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勇者「俺ってめちゃくちゃ弱い?」
Part1

勇者「俺ってめちゃくちゃ弱い?」
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1 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/21(月)19:49:40 ID:GypbPz0pW
戦士「さてと、とりあえず宿にに着いたな」
魔法使い「いやー、ここまで長かったですね」
僧侶「でも、いよいよ魔王の城が見えてきましたね」
盗賊「だな。俺達もかなりレベルアップしたんじゃねえか?」
勇者「………」
魔法使い「おや?勇者様、どうかいたしましたか?」
戦士「なんだ勇者、表情が暗いぞ?」
勇者「………俺さ、気がついたんだ」
僧侶「え?気がついた?」
盗賊「まさか、敵の真の目的に!?」
勇者「いや、そうじゃなくてさ………」
戦士「なんだよ、ハッキリ言え」
勇者「もしかして俺ってめちゃくちゃ弱い?」
戦士「………は?」

2 :名無しさん :2014/04/21(月)19:50:34 ID:ipWKOq3UI
きたい

3 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/21(月)19:50:39 ID:GypbPz0pW
魔法使い「何をおっしゃるんですか!勇者様は王様が魔王を討伐すべく選んだ十人の勇者の一人!」
僧侶「それも勇者様以外の残りの九人の勇者は魔王城の全貌を拝むこと無く撃沈。名実ともに最強の勇者ですよ」
勇者「いや、それに関してだけどさ」
盗賊「なんだなんだ?自分は最強じゃ無いとか言い出すのか?」
勇者「うん、だってここまでの旅、俺ほとんど活躍してないじゃん」
戦士「何言ってやがる。お前無くしてここまで来れるはずがなかろう!」
勇者「それじゃあ一度整理してみようか」
盗賊「いいだろう。お前がそこまで言う理由、説明してもらおうか」

4 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/21(月)19:51:10 ID:GypbPz0pW
勇者「まずさ、俺って力無いじゃん?」
僧侶「そんなことありません!勇者様のパワーは凄いじゃないですか」
勇者「………せーんし」
戦士「な、なんだよ!?」
勇者「なんで今、目を背けた?」
戦士「い、いや!虫!虫が飛んでてな!」
勇者「お前、俺達の中で一番力あるよな?そんでもって、自分でそう思ってるよな?」
戦士「………そんなわけ」
盗賊「………なるほど。分かったかも知れない」
僧侶「え?分かった?」
魔法使い「盗賊さん、一体何が分かったのですか?」
盗賊「勇者、お前俺達に劣等感感じてんだろ?」
勇者「………ご名答」

5 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/21(月)19:51:31 ID:GypbPz0pW
盗賊「やっぱりな。なるほど、だから自分が弱いなんて言い出したのか」
魔法使い「………盗賊様、説明を」
盗賊「いや、お前も分かると思うけどさ、勇者のスペックって俺達の劣化版みたいなもんだろ?」
僧侶「盗賊さん!そんな酷い言い方しなくても!」
勇者「いいんだよ、当たってるから」
盗賊「それに僧侶、そんな発言出来る辺りお前も心辺りあんだろうな?」
僧侶「そ、そんな事があるわけありません!」
盗賊「どう見る?勇者」
勇者「アウト判定で」

6 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/21(月)19:52:08 ID:GypbPz0pW
盗賊「例えば、勇者も速さが俺に劣る。俺達の中じゃ確実にNo.2だろうけど、それでも俺には劣る」
勇者「まぁこの世界でもっとも悪名高い盗賊より速いなんて聞こえは悪いがな」
魔法使い「………まさか、先ほどの戦士様への質問は」
勇者「あぁ、確認したんだ」
盗賊「自分がNo.2だって、だろう?」
勇者「………あぁ」
魔法使い「それでも、私は勇者様に魔法を教えてもらい、魔法使いになれたんですよ!?」
盗賊「そんなアンタも今じゃ時期魔法使い達の長の最有力候補だろうよ。相手モンスターを焼き払う魔法なんて勇者は教えて無いだろ」
魔法使い「で、でも!私の魔法の礎になっているのは勇者様で」
勇者「その勇者様は今じゃお前に魔法を教わってるぜ?」
魔法使い「そ、それは………」

