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勇者「魔王……?」魔王「いかにも」フフン
Part7


182 :>>1:2014/01/22(水) 15:55:46.03 ID:u5O/wg2H0
今夜は投下できそうにもありませんので、
今のうちに投下いたします。
相変わらず数レスですが、お楽しみください。
厨ニ臭さに悶えてます……。

183 :>>1:2014/01/22(水) 15:56:14.37 ID:u5O/wg2H0
勇者「僧侶の行方を探すなんて言ったが、情報がまったくない」
魔法使い「こっち、も……全然……」フルフル
勇者「どこへ行ったんだ、僧侶」
勇者 (……待て、なぜだ? なぜまったく情報がない?)
勇者「こんな小さな村だ。僧侶を見た人がいないほうがおかしくないか?」
魔法使い「そう……言われると」ウムム
勇者「……なにかある。俺たちが気付いていないだけで何かが……」
ユラァ
魔法使い「………っ」ゾワッ
魔法使い (この……イヤな気配……!) ババッ
魔法使い「……風迅、疾……!!」ドウッ
ザアァァァァァッ
勇者「……魔法使い? これはっ!?」
魔法使い「……」コク
ウフフ……アーッハッハッハ♪
魔法使い「ゆ、勇者……」グッ
勇者「この声……! この感覚……!!」ギリッ
ユラァ ユラァ ユラァァァ
勇者「何故だ………何故、貴様が生きている!!」スラッ ビュオッ
勇者「幻夢!!」ジャキッ
幻夢「ウフフ♪ また会えて妾は嬉しいぞ、勇者さま」スゥゥ

184 :>>1:2014/01/22(水) 15:56:59.95 ID:u5O/wg2H0
魔法使い「勇者……アイツ……」
勇者「そうだ……戦士が命をかけて倒した魔物だ!!」
魔法使い「……っ」
幻夢「その命をもって放った最後の光……美しく、儚く、見事であったぞ?」ウフ
幻夢「最高のエクスタシーであった♪」
勇者「戦士……っ!!」ギリギリッ
魔法使い「……ゲス……め……石火連、弾……!」ズドドドドドッ
幻夢「ウフ♪ そなた、身体の具合はどうじゃ?」ユラァ
魔法使い「……問題ない……水流鞭……っ」ズバシャァッ
幻夢「そうかぇ。ならば妾からは何も言うことはない」ユラァ
勇者「何を、言っている?」
魔法使い「…………何でも、ない」キュオォッ バオッ
幻夢「ほぅ……? 勇者さまには知られとうないと」ウフフフ
魔法使い「黙れ……っ! 火焔竜……!」ゴオオォッ
ゴバァァァァッ!
幻夢「無駄じゃ。妾には届かぬよ」ユラァ
魔法使い「はぁ……はぁ…………うぅ」ズキン ズキン
勇者「魔法使いっ!」タタタ
幻夢「一人は死に……一人は失踪……唯一残された仲間も手負いと来ている」
幻夢「これでは魔王さまに挑むどころか、辿り着くことすら夢のまた夢」
幻夢「哀れよの、人の子よ……悲しきことよの、人の子よ……せめて二人のもとへ送り届けてやろう!!」カッ
ズオオォォォッ!

185 :>>1:2014/01/22(水) 15:57:45.52 ID:u5O/wg2H0
幻夢「アハハハハ!! 踊れ、愛しき子よ!」スゥゥ
勇者「チッ……また消えたか……」
魔法使い「……勇者……」
勇者「気を付けろ……どこから来るか……」
魔法使い「あたし……解る、よ……アイツの、気配……」
勇者「…………」
勇者「よし、指示してくれ。俺から離れるなよ」ダキッ
魔法使い「……は、はい///」ギュッ
どうした? 共に仲良く死ぬつもりかえ?
勇者「魔法使い、頼む」ジャキッ
魔法使い「はい……!」スッ
魔法使い「…………」キィィィ…
無駄なことよ……死ねぇ! ヒュオッ
魔法使い「右……」キィィィ
勇者「オラァッ!」ギィン
よくぞ防いだ。なればこれでどうじゃ?
ヒュオ ヒュオ ヒュオ ヒュオッ
魔法使い「上、前方右斜め、左、背後やや上方向……」キィィィ
勇者「はっ! だりゃっ! ふっ! シャァァッ!!」ギッ ガイン ギャリッ ガキィン
な、なんじゃと!?
魔法使い「前方五歩先に本体……」
勇者「ハァァァッ!!」ドンッ
ザンッ
幻夢「うぎぁああっ!? 妾の身体が……!!」ブシャッ
勇者「浅いか!?」
幻夢「許さぬぞ……妾に傷をつけおってェェェェェ!!」スゥゥ

