「せいぜい超頑張って、奇跡が起きれば僧侶を倒すぐらいしかできないさ」
僧侶「………勇者さん」
勇者「ただ目覚めが悪くなんのも嫌だ。大人しくお前達のされるがままになるさ」
勇者「だから、俺はお前達がどうするつもりなのかを聞きたい」
魔法使い「勇者様………」
60 :
1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/22(火)22:34:35 ID:
Y7yOeByYW
今日はここまでです
保守してくれた方々ありがとうございす
明日は投下できたらします
遅くても金曜日には投下します
61 :
名無しさん :2014/04/22(火)22:36:21 ID:woRrUNeNf
今日は乙!続き気になる!!
62 :
名無しさん :2014/04/22(火)22:40:53 ID:BxxhjyekJ
おつおつ
71 :
1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/23(水)22:07:36 ID:
0EBWXan2W
盗賊「………俺達は、魔王と国王、二人の王を殺して、この戦争を止める」
勇者「それで、その後はどうする気だ」
魔法使い「………私達は、新しい世界を作りあげます」
僧侶「モンスターと人間が、分け隔てなく、共存出来る世界を」
勇者「………できんのか?」
盗賊「すぐには無理だろうな。根本的な所の、人間とモンスターは敵同士って意識は消えないだろうさ」
勇者「だろうな」
盗賊「だから、俺達はその意識をなくしたい。モンスターの中にだって、人間と親交を深めたいと思ってる奴はいるからな」
勇者「いるのか?そんな奴が」
盗賊「いるさ。そいつらには魔王城で動いてもらってる」
勇者「自分達の王を殺す為にか?」
魔法使い「………国王を良く思わない人間がいるように、魔王を良く思わないモンスターもいるんです」
72 :
1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/23(水)22:09:28 ID:
0EBWXan2W
僧侶「前魔王は、強力なカリスマを持ち、人間とモンスター間の親交を深めようとし、戦争を起こさない為に考える方でした」
魔法使い「私達はその方に憧れ、ついて行きました。しかし………」
盗賊「ある日その方は殺された。自身の息子である、現魔王にな」
勇者「………酷い話しじゃねえか」
盗賊「もっと酷いのがいるぜ?その暗殺の真犯人ってのが?」
勇者「現魔王が殺したんじゃなかったのか?」
僧侶「前魔王は頭だけでなく、戦闘能力も優れていました。あの方が魔王だった間は、あの方のお考えもありましたが、前魔王を恐れた人間達は、戦争を起こしませんでした」
勇者「マジかよスゲーじゃねえかよ」
魔法使い「………しかし現魔王の息子はそれを良く思いませんでした」
勇者「は?何で?」
盗賊「考え方が違ったんだよ。皮肉な事に、真逆の思想を持つ息子だったんだよ」
魔法使い「………現魔王は、 前魔王と違い、戦争をしてモンスターの住処を広げようと考えていました」
僧侶「世界征服。それを目標に掲げるような方なんです」
勇者「随分と大きく出たな」
73 :
1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/23(水)22:12:11 ID:
0EBWXan2W
盗賊「戦争をしたくない強大な力を持つ父、戦争をしたい息子。明らかに差は歴然だ」
魔法使い「………そこで、現魔王はある方に協力を依頼し、前魔王を殺したのです」
勇者「そんな魔王を倒せるような奴がいるのか?」
盗賊「いるよ。ドラゴンだろうがゴーレムだろうが一撃で倒すような怪物が」
勇者「………そこかよ。チクショウが」
盗賊「そうだよ。さっき飛び出した戦士様だよ」
勇者「もうやだ。めちゃくちゃ過ぎんだろウチのパーティ。冒険の書ページ足りる気がしねえよ」
魔法使い「………戦士は私達と違い、純粋な魔王軍の者です」
僧侶「しかし盗賊さんと魔法使いさん、そして私、魔王軍、国王側の両スパイです」
盗賊「お前をどうするかの会議中、どうしても意見が合わなくてあの馬鹿は飛び出しちまった」
魔法使い「あの様子じゃ、今夜は帰って来ませんね」
勇者「………帰って来ないじゃすまないんじゃねえか?」
魔法使い「え?」
74 :
1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/23(水)22:13:49 ID:
0EBWXan2W
僧侶「………なるほど」
魔法使い「………あっ!」
盗賊「行っただろうね。魔王城」
勇者「これでお前達は牢獄ルート決定だな」
魔法使い「………盗賊様、どうしますか?」
盗賊「いや、手遅れだろ」
僧侶「い、今からでも国王側に戦士さんの事を伝えれば!」
勇者「それも無理だぜ?」
僧侶「何故ですか!?まさか勇者さん、私達を裏切るんですか」
勇者「どの口が言うんだか」
魔法使い「………勇者様?」
盗賊「………ッチ、やられた!」
勇者「ま、後は盗賊に聞け」
勇者「なぁ、遊び人!?」
『そうするべきだぜ、魔法使いちゃん?』
75 :
1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/23(水)22:15:04 ID:
0EBWXan2W
バンッ!!