7 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/21(月)19:52:27 ID:GypbPz0pW
盗賊「認めろ。二つの魔法組み合わせてハイブリッド作り出せる時点でお前は魔法の天才なんだよ」
魔法使い「………勇者様、すみません」
勇者「謝るな。泣きたくなる」
盗賊「ま、それでも俺達は魔法はさっぱりだし、No.2は勇者だろ」
僧侶「………No.2」
盗賊「僧侶、お前に至っては完全にフォローのしようがない怪物級だからな」
僧侶「え?」
盗賊「回復魔法、回復薬の配合。その逆、相手の体力を削る魔法、体力を削る薬の配合。そして、そのハイブリッド、相手から削った体力で自分達が回復する魔法」
勇者「俺は愚か、多分この世界で出来る奴探すことすらできないかもしれないレベルの技術だからな、それ」
魔法使い「確かに、私も回復魔法だけは扱えません」

8 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/21(月)19:52:57 ID:GypbPz0pW
盗賊「お前マジ凄いな。しかもお前のそれに至っては独学だろうが。どうしてくれる」
僧侶「こ、これは勉強すれば誰にだって出来る技術の応用です!」
盗賊「だとしても応用力高すぎるだろうが」
勇者「僧侶に至ってはもう劣化感すら覚えないレベルですわ」
戦士「僧侶パネェ」
盗賊「マジパネェ」
僧侶「それやめてください」
勇者「とまぁ、こんな感じに私こと勇者は何をやってもNo.2なんであるわけでした」
戦士「それを受けてのさっきの発言なわけか」
勇者「撃沈した九人の勇者だって、お前達が仲間だったら多分今頃魔王城手前だよ。
炎の魔神を素手で殴り飛ばせる戦士。
水の魔神に炎の呪文浴びせて蒸発させる魔法使い。
風の魔神を速さで翻弄する盗賊。
雷の魔神の体力吸い取る僧侶。
何これお前もはや四天王だろ」
魔法使い「………」
僧侶「………」
盗賊「………」
戦士(よく分からないけど皆真面目な顔してるし合わせよう)

9 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/21(月)19:53:19 ID:GypbPz0pW
勇者「とにかく、俺ってお前達最強の化け物共のパーティに必要なのか。それが分からなくなったんだよ」
魔法使い「そんなの決まってるじゃないですか!!」
僧侶「そうですよ勇者さん!!」
戦士「確かによく考えたらいらないね勇者!!」
盗賊「魔法使い」
魔法使い「メラゾーマ」
ドゴォォォン!!
勇者「………ま、いいよ。明日には出発する。それまでは各自好きにしてくれ」
盗賊「勇者………」
勇者「もっとも、俺が言ったって今更リーダーっぽくはなれないか」
バタンッ

10 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/21(月)19:53:38 ID:GypbPz0pW
盗賊「………参ったな」
僧侶「ここで、ですか」
魔法使い「いつか来るとは思っていましたが、まさか、今日来るとは」
戦士「………どうするべきか」
戦士(どうすればメラゾーマ分回復してもらえるか………)
ーーーーー
勇者「………情けねぇな」
勇者「俺の問題で、あいつらに八つ当たりなんかしちまって」
勇者「………チクショウ」
遊び人「やぁやぁそこの辛気臭い顔したアナタ!!」
勇者「………俺か?」
遊び人「ハイハイ、そうそこのアナタですよ!どうかしたんですか!?」

11 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/21(月)19:53:59 ID:GypbPz0pW
勇者「………ほっといてくれ。関係無い話だ。聞いてもつまらないぜ」
遊び人「………ははーん、なんかあったな?勇者さん?」
勇者「………何で分かった?」
遊び人「忘れてるよね、そりゃ。俺、一応アンタに会ったことあるんだけど」
勇者「すまんな、思い出せない」
遊び人「少しは脳内検索してくれよな。俺、十人の勇者の一人だったんだけどさ」
勇者「………もしかして、お前あん時魔法使いにナンパした野郎か」
遊び人「せいかーい!魔法使いちゃん元気ー?」
勇者「元気だよ。なんなら会って行くか?」
遊び人「いいよ。今はアンタの方に興味がある」
勇者「………話聞くってか?」
遊び人「現遊び人が相談に乗ろう!」
勇者「天職だな」

12 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/21(月)19:55:35 ID:GypbPz0pW
ーーーーー
勇者「いい店だな」
遊び人「だろ?この後は宿に誘うのが定石だけどあいにく俺は男に興味は無い」
勇者「それは残念だわー」
遊び人「で、仲間がどうした?」
勇者「………急に来たな」
遊び人「元勇者ですから」
勇者「羨ましいこった」
遊び人「で、仲間がどうかしたか?」
勇者「………俺のパーティ知ってるだろ?」
遊び人「あぁ、ありゃ化け物の集いだ。その変のモンスターなら絶滅させかないレベルだ」
勇者「そんな化け物の中で私はみるみる自信をなくしたわけですよ」