186 :>>1:2014/01/22(水) 15:58:31.63 ID:u5O/wg2H0
魔法使い「芸の無い奴……勇者……」スッ
勇者「そこだぁぁ!!」ダダダダ
ズバッ
幻夢「ギィィィイイ!? 何故だ、何故妾の居場所が解る!?」
魔法使い「お前の……汚い気配が、プンプン……」クサイ
幻夢「そうか……そなたは妾の魔力を読むのかぇ」ユラァ
勇者「諦めろ、幻夢……」ザッ
幻夢「ウフフ♪ 諦めろ? それはそなたらの方じゃ」ババッ バッ バババッ
ズグン
魔法使い「んぁ……っ! あぎっ……い……っ」ドサッ
勇者「魔法使い!?」
幻夢「廻れ……肉を蝕み、血を腐らせ、死に至らす我が毒よ」バッ バッ バッ
魔法使い「あっ……あぁ……っ! こ、の……!!」ビクビクッ
勇者「貴様、何をした!!」
幻夢「アーッハッハッハ! 惜しかったのぉ、勇者さま!!」

187 :>>1:2014/01/22(水) 15:59:10.99 ID:u5O/wg2H0
魔法使い「くぅ……ぁ……ゆ、しゃ……見ない、で……」ガリガリッ ガリガリガリッ
勇者「自分の身体に傷を……何をするつもりだ?! 止めろっ!」
魔法使い「……魔方陣、展開……圧縮呪文、解放……っ!!」トンッ
ギュオオオッ ブシャッ
幻夢「ほう……妾の毒に抗うか?」
魔法使い「はぁー……はぁー……」ヨロ
勇者「大丈夫なのか? 何をしたんだ」ガシッ
魔法使い「それより……聞いて……アイツの正体……」
魔法使い「僧侶、の……と……同じ……気配が……」ガク
勇者「僧侶? 僧侶がどうした!?」
幻夢「ウフフ♪ 意識が飛んだか……なかなかやりおるわ」
勇者「何をした……」
幻夢「なぁに、ちょいと毒を盛っただけよ。抵抗したせいで意識が飛んだようだが」
勇者「許さねぇぞ、幻夢……戦士だけじゃなく、魔法使いまで……」ジジ……バリバリバリ
幻夢「また雷かぇ」ハァ
幻夢「バカの一つ覚えよの……」ユラァ

188 :>>1:2014/01/22(水) 16:00:35.13 ID:u5O/wg2H0
勇者「そう簡単にいくかよ……」ギロッ
幻夢「なんじゃと……?」
勇者「前回と同じと思うな、クソババァ……」
勇者「遮蔽物のないここなら、俺の雷は最大の威力を発揮する……」
幻夢「……っ」スゥゥ
勇者「逃がすか!!」ゴバァッ
幻夢「アギィッ!?」バリバリ
勇者「埋め尽くせ、神の裁きよ!! 森羅万象、尽く凪ぎ払え!!」ズバァン バチバチバチ
幻夢「ひぎぃぃ……」ユラァ ユラァ
勇者「逃げ場が無くなるほど、埋め尽くす雷撃から逃げられると思うなよ!!」
勇者「降御雷・轟雷!!」ガカッ
ゴガァァァァアアアアッ!!
幻夢「アガガガガガガ!? アギェェエエエ!!」
勇者「あの世で戦士に詫び入れてこい!! 幻夢!!」バンッ
勇者「滅 ビ ノ 雷!!」ズオッ ゴゴゴゴ…
ゴオオオォォォ…………ズシャァァァァン!!
幻夢「ごんな……ボノデエ…妾ガ……ァァ!!」ボロボロ
勇者「唸れ雷鳴……迸れ雷光……」ガガガガッ バリバリ
幻夢「グギぃイ…いぇァア…ァアァァ……ッ」ボロボロ
勇者「天 翔 雷 斬 !!」ズオッ
ゴガァァァァァァ……ン
勇者「…………」スッ パチン
…………
……


189 :>>1:2014/01/22(水) 16:01:18.91 ID:u5O/wg2H0
……

側近「…………」チラッ
魔王「…………」チラッ
勇者「ん? どうしたんだ二人して……上に何かあるのか?」
側近「い、いーえ?!」ビクッ
魔王「うん! 何でもないよ、何でもない!!」ワタワタ
側近 (さすがに魔王城を破壊するほどの雷撃ではありませんよね……?)
魔王城 (耐えきれる自信はありません、はい)
魔王「ほぇー……やっぱ勇者って強いのかな?」
勇者「のかな? じゃなくて強いんですぅー!」
魔王「でも弱いよぅ?」キョト
勇者「人が手加減してやりゃ調子こいて……」
魔王「まっ、それでも側近よりは強いよね♪」ナデナデ
勇者「頭を撫でられるのが当たり前になりつつある自分が嫌だわ……」
側近 (え? 手加減して私と同レベルですか、魔王さま?)

