Part3
69 :
>>1:2014/01/12(日) 04:07:52.75 ID:
9PGvMSNF0
僧侶「皆さま、お待たせいたしました」テテテテ
勇者「よし。それじゃ先へ進もう」
僧侶「え、いや、あの勇者さま……なぜ戦士さまが焦げて……」
魔法使い「………」プンプン
戦士「ワッハッハッハ!!」プスプス
勇者「ん、まぁ……じゃれあった結果?」
僧侶「??」
勇者「仲が良い証拠だってことさ」ニコ
僧侶「……それならいいんです」ニコ
70 :
>>1:2014/01/12(日) 04:09:26.66 ID:
9PGvMSNF0
魔王「………」ムスー
勇者「とまぁ、俺たちは仲良く……あれ、どうした魔王?」
魔王「私もじゃれる………」
勇者「……へ?」
側近「え?」
四天王「えぇぇ!?」
魔王「私もじゃれる! 魔界の黒炎!」ドォン
勇者「四天王ガード!」サッ
水王「え、ちょ、勇者さま!?」
勇者「頼む、俺のために犠牲になって!」
風王「死ぬ死ぬ死ぬ!!」
勇者「大丈夫だ! 多分! きっと!!」
土王「……さようなら」
勇者「君のことは忘れないよ!」
火王「ムリムリムリ!! いくら火属の俺でも魔王さまの炎にゃ……!!」
勇者「ありがとうみんな! ありがとう!」
四天王「オイこら、勇者テメェェ! 勝手なこと言ってんじゃ……!」
ゴバァァァッ
魔王「ねぇ勇者。これで私と勇者も仲良し? ねぇ仲良し?」ニコニコ
ゆ■しゃ「アァ…ナカヨシダヨ…ナカヨシ…」
魔王「わーい///」エヘヘ
側近 (あの状況でも死なないとは……さすがは勇者さま)
■天■「」メラメラメラ
81 :
>>1:2014/01/14(火) 17:55:45.13 ID:
U9Jy1nH10
魔王「でもでも、そんなに仲が良かったのに、どうして今は一人なの?」
勇者「……仲良くやってたはずなのに……どこで間違った、俺は?」
魔王「?」
側近 (勇者さまも打たれ強い人ですねぇ)
魔王「ねー、勇者ぁ?」グイグイ
勇者「聞かせてやるから引っ張るな!」ガックンガックン
側近 (ちょっと勇者さまの旅の経緯を調査させてみましょうか)スッ
四天王 (了解)シュッ
82 :
>>1:2014/01/14(火) 17:56:34.88 ID:
U9Jy1nH10
………………
………
…
勇者「山を越えた麓の村……あれか」
僧侶「険しい山道ですね……」ハァ ハァ
戦士「魔物も強力な個体が増え始めたな」
魔法使い「………」フゥ フゥ
勇者「魔法使い、大丈夫か?」
魔法使い「………」コクン
勇者「僧侶の方は?」
僧侶「はい、何とか」
勇者「さすがにこの辺で野営は危険すぎる。何とかあの村まで……」フゥー
戦士「しかし、後衛の消耗が激しい。一端休憩を取らないか?」
勇者「……戦士は元気だなぁ」
戦士「俺はもともと山育ちだからな。このくらいなら平気だ」
勇者「そうか」
83 :
>>1:2014/01/14(火) 17:57:38.91 ID:
U9Jy1nH10
魔法使い「………」フゥ フゥ
僧侶「大丈夫ですか、魔法使いさま……」
魔法使い「………」チラ
僧侶「?」チラ
勇者「俺も身体能力には自信があったんだけどなぁ」
戦士「ハハハ、山登りに使う身体は普段のそれとはまた違うからな。仕方あるまい」
僧侶 (お二人を……いえ、魔法使いさまの見つめる相手は、勇者さま……?)