13 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/21(月)19:55:58 ID:GypbPz0pW
遊び人「ほほう、そうかそうか」
勇者「最初の内はよかったよ。特に魔法使いと盗賊なんかは幼馴染だし、楽しい旅が出来るなんて思ってたさ」
遊び人「それがなんでこうなったよ」
勇者「まず最初は盗賊だった。最初の内の弱いモンスターはアイツが一撃で仕留めちまう。俺達はアイツが仕留めそこねた弱り切ったモンスターを倒すだけだった」
遊び人「マジかよ………なんだそりゃ」
勇者「まだ、まだよかったさ。それでも俺はまだギリギリ勇者の面目を保てた」
遊び人「まぁ、お前は残った奴を仕留めきけるからな」
勇者「次は戦士だった」

14 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/21(月)19:56:23 ID:GypbPz0pW
勇者「モンスターはどんどん強くなった。次第に盗賊も一撃じゃ仕留められなくなった。俺の追撃があっても仕留められなくなった」
遊び人「それを仕留めたのが戦士って展開か?」
勇者「………アイツは、攻撃が当たればほとんどのモンスターを倒しちまった。火を吐くドラゴンだろうが、鋼鉄のゴーレムだろうが」
遊び人「なんだそのデタラメなパワーは」
勇者「盗賊は誰よりも早くダメージを与えた。俺はそれに攻撃する。その後の仕留められなかったモンスターを戦士は一撃で仕留めた」
勇者「この時点で俺は大分自信を失ってたよ。でも、その自信はすぐに潰れた」
遊び人「………魔法使いか」
勇者「あぁ、アイツは凄かった」

15 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/21(月)19:56:42 ID:GypbPz0pW
勇者「モンスターが群れで現れたりするだろ?そういった奴らは俺達じゃどうしようもなかった」
勇者「でも、魔法使いは違った。アイツは魔法で広範囲に攻撃ができた」
遊び人「ちょっと待て、広範囲魔法って上級魔法だろうがよ?」
勇者「その上級魔法を、アイツは感覚で出来ちまうんだ」
勇者「俺達が剣を振るうように、アイツは魔法が使えた。しかも道中で訪れた魔法使い達の村で、アイツは才能を開花させた」
遊び人「噂に聞くハイブリッドって奴か」
勇者「あぁ、理論上は可能だけど……って代物を魔法使いはこなしちまった」
勇者「後はトントン拍子で進化し続けるだけ。魔法使いが一人で終わらせる戦闘なんかも増えた」

16 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/21(月)19:58:44 ID:GypbPz0pW
遊び人「でも、魔法は発動までに時間がかかるはずじゃ」
勇者「その時間短縮も理論上可能だったんだよ」
勇者「魔法の理論上可能。それなら魔法使いは出来る。そんな怪物に化けちまったんだよ」
遊び人「確か、魔法使いに魔法教えたのはお前だったよな?」
勇者「あぁ、もう俺の自信は完全に潰れた」
勇者「でもそれじゃ止まらない。追い打ちをかけるように最後の一人が才能を見せつけた」
遊び人「僧侶ちゃんだっけ?彼女が?」
勇者「モンスターは強くなる。俺達もギリギリの戦闘が増えた」
勇者「そのギリギリを、僧侶は取っ払った」

17 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/21(月)19:59:08 ID:GypbPz0pW
遊び人「………回復魔法、ね」
勇者「確かお前のパーティに僧侶はいなかったよな」
遊び人「あぁ、おかげで回復大変だったよ」
勇者「僧侶は俺達に回復魔法を使ってくれた。俺達はアイツのおかげで実質体力無尽蔵の俺達はなんの苦労もなくモンスターと戦えるようになった」
勇者「今までは、まだよかった。だって、俺はまだ競えた。勝ち目はなくても、競うことができたよ」
遊び人「競うことすら出来ない、か?」
勇者「………回復魔法は今の時代も研究が続く魔法だ。それこそ、選ばれた人間しか使えない」
勇者「選ばれなかった俺は、選ばれた人間に競うことすら許されない」
勇者「俺は、勇者として、完全に自信を失った」