遊び人「久しぶりだなぁ、魔法使いちゃん?元気してる?」
魔法使い「アナタ!あの時の!」
遊び人「あ、覚えてくれてたんだ。そいつは感激だ」
盗賊「………」チャキッ
遊び人「そのナイフはなんですか?盗賊さん?」
盗賊「!?」
遊び人「いけませんねぇ、盗みしてんのにその上人まで殺しちゃ余罪数え切れなくなりますよ?」
盗賊「………勇者ぁ!!」
勇者「なんだ?我が幼馴染。悪いが、俺達をはめたな!?みたいなお決まりの文句は聞けないからな?」
勇者「先にはめようとしたのは、どっちだっけ?」
盗賊「………チクショウが!!」
遊び人「それじゃ、アンタ達にはしばらく牢獄に入ってもらいますよ。最強の看守付きの、ね?」
僧侶「………勇者、さん」
勇者「………ごめんな」ボソッ
僧侶「っ!?勇者さん!!」
遊び人「ハイ、そこまででーす。それじゃあついて来てもらいますよ?あ、逃げ出そうとか、考えるだけ無駄ですからね?」
勇者「………行こうか、遊び人」
遊び人「おうよ、勇者さんよ」
76 :
名無しさん :2014/04/23(水)22:18:44 ID:iPb5bL1t3
え
77 :
1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/23(水)22:19:05 ID:
0EBWXan2W
今日はここまでです
保守してくれた方々ありがとうございます。
次は金曜日、土曜日のどっちかです
78 :
名無しさん :2014/04/23(水)22:34:11 ID:s1NOQm8tk
>>74の後半の展開のとこがよくわからないんだが・・・
>魔法使い「………勇者様?」
>盗賊「………ッチ、やられた!」
>勇者「ま、後は盗賊に聞け」
ここの部分、なぜ盗賊は急に「やられた!」って言ったんだ?
そのあとの勇者の「(全てを察知したようだから)後は盗賊に聞け」ってセリフはまあわかるんだが
アスペですまん
80 :
1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/23(水)22:38:30 ID:
0EBWXan2W
>>78
盗賊は誰か(遊び人)がいるって気がついたってことだったんだけど……
わかりづらいかったかもな…
84 :
名無しさん :2014/04/23(水)22:46:10 ID:s1NOQm8tk
>>80
ああなるほど、控えていた遊び人の存在に気付いたってわけか
地の文がないSSは難しいな・・・
93 :
名無しさん :2014/04/25(金)21:28:23 ID:
f1hnoGJ9t
ーーーーー
盗賊「つくづく性格悪いねぇ、勇者ってのはよ」
魔法使い「まさか、また元勇者に会うとは………」
看守「遠吠えするのは楽しいか?負け犬」
僧侶「………この人、確か国王の元側近の」
遊び人「彼女は俺達十人の中じゃ一番の期待度だったからねぇ。なんせ、未来が見える女勇者さんだったからね」
看守「やめてくれ、もう私は勇者では無い」
遊び人「謙遜しちゃってー、かーわいー」
勇者「………それじゃあ、任せたな」
看守「安心しろ。世界一の盗賊だって、私の前からは逃げられないさ」ジロッ
盗賊「姉ちゃん美人だねえ、目つき良かったら女王の指輪盗んで来て求愛してたぜ」
看守「ありえん未来だな」
盗賊「ついでに性格直してくれたら完璧」
看守「お前好みの女になるつもりは無い」
盗賊「チェッ、残念だね」
盗賊(これは……かなりマズイな……)
94 :
名無しさん :2014/04/25(金)21:31:19 ID:
f1hnoGJ9t
盗賊(戦士は今頃魔王城。大方俺達を裏切り者だって報告してる頃か)
盗賊(そのまま魔法城行ったって死ぬかもっつーのに、こんな状況で、死ぬ確率のが高い)
盗賊(これじゃあ……あそこには行けねえかもな……)
魔法使い「………盗賊様」
盗賊「………魔法使い。どうした?」
魔法使い「………私達、やはり死ぬのでしょうか?」
盗賊「………国王と魔王裏切った奴が生かされるなんて思ったか?」
魔法使い「………そうですよね」
看守「何話してるんだ?」
魔法使い「え!?いや、あの!」
盗賊「なんだよ姉ちゃん、こちとら手と足両方に錠がついてんだ。お喋りくらい許しちゃくれねえかな?」
看守「………言っておくが、その錠が外せるなどと思うなよ?」
95 :
名無しさん :2014/04/25(金)21:35:00 ID:
f1hnoGJ9t
看守「その錠は鍵穴が無い。一度つけたら外れる事は無い、貴様のような輩専用の特別製だ」
盗賊「そんな、特別扱いだなんて悪いですね」
看守「ありがたく思え」
魔法使い「………スミマセン、私のせいで」
盗賊「大丈夫だ。お前は悪くねぇ」
盗賊(チクショウ……打つ手は無しかよ……!!)
僧侶「………勇者さん」
ーーーーー
魔王「………なるほど。アイツらがね」
戦士「連れて来る事は出来ず、スミマセン」
魔王「いいさ、どうせ捕まえたって処分した。ゴミの処分は人間に任せよう」
戦士「しかし、奴らは仮にも四天王です。このままでは魔王軍の戦力は大幅に失われます」
魔王「たかだか四天王だ。そんな痛手じゃないさ」
戦士「………そうですか」
魔王「戦士、お前はしばらく休め。次に備えて、旅の疲れを癒してくれ」
戦士「………ハイ」
96 :
1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/25(金)21:36:23 ID:
f1hnoGJ9t
名前忘れてた