魔法使い「……だいじょ……ぶ」
僧侶「魔法使いさま、あまり無理をなされては……」
勇者「おーい、二人とも! この先に山小屋があったぞ! そこで休憩しよう!」ノシ
魔法使い「………!」シャキッ
僧侶「……ふふ♪」クス
勇者「大丈夫かー?」
僧侶「はーい。今、行きまーす」
魔法使い「………」コクコク
84 :
>>1:2014/01/14(火) 17:58:59.78 ID:
U9Jy1nH10
勇者「何にしても山小屋があってよかったよ」
僧侶「本当、助かりました」
魔法使い「………」フラフラ
僧侶「あれ? 勇者さま、戦士さまはどちらへ?」
勇者「周辺の索敵に行ってくれてる」
勇者「で、俺は君たちの護衛。とりあえず戦士が戻るまでゆっくり休んでくれ」
魔法使い「………」
僧侶「わかりました。さ、魔法使いさま。身を休めましょう?」
ザザザザザ……ビュオォォッ
勇者「っ!? 風か……」
僧侶「きゃっ?!」バサバサバサ
魔法使い「………気配」
ガサッ
魔物「ジェアァァァアッ!!」ババッ
僧侶「勇者さまぁぁぁっ!?」
魔法使い「……っ」
勇者「しまっ……!?」
魔物「シャァァーッ!!」
勇者 (避けきれん……やられるっ!?)グッ
ザンッ!
87 :
>>1:2014/01/15(水) 00:18:54.49 ID:
DdECQdqK0
僧侶「いやぁぁぁぁっ!!」
勇者「く……? な、何だ?」ヌル
魔法使い「ゆ……しゃ……よか……間に合っ……」ドサッ
勇者「え? え? ……魔法、使い?」
魔物「ゲギャギャギャ!」ベロリ
僧侶「うっ……」
戦士「どうしたんだ、何がっ……! 魔法使い!? 大丈夫なのか!?」タタタタ
勇者「……魔法…使い…」
魔法使い「………」ハァ ハァ
魔物「ギィィィ」ニタニタ
勇者「消え失せろ…」ギロ
勇者「迅雷」カッ
僧侶「ひっ?!」
戦士「ぐっ!!」
魔物「………ッ!!」ズガーン
戦士「あれが勇者のみが使える雷撃呪文……」
戦士 (魔物が消し飛んだぞ……)ゾワ
勇者「僧侶! 魔法使いの手当てを!!」
僧侶「……」ブルブルブル
勇者「? 僧侶!」
僧侶「っは!? すっ、すみません! こ、小屋の中に運んでください!」ダッ
勇者「わかった!」
勇者 (死ぬなよ、魔法使い!!)
88 :
>>1:2014/01/15(水) 00:22:42.58 ID:
DdECQdqK0
小屋 内部
勇者「あるのは粗末なベッドに、ランタン……他は、ないな」チッ
戦士「こんなものだ。それより、早くベッドへ」
勇者「あぁ」
僧侶「背中に大きく被ダメしてますね……うつ伏せに寝かせたら離れていてください」
勇者「何かっ……何か他にできることはないか!?」
勇者「俺の油断が、魔法使いをこんなにしてしまったんだ……」
僧侶「ありがとうございます。しかし魔法使いの服を剥ぐので、これ以上、勇者さまのお手を煩わせることはありません」サッサッ シュル
勇者「しかし…っ」
戦士「勇者ァ!!」
勇者「!?」ビクッ
戦士「後悔も、反省も、魔法使いが良くなってからにしたらいい。今は僧侶に任せるんだ」
勇者「ぐっ……!!」ギリギリ
戦士「そうやって立ち止まっていると、その分、治療が遅れるぞ?」
勇者「ぐぅぅ……!」
魔法使い「……ぅ……ぁ……」ハァ ハァ
僧侶「勇者さま……」
勇者「頼む……魔法使いを……」クルッ
スタスタスタ…ギィ バタン
僧侶「任せてください! 私たちは仲間です!!」フンス
戦士「俺は勇者を見ている。何か必要なものがあったら呼んでくれ」
僧侶「はい、お願いいたします」
ゴツゴツゴツ…ギィ バタン
僧侶「さて、と…まずは…」
89 :
>>1:2014/01/15(水) 00:28:36.01 ID:
DdECQdqK0
小屋 手前