……
………

190 :>>1:2014/01/22(水) 16:08:53.99 ID:u5O/wg2H0
本当に少なくてすみません。
ここまでとなります。
そろそろ勇者の回想が終わりに近づいてきました。
次回をお楽しみに。
では!

191 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/22(水) 16:48:21.02 ID:ioL76uBJo
おつ
魔法使いぃぃぃぃぃ
死ぬなぁぁぁぁぁぁ

192 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/22(水) 21:31:23.54 ID:YNllt4Sg0

なんか過去のシリアスさと現在のほんわかさがいいギャップになってるな。面白い。

193 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/23(木) 08:33:06.76 ID:MDLFW7qco
魔王城が返事しとるwwww
勇者が一応強くてよかった乙

194 :>>1:2014/01/23(木) 18:47:05.55 ID:x+Yf+OVO0
こんばんわ。
毎度の数レス行きます。

195 :>>1:2014/01/23(木) 18:47:33.69 ID:x+Yf+OVO0
魔法使い「…………ん……」
勇者「気が付いたか、魔法使い」ナデナデ
魔法使い「……ゆー、しゃ……?」
勇者「あぁ、俺だ」
魔法使い「……アイツ、は?」
勇者「……終わったよ、全部。戦士の仇も……打てた」
魔法使い「……そう……」
勇者「…………」
魔法使い「…………」
勇者「聞かせてくれないか? アイツが僧侶と何の関係があるのか……」
魔法使い「………」コクン
魔法使い「……アイツは、勇者たち、が、いない間に現れた……その時は……僧侶の姉を、名乗ってた……」
勇者「俺たちに北の森の情報を持ってきた時、僧侶の様子がおかしかったが……アイツに何かされたのか?」
魔法使い「あたし、が…… アイツに、毒を盛られた……から、それを……自分のせいと……酷く、錯乱……してた」
勇者「戦闘の最中、アイツが言ってたのはそのことか……もう、大丈夫なのか?」
魔法使い「…………呪文を施した、から……へーき……」コクン
勇者「そうか。それで、他には何かなかったのか?」
魔法使い「あとは……特に……アイツに抱き締められて、いただけ……」
勇者「何かあるとすれば……連れていかれたあとか……」
魔法使い「ごめん……なさい……あたしがら、もっと……しっかりして、たら……」シュン
勇者「……いや、魔法使いは悪くない。それを言ったら、そんなことになってたのに、のんきに飯を食ってた俺も悪い」
魔法使い「……そんな…っ!」ワタワタ
勇者「結局、僧侶がいないと、分からないことばかりだな」
魔法使い「……探す、の?」
勇者「あぁ……戦士の死を無駄にはしない」
魔法使い「…………」コクン

196 :>>1:2014/01/23(木) 18:48:19.69 ID:x+Yf+OVO0
村人1「んー……何度聞かれても答えは同じだなぁ」
村人2「そうねぇ、勇者さまたちと一緒に来ていた僧侶さまでしょう? あれからは見ていないわね」
魔法使い「そう……ですか……すみません、何度も……」
勇者「何か、何か些細なことでも……!!」
村人2「ごめんなさいね。力になってあげたいのだけど……」
村人1「すまねぇな」
魔法使い「……いえ……充分、です……ありがとう……ございます……」ペコ
勇者「……やっぱりわからない、か」フゥ
魔法使い「………」
??「あたし、知ってるよ!」
勇者「っ!」バッ
魔法使い「……女の、子……?」
少女「そーりょさまね、ゆーしゃさまのあとをついていってた!」
宿屋主人「こ、こら! 勇者さまたちの邪魔しちゃダメだろう!?」
勇者「宿屋の……」
魔法使い「大丈夫、です……。ね、よかったら……僧侶のこと、見ていた……の?」チョコン
少女「うんー! あのねあのね、おほしさまをみてたらね、そーりょさまがでてきてね、ゆらゆらしたへんなのにクルクルーって」
魔法使い「……くるくるー……?」
少女「うん! くるくるー♪」クルクルー
魔法使い「くるくるー……」ニコ
勇者「……」
宿屋主人「……すみません、かえって邪魔したみたいで……」
勇者「いえ、今はどんな情報もありがたいです」ペコ
宿屋主人「そう言っていただけると助かります……ほら、帰るぞ」
少女「おねーちゃんも、くるくるー♪」クルクルー
魔法使い「わーい……くるくるー……♪」クルクルー
勇者「……」ホッコリ
宿屋主人「……」ホッコリ