18 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/21(月)19:59:37 ID:GypbPz0pW
遊び人「なるほどね………そりゃ自信も失うわな」
勇者「正直もう俺いなくていいかなと思うわ」
遊び人「なーに言ってんだ。お前は、回復魔法に選ばれはしなかった。それでも、勇者には選ばれてるんだぞ?」
勇者「………勇者、ねぇ」
遊び人「分かってんだろ?俺達勇者が、勇者が10人しか選ばれなかった理由」
勇者「………勇者の条件、か」
遊び人「………お前のはなんだよ?勇者の条件」
勇者「………お前ほどいいもんじゃない」
遊び人「思われてるほどいいもんじゃないぜ。それに今はもうほとんど使えないレベルに落ちてるからよ」
勇者「………通りで」
遊び人「だいたい劣化してたら話聞かなくてすんでるわ」
勇者「いやいや聞いてたのかい?」
遊び人「あぁ、女の子とのデートをドタキャンしてるからな」
勇者「最低だな」
遊び人「最低でこそ遊び人だ」
勇者「クズめ」
遊び人「褒め言葉でーす!!」
勇者「かける言葉が見つからないぜ」

19 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/21(月)19:59:58 ID:GypbPz0pW
遊び人「そんじゃまぁ、お前、仲間ん所連れてってくれよ」
勇者「………え?なんでよ」
遊び人「こちとらデートをドタキャンしてこっち来てんだぞ。お詫びの一つや二つしてくんなきゃ割に合わねえよ」
勇者「………本心は?」
遊び人「噂の化け物共見てみたーい!」
勇者「色んな意味で、な」
遊び人「どーよ?今ならただで見るぜ?」
勇者「そんじゃお願いしまーす」
遊び人「はーい、せれじゃあここの会計よろしくー!!」
勇者「死ね!!その右腕打ち砕いてくれよう!!」
遊び人「貴様俺の古傷に何をしようとしやがる!!」

21 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/21(月)20:01:30 ID:GypbPz0pW
ーーーーー
遊び人「おー、いい宿に泊まってますなー!」
勇者「薬草代いらないからな。金は余るんだよ」
遊び人「いいねー、僧侶ちゃんさまさまだなー」
勇者「その言い方やめろよ」
遊び人「さてさてー、噂の化け物達はー………おっとアレかにゃーん?」
勇者「え、見えんの?」
遊び人「俺はな、そんじゃ、見させてもらうぜ。お前の仲間」
勇者「今更ながら罪悪感が出てきた………」
遊び人「ふふ、どうかねー?」

22 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/21(月)20:04:33 ID:GypbPz0pW
戦士『………』ボソボソ
魔法使い『………』ボソボソ
僧侶『………』ボソボソ
盗賊『………』ボソボソ
遊び人「うーーーん、何か話してるのは見える」
勇者「内容は?」
遊び人「見ていいの?」
勇者「………いいよ。頼んだ」
遊び人「まかせろ」
戦士『………!?』
魔法使い『………!!』
僧侶『……………?』
盗賊『………!?』
遊び人「………マジかアイツら」
ガクッ
遊び人「うっ!!」
勇者「遊び人!?」

23 :名無しさん :2014/04/21(月)20:05:05 ID:nrs8dY9eb
ル、ルーラとか使えるし(震え声

24 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/21(月)20:06:43 ID:GypbPz0pW
遊び人「………大丈夫、気分が悪くなっただけだ」
勇者「………何見た」
遊び人「………やっぱり、いいもんじゃ無いわ。これ」
勇者「………勇者の資格だろ?」
遊び人「遊び人としては重宝すっけど、それ以外じゃこれ、寿命削りもいい所だわ」
勇者「………相手の心が読める目、か」
遊び人「今じゃあ細い情報見れないけどな」
勇者「………で、何見た?」
遊び人「………反吐が出るような会議が行われてる所だったよ」
勇者「会議?」
遊び人「………聞きたいのかよ?」

25 :1◆oNDhRi.Qoo :2014/04/21(月)20:10:42 ID:mi1UuvpsI
勇者「聞かせろ」
遊び人「………お前のためを思ってだ。全部は言わないからな」
勇者「構わない」
遊び人「………アイツら、王に報告するだとさ」
勇者「………王?」
遊び人「………魔王」
勇者「………は?」
遊び人「アイツら、魔王の手下だ」
勇者「………は?」
遊び人「しかも、四天王。お前、凄いのひいちまったな」
勇者「………マジかよ」

26 :名無しさん :2014/04/21(月)20:11:41 ID:GEROLMfwh
おっ来てた
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