勇者 (俺の油断が、魔法使いを傷つけた)ギリッ
勇者 (何が勇者だ……目の前の仲間すら守れず、戦士に諭されなかったら治療の邪魔まで……)ヒュッ
ドズン ゴガァァン
戦士「岩石を一撃……荒れてるな、勇者」
勇者「戦士……何か用」グイッ バキッ
勇者「ぐはっ!?」ドザァァ
戦士「立て、勇者」
勇者「な、にしやがる……!!」
戦士「何、わからず屋のバカに説教……てところかな?」
勇者「何だと?」
戦士「勇者なんていう大役に溺れ、自分を見失いつつあるお前は、バカで充分だろう?」
勇者「俺のどこが溺れている!? どこが見失っている!?」
戦士「わかってないから説教なんだ!」バキッ
勇者「がっ!? ……痛ってぇな、この野郎!」ガンッ
戦士「ぐっ! ハハハ、強くなったじゃないか!!」ドゴッ
勇者「強くなるしかないだろう! 俺は勇者なんだ!!」バシッ
戦士「勇者である前に、俺たちの仲間だ!!」ドンッ
勇者「!?」
戦士「お前は最初に、何を求めて俺たちの元へ来た?!」ガシッ ドガッ
勇者「ぐぅ……」フラ
勇者 (そ、そうだ……俺は確か……)フラ
90 :
>>1:2014/01/15(水) 00:41:46.54 ID:
DdECQdqK0
勇者『苦楽を共に歩める仲間が出来るだろうか』
91 :
>>1:2014/01/15(水) 00:43:31.04 ID:
DdECQdqK0
勇者「そうだ……苦楽を共に……」フラッ
ガシッ
戦士「わかっているじゃないか」ニヤ
勇者「せ、戦士……」
戦士「勇者だからって完璧である必要はない。俺たちは互いの足りない部分を補い合える」
戦士「仲間なんだ」
勇者「うっ……うぁ……っ、うぁぁぁっ」
戦士「今回は魔法使いに守られた。だから今度はお前が魔法使いを」
勇者「……あぁ」
勇者「護る、よ……仲間だから!!」ニコ
戦士「それでこそ、俺たちの勇者だ」ニヤ
92 :
>>1:2014/01/15(水) 00:47:03.37 ID:
DdECQdqK0
とりあえずここまで。
おやすみなさい。
93 :
以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/15(水) 01:34:41.83 ID:nwewCb2l0
乙
94 :
以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/15(水) 03:10:34.37 ID:FI1jUgwc0
乙
おやすみ
95 :
以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/15(水) 22:16:47.09 ID:kqXTCbfyo
期待
96 :
以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/15(水) 23:34:21.29 ID:DYqHVKZw0
さらっとかいてるが
戦士は岩砕くパンチをうけてるんだよな
97 :
>>1:2014/01/15(水) 23:57:47.13 ID:
k4xTKiWt0
よく岩石を投げられたり
想像を絶する大爆発を受けたり
巨大な火球だの
その辺の被ダメを考えたら
このくらいの攻撃力があっても平気かと…。
数レス投下します。
98 :
>>1:2014/01/15(水) 23:58:42.05 ID:
k4xTKiWt0
同刻 小屋 内部
僧侶「魔法使いさま、傷を見るために服を脱がしますね」
魔法使い「……ハァ……ハァ…」コクン
シュルル パサ
魔法使い「うぁっ……!」ビクッ
僧侶「すみません、少しだけ我慢してください」
魔法使い「…………」ハァ ハァ
僧侶 (出血ほど傷はひどくない……) グチュ