197 :>>1:2014/01/23(木) 18:49:16.26 ID:x+Yf+OVO0
勇者 (俺たちの後をつけていた? 何のために?)
少女「くるくるー♪」クルクルー
魔法使い「……くるくるー」クルクルー
宿屋主人「ほら、いい加減にしなさい! 戻るよ!」
勇者 (あの場にいたのか? 戦士が死んだ、あの場に……?)
少女「えー? もっとおねーちゃんとあそびたーい!」プクー
魔法使い「……遊びたーい」プクー
勇者 (なぜ来てくれなかった? もしかしたら戦士は死なずにすんだのかもしれないのに……)
宿屋主人「ま、魔法使いさままで?!」ナンテコッタ
勇者 (裏切ったのか? いや……僧侶が来てくれたとしてもあの場は逃げるしかなかった……)
宿屋主人「ゆ、勇者さま! 何とか……!!」
勇者 (北の森に行けば何かわかるのか……?)
宿屋主人「シカト!?」ナンテコッタ
魔法使い「くるくるー……」
少女「くるくるー♪」

198 :>>1:2014/01/23(木) 18:50:01.57 ID:x+Yf+OVO0
北の森
魔法使い「勇者……くるくるー」
勇者「はいはい、くるくるー」
魔法使い「……」ニッコリ
勇者「気に入ったのか、それ」
魔法使い「………」コクコク
勇者「よ、良かったな……まぁ、この辺もまだ、アイツの呼び出した魔物が彷徨いてるから気を引き締めてな」
魔法使い「……くるくる」コクン
勇者「肯定……なのか? そう、か」ウン
ガサガサッ
魔物「ゲギャァァ!」
勇者「魔物だ!! 来る……」
魔法使い「……くるくるー」キィン
ギュウゥゥン ブチィ
勇者「ぞ……って……」
魔法使い「くるくる……」エッヘン
勇者 (ネジ切られてるわ……初めて見たな、あの魔法……出力も魔力も上がってる……どういうことだろう) チラ
魔法使い「……くるくる?」キョト
勇者「あ、あぁ……ありがとな」ナデナデ
魔法使い「……くるくる///」ポッ

199 :>>1:2014/01/23(木) 18:51:30.62 ID:x+Yf+OVO0
北の森・戦闘跡地
勇者「……また、ここへ来てしまった」
魔法使い「……」ギュ
勇者「大丈夫、大丈夫だよ。今はまだ、立ち止まっていいときじゃない……」
魔法使い「………」コクン
勇者 (……戦士…………ん? 足跡……?)
魔法使い「……勇者」
勇者「あぁ……まだ新しいな……僧侶の靴に似ているが……」
サァァァ……
魔法使い (風……それに、この……魔力……)
勇者「僧侶……?」
パァァァァ
僧侶『…………』
魔法使い (……悲しそうな、顔……)
勇者「どうしたんだ、僧侶……もう魔物は倒したんだ。……なのに、どうしてそんな顔をしている?」
僧侶『…………』パクパク
勇者「なんだ? 聞こえない……何を言ってるんだ?」
僧侶『…………』パクパク
魔法使い「……ごめ、んなさ……い……?」
勇者「何を謝っている? もう俺は気にしてない! きっと戦士だって……っ!!」
僧侶『……』
勇者「わかんねぇ……わかんねぇよ!! 謝るくらいなら戻って来てくれ! もう……これ以上、仲間を失いたくないんだ……」
僧侶『…………』フルフル
勇者「戻れないのか? ……何でだよ!! 俺たちは仲間だ! いつも一緒にいる仲間なんだ!!」
僧侶『…………』
勇者「なんで……だよ……なんでそんな顔をしてるんだ……」
僧侶『…………』スゥゥ
勇者「待ってくれ! せめて訳を話してくれ! 僧侶ォォッ!!」
スゥゥ…
魔法使い「……消え、た……」
魔法使い (魔力も……僧侶は、ここには……いなかった……きっと、魔力だけ……を飛ばしたんだ……)
勇者「くっ……俺だ……俺のせいだ……!!」
魔法使い「……ゆー、しゃ……それは……ちがう……」
勇者 (俺が弱かったから、戦士は死んだ……)
勇者 (もっと……もっと強く……!!)
魔法使い (勇、者……)
勇者「行こう……前へ進もう」
魔法使い「………」コクン