魔法使い「……んぁ……っ」ハァ ハァ
僧侶「身体の治療を……大丈夫ですよ、すぐに良くなりますからね」ナデナデ
魔法使い「足手、まと…いで……ごめ……なさい……」ポロポロ
僧侶「大丈夫です。勇者さまを守る、立派で大切な仲間です」キィィン
僧侶「慈悲深き、癒しの女神よ…」パアァァ
魔法使い「うぁぁっ……あ、あぁ…っ」ビクッ
僧侶「聖し御手を以ち、傷付いた汝が子に」パアァァ
魔法使い「あっ……ん、ふ……ひぁっ…!」ビクッ ビクッ
僧侶「光、示したまえ」パアァァ
魔法使い「……フゥー……フゥー」
僧侶「……よし、これで癒せましたね」フゥ
魔法使い「……ごめ……な、さ……」
僧侶「もう、謝ることはないんです。さぁ元気になって、勇者さまを安心させてあげましょう?」ナデナデ
魔法使い「………ん…」ニコ
99 :
>>1:2014/01/16(木) 00:04:50.66 ID:
cBKLz1640
勇者「魔法使い、大丈夫だろうか?」ソワソワ
戦士「なに、僧侶がついているんだ。勇者はどっしり構えておけ」
勇者「あぁ……」ソワソワ
ガターン
戦士「なにごと?!」
僧侶「ゆ、勇者さまぁ! 戦士さまぁ!!」ワタワタ
勇者「ど、どうした?!」
戦士「行くぞ!」ダッ
勇者「くっ!」タッ
ガチャ バン!
勇者「どうしたんだ、僧侶!?」
僧侶「ゆ、勇者さま……魔法使いさまが……魔法使いさまが……」
戦士「どうしたんだ? 落ち着け」
魔法使い「……んぁ……はぐっ……」ハァ ハァ
勇者「魔法使いっ!」
魔法使い「ひぁ……あぁっ……」ハァ ハァ
戦士「これは……高熱、多量の発汗…不整脈までか」
僧侶「……はぃ……」
勇者「どういうことなんだ?」
100 :
>>1:2014/01/16(木) 00:06:23.48 ID:
cBKLz1640
戦士「毒だ」
勇者「なっ……あの魔物か!?」
僧侶「身体の治療は済んだのですが、それがかえって悪影響を及ぼしたようなのです」
勇者「し、しかし解毒呪文を施せば……」
僧侶「もう試しました……」シュン
戦士「ふむ……魔法使いの単純な体力不足か」
僧侶「はい……」シュシュン
勇者「それは……」
戦士「この山道を余程無理してきたのだろう。蓄積された疲労と、癒しの呪文による身体の活性化が、毒の回りを早くしているようだ」
僧侶「こんなことになるとは思いませんでした……あぁ……私としたことが……」
勇者「いや、僧侶はよくやってくれた。悪いのは俺だ……仲間の疲労も考えず、進むことばかりで……」
戦士「勇者」
勇者「わかっている。後悔も反省も後だ。俺は俺の出来ることをする」
戦士「そうだ。足りない部分は仲間がサポートする」
僧侶「はいっ! 私に出来ることがあるなら何でもします!!」
勇者「麓の村になら、この魔物の毒に対する薬があるかもしれない」
勇者「魔法使いを背負ってすぐに下山しよう」
戦士「わかった」
僧侶「はいっ!」
勇者「戦士が前衛。俺が魔法使いを背負うから、僧侶が解毒呪文を」
僧侶「え、でも」
勇者「毒を打ち消すことは出来ないかもしれないが、進行を遅らせることは出来ないか?」
僧侶「……なるほど」
勇者「戦士には苦痛を強いられる……着いてきてくれるか?」
戦士「任せろ」
魔法使い「…………」ハァ ハァ
勇者「行こう」
仲間『おーっ!!』
101 :
>>1:2014/01/16(木) 00:10:04.79 ID:
cBKLz1640
身体能力等に左右される解釈をしていますので
こんな感じになっています。
と言うわけで、次は少し間が空きます。
102 :
以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/16(木) 01:15:37.45 ID:b6OLkYZq0
乙